私の理解では、用途や目的を限定していないものを「一般財源」と言うものだと思っていました。そして「道路の維持管理・更新のための財源」と使途や目的を限定したら(道路)特定財源だと思っていました。
「一般財源」だけど「道路の維持管理・更新のための財源」と使途を限定した枠ができそうだというニュースを見ました。当然「道路特定財源」ではないと。
つまり現在の政府の定義と私の認識とは全く異なる概念のようでした。
「道路特定財源を復活させる気は全くない」「一般財源と断言する。元に戻すことは百%ない」などと「道路特定財源」ではないと強く主張しているようですが正直違いがわかりません。
質問は以下です。
・現在の政府の言う「道路特定財源」とは何なのでしょうか?
・「道路特定財源」はそんなに否定されるほど悪いものだったのでしょうか?
・新しい枠は使途を限定しているのになぜ一般財源なのでしょうか?
・「道路の維持管理・更新のための一般財源」と「道路特定財源」との違いはなんなのでしょうか?(一番知りたいところ)
よろしくお願いします。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
・現在の政府の言う「道路特定財源」とは何なのでしょうか?
→今回「道路特定財源」復活と騒がれたのは、消費税率アップ時に自動車取得税を廃止するかわりに自動車重量税相当分を「道路特定財源」とする流れが政府内で一時あったからです。
・「道路特定財源」はそんなに否定されるほど悪いものだったのでしょうか?
→道路整備特別会計が廃止(というか他の公共事業関係特別会計と合わせて社会資本整備特別会計に一本化)され、道路四公団が解体されるくらいだったので「否定されるほど悪いものだった」のかもしれません。公共事業の垂れ流しとか無駄な公共事業の代表として批判されましたし。
個人的には戦後日本の経済躍進の原動力の一つだったけど、制度設計が時代に合わなくなった、という印象です。
・新しい枠は使途を限定しているのになぜ一般財源なのでしょうか?
→特定財源化してしうと(特定財源化には法律の制定が必要です)「道路に関連する事業」にしかその財源は使用できません。つまり臨機応変性に欠け、前述の無駄な公共事業の垂れ流しに逆戻りする可能性が高いということです(これはガソリン税、自動車関係税が毎年一定程度(兆単位で)国庫に納められいることから起因します。「お金があるから公共事業をしよう」という目的の形骸化が起こるということ)。
・「道路の維持管理・更新のための一般財源」と「道路特定財源」との違いはなんなのでしょうか?(一番知りたいところ)
→「一般財源」から「道路の維持管理・更新のための」予算をあてがうことのメリットは、毎年度の国の予算において「道路の維持管理・更新のため」の予算が明確化することです。以前の「道路特定財源」の場合、財務省の査定にも限界があり、どうしても「道路特定財源」を管轄していた国土交通省(及び背後にいた道路族と呼ばれる族議員)の意向が予算編成の段階で強くでることになり、無駄な公共事業を垂れ流す結果となっていました。
財務省の予算要求査定をすべてにおいて受けることで、予算の無駄を減らすことができるかもしれない、というのが大きな理由でしょうね。
この回答への補足
運用は少し変わる。でも常識的に判断すれば、事実上の道路特定財源の復活、ということのようですね。おおむね実態が把握できました。
ありがとうございました。
(確か道路特定財源は完全に財務省とは無関係に国土交通省が自由に使途を決められるという仕組みだったと記憶しています。なのでそれが正しければ)
財務省のチェックが入るか、入らずに国土交通省が自由に決められるかという違いなのですね。正直この点は見落としていました。ただ単に名前が違うだけで他には違いがないのではと思っていましたが、明確な違いがあったんですね。
でも、本質的には財務省の審査が入るかどうかという点が異なるだけなので、国土交通省の官僚と財務省の官僚に劇的な能力差でもない限りは、『「お金があるから公共事業をしよう」という目的の形骸化』や「無駄な公共事業の垂れ流しに逆戻り」という点は、おそらく「使途を限定した一般財源」でも同じことですよね…。
すっきりしました。
質問をしてみたかいがありました。ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
ANo.2です。
>もしも本当に「道路の維持管理・更新のための経費」が必要だったら、特別枠など設けずに毎年必要な分を計上すればいいだけの話ですよね。でもそうではない。
→一般財源から計上するということはその年度毎に議論して計上する・・・はずw
なので、自分の認識では「でもそうではない。」ではないんです。
だから毎年一般財源から一般会予算が決まり、その中での予算組み案、方針、内訳が出されていたと思います。
特定財源は個別に特別会計で予算が組まれますので。
なので自民が政権を持っている間、毎年「道路の維持管理・更新のための一般財源」の予算を組みますよ~って麻生さんが言ったものと認識しています。
なので自分は最初に「新しい枠と言うか」と付けさせていただきました。恒久的な「枠」はない筈です。
>また「自動車重量税」を「道路の維持管理・更新のための一般財源」とするという話なので、「専用の収入源」にあたると思います。
→あくまで例として「自動車重量税」分を「道路の維持管理・更新のための一般財源」としてあてるとの内容かと思います。
自動車重量税も取得税も一般財源になります。なので専用の財源とは言えません。
重量税や取得税が二重課税になってるし、一般財源になって目的税の役目は終えてるはずだからから無くす?みたいな議論があったから「その税金が必要です!」とアピールのために挙げたはずです。
>なので、本質的には「道路特定財源」と「道路の維持管理・更新のための一般財源」は、判断する省庁が異なるという点は除き、特に違いはないと思います。
>どうでしょう。認識に相違がありますでしょうか?
