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 狂牛病の原因である感染性物質プリオンは、生き物ではないので
宿主特異性があるとは思えません。
 ウシとヒトで感染するなら同じ脊椎動物であるブタでも同じなのでは
ないかと思うのですが、豚での発症例は聞いた事がありません。僕
が知らないだけなのか、隠ぺいされているのか、本当に安全なのか、
どれでしょうか?

A 回答 (7件)

 pubmedでもsummryは読めますから、必要なことは概ね判ると思います。



>ウイルスなどと違って、単純に分子同士の相互作用によるのなら
>1分子でも変形が誘導されるかと思ったのですが、そー単純では
>ない?

 逆にウイルスであれば1ビリオンでも細胞内に侵入してしまえば、細胞内で数百万倍に短時間で増殖するのですが、プリオンは増殖はできませんから、私の感覚ではウイルスよりむしろ敷居が高い、というイメージです。
 あまり詳しいことが判っていない分野なので、これから解明が進めば認識も変わるかもしれませんが。

 プリオンは自然状態では経口的にしか感染経路がありませんが、蓄積部位は脳などの中枢神経です。腸管の一部にもプリオンの蓄積が見られるので、腸管に取り込まれたプリオンはまず腸管に蓄積して、それが脳に行く(神経路で)のでは、と言われたり扁桃から脳に行くのでは、と言われたりしていて、感染してからの体内での動態は確定的なことは未解明だと認識しているのですが、私はあまりこの分野には興味がないので最新の成果を追いかけてはいません。なので現在ではかなり解明されているかもしれません。

 でも、どちらにしても、摂取した異常プリオンはかなり長い経路を辿って脳に到達しなければならないわけですから、やはりウイルスよりずいぶん敷居が高い、というのが私が持っているイメージです。

 蛋白質分解酵素に抵抗性といっても、通常の蛋白質と比較して非常に消化に要する時間が長いだけで「完全抵抗性」ではありませんし、摂取した異常プリオンが少量であれば腸管or扁桃に蓄積→神経路から脳に到達、という経路にかかる時間が長すぎて感染動物の寿命よりも長くなってしまうのか、生体側に他の排除手段があるのか、といったところなのでは。

 牛→豚の伝達も、脳内接種や輸血であれば伝達することは判っています。(これも上記referenceに出てきます)
 それが経口接種では伝達しない、ということは・・・?
 また、同種間伝達より異種間伝達の方が伝達に多くのプリオン量を必要とする、ということからも、話はそう単純ではないことが推察されるでしょう。
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この回答へのお礼

自己増殖しない→時間がかかる→感染しても事実上時間的に心配する必要が無い。なるほど、そーかも知れません。ありがとうございました。

お礼日時:2012/08/12 20:34

 No.3,5です。



 referenceですか。とりあえず下の3本を挙げておきましょう。


S.J. Ryder, A.C. Hawkins, M. Dawson and G.A.H. Wells. The neuropathology of experimental bovine spongiform encephalopathy in the pig. Comp. Path. 122:131-143. (2000)

G.A.H. Wells, A.C. Hawkins, A.R. Austin, S.J. Ryder, S.H. Done, R.B. Green, I. Dexter, M. Dawson and R.H. Kimberlin. Studies of the transmissibility of the agent of bovine spongiform encephalopathy to pigs. J.Gen.Virol.84:1021-1031. (2003)

European Commission; Opinion on the potential requirement for designation of specified risk materials in pigs, adopted by the Science Steering Committee at its meeting of 6-7 March 2003.


>発症前の動物でも食べれば感染は起こると思うのですが。

 異常プリオン1分子でも伝達が成立するわけではありません。伝達が成立するにはそれなりの量を摂取する必要があります。
 もちろん発症した時の異常プリオン量と伝達が成立する力価には直接関係はないので、潜伏期間中の脳も伝達するに足る力価を持っているのですが、豚のように僅か3ヶ月でと畜されてしまう場合、それが仮に感染していたとしてもヒトに感染が成立するほどの力価を持っているとは考えにくいです。
 牛→牛の伝達が成立する力価より、牛→ヒトの伝達が成立する力価の方が高い、すなわち伝達を成立させるためにはより多くのプリオン量が必要だということも考えると、なおさら豚のリスクは問題にならないと考えられるでしょう。

