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 測量に興味があり本を読んでいるのですが地籍測量と用地測量の関係が良くわからず悩んでいます。地籍測量は国土調査法に基づき基本三角点及び基準点を基に一筆地調査を行いその成果として登記所に第17条地図を備えることと理解しています。その地図には平面直角座標系の根拠があると思います。そこからなのですが用地測量などの公共測量を行う場合どの程度まで地籍測量の成果がいかされているわからないのです。というのも土地家屋調査士が作成する地籍測量図には基準点の明記はなく法律上も定着性の地物を基準にして良いということになっています。また、公共機関も任意の地点を基準点に定めていることもあると聞いています。ということは地籍測量とあまり関係が無いのでは。つまり座標面での繋がりが無い(信頼性が無い)のではという疑問が沸いてきます。実際はどうしているのでしょうか。この点につきましてわかる方がいましたらお願いします。

A 回答 (4件)

 「地籍測量」はあくまで国土調査法に基づいて行われた測量、若しくは第19条で認証された測量に限ります。



 「基準点測量」は近くに国家座標点があればもちろん利用しますが、なければ任意の座標で行います。用地測量だけでなく道路の線形を決めたりするのに使われます。

 「用地測量」は筆の境界と面積の確定ができれば済みますので、座標があれば利用しますが、なければ任意の座標を使用します。(遠距離だと測量費が嵩むため)
 任意でも、位置関係を明確にするため必ず座標は必要になります。
 国家座標を利用しない場合でも、現地において厳然と境界が確定されているため、何の問題も起きません。
 将来地籍測量が行われれば、座標の修正が行われるだけで、位置関係は変わりようがありません。あいまいな基準ではなく、閉じたエリアでの座標を使用しているだけです。(閉じたエリアというのは、公共用地と民地とに囲まれた範囲のことです。公共用地は自治体が境界確認するので、反対側の民地とは境界の問題が起こりません。)

 また国土調査法第19条による認証をうけた公共測量は地籍測量と同じ扱いとなります。

「熊本県 国土調査法第19条第5項の指定」
http://www.pref.kumamoto.jp/traffic/chiseki/26.h …

 本来、国家座標で全て筆の座標が確定していれば、用地に関する問題はかなり軽減されます。しかし先進国の中でも日本は特に遅れており(バブルの影響も大きい)、県によっては20%未満の実施率となっているところもあります。

「地籍調査の実施状況」
http://tochi.mlit.go.jp/home/c_frame.htm

 最近のGPS測量の発達により、ようやく進展が見られるようになってきました。
 地籍測量が行われると、それまでの座標系との修正が行われるだけです。地籍測量後は境界に国家座標を持っていますので、基準点測量の作業は格段に軽減されます。

 ただ地籍測量において全ての境界が決まることはありません。相続問題や失踪などで立ち会いができない場合があるからです。その場合はかなりやっかいなこととなり、その後の用地買収は困難となります。

「国土調査における筆界未定地の処理方法」
http://www.bekkoame.ne.jp/~prtybell/kyoukai/hikm …

 また地籍測量後は所有権の境界と公法上の境界は一致しますが、用地測量を行っていれば、地籍測量を行っても境界は変わることはありません。(両者の合意がある為)
 所有権の境界と公法上の境界の不一致というのは、明治時代の地租改正時の「字絵図」と、現況の不整合をいいます。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなりました。丁寧な回答をありがとうございます。所有権の境界と公法上の境界の不一致が地租改正時にさかのぼるということは本で確認いたしました。また、閉じたエリア内での座標の使用という回答は説得力がありました。初歩的な疑問なのですが私はいくつかの地積測量図を見たのですがそこにはどこの基準点から測量したことが明記されていません。境界標と地番及び求積方法が明記されているぐらいの情報です。そこでたとえば私がトランシットでその土地を測ろうとしてもどこを基準にして良いのかわかりません。任意の境界標を基準に測り地積測量図と同じ縮尺に出力して比較するということは出来ると思います。しかし、正確な比較は出来ないと思います。(面積の差異は判断できると思いますが。)その点で地積測量図の目的とは何だろうという素人の素朴な疑問があります。専門家の方は分筆などをする際にどのような基準で測量しているのでしょうか。この点につきました教えてもらえればと思います。

お礼日時:2004/01/12 22:19

地積測量=用地測量の目的は


1.現地における境界を確定すること。
2.面積を確定すること。
の2点になると思います。

座標は国家座標との関連がなくても、現地に厳然と境界杭が打たれているので、位置関係は変わりません。
任意の基準点は通常、移動しがたい構造物に設置します。
境界点自体が、移動しがたい構造物に設置してあれば基準点は必要ないです

この点が存在しているうちはいいのですが、時間が経ってから分筆するときは、基準点や境界が移動したり、消滅している場合があるので、隣地を含めて、再度境界の確認をする必要があります。

その場合も公共用地などの境界を基準として、各筆の登記簿面積との整合を図ります。

この時に誰しも登記簿面積より減るのはいやなので、現地の全体面積の合計が少なかった場合は、関係者間の調整が必要になってきます。

しかし登記簿面積はいわゆる「縄延び」が生じているため、現況よりも多いのが普通です。(「縄延び」大昔の測量は、縄を使って行っていたための誤差のこと。)

