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新古典派のワルラスやマーシャルの後に登場したものに完全競争論がありますが、ここでは生産者均衡というものが描かれています。一般的に、U字型費用曲線と言われているようです。

そこで、この生産者均衡というものは、生産物1個あたりの費用を示す平均費用のことなのでしょうか?

私が読んでいる経済学の本には、完全競争論には生産者均衡という重要な概念があるとされておりますが、そこで記載されていることは平均費用のことです。そのため、私は生産者均衡とは平均費用のことなのかと思っているのですが、生産者均衡と平均費用は名称が異なっているため、自分の認識に自信がもてません。

解る方がおりましたら、ご教示お願い致します。

A 回答 (4件)

ANo.3の第4パラグラフで字が抜けているので訂正―以下のように訂正します。



「では与えられ価格のもとで、どこまで生産すれば利潤が最大化されるかというと、与えられた価格と限界費用が等しいところまで生産したとき利潤は最大化されるのです。」

つぎに、長期的には「生産者の均衡」はどうなるか、追記しておきます。
価格がU字型の底で与えられる、代表的企業の平均費用の最小点よりも高いときは、価格=限界費用で与えられる利潤最大化生産量は平均費用最小生産量より大きく、かつ利潤はプラスになると書いた。しかし、この代表的企業の「生産者均衡」は短期的には成り立つが、長期的には成り立たない!この高い価格が長期的に持続すると予想されるなら、代表的企業には規模を拡大する誘因が存在するだけではなく、正の(超過)利潤を求めて、新規企業が続々と参入するからである。この結果、価格は下落し、このプロセスは利潤がゼロとなるまで続くからである。したがって、長期の「生産者の均衡」においては、価格が平均費用曲線のU字型の底の値と等しいところで成立する。さらに、限界費用曲線は平均費用曲線の最小点を下から上へ横切っていることを思い出すなら、長期の「生産者の均衡」においては、価格=限界費用=平均費用が成立していることになる。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2012/11/11 22:46

議論が混乱してきましたね。

整理し置きましょう。

・現代では均衡という言葉は、市場均衡(あるいは一般均衡)の意味で使うのが普通で、家計の均衡、生産者(企業)の均衡という言葉は最近ではあまり使われません。確かに、ワルラス、マーシャルの後に現れてミクロ経済学(一般均衡理論)を発展させたヒックス(J.R. Hicks)の『価値と資本』には、そういう言葉が使われており、この本の第6章は「企業の均衡」というタイトルになっています。(家計の均衡に対してはヒックスは「私的個人の均衡」というような言葉をつかっています。)しかし、たとえば、現代のミクロ経済学の代表的教科書の一つであるHal VarianのMicroeconomic Analysisではそういう言葉は一切使われていません。

・ある一つの財の市場均衡とは、(1)各家計が所与の価格と所得のもとで効用を最大化する消費量を選択している、(2)各企業が所与の価格のもとで、利潤を最大化する生産量を選択している、そして(3)その所与の価格のもとで、各消費者が選択した消費量の合計と各業が選択した生産量の合計が等しい、つまり、当該財についての需要と供給が等しい状態が成立しているときをいいます。(3)の条件は、各主体(家計と企業)が与えられた価格のもとで最適に行動したとき、それらの行動の結果が整合的であることを要求しているのです。一般均衡とは、すべての市場でここで述べた(市場)均衡が成立していることをいうのです。

・(1)の状態が成立しているとき、「家計の均衡」、あるいはヒックスの言葉を使うと、「私的個人の均衡」、(2)の状態が成立しているとき、「企業(あるいは生産者)の均衡」といいます。したがって、ANo1の繰り返しになりますが、「家計の均衡」とは、(各)家計が与えられた価格のもとで効用を最大化している状態、「企業の均衡」とは、与えられた価格のもとで、(各)企業が利潤を最大化している状態を指すのです。

・では与えられ価格のもとで、どこまで生産すれば利潤が最大化されるかというと、与えられた価格と限界費用が等しいところまで生産した利潤は最大化されるのです。この話に平均費用がどのようにかかわってくるかというと、平均費用曲線がU字型をしているときは、限界費用曲線はU字の底(平均費用が最小となるところ)を下から上へ横切る形で上昇していく。(限界費用曲線は平均費用より急速に上昇していく。)したがって、与えられた価格がU字型の底の値(平均費用の最小値)より高いときは、価格=限界費用の点は平均費用の底よりも右にくる、つまり、平均費用が最小になる生産量より大きい値を生産することによって利潤は最大化される(さらにこの場合は価格=限界費用生産量において価格は平均費用を超えているので、利潤はかならずプラスになる)。したがって、価格が平均費用の最小値より高い値に与えられるときは、平均費用を最小にする点で生産をすることは最適な行動とはいえないのです。では、与えられた価格が低く、U字型平均費用の底より下の値をとったときはどうか?このときは、価格=限界費用まで生産するという最適の行動をしても利潤は負の値(損失)をとることになる。このときは、操業を停止したらよいのか、操業を続行したらよいのか、という問題が起こりますが、固定費用の問題が絡んでくるので、対象の期間が短期なのか、長期なのかによって答えはちがってくる。
・さらに、平均費用がU字型ではなく、生産を拡大するほど逓減するときはどうなるかという問題を考えてみよう。このときは、限界費用は平均費用の下方に位置することになるので、価格=限界費用という行動をとったとしても、最大化された利潤は負の値をとることになる。別の言葉を使うなら、「生産者の均衡」は存在しないことになる。このような産業、つまり平均費用が生産拡大とともに低下する産業を「自然独占」産業といいます。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2012/11/11 22:46