 スクレイピーを牛に伝達するための必要力価などはおおよそ解明されています。
 ですが、例えばBSEを感染させた子牛を若齢で調べても、異常プリオンは検出できません。それは伝達が成立していないということではなく、異常プリオン量がまだ検出できないほど少ないことを意味しています。
 つまり、牛→ヒトの感染価は直接調べられているわけではありませんが(ヒトの感染実験なんてできないし)、若い感染牛の脳をヒトが直接食べても伝達は成立しないだろう(感染しないだろう)、ということです。

 まあ、発症直前になれば相当のプリオン量がありますから(日本でこれまで摘発されたBSEの大半は発症していない潜伏期間中の牛です)、伝達は可能でしょうけど。

 それより、もし質問者さんが発症前の動物でも食べれば感染する、と思っておられるのなら、豚なんか心配する前にアメリカ産の牛を心配すべきでしょう。
 アメリカはBSEが散発的にですが発生していますし、そもそもサーベイランス圧が低いので真実の感染牛のごく一部しか摘発できない体制です。
 日本に入ってきているのは19ヶ月齢未満の牛ですが、「そんな若齢で検査しても摘発できない」ことを理由に、未検査で輸入され、市場に出回っています。

 まあ前述した理由で、私はアメリカ産の牛肉が危険だとは思っていませんが。吉野家の牛丼も食べてますし。

この回答への補足

reference ありがとうございます。無料で入手できるようなら頑
張って読んでみたいです。

>異常プリオン1分子でも伝達が成立するわけではありません。

ウイルスなどと違って、単純に分子同士の相互作用によるのなら
1分子でも変形が誘導されるかと思ったのですが、そー単純では
ない?それとも単なる確率論的に伝達は起こらないとされている
のか?その辺どーなんでしょう?

補足日時:2012/08/09 22:21
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 No.3です。



>最後に貼っております「菜食のススメ > 狂牛病と台所革命」がそれです

 ははぁ・・・この本ですか。日本で初めてBSEが発生した平成13年頃に流行った「恐怖を煽りまくる」論調そのものですね。読んでいるとこの本の刊行年もその頃っぽいですが。

>「1980年代後半に感染した人々は、21世紀にかけてようやく発病するであろう」

 とか、

>「ヒトの狂牛病は、累計では数十万人になる」

 といった現在では既に外れている予言が書いてありますから。

 このページの内容はツッコミどころ満載でいちいち指摘するのも煩わしいのですが、今回の要点だけ。

>「我々の実験室では、病原体を接種した豚を8年間飼育しておいた。
>みんなスクレイピーを発病したよ。イギリスの豚は全部感染しているんじゃないか」

 ・・・ガジュセック先生ですか。
 この人、クールー病の研究でノーベル賞を受賞した偉い先生です。クールー病とは、ニューギニアの食人習慣があった部族で流行していた疾患で、後になってプリオン病であったことが判ったのですが、BSEや牛→ヒトのプリオン病の伝達については研究者としてはほとんど何の業績も残していません。そもそも児童に対する性的虐待で捕まっちゃいましたから仕事もできるはずがないのですが。
 牛乳にプリオンが出るとか、人を恐怖に陥れることばかり言ってた人ですね。まあこの本のコンセプトにはぴったりの人で。
 クールー病の解明をしたのは(プリオンの正体までは突き止めていませんが、脳にこの疾病の感染源がある、というところまでは解明した)1950年代で、その頃は冴えていたのかもしれませんが晩年はおかしい人のようでしたね。

 まず、ここに出てくる「病原体」とはBSEのプリオンではなくスクレイピーのプリオンでしょう。
 スクレイピーが豚に伝達可能であるかは私は知りませんが、BSEは豚に伝達しないことが確認されています。
 そして現在は羊も牛も、その死体を飼料として再利用することは法律で禁じられていますから、豚に伝達性の海綿状脳症(プリオン病を総称して海綿状脳症という言い方をします)が起きる余地は限りなくゼロに近いです。
 もちろん孤発生のプリオン病が豚で出る可能性はありますが、その発症年齢まで飼育される豚はほぼ皆無でしょう。

