1/4A、1/4B、2/4C共有建物につき、AB名義で賃貸借契約がなされているところ、A名義で建物明渡・滞納賃料請求訴訟を起こしました。
期日前に書記官:「賃料請求は可分債権なので全額請求できないのでは?」
期日に裁判官:「賃貸借契約自体は他人物賃貸であれば、AB名義でも成立する」と言ってくれましたが、賃料請求については触れずに「準備書面で補充してください」と。
そこで、
(1)他人物賃貸であることを主張するのに何か特別なことを記載しなければならないか?
(2)あらかじめBがAに賃料の請求・受領を委任しておれば、Aは賃料全額を請求できるか?
についてご教授願いたくよろしくお願いいたします。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
不動産賃貸業を営んでおります。
(1) 父の所有する不動産を、私の会社が「賃貸人」として賃貸している物件もあります。
父は会社の株主でもありますが、会社はその不動産の共有者でさえなく、まさに他人の物の賃貸ですが、会社が滞納家賃の支払いや契約解除、明け渡し請求を訴訟で求めたことも何度かあります。
というより、そうするため(父ではなく私が裁判に出られる)に、会社が賃貸人になったのです。もちろん、勝ちました。
賃貸物を特定するために父名義の登記簿などを要求されたことはありますが、それを出してもなんの問題もありませんでした。
「○○会社が貸した、××会社が借りた、契約書はこのとおり、滞納額はこれこれ、よって契約を解除し、云々」で済みました。相手も「○○社から借りた覚えはない」なんて争いませんでしたから。
所有者(共有者)が「それでいい」と言っていれば、まったく無関係な法人でも賃貸人になれるのです。(納税関係をきっちりしておかないと、税務署から指摘を受ける)
本件で、共有物の管理行為だとか言い出すと、身動きができなくなります(管理は『持分価格の過半数で決める』と法定されていますが、ABで50%、Cで50%ですからそれぞれ半数であって、"過"半数ではないと思うので)。
おそらく、訴状には共有物云々と書いてあって、他人の物の賃貸だとは(あるいは、他人の物の賃貸であることを当然の前提とした書き方では)書いてないものと思います。
そうである以上、裁判所が「他人の物の賃貸だ」と勝手に認定するわけにはいきません。
そう認定しないと、さまざま権利関係が複雑になり、証明・証明で訴訟が面倒になります。
だから「書け」と親切にも言ってくれたのですから、言われたように準備書面に書いたほうがいいと私は思います。
(2) 共有者でもある賃貸人が複数の場合、家賃債権は本来は持分ずつの可分債権だと思いますよ、私は。
しかし、十中八九、契約書の中に振込口座か受取人が指定してあるはずなので、その人が全額を受け取る権限を持っている(持たされている)と考えるべきです。
ゆえに、契約に基づいてその者(たぶんA)が、全額の請求をできるものと思います。できなければ困りますよねぇ。義務を果たせなくなる。
つまり、当事者の意思により、不可分債権になっていると思います。
そのような賃貸契約を締結した以上、BはAに自分の分の収受をAに委任したと考えてよく、あえて、委任行為をする必要はないと思います。
もちろん、やっておいて構いませんが、日付的に問題が出てくる可能性がありますので、たとえば、「賃貸契約時に収受を委任したことを(今)再確認する」的な、配慮した文言にする必要があったりするかもしれません。
No.2
- 回答日時:
>・・・訴訟を起こしました。
と言うことなので、実務のお話しですよね。
そうだとすれば、highvalue さんは、法律に詳しいはずです。
このレベルは弁護士でも難しい部類に入ります。
まず、文章の中で「他人物賃貸」と言う部分がよくわからないですが、
これは3人の共有でしよう。
Aの持分が4分の1、Bが4分1、Cが4分の2で、AとBが貸主となって第三者に貸したわけですよね。
Cが貸主としていなくても、この場合の賃貸借契約は成立し有効です。
何故ならば、賃貸借契約は管理行為とされているので、A・Bが貸主で過半数だからです。
そこで、cが貸主でないので「他人物賃貸」と言っているとして、お答えします。
(1) 特別なことを記載する必要はないです。ただし、少なくとも、賃貸借契約が成立していたことと、それを解除した旨の記載は必要です。(要は、法律上の手続きが適法であったこと)
(2) この委任なども必要ないです。これは、不可分債権だから全額請求できます。
この点、書記官は「可分債権」と言っています。
賃料は契約によって、例えば、「借主は貸主Aに〇〇円、Bに〇〇円支払う」と言うことであれば、AはBの分まで請求できないです。それを言っているのではないかと思われます。
いずれにしましても、全体の法律構成をよく理解しておくことが必要と思います。
No.1
- 回答日時:
少し法的関係が入り組んでいるような印象を受けました。
形式的な話ではなく、まずは実体上どうなっているのか確認することが第一でしょう。
(仮に、実体を反映していない虚偽を記載した場合に、後々指摘されると不利な状況に陥る可能性が高いから)
賃貸借契約は、誰と誰の合意によってなされ、その期間は何年ですか?特にCはどのように関与していますか?もし全く関与していないとすれば、それは何故ですか?
というのも、東京地裁平14年11月25日の判例によれば、民法第602条の期間を超えない賃貸借(以下、短期賃貸借)であれば、管理行為。超える賃貸借であれば、処分行為です。
(短期賃貸借)
第602条
処分につき行為能力の制限を受けた者又は処分の権限を有しない者が賃貸借をする場合には、次の各号に掲げる賃貸借は、それぞれ当該各号に定める期間を超えることができない。
1 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃貸借 十年
2 前号に掲げる賃貸借以外の土地の賃貸借 五年
3 建物の賃貸借 三年
4 動産の賃貸借 六箇月
そして、管理行為とは各共有者の持分の過半数で決しなければならず、処分行為であれば共有者全員の同意が必要です。
そのため、仮に短期賃貸借であったとしても、「AB名義で賃貸借契約がなされている」というのは、原則Cの同意が必要であり、Cの同意がない以上ABは所有者として賃貸借契約は出来ず、出来るのはABは所有者という立場ではなく、第三者がした(民法559条で準用される560条による他人物賃貸借)という形ではないかと思われます。(他にも少し複雑な賃貸借契約であれば、可能かもしれませんが、契約の内容がわからない以上何ともいえません)
しかし、他人物賃貸借であるのならば、相手方がCとの何らかの契約等を主張してくると、Aの主張の多くは認めれないことになるかもしれません。なので、ABCと相手方が実体上どういう関係になっているのか、調べた上で補足をお願いします。
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