平均というのは、総合計を合計したものの数で除した値のことでしょう。


それが費用を対象にしたものならば、平均費用と言うのでしょう。
条件によって、合計できるものの数が変わるとか、総合計そのものが変わる場合には、平均費用曲線のようなものをグラフに図示できると思います。
そのグラフがU字形に似ている部分を有していれば、U字型費用曲線と称することもできると思います。
そのU字型費用曲線で底に当たる部分は、グラフの描き方にもよりますが、平均費用が取り得る最低値を示しているのではないでしょうか。 「平均費用」と「平均費用の最低値」とは用語の定義が違うと思います。
U字型費用曲線をグラフに描く人は、横軸は何を意味するつもりでグラフ化させるのでしょう。状況の違い、選択状態の違いに対する、平均費用の状況を図示させるつもりではないでしょうか。
均衡というのは、(ウイキペディアで経済学関係の説明として) 「(a)モデル内における各主体が明確に定義された仮定に基づいて行動し(通常は効用・利潤最大化が仮定されるが、必ずしもこの限りではない)」、「(b)各主体の意思決定が他の主体の意思決定と整合的である(例えば、ある財の供給量と需要量が等しくなる)状況を指す」とあります。
すごくわかりにくい日本語のように思いますが、とりあえず「整合的」は「関係者の意思や行動が食い違わないで『じゃあソレで』と合意納得できるというような状態の」という意味にすることにします。 (a)は、「他の要因や想定してない感情」ではなくて、「示された条件だけを合理的に考えて」という意味です。 他社に有利なようにするとか、みんなが得になるように考えてというのではなくて、自社の利益が最大になるようにという判断を最上位にしてというような仮定を置くことです。 そのような仮定を前提にすれば、平均費用が最小になる選択が均衡状態となります。 通常の日本語で考えると、「平均費用が最小になる選択以外の選択ではまだ費用を下げることが可能な選択が残ることになるので、色々と考えた後、平均費用が最小になる選択をすることに(落ち着く)=平均費用が最小になる選択で(均衡する)」というのだと思います。
生産者均衡ポイントと平均費用最小ポイントは一致すると考えるのではないかと思います。
あるいは、「生産者均衡」を検討する時には「平均費用のカーブ」を調べるというのかも知れません。
同じ事象に対して、生産者均衡と平均費用と2種の名称がつけられているのではないと思います。
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この回答へのお礼

わかりやすいご説明、ありがとうございます。

お礼日時:2012/04/02 15:11

・生産者(あるいは企業)の均衡を考える前に、家計(あるいは消費者)の均衡を考えてみましょう。

家計の均衡とは、選好あるいは効用関数を持つ家計が、与えられた価格と所得のもとで自らの効用を最大化するように所得を各財の消費に配分している状況を指します。同様に、企業(あるいは生産者)についても、ある生産物を生産する技術(生産関数)を持つ企業が、与えられた生産要素の価格と生産物の価格のもとで利潤を最大化する生産要素のインプット量と生産物のアウトプット量を決定している状況を生産者あるいは企業の均衡といいます。

・ワルラスやマーシャルが主として対象とした市場は完全競争が行われる市場です。完全競争市場とは、市場に参加する主体(生産者と消費者)が価格を所与として行動する市場のことです。各消費者(家計)は、たくさんの(消費財)生産物の市場に参加しているので、たくさんの市場価格に直面しています。各(競争)企業は自分の生産する生産物の市場で価格を所与として行動するだけでなく、生産要素市場でも価格を所与として行動します。たとえば、野菜を生産し、市場に供給する農業生産者を考えてみましよう。生産物は野菜ですが、野菜を生産するためには、(おおざっぱにいって)土地をレンタルし、肥料を購入し、労働者を雇い、それらを最適に組み合わせることによって野菜を生産する。したがって、野菜の市場だけではなく、土地の賃貸市場、肥料の市場、労働市場に関係し、それらの価格(野菜の市場価格、地代、肥料価格、賃金)についても所与として行動していることになる。

・生産者が各生産要素の限界生産物の価値を各生産要素の価格に等しくなるように生産要素の組み合わせを選択しているとき当該生産者の利潤は最大化されているので、これが成立しているとき生産者の均衡が成立していると呼ぶことができます。この利潤最大化の条件はこの生産物を生産するための費用関数(費用曲線)を使っても表わすことができ、その場合には、利潤が限界費用に等しいという条件でも表わすことができます。この条件に平均費用がかかわってくるのは、このようにして決定された生産量のもとで平均費用が市場価格を超えていたら、企業の利潤は負(損失)となるので、市場価格は平均費用を超えていなくてはならない、という制約としてかかわるだけです。
   
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2012/11/11 22:46

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