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冬季にも光合成が持続できることは生存上有利であるようにも思えますが、落葉樹も繁栄しているので他の点も含めて、両者の有利さあるいは不利さを教えていただければ幸いです。

A 回答 (3件)

葉を造るには,かなりコストがかかりますし,維持するにもコストがかかります。

さらに,葉は,徐々に光合成を行う能率が悪くなります。ですから葉には,寿命があります。葉を造り維持するコストと光合成で得られる利益の関係で常緑・落葉といった違いが生まれます。具体的に熱帯・温帯・寒帯の典型例を説明します。

(1)熱帯
ご存じのように常緑樹が主なものです。これらは,葉を造りましたコストは,光合成が盛んですから直ぐにコストを回収しまして利益が出ます。古い葉は,効率が悪くなりますから効率の悪い葉は緑のままで落葉させ,新たな葉を造ります。その結果,木は絶えず葉に覆われている常緑になります。

(2)温帯
温暖な温帯のカシやシイといった常緑樹は,春に葉を造り出します。しかし,夏だけでは利益が出ませんから翌年の春に新しい葉が開くまで葉を付けて,利益を得て落葉させます。

寒冷な,特に降雪地のブナやナラの落葉樹は,冬期の降雪で葉をすごさせることができません。ですから春にコストをあまり掛けないで葉を造りだし,夏の間にコストを回収し利益を得て,秋に落葉して,冬期は冬眠する方がメリットが大きいのです。

(3)寒帯
寒帯では,エゾマツやトドマツのように基本的に常緑です。これは春に葉を付けても,一年程度ではコストを回収出来ません。ですから何年にもわたって少しずつ利益を得る方法をとっているわけです。

これら大きく分けて4種の樹木がありますが,上のものほど成長が早く,下のものほど成長が遅い樹木です。競争力は下のものほど低いわけです。ですから厳しい環境に追いやられたのですね。
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この回答へのお礼

熱帯、温帯、寒帯という環境条件できれいに理解できるのですね。ご教示感謝いたします。

お礼日時:2012/12/04 18:57

まず、落葉樹の方が進化し環境に適応した種だと考えられているようです。

冬期に休眠することで寒冷な気候にも適応できます。

また、落葉樹の葉は一般的に薄く虫害にも弱く長持ちしない葉です。その分、つくるのにコストがかかりませんし、光合成の効率も高くなります。これを1年で使い捨てにすることで、むしろ成長の効率を高めようとしているのです。十分な光を受けて早く成長し、他の樹より高く伸びようとする「陽樹」が多いです。

一方、常緑樹は一般的に葉にコストを掛け、長持ちする葉をつくりますが、その分成長は遅くなります。落葉樹が葉を落とした冬~早春期に光合成したり、エネルギーの消費を抑えて半日陰~日陰でも成長できる「陰樹」として極相をつくるものが多いです。

これらは一般論で実際には樹種によって様々な個性があり、生存のための方策を持っています。「陰樹」により極相となった森も、斜面崩壊や洪水、山火事といった自然のかく乱や、人の手に依る伐採によって再び光が差し込むようになり、「陽樹」の出番が回ってきます。
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この回答へのお礼

深い内容のご教示をいただきましてありがとうございました。大変勉強になりました。

お礼日時:2012/12/04 05:39

光合成の効率がよければ冬場でも葉を茂らせていいかもしれませんが、


光合成できない時間が多いとか、寒さ・凍結への対応を見た上で「葉の維持コスト<光合成の生産量」となるなら、
葉に蓄えた栄養などを幹に回収して、葉を落とした方が省エネなのでしょう。
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この回答へのお礼

同じ場所に両者が生えている場合がありますが、ご教示のことに合っているということですね。ありがとうございました。

お礼日時:2012/12/03 10:44

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