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静磁界の場合、
マクスウェル方程式 rotH=J+∂D/∂t
の変位電流の部分∂D/∂tは無視できるとありました。
これはなぜなのでしょう?


解析導体内に導体または磁性体が存在して、
それには渦電流が流れない場合を考えているからでしょうか。

それとも電界が保存的ではないからでしょうか。

A 回答 (2件)

 数式をあげても面倒なだけなので、言葉で書きます。



 マックスウェル方程式は、電束(電場)の時間変動が磁場のrotに影響し、磁束(磁場)の時間変動が電場のrotに影響するという、連立偏微分方程式ですが、磁場の発生源は電流で、これは電荷の流れです。電荷の運動は、その瞬間の磁束と電場に影響されますが(ローレンツ力)、ローレンツ力による電荷の運動への影響は、ニュートンの運動方程式が定めます。

 なので電磁場ー電荷の系を完全に扱うためには、ニュートンの運動方程式が必要です。導体内の全ての自由電子に対して運動方程式をたてる事は、実際上無理ですが、その効果を現象論的な実験結果として与えるのが、一般化されたオームの法則になります。

  E=k・J   (1)

 ここでEは、導体内の電場,kは導体の電気抵抗率(いわゆる抵抗),Jは導体内の伝導電流密度(自由電子の流れ)です。(1)をマックスウェル方程式に追加し、さらに∂B/∂t=0(静磁場: ∂H/∂t=0)の条件を与えると、定常状態でJは定常電流(∂J/∂t=0)という結果が得られます。そうすると導体内の真電荷分布は時間変動しないので、∂D/∂t=0になります。定常状態にいたる非定常状態(過渡現象)は、一瞬だろうという見当も付きます。なので、「静磁場 ⇒ ∂D/∂tは無視できる ⇔ 静電場」です。誘電体の場合は、もっと簡単に、「静磁場 ⇒ ∂D/∂t=0 ⇔ 静電場」が言えます。

 「静電場 ⇒ 静磁場」も言えるので、「静電場 ⇔ 静磁場」です。


>解析導体内に導体または磁性体が存在して、それには渦電流が流れない場合を考えているからでしょうか。

 導体は大抵磁性体なので、渦電流は存在します。ただし渦なので、ふつうの電流のように一方向に流れるものではないです。物体の電気的性質(導体)と、磁気的性質(磁性体)は、独立なものとして(古典電磁気学では)扱われます。両者の相互作用を橋渡しするのがマックスウェル方程式(と電荷の運動方程式)です。橋渡し効果が「静電場 ⇔ 静磁場」なので、磁場が時間変動しない事(静磁場: ∂B/∂t=0)が重要な訳です。

 なので(定常な)渦電流の塊である永久磁石に触っても感電しないし、電気スタンドの近くにフラッシュメモリを置いといても、たぶん大丈夫といったあたりで、納得して頂けないでしょうか?。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2012/06/17 19:44

静磁界であって,変位電流∂D/∂tが無視できない場合,


がないか,考えてみましょう。
Dが時間tに比例して増えていく,というケースは考えられます。

無理に作るなら,コンデンサに一定電流を流しこんで充電します。
するとDは時間に比例するので,一定の変位電流が流れることになり,
静磁界を作ることはできます。
ただし,コンデンサが絶縁破壊しない電圧には限界があるので,
あるところで充電を止めなければならない。
厳密には静磁界とはいえなくなりますね。



>それには渦電流が流れない場合を考えているからでしょうか。
渦電流は実際に流れる電流ですから,Jに含まれるのであって,
変位電流∂D/∂tではありません。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2012/06/17 19:44

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