 混乱しやすいのですが、「伝達性」のプリオン病の潜伏期間は2~8年ですが(どの動物種でもそう大きくは変わらないようです)、孤発生のプリオン病の発症年齢(伝達つまり感染したものではないため「潜伏期間」ではない)は、もっと上です。
 牛で確認されている孤発生のBSEは19歳とかの高齢(牛でもこれほど高齢まで飼育されるのは珍しい)ですし、ヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病も発症するのは50歳とか70歳です。

 というわけで、少なくとも日本で豚が危険である可能性は、事実上ゼロといって良いでしょう。

 ちょっと引用する本が古すぎですよ。

この回答への補足

>BSEは豚に伝達しないことが確認されています。

 このreferenceを教えて頂きたい。

 また、「発症年齢」や「潜伏期間」を論じる意味はあるのでしょうか?
 異常プリオンはタンパク質分解酵素にレジスタンスで、噂では炭化
 するまで加熱しないと感染性は失活しないと聞きます。発症前の動
 物でも食べれば感染は起こると思うのですが。

補足日時:2012/08/08 23:20
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 ANo.2です。


 前の回答において書き忘れて居た事が御座いました。

>潜伏期間は2~8年と比較的長いため

と書きましたが、2~8年という値は、あくまで人間に関しての値に過ぎず、牛や羊等の動物の種によって、潜伏期間の長さは異なるのではないかと思います。
 ですから、豚の場合も2~8年とは限らない訳ですが、それでも半年程度では発症しないという事だと思います。


 それから、ANo.3様が

>また、「実験的に、病原体を接種した豚を8年ほど飼育した処、発症した」という話は私は知りません。

>もし事実なのでしたら、出典を示していただければ嬉しいです。

と書かれておられますが、一応、出典元のURLへのリンクはANo.2に貼付け済みです。
 最後に貼っております「菜食のススメ > 狂牛病と台所革命」がそれです。
 そして、そのURLのページに掲載されている情報の出典元は、どの部分の情報がどの資料を出典元としているのかは明記されていない様ですが、そのページに付けられている題名から考えまして、おそらくはそのページの画像にリンクが張られている「狂牛病と台所革命」という書籍のp.77が出典元であると思われます。

 後、私もプリオン病は、異常型プリオン蛋白が酵素にも似た働きをして、正常型のプリオン蛋白分子の立体構造(アミノ酸鎖の折りたたみ方)を変化させて、アミノ酸配列は正常型と同じではあっても、分子の立体構造が異なる異常型プリオン蛋白に変化させて行き、正常型を原料として造られた異常型プリオン蛋白分子もまた、他の正常型のプリオン蛋白分子の立体構造を異常型に変化させて行くという事を繰り返し、ドミノ倒しというよりも連鎖反応によって指数関数的に、異常型蛋白質分子の数が増えて行く事が、大元の原因となって生じる事は知識として知っておりました。(用語としての「伝達」という言葉は知りませんでしたが)
 只、そこまで説明する事が面倒であった事と、今回の御質問にはあまり関係が無さそうな事柄に思えたため、ANo.2においてはその事に関する説明は割愛させて頂いた次第です。
 それで、プリオン粒子の増え方が、細菌やウィルスとは異なる事を知っている私としましては、ANo.2における

>豚の場合は発症する程にプリオン蛋白が増える前に肉となる訳ですから、

という箇所の中の「増える」とは、細菌が増える場合の様な「増殖」という意味で述べたものではなく、「筋肉中の乳酸が増える」とか「血液中のコレステロールが増える」等の様に、「物質としての異常型プリオン蛋白の量が増える」という意味で、「増える」という表現をしたつもりだったのですが、改めて読み直しました処、確かに「繁殖としての増える」という意味にも「物質の量が増える」という意味にも、どちらともとれる紛らわしい表現でした。
 誤解を招きかねない表現をしてしまい、申し訳御座いませんでした。
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 獣医師です。

