プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

偏頭痛の経過観察で脳MRI/MRA検査を行い右大脳血管狭窄症と診断されました。
また、脳の核医学検査RI(脳の血流)と頭部血管造影検査を受けました。

その結果、
頭部血管造影検査で右大脳の側頭部へ延びる血管が
完全に閉塞している事が分かりました。
ただ、幸いなことに他の血管が閉塞している血管の周囲まで延び、
麻痺、言語障害、運動障害は起きていない状態となっています。

脳の核医学検査(脳の血流)では、
通常の日常生活では血流量は問題ないことが分かりました。
ただし、負荷試験(血管拡張剤)使用時には、
血流量が不足しているという結果となりました。

今後の処置としては、
カテーテルによる閉塞部分の改善は不可能で
開頭で行う脳血管バイパス術を進められています。

お聞きしたいことは以下の通りです。
(1)カテーテルによる閉塞部分の改善は難しいのでしょうか?
(2)開頭で行う脳血管バイパス術は賛否両論があるようですが
  行った方が良いのでしょうか?
(3)その他いい方法は無いのでしょうか?

よろしくお願い致します。

「脳梗塞の処置についてご教示いただければ幸」の質問画像

A 回答 (2件)

(1)難しいと思われます.



 脳血管撮影所見を見ないと何とも言えない部分はありますが,「右側頭部に延びる血管が完全に閉塞している」とのことですので,矢印で示された右中大脳動脈起始部の狭窄部分をバルーンなりステントなりで拡張したとしても末梢の血流は改善されない可能性が高いと思います.MRA所見だけをみると,非常に細く描出された中大脳動脈のうち,矢印の狭窄部分のもう少し遠位部にも狭窄が疑われる部分があります.ということは,動脈硬化性の狭窄は局所に留まらず中大脳動脈の広範囲にわたっていると考えるのが自然でしょう.広範囲な狭窄病変に対して,血管内手術による局所的な処置は意味がありません.

 また,No.1で回答されているように頭蓋内ステントの成績が最近報告されたようですが(USB99先生,勉強になります!),頭蓋内ステントは現在のところ,少なくとも日本では確率された治療法ではありません.したがって保険適応もありません.血管内治療を専門とする脳神経外科医が「症例を選んで」行っているというのが実情でしょう.ただ今回の検査所見を見て,血管内治療を勧める脳神経外科医は殆どいないと思います.もしも今回のケースを血管内で治そうとするのであれば,「かなり」challengingな治療となると私は思います.

(2)負荷試験も含めたSPECTで手術適応を決定していますから,問題無いのだと思います.

 脳神経外科の歴史的には,1970年代後半~1980年代にかけて頭蓋内の血管狭窄・閉塞に対してバイパス手術が盛んに行われた時期がありました.しかし1985年に日本を含めた多国籍の共同研究調査結果が発表され,バイパス手術は有効だという結果が出ませんでした.その後の「反省期」を経て1998年から日本において再度の調査が実施されました.Japanese EC/IC bypass Trial,通称JET studyです.この調査により,73歳以下で頭蓋内主幹動脈に高度狭窄/閉塞病変があり3カ月以内に一過性脳虚血発作を認めている患者のうち,SPECTで安静時脳血流が80%未満かつ負荷時に10%未満の脳血流増加症例に対してのバイパス手術は有効という結果が出ました.現在はこの基準に則ってバイパスの適応を決めるのがスタンダードだと思います.

(3)

 検査結果を全て拝見したわけではないので断定的なことは言えませんが,手術を受けるのがどうしても嫌ということであれば内科的に様子を見るという方法も無いわけではないでしょう(嫌がっている患者さんを無理やり捕まえて手術をすることはできません).ただしこのまま様子を見る場合には,脳梗塞のリスクをある程度抱えながら,ということに当然なると思います.

 或いは,片頭痛と今回の病変が関連無しと考えた場合,質問文から判断する限り今回は「無症候性」ということになります.したがって一過性脳虚血症状が出現してから治療するという方法もありかも知れません.しかし一過性脳虚血症状ではなく不可逆的な脳梗塞がいきなり起こってしまう可能性もありますので,予め手術をしておいた方が良いという考え方もあります.

 何れにしても病状を最もよく理解しているのは主治医の先生でしょうから,主治医の先生とよく話合われるのが良いと思います.
    • good
    • 1
この回答へのお礼

丁寧な回答ありがとうございます。
脳梗塞になっていろいろ調べ始め、開頭よりステントでの
治療の方が最先端と言うところから開頭による手術に抵抗が
ありました。本当に素人的考えですね。
主治医の先生ともお話をしてネットでいろいろ調べたり
聞いたり、セカンドオピニオンで納得してから
手術しましょうと言われています。
すでに内科的治療は開始していますが、偏頭痛は起こって
いないものの緊張性頭痛が頻発しており、脳梗塞との関連が
あるのではないかと自分で自覚しています。
内科的治療だけで乗り越えられないような気もしています。
アドバイスいただいた、両先生の言われるとおり手術に
望んでみます。
本当にありがとうございます。

お礼日時:2011/10/13 10:02

1)難しいというよりは、内科的治療より成績が悪かった(下記HP)ので、やる意味がありません。


2)開頭で行う脳血管バイパス術がSTA-MCA吻合術の事ならば、した方が脳梗塞の発症頻度が下がるという報告があります。

3)ないです。

参考URL:http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1105335
    • good
    • 0
この回答へのお礼

やはりバイパス手術する方がいいのですね。
開頭手術っていうのが怖くて踏みきれないんです。
ありがとうございました。

お礼日時:2011/10/13 09:24

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!