→本質的となると返答に困る部分はありますね。
「判断する省庁が異なるという点」が一番大きな違いでしょうし。。。
一般会計は国会で議論されますけど、特別会計はあんまりないですしね。
建前上は何に使うかとか必要なのが明確だから議論する必要すらない、とかだそうですが胡散臭いことこの上ないですけどね。
なので民主の頃の事業仕分けにつながった筈ですが・・・全くうまくいきませんでしたね。
会計は以下のようになりますので特別財源を作るということは特別会計に割り振られ、ご存知のようにそれを担当省庁がそれを管理。。。なのでそういう意味で言うなら本質は同じですが、政治家や国民からすれば見えやすさが違うといいますか。。。
税金合計(一般財源+目的税)
├─────XX(会計)
├─────YY(会計)
├目的税─道路(会計)(例)
・
・
・
一般会計
とりあえず、もっと浅い質問かと思ってたら深いとこを補足できたのでびっくりしましたw
ウィキペディアの特別会計が意外とわかりやすいかもしれません。
各会計ごとに特別財源があるわけではないですが、道路特定財源は道路の維持・整備費を目的とした目的税ですので「専用の財源」となります。
・特別会計(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5% …
この回答への補足
微妙に食い違っているように感じる部分があるので確認のため書いておきます。
# 恒久的な「枠」はない筈です。
「自民が政権を持っている間」は恒久的。政権交代すればこの特別枠は廃止される可能性があるので、恒久的とはいえないということですね。
# 自民が政権を持っている間、毎年
# 「道路の維持管理・更新のための一般財源」の
# 予算を組みますよ~って麻生さんが言ったものと
つまり、必要なものを積み上げた結果で日本全体の予算を考えるのではなく、道路枠だけは先に確保して内容は後で考えるのですよね。
ありがとうございました。
>一般会計は国会で議論されますけど、特別会計はあんまりないですしね。
なるほど。今までは議論すらせずに自由に決めることができていたのですね。
つまり
理想的には「道路が必要かどうか議論する」が望ましい。でも自民党の道路族がそれをさせない。
今までは「必要かどうかも、どこに造るかも議論しない」だった。しかしこれからは、「必要かどうかはさておき、どこに道路を造るかだけ議論する」ようにする、ということですかね。
参考になりました。ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
・現在の政府の言う「道路特定財源」とは何なのでしょうか?
→御認識の通り、道路の維持管理の為の財源ですね。
・「道路特定財源」はそんなに否定されるほど悪いものだったのでしょうか?
→財源があるから使い切らねば!って無駄な工事を繰り広げられてました。
一昔前(5年くらいかな?)に年末にやたら道路をひっくり返していたのを覚えてませんか?
その無駄遣いを無くす為に2008年?に一般財源化されました。
・新しい枠は使途を限定しているのになぜ一般財源なのでしょうか?
→多分、新しい枠と言うか、先日のトンネル内落盤事故があった件で全国的に補修、修繕を目的とした予算を組む内容の麻生さんの発言についてですよね。
自動車重量税を当てるとして話題になってるやつ。
一般財源内の使用目的とした場合は使用用途を限定したものとはならないからです。
一般企業で言うなら
・窓ガラスが割れたから雑費で計上した。
・窓ガラスが割れたから客に請求して処理した。
みたいな?
翌年の予算に一般財源だったら翌年考えることが可能。
特定財源だったら使用用途が制限されているから翌年も特定財源になる。
高度経済成長期だった日本には特定財源として毎年必要だったからうまく回っていたが、今更同様に必要になるはずもなく…といったところですね。
・「道路の維持管理・更新のための一般財源」と「道路特定財源」との違いはな んなのでしょうか?(一番知りたいところ)
専用の収入源の有無でしょうね。
昔の道路特定財源は自動車重量税、自動車取得税、ガソリン税諸々は特定財源として道路にかかる費用として徴収されていました。
それが2008年に廃止(一般財源化された)ので道路特定財源は現在ありません。
別の例を出すなら有耶無耶のまま政権交代しましたが野田が消費税増税分を特定財源にするとかしないとかで福祉に注ぎ込むって話でしたよね。
アレが消費税増税分の直近で3%は(福祉)特定財源。
勿論、政権交代で多分流れてどうなるかは不明。良し悪しは別にしてね。
こんな感じでわかります?
まぁ、権力争いや官僚云々は全く無しにした感じです。
この回答への補足
もしも本当に「道路の維持管理・更新のための経費」が必要だったら、特別枠など設けずに毎年必要な分を計上すればいいだけの話ですよね。でもそうではない。
ですので、日本の諸問題を並べて検討した時に本来優先順位が低い道路でも優先的に作れるようにするというのが絶対的な目的だと思います。
つまり、「窓ガラスが割れたから修理」という考えではなく、「窓ガラスは割れるものだから、割れる前から確保しておこう。あまったら新しい窓をどっかに作ればいいし」という考えだといえると思います。
また「自動車重量税」を「道路の維持管理・更新のための一般財源」とするという話なので、「専用の収入源」にあたると思います。
なので、本質的には「道路特定財源」と「道路の維持管理・更新のための一般財源」は、判断する省庁が異なるという点は除き、特に違いはないと思います。
どうでしょう。認識に相違がありますでしょうか?
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