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 先日ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』を見ていてふと感じた疑問について、質問させてください。

 当時(AC1500年ころ)のイタリアって、たしかキリスト教圏でしたよね。
 でもヴィーナスって、ギリシャ神話の女神ですよね?
 キリストやマリアの絵を描くのなら分かるのですが、なぜギリシャの神様を描いているのでしょうか。
 ボッティチェリに限らず、ルネサンス期にはたくさんの画家がギリシャ神話の絵を描いていたと思うのですが、どういう理由からなのでしょう。

 ギリシャの神様を信仰していたわけではないんですよね?(キリスト教圏ですものね)
 当時の人々のあいだでギリシャ神話が(聖書的な意味でなく)物語として大流行していたということでしょうか?
 それとも、女性のヌードを描くのには、ギリシャ女神の存在がちょうど良かったということでしょうか?(普通の女性のヌードを描くのは不道徳、でも神様的な人のヌードなら神聖なものだから描いてもOK。とは言えやっぱり聖母マリアみたいな信仰の対象のヌードを描くのは気が引ける。そこで他宗教の女神が採用された……みたいな感じでしょうか? でもこの説だと女神限定の話になってしまいますね)
 あるいは、とにかく古代ギリシャの作品の真似をしたかった、ということなのでしょうか?(ルネサンスって古代ギリシャ芸術とかを復興させるのが流行ってた時期のことですよね? 古代ギリシャ人は普通に信仰の対象としてギリシャの神々を描いて、ルネサンス期の人はそれを真似てみたってことなのでしょうか)

 長くなりましたが、質問を一言にまとめると「なんでキリスト教徒がギリシャ神話の絵を描く必要があったのか?」ということです。

 私は美術の知識も宗教の知識もほとんどないので、あまり難しい言葉は使わず、簡単におおざっぱに説明してもらえると嬉しいです。
 また、質問文中で見当違いなこと・勘違いなことも言っているとは思いますが、どうか多めに見て、細かい間違いは流してやってください。
 よろしくお願いします。

A 回答 (4件)

この問題は「美術史」や「宗教史」という狭い範囲で考える方が、分からなくなると思います。



おっしゃるようにボッティチェリは、ルネサンス時代の人です。
ルネサンスというのは、それまでキリスト教でがんじがらめになっていた精神を解放しようとか、古典古代の文化の中に人間らしさを見出そうという人文主義が花を開いた時代です。

ルネサンス期までの絵画というものは、技術的なレベルが低かったというのもそうですが、題材が基本的にキリスト教に関係したものばかりだったんですね。そうではなく、宗教に捉われない自由な題材を芸術として表そうとしたわけです。
しかもこの時代は、キリスト教が生まれる前の古典古代の文化への興味が強まった時代でもあります。
この二つの理由を考えれば、ギリシャ神話などが芸術の対象になるのは、むしろ自然の流れではないでしょうか。

この時代の芸術家や人文主義者というのは、古いキリスト教の思想などに対して懐疑的・批判的な面があったと同時に、古典古代の文化に対して憧れのようなものがあったと思います。決して宗教としてギリシャ神話を信仰したりしていたわけではないと思います。「神」というものが出てはきますが、ギリシャ神話は「神話」であって、「宗教」とは捉えていなかったと思いますよ。

ちなみにボッティチェリの後半生は、宗教画ばかり描いていたそうです。サボナローラという宗教家の影響で、「ヴィーナスの誕生」や「春」のような絵は描かなくなり、過去に描いたキリスト教的でないものの多くは焼いたと言われています。
なので、これらはとても貴重な絵なんですね。蛇足かもしれませんが…。
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この回答へのお礼

つまり、ギリシャ神話に対して信仰心があったわけではなかったが、古典古代文化ブームだったから、ということですね。
わかりました。ありがとうございます。

お礼日時:2012/02/06 09:41

つくづく変わったスタイルをお持ちの文章ですね。

呼吸困難を感じてしまいそう。。。
なぜって、せっかく正しい情報をお書きになっても、そこから誤情報のごとき逸れた考えが溢れるように派生していて。

つまり、こうです。

> 当時(AC1500年ころ)のイタリアって、たしかキリスト教圏でしたよね。 【YES】
> でもヴィーナスって、ギリシャ神話の女神ですよね?  【YES】
> ボッティチェリに限らず、ルネサンス期にはたくさんの画家がギリシャ神話の絵を描いていたと思うのですが 【YES】
> ギリシャの神様を信仰していたわけではないんですよね?(キリスト教圏ですものね) 【YES】
> 当時の人々のあいだでギリシャ神話が(聖書的な意味でなく)物語として大流行していたということでしょうか? 【YES】

> それとも、女性のヌードを描くのには、ギリシャ女神の存在がちょうど良かったということでしょうか?