プリオンに関しては専門的とまでは言えませんが、それなりの専門知識を有します。

 プリオンが「生き物ではないので」宿主特異性がある、というのは論理的にあまり意味がありません。生き物か否かは特異性とは直接関係がありませんから。
 ウイルスだって生物ではない、と言う人もいますし薬剤でも動物種によって感受性が大きく異なるものがあります。
 要するにこのような場合の種特異性とは、攻撃側(ウイルスやプリオンや化学物質)と宿主側(動物の標的細胞)の分子的な適合性によるものなので、攻撃側が生物でなくても成立するのです。

 プリオン病は単にプリオンが病原体なのではなく、プリオンそのものはどんな動物でも普通に保有している分子です。
 そのプリオンは「感染して増殖」するのではなく、摂取して蓄積した異常プリオンが周囲の正常プリオンをドミノ倒しのように次々と異常化することによって「伝達」します。(プリオンは感染ではなく伝達という言葉を用います)
 そのような方式で伝達するため、分子的にはウイルス等よりむしろシビアで種特異性が高いという性質を持っています。

 プリオン病は伝達によるものだけでなく、孤発生のプリオン病が存在します。これは原因は判りませんが脳内で自発的にプリオンが異常化し、それが蓄積することによってドミノ倒しが始まり・・・という過程を経て発病するものです。
 ヒトの場合もクロイツフェルト・ヤコブ病という孤発生のプリオン病はBSE以前から知られていました。
 BSEが伝達されることによるプリオン病は「変異性クロイツフェルト・ヤコブ病」として最近になって発見された疾病です。

 牛のBSEは羊のスクレイピーというプリオン病が伝達したものとされていますが、もちろん孤発生のプリオン病も存在し、「非定型BSE」と呼ばれるものの多くがそれであると推測されています。

 不思議なことですが、スクレイピーは牛に伝達してBSEとなりますし、BSEはヒトに伝達して変異型クロイツフェルト・ヤコブ病になります。しかしスクレイピーから直接ヒトに伝達することはない、とされています。疫学的な推測で実験的に確かめられたものではありませんが。

 豚ですが、もちろん孤発生のプリオン病はあり得るでしょう。どんな動物でも長く生きていれば脳に異常プリオンは発生するのかもしれませんね。
 ただ、豚の場合はそこまで長く生きることができない(家畜として寿命が短い)ためか、豚のプリオン病というのは確認されてはいません。

 また、「実験的に、病原体を接種した豚を8年ほど飼育した処、発症した」という話は私は知りません。
 牛から豚への伝達は成立しなかった、ということになっているはずなのですが、この話がもし事実だとするとかなり大きな話題になるはずなので、あまり積極的にBSEに関する話題を追いかけていない私の耳に入らないということは考えにくいのですが・・・
 もし事実なのでしたら、出典を示していただければ嬉しいです。

 ともあれ、現状では豚にプリオン病があるという話は私も聞きません。隠蔽なんて今のこのご時世で可能とも思えません。
 安全かどうかといえば、何事にも100%安全という保証などないのですが、少なくともプリオン病に関して現状で危険であるとは考えられません。
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 BSEは発症率が低い事に加えて、潜伏期間は2~8年と比較的長いため、豚の様に短期間(日本では半年程度の場合が多いらしい)で食肉用としてしてしまう家畜の場合には、発症に至らないためではないかと言われている様です。


 実験的に、病原体を接種した豚を8年ほど飼育した処、発症したそうです。

 豚の場合は発症する程にプリオン蛋白が増える前に肉となる訳ですから、牛の場合と比べれば人間が感染する確率は低くなるのではないかと思いますが、安全とまで言えるのかどうかは判りません。

【参考URL】
 神戸新聞 狂牛病Q&A 正しく知るために-1
  http://www.kobe-np.co.jp/kurashi/qa01.html

 病気のはなし・病気辞典・病気 > プリオン病(狂牛病) > Q4:プリオン病の潜伏期間はどのくらいですか?
  http://homepage3.nifty.com/mickeym/No.201_300/20 …

 養豚 - Wikipedia > 2.3 日本国内の生産と消費
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A4%8A%E8%B1%9A# …

 菜食のススメ > 狂牛病と台所革命
  http://saisyoku.com/bse.htm
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