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お世話になります。

概略
刑事裁判において、裁判長は検察の求刑以上重い実刑判決を出せるでしょうか?
またその逆に被告人側が求刑以上の重い罰を希望して、それが適わない場合、判決を不服として控訴、上告はできるでしょうか?

詳細
京都の未成年者による無免許運転、その挙句の暴走事故はあまりにも悲惨な事故でした。
検察の説明によると、
「危険運転致死傷罪での立件は難しいので、それより軽い自動車運転過失致死傷罪を適用したい」
とのことでした。
市民感覚なら、かの少年は死刑になってもおかしくないぐらいですが、全くおかしな話です。
検察としては「当たって砕けろ」よりも「確実に点を取るために送りバント」といったところでしょうか?

そこで質問です。
この事件に限らず、「この事件に対して、この求刑はあまりにも軽いのではないか?」と裁判長が判断して、検察側に指示して適用する法律を変えさせたり(もちろん、裏の打ち合わせではなくて法廷において)、検察が求刑した罰よりも罰を重くして、適用する法律の最高刑を課すような判決を下すことはできるでしょうか?

あるいは逆に被告人側は
「私は大変な罪を犯してしまった。とても罰金や懲役で償えるものではない。深く反省し、自ら死刑を望みます。それが適わなければ控訴、上告してでも死刑を望みます」
と主張することは可能なのでしょうか?

出来る場合、できない場合、それぞれ理由を挙げて回答をお願いします。

A 回答 (8件)

>危険運転致死で起訴し,予備的訴因として自動車運転過失致死を主張するということも不可能ではなかったはずであり,それをしなかったのは単に「裁判員裁判にするのが嫌だった」という可能性も否定はできません



かような根拠の乏しい陰謀論で結論つけちゃいかんだろう。ここは歴史や政治を論じる場ではないぞ。
ただ、検察の名誉のためにもいうておこう。そのような陰謀論はたわごとである。
裁判員裁判を回避するために、強姦致傷罪を強姦で検察が起訴した試しはある。こういう一部起訴は合法である。
しかし、それは、仕事が面倒になるからという理由ではなく、被害者が裁判員裁判を回避したいという希望があったから、検察は回避したのである。


>危険運転致死
危険運転致死罪とは「危険な運転」をすればすなわち即成立するという罪ではないのである。それは条文を読んでいないものの誤解である。

条文をみていただきたい。危険運転致死の構成要件はかなり類型化され個別的である。そして、それらのいずれにもあたらない運転行為はどんなに「危険」であっても「危険運転致死」にはならない。そういう立法の作りになっている。わしの周りでは、構成要件に該当しないから、方針を変えたという見解が多数である。それは条文を読めばよくわかるはずである。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2012/05/21 20:37

刑事裁判において、裁判長は検察の求刑以上重い実刑判決を出せるでしょうか?


        ↑
出来ますし、過去に例もあります。
一度や二度ではありません。
検察のメンツはつぶれます。
検察官は訴因という形で、主張をするだけですから
裁判所は検察官求刑に拘束されないからです。


”またその逆に被告人側が求刑以上の重い罰を希望して、
それが適わない場合、判決を不服として控訴、上告はできるでしょうか?”
         ↑
これは学説が別れていますが、出来ないとする
のが通説判例です。(最高裁判例昭和28年1月26日)
これは検察官の役目であり、被告にこれを許すと濫上訴
を招く怖れがあり、上訴の利益が無い、とされている
からです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

「もっと重い罰を課してください。
 私を死刑にしてください」
ってのは通らないんですね。

お礼日時:2012/05/19 08:30

危険運転致死傷罪と業務上過失致死についての公訴事実の同一性はあんじゃないかな?


主な具体的事実は同じだし、非両立関係にあります。

morizou02さんのおっしゃっているように、構成要件レベルの問題でひっかかったから、検察はあきらめたのかもしれないね。
それにしても業務上過失致死は最高刑が七年なのね?
併合罪処理でも10年というのは短すぎるね。
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> 京都の未成年者による無免許運転、その挙句の暴走事故はあまりにも悲惨な事故でした。


> 検察の説明によると、
> 「危険運転致死傷罪での立件は難しいので、それより軽い自動車運転過失致死傷罪を適用したい」
> とのことでした。
> 市民感覚なら、かの少年は死刑になってもおかしくないぐらいですが、全くおかしな話です。
> 検察としては「当たって砕けろ」よりも「確実に点を取るために送りバント」といったところでしょうか?
 自動車運転過失致死なら最高刑は7年以下の懲役,危険運転致死傷でも最高刑は20年以下の懲役なので,法律上死刑はあり得ません。日本は法治国家ですから,「市民感覚」と主張すればどんな重い刑でも許されるわけではありません。
 ただし,危険運転致死で起訴し,予備的訴因として自動車運転過失致死を主張するということも不可能ではなかったはずであり,それをしなかったのは単に「裁判員裁判にするのが嫌だった」という可能性も否定はできません(注:裁判員裁判は,裁判所でも検察庁でも通常の事件より手続きが数倍くらい大変にナルので,検察官は裁判員対象事件の起訴を嫌がる傾向にあり,裁判員対象事件である強姦致傷での起訴を避け強姦罪で起訴するといった事例は少なからず見られます)。

