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水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの混合水溶液を塩酸で中和滴定する場合について
まず、フェノールフタレイン溶液を加える。
0.1mol/Lの希塩酸で滴定したところ、終点までに30mLを要した。

次にメチルオレンジを加え、同じ希塩酸で滴定を続けたところ、終点までにさらに10mLを要した。
第一段階での反応、第二段階での反応をそれぞれ書け。

第一段階
NaOH + HCL → NaCl + H2O
Na2CO3 + HCl → NaHCO3 + NaCl

第二段階
NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2
解説には
混合塩基を中和していく場合、強塩基から反応していく。
まず、NaOHと反応し、これがすべてなくなると、Na2CO3と反応し始める。
これがすべて反応し、NaHCOになる。
この点ではNaHCO3の加水分解により、弱塩基性を示し、フェノールフタレインが赤色から無色になる。

とあります。
質問なんですが、Na2CO3と塩酸が全部反応するまで加水分解って起こらないんですか?
解説を読んでいると、「HClとNaOHがすべて反応し、さらにHClとNa2CO3もすべて反応したときにはじめてフェノールフタレイン溶液の色が変わる」という感じですが、なぜですか?
NaOHを滴定し終わった時点で、強塩基がなくなったわけですから、これだけでもすでに弱塩基になってしまっている気がするし
HClとNa2CO3が反応している途中にも加水分解が起こるなら、絶対に最後まで反応しきったかどうかは分からなくないですか?

どういうことなんでしょうか?

A 回答 (5件)

> 存在比率を計算して


> ほとんど炭酸水素ナトリウムになっていることを示さなければ
> いけないのではないのでしょうか?

(1) 炭酸ナトリウム水溶液は、(非常識に薄い濃度でない限り)フェノールフタレインを赤変する。
(2) 炭酸水素ナトリウム水溶液は、フェノールフタレインを(ほとんど)変色しない。
(3)(高校化学の範囲では)塩化ナトリウムは、水溶液のpHに影響をあたえない。

という知識を使ってよいのであれば、存在比率を計算しなくてもよいと思うのですが。

これらの前提知識から、
「NaOHとNaHCO3の混合溶液がフェノールフタレインを赤変するのと同じ理屈で、Na2CO3とNaHCO3の混合溶液もフェノールフタレインを赤変する」
「NaClとNa2CO3の混合溶液にフェノールフタレインが無色になるまで塩酸を加えたら、NaClとNaHCO3の混合溶液になる」
と推論するのは、それほど難しいことではないと思います。

そんなにたくさんのことを覚えられないよ、ということでしたら

(4) フェノールフタレインは炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムを見分けるのに使える。

ということだけでも覚えておいて下さい。ネット検索してみたところ、中学理科で習うことがらのようですので、むかし習ったことを単に忘れているだけのことかも知れません。
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東大の問題だということですが、・・・・


こういうパターン的な解き方だけを前提とした問題を出しているようでは、・・・
大学の将来にあまり期待が持てないという感想を持ってしまいます。

二価の酸の塩に水酸化ナトリウムを加えた水溶液に塩酸を加えた時、
中和点でどういうことが起こっているかをまず一般的に考えておく必要があるはずです。
その中で特に炭酸の場合には・・・という段どりになるのです。
それは具体的には平衡定数の値が問題になります。
それに代わるものであれば中和滴定曲線です。
平衡定数も、滴定曲線も与えられておらずに一般的に解くことができるとするのは暗記モノの化学でしかありません。

二価の酸をH2Aとします。
Na2AとNaOHの混合溶液を考えます。
HClを加えて行くと一般的には
NaOH+HCl⇒NaOH+NaCl  (1)
Na2A+HCl⇒NaHA+NaCl  (2)
NaHA+HCl⇒H2A+NaCl   (3)

の3つの反応が段階的に起こると考えると急激にpHが変化する点が3つ存在するはずだということになります。
でもいつも段が3つ見えるとは限りません。この問題で扱っている炭酸塩の場合は、2つです。物質によっては1つしか見えないものもあります。
その段で上の(1)(2)(3)のどれが起こっているとすればいいのかは吟味が必要です。

>混合塩基を中和していく場合、強塩基から反応していく。
>まず、NaOHと反応し、これがすべてなくなると、Na2CO3と反応し始める。
>これがすべて反応し、NaHCOになる。

(1)(2)が順番に起こっているとしています。本当でしょうか。
解答には第一段階として2つの式が書かれています。

NaOH + HCL → NaCl + H2O
Na2CO3 + HCl → NaHCO3 + NaCl

これは一緒に起こっているという内容です。解答と解説が食い違っています。
2つの反応が順番に起こっているとしていいのか一緒に起こっているとした方がいいのかを判断する必要があります。中和滴定曲線はその判断の材料になるのです。
硫酸、炭酸、シュウ酸、硫化水素、・・・
見えるものが異なります。

NaOHを加えて行った時の中和滴定曲線が示されていれば右端はNa2AとNaOHの混合溶液になっています。ここに塩酸を加えて行けば中和の逆戻しをやっていることと同じですからpHの変化は滴定曲線を逆にたどったものになります(全体の水の量に食い違いがありますから濃度にずれが生じます。でも変化の特徴は同じだろうとしていいでしょう)。

wikiで中和滴定曲線を開くとここにあげた酸の滴定曲線が全部載っています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%92%8C% …

