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SV40 L T抗原が組み込まれた293FT細胞にpEGFP-N1を導入すると、pEGFP-N1にコードされているSV40 Oriが働き細胞内で複製が行われますが、この発現は一過性で安定していないという話を聞きました。

これはどうしてなのでしょうか?分かる方よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

  理論上は半永久的に発現が期待されますが、現実的には72hぐらいを境に発現量が低下して最終的には見えなくなるのが一般的です。

もちろん、それによって発現量を増大したりするわけですし、そもそもウイルスはそういう機構を使って宿主細胞に自身の遺伝子情報を増やそうとしているわけなので、全く一過性でしかないかといえばそうでないかもしれませんが、現実的には不安定なのです。

  何故かと言われると実際には「そうだから」というわけですが、まあ考えるには「ゲノムへの安定発現」か「エピソーマル」かどうかの違いも大きいと思います。ワッカのままだと、たとえどんなに頑張って増やそうとしても結局は「外敵」の一種なわけで真核生物では本来あり得ない、つまり細胞内でのヌクレアーゼによって分解されたり、そもそも細胞分裂によって数が減少したりして行くのでしょう。だから、「抜けやすい」という意味では非常に不安定というわけで実際、多くの一過性ではそうなってしまうのでしょう。もちろんエピソーマルで維持しながらゲノムに組み込まれれば安定化しますから、G418でない耐性マーカーを使えばクローン化することは可能ですし、たまにそういうのを見ます。ただ、もともそSV40が入っているのにわざわざ別の耐性マーカーでセレクションすること自体が非常にアーティファクトであるから、それなら別の細胞かたとえば293とかを使う場合が多いんでしょう。

 ちなみに大腸菌とかの場合は、そもそも外来の遺伝子かどうかワッカの状態では識別できないので、結果的に非常に安定に維持できる(特殊な株を除く)というわけではないでしょうか。もちろんそういう目的で使用する株の場合、安定になる様な遺伝子表現型にいじってあるという理由もあるのですが。

 厳密に、「不安定だ」ということを証明した論文があるかどうかといえば私は知らないので、そういう厳密性には欠けますが、そもそも遺伝子を導入すること自体が無理やりなので、こういうのは経験的なのもあると思います。

この回答への補足

ありがとうございます!
ウイルスのように増殖の制御が聞かなくて細胞が死ぬということも聞いたこともあるんですがこれもありうることなのでしょうか?

補足日時:2012/02/17 08:57
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