> この事件に限らず、「この事件に対して、この求刑はあまりにも軽いのではないか?」と裁判長が判断して、検察側に指示して適用する法律を変えさせたり(もちろん、裏の打ち合わせではなくて法廷において)、検察が求刑した罰よりも罰を重くして、適用する法律の最高刑を課すような判決を下すことはできるでしょうか?
 検察官による求刑は量刑に関する検察官の意見に過ぎませんので,裁判官は法律上求刑に拘束されることはなく,法定刑の範囲内であれば,裁判官が検察による求刑より重い刑を言い渡すことは可能です。
 一方,適用する法律を変更することについては,訴因変更命令という制度はありますが,これは例えば公訴事実について検察官の主張する殺人で有罪にするのは難しいが重過失致死なら認められるという場合に使うものであり,自動車運転過失致死から危険運転致死に変更させるなど,刑を重くするために適用法条を変えさせることは,公訴事実の同一性を害するためできないと解するのが一般的です。
 なお,裁判所が訴因変更命令を出した場合でも,検察官がこれを拒否し訴因変更に応じなかった場合には,訴因は変更されないというのが判例の立場です。

> あるいは逆に被告人側は
> 「私は大変な罪を犯してしまった。とても罰金や懲役で償えるものではない。深く反省し、自ら死刑を望みます。それが適わなければ控訴、上告してでも死刑を望みます」
> と主張することは可能なのでしょうか?
 被告人が法廷で何を主張しても裁判官の判断を拘束することはありませんので,何を主張するのも被告人の勝手です。実際,死刑にしてくれと主張する被告人もいないわけではありません。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
この回答文をあの殺人カー少年に見せてやりたいですね。
ま、反省なんかしないと思うが。

お礼日時:2012/05/18 17:53

ふむ。

この質問はなかなか興味深いものじゃな。では、とりあえず感情的なことは抜きに、ワシなりの分析をしながらお答えさせていただこう。


>この事件に限らず、「この事件に対して、この求刑はあまりにも軽いのではないか?」と裁判長が判断して、検察側に指示して適用する法律を変えさせたり(もちろん、裏の打ち合わせではなくて法廷において)、検察が求刑した罰よりも罰を重くして、適用する法律の最高刑を課すような判決を下すことはできるでしょうか?


これは、制度上は可能である。
裁判所は、検察官の掲げる訴因がのままでは、著しく社会正義に反する場合、訴因変更命令(378条)ができる。
現行刑事訴訟法は、当事者主義をとっており裁判所の関与は限定的なのじゃが、真実発見(1条)のため限定的に認められたものじゃ。例えば、検察官が業務上過失致死で起訴したところ、裁判官が殺人ではないかと心象を抱いた場合、訴因が変更されないままだと、裁判所は無罪判決をださねばならない。これはあまりに不当じゃから、このような制度がある。
ただ、実はこの問題は、わしは、そういった手続法の問題ではなく、むしろ、刑法の問題じゃと思うとる。

というのも、危険運転致死罪(刑法208条の2)の構成要件は運転手に
・「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態」
または
・「その進行を制御することが困難な高速度」
または
・「その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ」
または
・「人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度」
または
・「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で」

といった(1)運転行為の実行行為、および、その(2)運転手の認識(本罪は故意犯である!!)が必要であるところ
京都の事件の運転手は、これら構成要件の実行行為にあてはまるとはいえないし。あえていうなら、運転手のてんかん持ちが、「その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ」にあたるのかもしれないが、さすがに無理筋じゃろうな)
まして、故意の立証となるともっと厳しいじゃろう。

>危険運転致死傷罪での立件は難しいので
検察が、本事件の立証が難しくて送りバントをしようしているという認識はやや誤りである。そんなことはあるまい。あれだけ多くの人が見ている事件なのじゃから、立証はそんなに難しくない。
ただ、構成要件に当てはまる行為がない以上もうどうしようもない。だから業務上過失致死でいくという意味である。
この件について検察を責めるのはあまりに気の毒じゃろう。その行為を処罰する法がなければ、どのような腕の検事であってもその者を有罪にはできまい。もちろん、当然裁判所も、軽すぎるからといって危険運転致死にしろ訴因変更命令は出せない。だしたら無罪になってよけい軽くなる。

>検察が求刑した罰よりも罰を重くして、適用する法律の最高刑を課すような判決を下すことはできるでしょうか?
検察官の求刑に裁判所は拘束されない。
その検察官の掲げる訴因にあてはまる刑の法定刑の範囲内なら可能である。しかし、裏を返せばそれ以上は課せられない。
たとえ、被告人がそれより重い刑を求めてもである。