炭酸を見てみましょう。
0.1mol/Lの炭酸10mlにを0.1mol/LのNaOHを加えた(加えた量をxmlとします)と書いてあります。
図でハッキリとpH変化の段の見えるところはx=0、x=10の2か所です。
x=20のところにある段はハッキリしません。ハッキリしていないということはその前後での電離状態に大きな変化がない、だらだらとした連続的な変化になっているということです。段がはっきりしているところでないと指示薬での滴定は出来ません。その点でほとんど全部反応してしまったというような判断が出来ないと量の決定は出来ないのです。
x=0のところというのは炭酸だけが存在する時に対応しています。
x=10では H2CO3+NaOH⇒NaHCO3+H2O の変化が完了していると考えてもいいのです。
わずかなずれは問題にしていません。初めにあったH2CO3のほとんどすべてがHCO3^-になってしまっているとしていいところです。濃度決定に必要な精度は保証されているだろうという程度には反応が完了してしまっているのです。
x=20での段はハッキリしませんのでx=20でHCO3^-がCO3^2-にほとんど全部変わってしまったと言うことは出来ません。
HClを加えて右端から逆に戻したとした時もこの2つの段が現れます。x=10のところでのpH変化の段に相当するところ(P1とします)とx=0に見える段に相当するところ(P2とします)です。
P2の段が反応(3)に対応しているということは分かりますね。HCO3^-が全部H2CO3(CO+H2O)に戻っているとしていい場所です。
P1では何が起こっているでしょうか。HClを加え始めてP1までの区間では反応(1)と反応(2)が混ざって起こっているのです。P1はこの2つが両方とも完了したとしていい点になります。
2つの段がはっきり見えて中和点が2つ決まれば2つの物質の濃度を決定することはできます。
そのこともあってか問題集によってはx=20に少し見えている段を完全に消してしまっているものもあるようです。その時は順番に反応するという枠組みで考えることが出来ないということがよりはっきりします。

炭酸の2つ下に硫化水素の図があります。段はx=0とx=10にあります。x=20の段は完全に消失しています。Na2SとNaOHの混合溶液に塩酸を加えて行ったとした時、最初の中和点では
NaOH+HCl⇒NaCl+H2O
Na2S+HCl⇒NaHS+NaCl
の両方が完了しているのです。順番に反応したというようなことは全くいうことはできなくなります。

段が見えるか見えないかは平衡定数から決まります。
硫酸をNaOHで中和して行った時に第一段階の電離の段が見えないということとNa2SとNaOHの混合溶液にHClを加えて行った時にNa2S+HCl⇒NaHS+NaClに対応する段が見えないということは同じ内容です。Na2Sが強塩基だということです。

炭酸のグラフの直ぐ上にシュウ酸のグラフが載っています。
ハッキリした段はx=20のところの1つだけです。x=0、x=10の段は見えません。
シュウ酸ナトリウムNa2C2O4とNaOHの混合溶液に塩酸を加えて行った時に見える段もこの1つだけです。中和点が1つしか見えません。この段はNaOHがほとんど全部HClと反応したとしていい点です。
中和点が一つしか見えませんからNaOHの濃度しか分からないということになります。
Na2C2O4の中和は全体でダラダラと起こるのでどこで何が出来たのかとはっきり言うことが出来ないのです。
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#2 です。




第1当量点では実際に、100%全てが HCO3^- になる訳ではありません。pH≒8.3 だから各化学種の存在比率は、

(CO3^2-)=K1K2/([H^+]^2+K1[H^+]+K1K2)≒1%

(HCO3^-)=K1[H^+]/([H^+]^2+K1[H^+]+K1K2)≒98%

(CO2)=[H^+]^2/([H^+]^2+K1[H^+]+K1K2)≒1%

のようになります。

この回答への補足

回答ありがとうございます。
では、この問題をみたときには
まずそのような存在比率の計算をしなければいけないということではないのですか?

でも解説にはそのような説明はありませんでした。
(1)の問題が、第一段階での反応、および第二段階での反応をかけ。

という問題なんですが、第一段階の式で
NaOH + HCL → NaCl + H2O
Na2CO3 + HCl → NaHCO3 + NaCl
第二段階の式で
NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2
と解答するためには、存在比率を計算して
ほとんど炭酸水素ナトリウムになっていることを示さなければ
いけないのではないのでしょうか?

補足日時:2012/08/14 20:07
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NaHCO3が生じる第1当量点の pH≒8.3 で、この付近では pHジャンプ が起こるから、フェノールフタレインで滴定可能な筈です。

それだけの話です。

この回答への補足

どうして第一中和点が
「炭酸ナトリウムがすべて炭酸水素ナトリウムになった」点なのかがわからないのです。

すべてではなくても、途中で変色することは絶対にないのですか?
絶対に、「すべての炭酸ナトリウム」が炭酸水素ナトリウムになった点が
第一中和点なんですか?

補足日時:2012/08/14 13:44
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フェノールフタレインの変色域とか Na2CO3 の pH とかは問題にならないのかなぁ.

この回答への補足

本来の東大入試では、ほかにも様々な問題が絡ませてあったのかもしれませんが、これは重要問題集の中和の範囲にあった問題です。
なので、pHは問題にはなっていません。

ただ、解説には、質問文にもあるように
強塩基から反応していき、水酸化ナトリウムが完全になくなり、続いて炭酸ナトリウムが完全に炭酸水素ナトリウムになる。
この点では炭酸水素ナトリウムの加水分解により、弱塩基性(pH≒9)を示し、フェノールフタレインが赤色→無色になる(第一中和点)
その後は、弱塩基である炭酸水素ナトリウムが塩酸で中和される。
生じた炭酸ナトリウム(二酸化炭素と水)により、弱酸性(pH≒4)を示し、メチルオレンジが橙黄色→赤色になる(第二中和点)

とあります。

補足日時:2012/08/14 00:34
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