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送信電力は、アナログTVは50kWで地デジは10kWです。(東京の場合)
アナログは映像と音声の2キャリア+カラーサブキャリアの3つですが、地デジはOFDMのマルチキャリアで、6MHzに数千本のサブキャリアが同時に存在しています。
だとすると地デジの方が周波数あたりの電力密度はアナログよりもうんと高く、送信機もそれなりにエネルギーを消費して増幅しなければならず、アナログ送信よりも多くの電力が必要に思えるのですが。
電力には、ピーク、平均、実効値があると思いますが、どの表示が使われているのでしょうか。
地デジが省エネである、と関連してご教示をお願いします。

A 回答 (2件)

放送局の技術者 電気主任・無線技術士・電気通信主任です。



地上デジタル放送の電力はサブキャリアの電力をすべて足し合わせたものを測定します。
(測定方法はスペクトラムアナライザというものでキャリアを個別に表示させたもので、個別のキャリアの電力を測り、それをキャリアの本数掛けます)

超原始的な電力測定方法として、アンテナの代わりに抵抗をつなぎ、それの温度上昇を測定することでアンテナに供給されるエネルギーを測る方法があるんですが、それと一致します。

なぜこんな回りくどい方法を使うかというと、マルチキャリアの場合には変調を行わなくても出力が変動するので、ほぼノイズみたいなふわふわした値を示します。非常に長い時間での平均には意味があるんですが、ピークを取ると平均電力の10倍くらいという非常におおきな値がごく稀に出るため意味がなく、短い時間では平均電力すら測定できません。

地デジ場合は6MHzの中にエネルギーを均一にばらまいてますからエネルギー密度は間違いなくアナログのほうが高くなります。(だから他に妨害を与えやすい)

OFDM送信機の最後のアンプはリニアアンプになっていますが、ピークファクタが10倍とやたらと直線性を要求しますので初期のものはかなり効率が悪かったようです。現在はその辺をどうにかする方法がかなり研究されてるので、効率は良くなっているはずです。

なお、現在の地上デジタル放送は1チャンネルの中に12セグメントのHD放送と1セグメントの携帯向けワンセグ放送が入ってます。複数チャンネル放送は技術上できるようになってますが、事実上ほとんど行われていません。
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>だとすると地デジの方が周波数あたりの電力密度はアナログよりもうんと高く


>アナログ送信よりも多くの電力が必要に思えるのですが。

アナログ放送とデジタル放送で、電力比較は無意味です。

アナログは「1つのチャンネルで放送できるのは1放送」です。

デジタルは「1つのチャンネルで放送できるのは2~4放送」です。

デジタルは1つのチャンネルで13個のセグメントを同時送信していて、セグメント4つ使った通常放送を3つと、余ったセグメント1つを使ったワンセグの、合計4つの放送を同時に送信できます。

セグメント12個を使えば、フルハイビジョン放送も送信出来るので、余ったセグメント1つを使ったワンセグと合わせて、2つの放送を同時に送信する事も出来ます。

例え、1つのチャンネルで3倍の電力を使ったとしても、同時に4つの放送を行えば「1放送あたりの電力」は3/4になります。

将来、デジタルデータの圧縮技術が飛躍的に進歩するかも知れず、もしかしたら「アナログ1つ分の周波数で、デジタル数十個の番組を流せるかも知れない」です。

そうなったら「設備やハードウェアを変える事無く、ソフトウェアだけで、どんどん効率が上がっていく」事になります。だって「流れるデジタルデータの内容を変えるだけ」なんですから。

「どんどん効率が上がっていく」って事は、言い換えれば「1番組あたりの電力が小さくなる」って事です(但し、効率が上がっても消費される総電力量は変わりません。同時送信可能な番組数が増えているだけですから)

「1番組あたりの電力が小さくなる」って事は、言い換えれば「省エネが進む」って事です(繰り返しますが、消費される総電力量は変わりません)

結論は

「1放送局あたりの消費電力量が増えたとしても、1番組あたりの消費電力量は減る(かもしれない)」

「1番組あたりの消費電力量が減ったとしても、消費される総電力量は変わらない」

の2つです。

つまり「ある意味では省エネになっていないが、別の意味では省エネになっている」です。

アナログと地デジでは「方式が全然違う」ので、単純に送信電力の比較は出来ません。

地デジは「データの流し方を変えるだけで、放送効率に天と地ほどの差が出る」のですから、アナログと比較は出来ないのです。
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