>「私は大変な罪を犯してしまった。とても罰金や懲役で償えるものではない。深く反省し、自ら死刑を望みます。それが適わなければ控訴、上告してでも死刑を望みます」
刑法の条文をご覧になっていただきたい。
自動車運転業務上過失致死罪の最高刑に死刑はない。危険運転致死にしても死刑はない。被告が死刑になることは100%ありえない。

無論、この結果はあまりに不当である。しかし、司法は法律にかかれていなければどうしようもない。東京裁判のごとき法律のない裁判し、相手を処罰することも許されぬ。これは、もはや立法レベルで解決するしかなかろう。
なお、かかる事故にあった犯罪被害者の方々はまことに気の毒である。犯罪被害者に対する精神的ケアはまだまだ日本においては十分ではない以上、国は速やかに彼らの救済を講じる立法的手当てが必要である。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
難しい内容ですのでじっくり読ませていただきます。
ありがとうございます。

お礼日時:2012/05/18 15:43

 検察が起訴した公訴事実に対する法の適用は裁判所の専権であるため、裁判所は検察官の意見にすぎない検察官の求刑には何ら拘束されない。

したがって、判決で検察官の求刑よりも重い刑が科されたとしても当然違法ではない。

 求刑超え判決の例

1996年11月 交通死亡事故で京都地方裁判所の懲役3年判決(求刑懲役2年6か月)
2001年2月27日 山陽道死亡事故で大阪地方裁判所の懲役1年10か月(求刑禁固1年6か月)
2005年9月9日 JR阪和線置石事件で大阪地裁の懲役3年判決(求刑懲役2年)
2007年7月27日 ペッパーランチ事件で大阪地裁の懲役12年判決(求刑懲役10年)
2007年10月2日 外山恒一道路交通法違反事件で鹿児島地方裁判所の罰金15万円判決(求刑罰金1万5000円)
2010年5月19日 さいたま市強制わいせつ致傷事件でさいたま地方裁判所の懲役8年(求刑懲役7年)
2010年9月14日 秦野市模型店主殺害事件の裁判員裁判で横浜地方裁判所の懲役20年(求刑懲役18年)
2011年4月28日 大阪府警警部補脅迫事件で大阪地裁の罰金30万円(求刑罰金20万円)
2012年1月27日 岩手県雫石町の立てこもり事件で盛岡地裁の懲役14年(求刑懲役13年)


 逆に被告人側が求刑以上の重い罰を希望して、それが適わない場合、判決を不服として控訴、上告はできるでしょうか?

 不服はがあれば、法律によって控訴当然できます、最初から犯人が死刑を求めた例もあります。
  


かつては無期懲役の求刑に対し、死刑判決が言い渡された事例もあった。

1946年11月14日 大阪地裁 知人夫婦殺傷事件で男に死刑判決
1947年7月8日 秋田地方裁判所 強盗殺人事件で20歳の男に死刑判決
1957年3月20日 仙台地方裁判所 連続強盗殺傷事件で黒人米兵と愛人女性に死刑判決(控訴審で両名とも無期懲役)
1957年12月28日 東京地方裁判所八王子支部 強姦・殺人事件で27歳の男に死刑判決(控訴を取り下げ死刑確定)
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

いろいろ前例はあるんですね。

お礼日時:2012/05/18 15:36

> 検察側に指示して適用する法律を変えさせたり(もちろん、裏の打ち合わせではなくて法廷において)、検察が求刑した罰よりも罰を重くして、適用する法律の最高刑を課すような判決を下すことはできるでしょうか?



可能です。裁判官の出す訴因変更命令と言います。
ただし、あまり例がないようです。


> 「私は大変な罪を犯してしまった。とても罰金や懲役で償えるものではない。深く反省し、自ら死刑を望みます。それが適わなければ控訴、上告してでも死刑を望みます」
と主張することは可能なのでしょうか?

主張している人は見たことがありませんが、可能なはずです。控訴・上告については、理由に関係なく行うことができます。ただし裁判所が認めるかどうかは別の話です。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
どちらも可能なんですね。

お礼日時:2012/05/18 15:33

・)、検察が求刑した罰よりも罰を重くして、適用する法律の最高刑を課すような判決を下すことはできるでしょうか



これは、実際ある、あくまで起訴した罪の範囲内だけど。
まー、たいていは検事が、自分の妥当と思うより、わずかに高く求刑して、
裁判官が求刑より、すこし低めの判決させる裁量させて
裁判官の面子立てること多いが・・

・逆に被告人側は
「私は大変な罪を犯してしまった。とても罰金や懲役で償えるものではない。深く反省し、自ら死刑を望みます。それが適わなければ控訴、上告してでも死刑を望みます」
と主張することは可能なのでしょうか?

あるよ。近年、反省どころか
「死刑になりたくて、殺しました。死刑希望!」という奴までいるから。
希望どうり死刑執行されたが・・・・(-_-)zzz
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2012/05/18 15:31

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