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風船や水滴のような球状のものの表面に働く張力は、内向きの成分を持っていて、それが球の内圧と釣り合っていると思います。ヤング・ラプラスの式も「使う」ことはできるのですが、ひとつ疑問があるために「わかった」気になれません。
球表面上の何処かの「点」で張力を考えると、張力は接線方向に働くので、力学的な作図をしても接線方向に釣り合うように力が働くだけで球の内向きの成分は出て来ないように見えてしまいます。実際には球は曲面なので曲率に従って内向きの力が働く筈ですが、接線方向に張力を考えて「釣り合っている」と考えてしまうことは、何処に間違いがあるのでしょうか?表面に働く張力の内向き成分を作図するとしたら、どのように作図すれば良いのでしょうか? 初歩的な質問ですみません。

A 回答 (2件)

一様なひもの両端を固定してたるませると,懸垂線という曲線を描くことをご存知と思います。

このとき,ひもの内部に生じる張力に対しても,同様の疑問を提起することができますね。たとえばひもの中央に無限小長さの要素を考えると,その部分が受ける力は正反対の方向を向く他の部分からの張力がつりあっているだけで,本来重力とつりあうべき鉛直上方の成分を持つはずなのに,それが見えなくなってしまいます。

これは,ひとつには重力が体積に比例する体積力であるのに対して,張力は面積に比例する面積力であることが関係しています。上の場合に張力は無限小長さの程度によって変わらない(太さは一定だから)のに対して,重力はまさに無限小になるところがポイントです。したがって,重力とのつりあいを考えるためにはわかりやすくいえば「無限小」のレベルを少しゆるめなければならないのです。また,重力とのつりあいを考えるときにひもの曲率がものをいうわけですが,この曲率というのが本質的に座標の2階微分で表されることとも関っていると思います。「傾き」で決まるのではなく「傾き」の変化する「傾き」で決まる,という点が直感を難しくしているのですね。

たとえばシャボン玉の表面張力においては,内圧と表面張力によって生じる内向き応力の成分がつりあうことになりますが,このとき内圧は単位面積当たり力,表面張力は単位長さ当たり力であり上のひもの例からさらに1次元下げた関係にあります。考察する無限小面を考えるとき,圧力は面積に比例して無限小になるのに対して表面張力による合力は境界線上の積分になりますから無限小のレベルが圧力の方が高いのです。また,当然ながらここでも面の曲率がものをいいます。ですから,つりあいを考えるときには面積の「無限小」のレベルを少しゆるめなければならないといえるでしょう。

結論を急げば,表面張力による球面の内向き応力を求めるには,少しゆるめた「無限小」の立体角で切り取られる球面の面要素を考え,その境界線にそって表面張力を積分したとき生じる力の曲率中心方向成分をとり,それを面積で割れば内圧とつりあう応力として考えることができます。
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この回答へのお礼

面積ゼロの点や線に加わる圧力による力はゼロだから、点や線の上で考えれば張力同士だけで釣り合って当然なわけですね。懸垂線の説明もたいへんわかり易く、すっきり理解できました。有難うございました。

お礼日時:2012/02/18 17:36

"点"に対して圧力はかかりません。


圧力は"面"に対してかかるのです。
面積が"0"の"点"に対してかかる圧力からの力は"0"なので考えなくてよいのです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。言われてみれば仰る通りです。

お礼日時:2012/02/19 09:57

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