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運転資本が増加すると企業にとっては
どのような問題が発生するのでしょうか。
資金不足になり、倒産するリスクがあるということでしょうか?

A 回答 (1件)

(長文ですが、ご参考に)


運転資本(運転資金)は以下のような式でざっくりと求められます。

運転資本=売上債権(1)+在庫(2)-仕入債務(3)

式から見てわかるように、(1)と(2)は増加すると運転資本が増加し、(3)は減ると運転資金が増加することになります。

順番に見ていきましょう。

(1)売上債権
これは受取手形や売掛金ですね。どんな場合に増えるのでしょうか。受取手形がたくさん増える時は売上が増えた時ですね。急激に売上が増えると、回収が追いつかなくなり、仕入債務(支払手形や買掛金)の返済が追いつかなくなります。儲かっているのに倒産する、「黒字倒産」などと言ったりしますね。単に売上が増えるだけではなく、回収する手形の「サイト」が大きくなれば、なかなか回収されませんので、結果的に手形の残高が増えることになります。サイトが大きくなる時は、それだけ入金を待ってあげるということです。その間の資金不足に耐えないといけませんので、やはりサイトが大きくなれば運転資金は増加します。

(2)在庫
これが増えると運転資本が増えるというのは感覚的にお分かりになると思います。モノをたくさん作っても売らずに倉庫に貯めていけば、どんどんお金は減っていくのに、一向に回収ができません。従って在庫の増加は運転資本の増加につながります。

(3)仕入債務
これは支払手形や買掛金ですね。この残高が少なくなったり、減る時に運転資本が増加することになりますが、どういう状態でしょうか。例えば、サイトで言えば短くなることです。3ヶ月待ってもらっていた支払いが1ヶ月になったとします。そうすれば、残高としては溜まりにくくなりますが、それだけどんどん払っていかないといけませんので、その分資金を必要とします。また、手形支払をやめて振込に変更しても、手形の残高は減りますが、すぐに払わないといけませんので、資金繰りは苦しくなります。

以上の記述から分かるように、「運転資本」が増加したという事実だけでは、どんなリスクが内包されているかわかりません。売上が上がったから、運転資金が必要というのであれば、銀行から借りれば良いのです。売上が増加しているということはビジネスが上手くいっているということなので、当然回収面もそれなりに入ってくるだろうと考えることもできるため、一概に倒産するだろうとも言えないこともあります。在庫が捌けなくて運転資金が必要になっている場合は、早期に処分する方法を考えるか、在庫担保融資(モノにもよります)というのもありますので、やはり救える手立てはございます。
質問者様がおっしゃるとおりリスクはありますが、すぐさま資金不足→倒産とはならないと考えることもできます。
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