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 基本的に原油を精製して作られるガソリンは石炭又は天然ガスからの製造も可能らしいとのことですが、実際はどうなのでしょうか(ただし、採算に関しては考えないものとする)?

A 回答 (2件)

No.1の方と一部重複する回答になりますが、ご容赦ください。


石炭又は天然ガスからガソリンのような液体燃料を製造することは技術的に可能です。「採算に関しては考えないものとする」と質問条件にありますが、あえて言わせてもらえば、原料となる石炭や天然ガスが安く手に入る条件であれば、採算的にも可能ですし、実際に商業プラントが稼動しています。
第二次世界大戦中にドイツで開発された技術には、石炭に水素を添加して直接液化するベルギウス法と、石炭を一旦一酸化炭素と水素を主体とするガス(メタンガスではありません)にして、そのガスを鉄やコバルト触媒を使って液体にするフィッシャー・トロプシュ法(FT法)とがあります。
戦後は中東で安い原油が取れ始めましたので、石炭液化は忘れられましたが、南アフリカではフィッシャートロプシュ法が継続されて一大産業として発展していきました。
現在、南アフリカは制裁が解かれて石油の輸入が可能となったため石炭液化は採算が取れなくなるのではと思われていましたが、南アフリカの石炭液化技術はその間に高度な進歩を遂げており、石油に対抗できるほど改良されていました。(南アフリカの技術者の努力に敬意を表したいと思います)現在では、南アフリカの技術は世界的に導入され、石炭ではなくて天然ガスから液体燃料を作る方法として応用されています。No.1の方の回答にありますカタールのGTLプラントはこの技術です。
これとは別にロイヤルダッチシェルが天然ガスから石油製品を製造する技術(これもFT法
の一種)を開発しており、これはマレーシアで実用化されています。このプラントでは天然ガスから灯油や軽油、潤滑油などが作られています。灯油や潤滑油は日本にも輸出されていますので、そうとは知らずに使っている方がおられるかもしれません。
また、日本でも新潟の天然ガスから液体燃料を作る技術の開発が進められています。
このように石炭や天然ガスからガソリン他の液体燃料を作ることは夢でも何でもなく、原料の価格条件次第ですが、既に実用化されている技術です。また硫黄分や芳香族分が少なく、灯油や軽油としては品質的にも優れています。
ただし、温室効果ガスの発生量に関しては、ライフサイクルで分析すると石油よりも多くなるといわれており、この点では逆風となっています。
なお、もう一つの石炭液化法であるベルギウス法(直接液化法)については、紙面の関係で省略します。
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人造石油と言う技術は、石炭を持ち石油を持たないドイツで発明され、第二次大戦中はドイツで、その後は人種差別政策で石油を禁輸された南アフリカで発展した技術です。



基本的にはメタンガスから合成して原油に近い生成物を取り出すので、GTL(ガスtoリキッド)と言われる技術ですが、石炭をガス化してから合成するのはCTL、バイオ原料からメタンガスを取り出して合成するものをBTLと称します。

合成と言ってもFT反応と言う形でガソリン類似品から重油類似品までが出来るのですが、現在天然ガスの宝庫であるカタールに工場が出来て、主にヨーロッパ向けに大量製造が始まっています。

GTLについてはシェールガスと言う天然ガスの新タイプが多量に生産が見込まれるので、原油価格との格差からは充分に採算に乗るし、製品によっては石油系よりも優れた性状を持つため、今後も生産が増加すると考えられています。

但しガソリンについては性能は同じですが、ガソリン自体が余り気味なので、GTLは主に軽油を作る形で進んでいます。
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