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 太宰治の小説を読んだとき、なんて美しい日本語なんだろうと
思いました。それに文章がとても上手です。
もっと、こういう小説を読んでみたいです。
かつての文豪の小説はとても数が多くて、なにから読んだらいいのか
迷います。

皆さんのおすすめの日本文学を教えてもらえないでしょうか?
できれば、純文学で内容も素晴らしいのが良いです。

よろしくお願いします。

A 回答 (8件)

美しい日本語の文章は素敵ですよね。


私のおすすめは・・・

・三島由紀夫「春の雪」
豊穣の海という四部作の第一弾ですが、これだけでも楽しめます。
誇り高い若い公爵と、美貌の令嬢の恋とあらすじにはありますが、
老成した友情、家庭教師から得る思想論、異国の王子など
恋愛ものというより青春ものという印象があります。
そして何より ↓のような綺麗な表現が魅力です。

”わけても美しいのは夕映えだった。
ここから見渡される雲のことごとくは、夕映えの刻限になると、
自分がやがて染められる色が、紅か、紫か、柑子いろか、淡緑か、
あらかじめ感じ取っているかのようだった。
色づく前に、雲は必ず緊張のために蒼ざめた・・・・・・”

四部作なので、のめりこむと続編があるというのもいいですよ。
三島作品では京都の金閣寺放火を題材にした「金閣寺」もおすすめです。


・坂口安吾「桜の森の満開の下」
山奥に住む盗賊が ある日森で美貌の女を攫ったことで、
女の怪しい魅力と、桜の怪しさで自分を失っていく話です。
若干クセのある文体ですが、
”ひそひそと花が降る”と桜を表現するなど美しい日本語が見られます。


・薄田泣菫「艸木虫魚」
せっかくなので詩人で知識人の随筆もひとつ混ぜてみます。
薄田泣菫と書いて”すすきだ きゅうきん”と読みます。
日々の花や草、虫などの風景を淡々と綴ったものです。
6ページほどで一括りなので読みやすいとも思います。
この方のものでは、毎日新聞に掲載していたコラム、
「茶話」も(ちょっとお値段はしますが)面白いです。


あと、下の方が挙げてみえる漱石の「夢十夜」は私も大好きです。
これから買うのであれば、新潮文庫をぜひ手にとってみてください。
「夢十夜」は漱石のロマンティックな一面と、
とても美しい文章が綺麗に合わさった幻想的な短編ですが、
新潮社の文庫「文鳥・夢十夜」なら 他にも6編の短編が収録されています。
「思い出す事など」は「文鳥」とは異なりエッセイのような文体なので、
色々な漱石が読めるのでおすすめですよ(^^)

それと、お気に入り作家を探してみえるのなら
日本文学全集のようなものを図書館で借りるのも手です。
私はこれで谷崎潤一郎にすっかり惚れて、ほぼ全作読んでしまいました。
名前で敬遠していた作家が意外に魅力的かもしれませんよ。

長くなってしまいすいません。お気に入りの作家が見つかるといいですね。
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この回答へのお礼

 “春の雪”うっとりするような文章ですね、表現力がすさまじくて圧倒されました。
こういう文章が書けるからこそ、本物の“小説家”だと思います。そしてこの時代を代表する
小説家は皆、本物だと思います。
三島由紀夫は確か、太宰治を批判していたということを聞いたことがありますが、
私にとってはどちらかの方がすごいではなく、どちらともすごすぎるという存在で尊敬しています。
坂口安吾は気になってる小説家の1人です、“桜の森の満開の下”ストーリーを聞くだけで
もう気になってやれません。読んでみます。
ご回答者さまのおすすめを読んで、更に日本文学が好きになりました。
ありがとうございました。

お礼日時:2011/12/25 17:35

 良い回答と立派なお礼がついてる質問を、久しぶりに見ました。



 そこで、小生も一冊、と行きたい所ですが、作品とは違う推薦の仕方をします。

 お薦めは、太宰治全集です。
 作品全集はお読みかも知れませんが、日記や手紙、評論、戯言などまで入っている、全集です。

 もう一つのお薦めは、同体質の作家と言われ続けている、芥川龍之介作品と三島由紀夫作品です。
 おそらく両氏の作品は、すでにたくさん手にとられていることと思われますが、太宰と同じように、全集で読む価値のある、数少ない作家たちの一部であるように思います。

 他にも、漱石全集や宮沢賢治全集などなども、おすすめしたい所ですが、時間は限られていますので、取りあえず、太宰治全集をおすすめします。

 完成した湯船も素晴らしいのですが、垣間見える峻烈な源泉も、また楽しいかも知れません。
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この回答へのお礼

 私は太宰を好んで読んでいた十代後半の時期から、少し離れて違うもの、海外の小説や
現代小説、実用書などをごくたまに読んでいました。
それから二十代後半、久しぶりに今回太宰を読む機会があり、その日本語に深く感動しました。
何気ない一文でも上品で美しい、その一文一文読み進めていくたびに衝撃が走るような思いが
しました。
もっともっとこの時代の日本文学を読みたいと質問致しましたところ、
ご回答者様達のおすすめの作品を知ることが出来て本当にうれしいです。
また、これから年末にかけて、余暇が増えることでしょうから、ただごろごろするのではなく、
ごろごろしながら必ず手には常に日本文学を持っていたいです^^
日本文学に詳しい方が周りにいないので、ご回答者様達のご回答に感服しています。
少しずつ本棚に増えていく文豪達の小説は私の宝物です。
太宰治の全集、全集という考えはなぜか、私のなかにまったくありませんでした。
作品全集も読んでいませんので、これから太宰を追っかけるというのも良さそうですね。
太宰の存在時代も知りたくなってきているところですので、全集を読んで
太宰の一面を覗いてみたいです。
漱石、芥川、三島、宮沢賢治も少しずつ読んでみます。
ありがとうございました。

