犯罪歴や不祥事などの事実は、被害を被った者が真実性の証明を伴って公開した場合であっても、公開された相手側の告訴があれば、名誉毀損罪が成立します。
しかし、公務員に関する事項は、真実性の証明があれば処罰されません。(刑法230条‐2の3項)
ここでいう公務員には、公選の議員や行政職員など(いわゆる官僚、官吏など権力行政を行う者)が含まるのはもちろん、公営交通係員などの非権力現業(サービス義務)に従事する者、今はなき公共企業体職員(旧三公社職員)も含まれるとされます。
ところが、民営化後のJR各社や日本郵政グループの社員については、(特殊会社職員たるJR三島旅客会社の社員や郵便事業会社の社員などで、特殊会社法で定める贈収賄規定に絡む事件の当事者や、みなし公務員規定により公務に従事するとみなされる職員で、当該みなし公務の業務に従事する間の者を除いては、)刑法230条でいう公務員には該当しない、つまり、不祥事が真実であっても、むやみに氏名や事実をインターネットで公開すると名誉毀損罪に問われる、と解する法律専門家がいました。
本当に、元公社組織で公益性の高いJR各社や日本郵政グループの社員でも、刑法230条の「公務員」からは除外されるのでしょうか?
そうだとすれば、同じサービス業でありながら、都営交通職員に関する不祥事は公開しても罪に問われないのに、JR社員の不祥事は公開すると名誉毀損で逮捕されかねないことになります。
これが「法の下の平等」に反しないことを、プロの法律家はどう説明するのでしょうか?
例えば、道を尋ねた乗客に対し、イライラしたJR係員が暴行を働いた場合、そのような人の「お顔」写真をコッソリ拝借してインターネットで流した場合、名誉毀損でパクられる可能性はありますか?
※もっとも、(某宗教団体代表のような)社会的影響力のある立場にある私人の行為は、2の3項でいう公務員に該当しなくても、公共の利害に係る事項に該当するという観点から、名誉毀損には当たらないとする考えもありますが、ここではあくまで「2の3項」でいう「公務員」に当たるか否かという視点で質問します。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>そうだとすれば、同じサービス業でありながら、都営交通職員に関する不祥事は公開しても罪に問われないのに、
>JR社員の不祥事は公開すると名誉毀損で逮捕されかねないことになります。
>これが「法の下の平等」に反しないことを、プロの法律家はどう説明するのでしょうか?
意味不明。それ事実なら、公務員をクビになっているはずなので公務員でないはず。
>例えば、道を尋ねた乗客に対し、イライラしたJR係員が暴行を働いた場合、そのような人の「お顔」写真を
>コッソリ拝借してインターネットで流した場合、名誉毀損でパクられる可能性はありますか?
「お顔」写真をコッソリ拝借は、場合により著作権違反ですが、そこは問わないとして。
また、暴行を働いたというのが真実として。(でないと質問の意味が無い。)
暴行を働いたなら、それは犯罪(傷害罪)。
ゆえに、本人が訴えた以上、230条の2により、公務員であるかにかかわらずアウト。
どうしてこんな例をあげるのかが問題。
公務員かどうかが問題となるのは、公益性のないもの(たとえば浮気)でしょう?
それ以外を取り上げても、現行法では差がでないはず。
ヒラの公務員が浮気したとしてつるしあげていいか? まあ、NOでしょ?(純然な私事。)
ヒラの公務員が業務でバカやったことをつるしあげていいか? こちらはYES。根拠は、国家公務員法(地方公務員法)違反だから。
fuss_min さんが問題にしているところは、本来ならこの手の問題(公務員のときの、公益に関係ないトラブル)だけです。
公益に関係あるトラブルは、それが真実であるなら、名誉毀損に該当しません。
(刑期を勤め上げた場合は別。社会復旧の傷害になる言動となるのでアウト。)
ですから、名横毀損付近の刑法の文の問題点は、
公務員の場合、私事を暴かれても提訴できないが、JR社員は私事を暴かれた場合は提訴できる。
(それ以外:刑法の条文のどここかにひっかかる。)
こうなります。 ゆえに、
公務員の場合、私事を暴かれても提訴できない。なぜ???
というならわかります。(まあ、地方公務員法37条が原因だと思う。私事にまで適用できるか記述ないけど。)
でも、暴行という、明らかな犯罪行為に対してだからねえ。
刑法230条の2-2により、提示された事例については、公務員であるか否かにかかわらずアウト
としかいいようがありません。
※ヒラ公務員の私事をあばくとことについては、私はNG派です。でも、
>道を尋ねた乗客に対し、イライラしたJR係員が暴行を働いた場合
というのが勤務時間中であれば、私事とはみなさない派です。
個人責任なのか会社責任なのかは、どっちでもいいけど。
この意味で、
公務員の法令違反:個人が責任をとる。(要するに尻尾きり。)
会社:会社が責任を取る。個人に責任は及ばない。(社内制裁により、結局は尻尾切り。)
であるので、株式会社の特定個人に対する攻撃は反則、特定公務員に対する攻撃は許容という意見です。
No.1
- 回答日時:
これは、学説の分かれている問題です。
○甲説
ここに言う、公務員というのは7条の公務員
と同じだ、と考える説。
第7条
1.この法律において「公務員」とは、国又は地方公共団体の職員
その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員をいう。
2.この法律において「公務所」とは、
官公庁その他公務員が職務を行う所をいう。
○乙説
そうではなく、この法の趣旨は憲法15条に基づくモノで
公務員の行動を国民の監視におこうとする
ものだから、政治家とかに限定すべきだ、と
する説。
甲説にたつ学者も、「関する事実」を限定的に
解して、名誉毀損の成立を広く認める傾向にあります。
私は、憲法15条の趣旨から、ここに言う公務員とは
政治家のような公務員であり、国民が不断に監視する
必要のある公務員と理解すべしと考えています。
そうでないと、質問者さんが指摘しているように
民間でもやっている業務を、たまたま
公務員としている場合との間で、均衡がとれないと
考えるからです。
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