プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

画像の2段目の式(B(t)のフーリエ変換)はどのようになるのでしょうか。
A(オメガ)となってほしいのですが, どのように計算すればよいでしょうか。

ちなみにこの式はフーリエ変換分光法において, 「得られたインターフェログラムをフーリエ変換することで, 試料のスペクトルとなる」ということを証明するための式です.
数式中のB(t)をインターフェログラム, A(オメガ)を光源のパワースペクトルと考えています.


----------画像中の数式について---------------
1段目の積分記号の右にあるRのような文字は複素数の実部を示す記号です. iは虚数, tは時刻, ωは角周波数を示しています.
なお, A(オメガ)は実数関数とします.

以上よろしくお願いいたします.

「フーリエ変換--フーリエ変換分光法の原理」の質問画像

A 回答 (1件)

ご質問の B(t) の式


  B(t) = ∫[-∞ to ∞]Re[A(ω)exp(iωt)dω]
が意味不明なので、
  B(t) = ∫[-∞ to ∞]Re[A(ω)exp(iωt)]dω
と解することにします。

A(ω) が ( -∞, ∞ ) で積分可能であり、かつ、 A(ω) のフーリエ変換も ( -∞, ∞ ) で積分可能なら、

[1]  ∫[-∞ to ∞]B(t)exp(-iωt)dt = π(A(ω)+A(-ω))  (a.e.)

です( a.e. は、ほとんど至るところのωで等式が成立することを示す)。
とくに、もし、 A(ω) が、「連続な偶関数(A(ω)=A(-ω) )」という条件も満たすなら、

[2]  ∫[-∞ to ∞]B(t)exp(-iωt)dt = 2πA(ω)

です。
[1]は、次の定理から導けます。

[3]  フーリエ逆変換の定理(or 反転公式)

「 f(x) を (-∞, ∞) で積分可能な実数値関数とし、 F(ν) をそのフーリエ変換とする:
  F(ν) = ∫[-∞ to ∞]f(x)exp(-2πiνx)dx
もし、 F(ν) が ( -∞, ∞ ) で積分可能なら、ほとんど至るところの x で次の等式が成立する。
  f(x) = ∫[-∞ to ∞]F(ν)exp(2πiνx)dν  」

なお、フーリエ変換について、工学系や物理系の人と数学系の人では、若干異なった定義を使っています(係数2πを乗ずるかどうかの違い)。ここでは、数学系の定義に従って記述します。どっちの定義を使っても、今回の計算結果は変わりません。

以下が、[1] の導出過程です。

******************

( 関数G(t) )

次の関数 G(t) を使う。 A(ω) が ( -∞, ∞ ) で積分可能との仮定があるので、 G(t) は、-∞ < t < ∞で定義された関数として確定する。

  G(t) = ∫[-∞ to ∞]A(ω)exp(-iωt)dω

A(ω) が実数値だから、

[4]  conj(G(t)) = G(-t)

である( conj は複素共役を表す)。
また。 s = t/(2π) とすれば、

  G(2πs) = ∫[-∞ to ∞]A(ω)exp(-2πiωs)dω

だから、 G(2πs) は、 A(ω) のフーリエ変換である。よって、 [3] により、次が成立する。

  A(ω) = ∫[-∞ to ∞]G(2πs)exp(2πiωs)ds  (a.e.)

さらに積分変数を s から t に置換して、次を得る。

[5]  2πA(ω) = ∫[-∞ to ∞]G(t)exp(iωt)dt  (a.e.)

ωの代わりに -ωを代入して、次を得る。

[6]  2πA(-ω) = ∫[-∞ to ∞]G(t)exp(-iωt)dt  (a.e.)

また、 [5] の両辺の複素共役をとれば、 [4] を考慮し、次を得る。

[7]  2πA(ω) = ∫[-∞ to ∞]G(-t)exp(-iωt)dt  (a.e.)

( B(t)exp(-iωt) の積分)

Re[A(ω)exp(iωt)] = (1/2)(A(ω)exp(iωt) + conj(A(ω)exp(iωt))) = (1/2)(A(ω)exp(iωt) + A(ω)exp(-iωt)) である。よって、次を得る。

  B(t) = ∫[-∞ to ∞]Re[A(ω)exp(iωt)]dω
     = (1/2)∫[-∞ to ∞](A(ω)exp(iωt) + A(ω)exp(-iωt))dω
     = (1/2)(G(-t) + G(t))

よって、次のようになる。

  ∫[-∞ to ∞]B(t)exp(-iωt)dt
  = (1/2)∫[-∞ to ∞](G(-t) + G(t))exp(-iωt)dt
  = (1/2)∫[-∞ to ∞](G(-t)exp(-iωt) + G(t)exp(-iωt))dt
  = (1/2)(2πA(ω) + 2πA(-ω))  (a.e.) ( [6] と [7] より)
  = π(A(ω) + A(-ω))
    • good
    • 0
この回答へのお礼

おぉ!すごい!

素晴らしいご回答ありがとうございました.
G(t)を定義し, そして[4]式からの利用が思いつきませんでした.

ご丁寧に解説をして頂きありがとうございました!

お礼日時:2013/01/23 19:03

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!