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足利事件の報道をみていて気になったことについて質問します。

DNA鑑定の結果などから無実が確実視されるようになった段階で、再審を経ることなく、「検察が」釈放を決定した、と報道されていたと記憶しています。

刑の執行を停止する権限は、裁判所ではなく検察にあるのでしょうか。
裁判所が決定した刑を、裁判所ではなく検察が停止できるという理論がよく理解できません。

また、一般的に満期前に仮釈放になる場合にも、仮釈放を決定するのはあるいは許可するのは裁判所ではなく検察なのでしょうか。
もしそうであれば、裁判やその前の取り調べの段階で「検察に逆らえば仮釈放ももらえない」という畏れから検察の意に沿った供述をしてしまうような心理的圧力がかかることはないのでしょうか。

刑の執行を停止する権限は裁判所でなく検察にあるのでしょうか。
もしそうであれば、どのような考え方に基づくのでしょうか、お教え下さい。

A 回答 (2件)

>折しも本日「東電OL事件」の報道がなされていますが、これによれば「裁判所が」刑の執行を停止したとされています。

刑の執行停止を「決める」のはいったい裁判所なのか、検察なのか、またわからなくなりました。

 条文の根拠があります。

刑事訴訟法

第四百四十八条  再審の請求が理由のあるときは、再審開始の決定をしなければならない。
2  再審開始の決定をしたときは、決定で刑の執行を停止することができる。

この回答への補足

刑事訴訟法 第四百四十八条 以外に、「執行停止を決めるのが検察ではない」ような法的な取り決めが他にあればお教え下さい。

補足日時:2012/06/08 06:20
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。
条文による根拠の提示いただきありがとうございました。

まとめると、
刑の執行の停止は、
・通常は
 検察は、(裁判所の許しを得なくても)(法律の範囲内で)執行を停止することができる。(刑事訴訟法第428条)

・例外的に
 再審開始の決定をしたときは、裁判官が(検察が異議を申し立てても)刑の執行を停止することができる。(同法448条)

ということで、「刑の執行停止をきめるのは誰か(誰に決定権があるか)?」という私の最初の疑問(質問)については、
「検察のこともあり、裁判所のこともある」
ということですね。

お礼日時:2012/06/08 06:19

>裁判所が決定した刑を、裁判所ではなく検察が停止できるという理論がよく理解できません。



 裁判(刑)の執行(の指揮)は、検察官の権限です。そもそも、刑罰の執行は行政作用ですから、検察官がそれの指揮を担うのは自然なことです。裁判所の有罪判決は、刑の執行を命じると言うよりは、司法機関が行政機関に対して刑の執行することを許可すると捉えた方が良いと思います。
 裁判の執行停止の指揮も検察官の権限ですが、停止事由は法定されていますので、好き勝手にできると言うことではありません。

>また、一般的に満期前に仮釈放になる場合にも、仮釈放を決定するのはあるいは許可するのは裁判所ではなく検察なのでしょうか。

 まず仮釈放は刑の執行停止ではありません。仮釈放は、地方更生保護委員会が決定します。

刑事訴訟法

第四百七十二条  裁判の執行は、その裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官がこれを指揮する。但し、第七十条第一項但書の場合、第百八条第一項但書の場合その他その性質上裁判所又は裁判官が指揮すべき場合は、この限りでない。
2  上訴の裁判又は上訴の取下により下級の裁判所の裁判を執行する場合には、上訴裁判所に対応する検察庁の検察官がこれを指揮する。但し、訴訟記録が下級の裁判所又はその裁判所に対応する検察庁に在るときは、その裁判所に対応する検察庁の検察官が、これを指揮する。

第四百八十二条  懲役、禁錮又は拘留の言渡を受けた者について左の事由があるときは、刑の言渡をした裁判所に対応する検察庁の検察官又は刑の言渡を受けた者の現在地を管轄する地方検察庁の検察官の指揮によつて執行を停止することができる。
一  刑の執行によつて、著しく健康を害するとき、又は生命を保つことのできない虞があるとき。
二  年齢七十年以上であるとき。
三  受胎後百五十日以上であるとき。
四  出産後六十日を経過しないとき。
五  刑の執行によつて回復することのできない不利益を生ずる虞があるとき。
六  祖父母又は父母が年齢七十年以上又は重病若しくは不具で、他にこれを保護する親族がないとき。
七  子又は孫が幼年で、他にこれを保護する親族がないとき。
八  その他重大な事由があるとき。

更生保護法
(所掌事務)
第十六条  地方更生保護委員会(以下「地方委員会」という。)は、次に掲げる事務をつかさどる。
一  刑法(明治四十年法律第四十五号)第二十八条の行政官庁として、仮釈放を許し、又はその処分を取り消すこと。
二  刑法第三十条の行政官庁として、仮出場を許すこと。
三  少年院からの仮退院又は退院を許すこと。
四  少年院からの仮退院中の者について、少年院に戻して収容する旨の決定の申請をすること。
五  少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第五十二条第一項及び第二項の規定により言い渡された刑(以下「不定期刑」という。)について、その執行を受け終わったものとする処分をすること。
六  刑法第二十五条の二第二項の行政官庁として、保護観察を仮に解除し、又はその処分を取り消すこと。
七  婦人補導院からの仮退院を許し、又はその処分を取り消すこと。
八  保護観察所の事務を監督すること。
九  前各号に掲げるもののほか、この法律又は他の法律によりその権限に属させられた事項を処理すること。

(仮釈放及び仮出場を許す処分)
第三十九条  刑法第二十八条の規定による仮釈放を許す処分及び同法第三十条の規定による仮出場を許す処分は、地方委員会の決定をもってするものとする。
2  地方委員会は、仮釈放又は仮出場を許す処分をするに当たっては、釈放すべき日を定めなければならない。
3  地方委員会は、仮釈放を許す処分をするに当たっては、第五十一条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定める場合その他特別の事情がある場合を除き、第八十二条の規定による住居の調整の結果に基づき、仮釈放を許される者が居住すべき住居を特定するものとする。
4  地方委員会は、第一項の決定をした場合において、当該決定を受けた者について、その釈放までの間に、刑事施設の規律及び秩序を害する行為をしたこと、予定されていた釈放後の住居、就業先その他の生活環境に著しい変化が生じたことその他その釈放が相当でないと認められる特別の事情が生じたと認めるときは、仮釈放又は仮出場を許すか否かに関する審理を再開しなければならない。この場合においては、当該決定は、その効力を失う。
5  第三十六条の規定は、前項の規定による審理の再開に係る判断について準用する。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。

仮釈放については理解いたしました。

刑の執行停止については、法文に定められていることを理解できましたが、感覚的にはやはりしっくりきません。

折しも本日「東電OL事件」の報道がなされていますが、これによれば「裁判所が」刑の執行を停止したとされています。刑の執行停止を「決める」のはいったい裁判所なのか、検察なのか、またわからなくなりました。

お礼日時:2012/06/07 21:38

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