地籍測量が行われた地域であれば、このような2度手間が不要になるので、最も大きなメリットとなります。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。いろいろと調べたのですが古い地積測量図は面積が三斜法で求められているものがあり、各辺の辺長や杭の種類も明記されていないようです。地積測量図からは座標が読み取れないようです。登記には形式的確定力があっていったん登記された図面に従い筆界線を復元した上で次の作業にとりかかるということですが復元には数値法と図解法があるということを知りました。(内容はまだ良く分かりません)。このような手間を避けるために最近は境界が何らかの理由で移動したり消滅したりしている場合に備えるために、引照点測量を施し観測値の記録や写真を保管しておくということも分かりました。国土調査法に基ずく関係者立会いで行われる地籍測量が行われた地域は国家基準点との座標値が求められるのでより正確な境界が復元することが出来るということが分かりました。素人の的外れな質問だったと思っていたのですがかなり現状の問題点に関係していたのには驚きました。いろいろと勉強になりました。ありがとうございます。

お礼日時:2004/01/13 23:26

 余り自信のあることではありませんが,ひとつ重要なことは,国土調査(地籍測量)で測量されている対象は,公法上の境界といわれるものだということです。



 この公法上の境界は,登記簿で示される1つの地番(1筆)に対応する現物である土地の所在を示すものであり,明治初年の地租改正の時点で確定され,未来永劫変動しないとされているものです。

 この公法上の境界は,明治初年に確定したというものの,それを示す地図が,いわゆる字図という見取図的なものしか存在しなかったため,そのままでは境界紛争が生じるだけでなく,土地の取引の支障にもなるということから,1筆の土地の所在を客観的に特定できる地図を作成するために,国土調査法が制定され,現地再現性のある地図が作製されることになったということです。

 ですから,いわゆる17条地図では,土地の形質がいかに変わっても,また,何年経っても,1筆の土地を特定できなければなりませんから,必ず公共座標を基準点に取る必要があります。

 公法上の境界というのは,一般には非常に理解しづらいものですが,土地の境界は所有権の境界とは違うという説明がされます。例えば,100番地の所有者が101番地の一部を時効取得した場合には,100番地の範囲が拡がるのではなく,101番地のうち時効取得した部分を分筆して例えば101番2とし,101番2の土地について,時効取得を原因とする所有権移転登記をしなければならないというのが,不動産登記法の考え方です。

 これに対して,用地測量などでは,事業の用に供する現地である土地を特定できればよく,しかも,事業計画が立てられてから完成するまでの比較的短い期間だけ特定できればよいのですから,現地の地物を基準点にとっても,大きな差し支えはありません。

 土地家屋調査士が作成する地積測量図(分筆測量図)は,17条地図がないこと(現地再現性がなく,ときにには全く現地と合わない字図しかないこと)を前提に,せめて分筆された土地だけでも,形状を特定し,土地の面積を明確にする(土地の面積は登記事項になります。)ためのものですから,そもそも公共座標を参照すること自体が予定されていなかったわけです。

 もちろん,そのために,現地ではあり得ない土地が登記簿上は存在しているということもあります。特に,高度成長からバブル期に投機の対象となった土地には悲惨なものがあります。

 今後は,17条地図が整備されているところは,17条地図がベースになって,これと矛盾する分筆登記は受け付けられませんから,そのような混乱は減っていくものと思われますが,17条地図がベースとなる場合には,17条地図が公共座標に基づいていますので,分筆のための測量図は,やはり,公共座標を基点とする必要がないことになります。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。私は建築系の仕事に携わっていますが最近測量というものがおもしろくていろいろと本を見ています。実務が分からず(機械の操作、計測法は分かるのですが)どうやら基準点測量、地籍測量、用地測量がちゃんぽんになっているようです。素人考えでは地籍測量図の一つ一つの筆点は日本の国土の座標に関連づけられているのに違いないと思い込んでしまいます。よく考えると登記というものは税金を納めるためや所有権の表示にあるとすれば座標など必要ないのかもしれません。回答の公法上の境界と所有権の境界の違いということがポイントのような気がします。まだ良く飲み込めていません。まだ理解するのに時間がかかるようです。詳しい回答ありがとうございました。

お礼日時:2004/01/10 23:32

ほとんどは、区画整理・公有水面埋立などに


伴う用地測量の成果を
国土調査による成果に準ずるものとして
認証しています。

独自の17条地図は、当方の近くでは
全く作成されていません。

絵に描いた餅です。

この回答への補足

 建築の配置図は地籍測量図の輪郭を写本して建物を配置して完了ということを聞きました。地籍測量図も座標は載っているのですが平面直角座標系の座標と関係無いのでは。案外あいまいな基準で作製されているのではという疑問が質問の発端です。

補足日時:2004/01/10 21:58
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この回答へのお礼

早速な回答ありがとうございました。私は伊能忠敬的興味で質問をしていまして実務上のことが良くわからず済みません。国交省公共測量作業規定の用地測量の境界測量には4級以上の基準点に基ずき放射法により行うと書いてありました。地籍測量の17条地図とは関係なく4級以上の基準点を使用して地籍測量図を書いていると解釈しました。回答の区画整理・公有水面埋め立てなども同様と解釈しました。
もし違うようでしたらお手数ですが回答をお願いします。

お礼日時:2004/01/10 22:29

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