お礼日時:2011/12/25 18:37

当方、日本文学など全くの門外漢だが・・・、自分としては珍しく飽きずに最後まで読めたので・・・、



「野菊の墓」 :伊藤左千夫
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http://www.aozora.gr.jp/cards/000058/files/647_2 …
------------------------------------------------
・・・辺りは如何!?
(既読であればご容赦・・!)
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この回答へのお礼

 こういった方のご意見もとても貴重なもので、ご回答してくださったこと
に感謝しております。
“野菊の墓”なんとなく聞いたことがある気がしますが、
小説のほうは間違いなく読んだことがありません。
普段日本文学を読まないけど飽きることなく最後まで読めたということですので、
それがどういう理由なのか、実際に読んで理解したいと思います。
ありがとうございました。

お礼日時:2011/12/25 18:02

 まだ出ていないので 武者小路実篤の『友情』、文体的には太宰と全く違いますが永遠の名著だと思います。



 美しい日本語という観点からは、小説ではありませんが 武田百合子の「富士日記」、日記文学の傑作です。
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この回答へのお礼

 武者小路実篤、なんとも名前にインパクトがあり忘れようにも忘れられない名前ですが
読んだことがありませんでした。
私は小説家の名前を多く知っているにも関わらず、読んでいない作品がたくさん
あります^^; そのなかに素晴らしい小説がたくさんあると思うと、読まずには
いられません。ご回答ありがとうございます。

また“富士日記”は私も時々、日記を書いているので随筆家の日記というものは自分の
下手な日記とどんだけ違うのか思い知りたいです^^
日記が一冊の本として成立し、評価されているわけですから、
どんなことが書かれているのか考えてしまいます。
ありがとうございました。

お礼日時:2011/12/25 17:53

具体的な文学作品ではないのですが、美しい日本語につての考察や読書案内として読みやすい本で


安野光雅、藤原正彦 世にも美しい日本語入門 ちくまプリマー新書
http://www.amazon.co.jp/dp/4480687270 
 
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この回答へのお礼

 この本を読むと、更に日本語への思いが強くなりそうです。
小説を読み進めていくうえでの自分の解釈とは、また違った新たな発見
がありそうで、すぐにでも読んでみたいです。
藤原先生がおすすめする小説はどんなものがあるのかも知りたいです^^
私にぴったりの新書を教えてくださってありがとうございます!

お礼日時:2011/12/25 17:17

私も高校生のとき太宰文学から小説を読む楽しさに開眼させられました。

同時期にやはり感銘を受け、今でも最も愛する作家に国木田独歩がいます。はじめて「武蔵野」を読んだときの快感は忘れられません。好きすぎて殆ど暗記するほど読み返しました。
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この回答へのお礼

 私も小説を読む楽しさだったり、小説の好みなんかは
太宰治から、かなり影響されているなあと感じます。
内容も大事だけど、それ以前に日本語が美しいこと、文章が上手いこと
が私にとって、かなり重要なところです^^ 
国木田独歩、聞いたことがあります。
暗記するほど読み返すくらいなんてそんな本に出会えて幸せですね。
“武蔵野”という作品、探して読んでみたいと思います。
教えてくださってありがとうございました。

お礼日時:2011/12/21 23:08

こんにちは



自分がよいと思う作品について、作者と作品名のみ載せますね

・島崎藤村「破戒」
・田山花袋「田舎教師」
・芥川龍之介「羅生門」「蜘蛛の糸」「鼻」などの短編群
・梶井基次郎「檸檬」
・井伏鱒二「黒い雨」
・井上靖「しろばんば」「夏草冬涛」「北の海」の連作

有名なものばかりなので、既読の場合はご容赦下さい。

なお「美しい日本語」ということでは、
向田邦子氏の文章が絶品だと(個人的には)思います。

ところで、太宰の何をお読みになったのか気になります…。
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この回答へのお礼

 たくさん教えてくださってとても嬉しいです!
読んだことがない作品ばかりですので、これから読んでいって
美しい日本語にたくさん触れたいです。
ご回答者様の意見を聞いて、非常に向田邦子氏の作品に興味を持ちました。
太宰治はいくつか読んでおりますが、“走れメロス”が一番好きです。
太宰治のイメージといえば、
自分にとっては暗さだったり悩みだったり、そういうものしかなかったのですが、
ユーモアのある作品も多く、描写が上手で既存のイメージがあるぶん余計に可笑しくて、
だけど“人間失格”など重たい内容や“女生徒”などの違う視点からも書ける
とても気持ちの繊細さが際立っていて表現力豊かな素晴らしい作家だと思います。
私は昔の素晴らしい文豪の作品が好きだから、今、人気のミステリーなどのジャンルを
読んでもあまりしっくり来ません。
おすすめの作品を人に聞いても、今のミステリー小説を答えられる確率が高いので、
ご回答者様のご意見はとても参考になりました、
ありがとうございました。

お礼日時:2011/12/21 07:46

夏目漱石



短編「夢十夜」は朗読したくなるほど、すばらしいです(^-^)/
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この回答へのお礼

 さっそく読んでみたいと思います。
本の題名からして素敵ですね!
夏目漱石の本はいくつか持っているのでそれも
読み直そうかな。
早く読んでみたいです、今日さっそく本屋に向かいます。
本屋に行くととてもワクワクしますよね^^
ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2011/12/21 07:22

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