【女性のヌードを描こうという意味のほうが重要です。これは人間の身体を直視しようという思想によります。中世の西欧人は、人間の身体が躍動的に表現された芸術はギリシャ・ローマ彫刻であるということを発見しました。見捨てられていたギリシャ・ローマ文化には人間らしさや生命の輝きが溢れていると彼らは考えました。女性の身体を表現する芸術はギリシャ・ローマ彫刻にあったというわけです。
 さらに、芸術は正当な歴史を世の人々に教育する役目を担っていましたから、題材こそ重要でした。
 肖像画かキリスト教絵画でなければ、歴史的出来事を描く必要がありました。ギリシャ・ローマ神話は、忘れられていた歴史の発掘にほかなりませんでした。人間を探求してヌードを描いても正当性がないならば、それはポンチ絵であり芸術としての価値が与えられません。ギリシャ神話の正当性は人間の身体を描く絶好の題材でした。】

> 普通の女性のヌードを描くのは不道徳、でも神様的な人のヌードなら神聖なものだから描いてもOK。

 【絵画というものが好きなものを描けばいいというメディアではなかったことを理解しないとなりません。芸術の役割を果たすべきだと考えられていたので。そうした価値観のなかで、買い手である依頼人がいないものを描いても仕方ありません。不道徳という観点はさほどないです。題材つまり主題が不道徳というのでなければ。】

> とは言えやっぱり聖母マリアみたいな信仰の対象のヌードを描くのは気が引ける。そこで他宗教の女神が採用された……みたいな感じでしょうか?

 【聖母が裸体ないし半裸であるという記述が歴史にないのです。正当でないものは描けないのが前近代までの画家の仕事なのです。】

> あるいは、とにかく古代ギリシャの作品の真似をしたかった、ということなのでしょうか?

 【真似ともいえません】

> ルネサンスって古代ギリシャ芸術とかを復興させるのが流行ってた時期のことですよね? 【YES】 

> 古代ギリシャ人は普通に信仰の対象としてギリシャの神々を描いて、ルネサンス期の人はそれを真似てみたってことなのでしょうか

 【ギリシャ人にとって平面の絵は下等ですから彫刻に具現したのですし、ルネサンスの画家は人間美の正当性をギリシャ彫刻に求めてそれを絵画に具現したわけです】
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この回答へのお礼

わたしの認識の合ってるところと間違ってるところを分かりやすく指摘して下さってありがとうございます。
信仰心があったわけではない、古代ギリシャブームだった、ということですね。
ありがとうございました。

お礼日時:2012/02/06 09:44

女体ってやっぱりキレイなわけですよ。


ヌードをヌードとして書く、書けるようになったのは最近

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%89%E4%B8%8A% …

「現実の裸体の女性」を描いたことが「不道徳」とされ落選。

この世のものでなければOKだったんで、ギリシャ神話を題材にしたんでしょうね。
ギリシャブームだし。

ちなみに古代ギリシャ人は神話の絵なんて書いてない。彫刻がベストと思っていたから
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この回答へのお礼

やっぱり不道徳だったんですね。
参考資料まで張って下さってありがとうございます。

お礼日時:2012/02/06 09:47

ヴィーナスは美の象徴でしょ。


美しい女性でヴィーナスなら誰一人異論を挟め無いでしょ。

それから、キリスト教の国は現在も大量にありますが、そこら辺りの人間が、
キリスト教絵画ばかり描いたり見たりしてますか?

多様な絵画は何時の時代も需要があったのは当然です。

昔からヨーロッパではギリシャ神話は読み継がれていますから、そこにヴィーナス神の絵画があっても何ら不思議でも無い事でしょ。

質問者様は何か勘違いされてませんか?
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