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いつもお世話になっています。
A.Waleyの『 TALE OF GENJI 』 (帚木 The Broom-Tree)から
わからないところと訳の間違っているところを教えていただければと思います。

1)
『 When she decided on this step she was perfectly sincere and had not the slightest intention of ever returning to the world. Then some female friend hears of it and ”Poor thing,” she cries; ”in what an agony of mind must she have been to do this !” and visits her in her cell. 』

●彼女がこの道のりを決心するとき、彼女は完璧に見せかけでなく、そして決して世の中に戻る意向は少しも持ちませんでした。そしてある女性の友達はそれを関知します。そして「かわいそうに」と彼女は叫びます、「彼女は大変な心の苦悩の中で、こうしなければならなかったに違いありません!」そして彼女の独居房の中に彼女を訪ねます。・・・・・?

”in what an agony of mind must she have been to do this !”・・・・・
ここは she must have been to do this in what an agony of mind.ですか?
(she must have been to do this in a 【great】 agony of mind.)・・・・?

must have been ・・・・ここの「must be」は「~に違いない」?

been to do~・・・ここの「be+to不定詞」は「予定」ですか?

「~to do this」は前回の「尼僧院に入ること」ですか?「She becomes more lugubrious than ever, and finally enters a nunnery.」(前回の文より)

2)

『 When the husband, who has never ceased to mourn for her, hears what she has become, he bursts into tears, and some servant or old nurse, seeing this, bustles off to the nunnery with tales of the husband's despair, and ”Oh Madam, what a shame, what a shame !”』

●夫は(彼は彼女に対して決して嘆くことをやめていませんでした)彼女が何になってしまったか聞く時、彼は泣き出し、そしてある従者もしくは年をとった乳母はこれを見て、夫の絶望の話と共に修道院へせわしく動き回ります。そして「おお、奥様、あんまりです、あんまりです!」・・・・・?

who has never ceased to mourn for her・・・・彼女が家を出て行ったことを嘆き続けていたということですか?

bustles off・・・・せわしく動き回る?夫の絶望の話を持って修道院へ急き立てられるように向かうということですか?

what a shame・・・・辞書に「あんまりだ」と載っていたのですが、「なんて恥ずかしい事!」という直訳になるのでしょうか?

3)

『 Then the nun, forgetting wherer and what she is, raises her hand to her head to straighten her hair, and finds that it has been shorn away. In helpless misery she sinks to the floor, and do what she will, the tears begin to flow. 』

●その時尼僧は彼女がどこにいて何であるかを忘れて、彼女の髪をまっすぐにするために彼女の頭に手を上げ、そしてそれが刈り取られてしまったことを見出します。助けのない惨めさの中で、彼女は床にくずれるように倒れ、どうしても、涙は流れ始めます・・・・・・?

Then・・・・その時?

raises her hand to her head to straighten her hair,・・・・「raises」は手を頭に触れてみる感じですか?

do what she will・・・・・どうしても?(どんなことをしても?)
what she will doが元の形ですか?(彼女がしようとすること?)
「do」を前に出して「彼女が何をしても」という強調的な意味にしたのでしょうか?

夫も妻も取り返しがつかない事態になって、初めて真の気持ちに気付けたのでしょうか。

よろしくお願い致します。

A 回答 (1件)

今晩は。

寒さがぶり返しました。また少し雪模様です。

いつも大変丁寧なお礼をありがとうございます。

1)
>彼女がこの道のりを決心するとき、彼女は完璧に見せかけでなく、そして決して世の中に戻る意向は少しも持ちませんでした。そしてある女性の友達はそれを関知します。そして「かわいそうに」と彼女は叫びます、「彼女は大変な心の苦悩の中で、こうしなければならなかったに違いありません!」そして彼女の独居房の中に彼女を訪ねます。・・・・・?

●完璧です。

>”in what an agony of mind must she have been to do this !”・・・・・
ここは she must have been to do this in what an agony of mind.ですか?
(she must have been to do this in a 【great】 agony of mind.)・・・・?

●書き換えとしては、what という感嘆詞を great に変えられたのはとてもいいです。ただ、to不定詞をbe動詞と結びつけて考えておられますが、これは独立した「目的」のto不定詞であって、be動詞は、be in a great agony of mind として述語を形成しています。ですから、語順としては、she must have been in a【great】agony of mind to do this.のほうが自然です。

>must have been ・・・・ここの「must be」は「~に違いない」?

●must は、1)~しなければならない、2)~にちがいない、の2つの代表的な意味がありますが、後に完了形(have + pp)が来た場合は、100%、2)の意味です。ですので、「~だったに違いない」の意味になります。

>been to do~・・・ここの「be+to不定詞」は「予定」ですか?

●上に述べましたように、「to不定詞」は「目的」の意味の副詞的用法です。

>「~to do this」は前回の「尼僧院に入ること」ですか?「She becomes more lugubrious than ever, and finally enters a nunnery.」(前回の文より)

●その通りです。

2)

>夫は(彼は彼女に対して決して嘆くことをやめていませんでした)彼女が何になってしまったか聞く時、彼は泣き出し、そしてある従者もしくは年をとった乳母はこれを見て、夫の絶望の話と共に修道院へせわしく動き回ります。そして「おお、奥様、あんまりです、あんまりです!」・・・・・?

●これも完璧です。

>who has never ceased to mourn for her・・・・彼女が家を出て行ったことを嘆き続けていたということですか?

●cease は、後に動名詞もto不定詞も取れる動詞です。(stop や quit は動名詞のみ。)「嘆くのをやめなかった」ですから、おっしゃるように「嘆き続けていた」となりますね。

>bustles off・・・・せわしく動き回る?夫の絶望の話を持って修道院へ急き立てられるように向かうということですか?

●自動詞 + off to ~というのがよく使われるフォーミュラで、「~へ行く」という意味ですが、そこに自動詞のニュアンスが付け加わるわけです。bustle が「せわしい」ニュアンスを持っていますので「あたふたと出かける」くらいの意味になります。creative にもなれるフォーミュラです。ふらふらと行くなら、drift off to という具合に...

>what a shame・・・・辞書に「あんまりだ」と載っていたのですが、「なんて恥ずかしい事!」という直訳になるのでしょうか?

●shame には「恥ずべき事」という意味はもちろんありますが、その他にも、sadness, disappointment, embarrassmentなどの感情を表すことがあります。What a shame! は、失望や相手に対する同情を表す表現としてよく使われます。(そしてよく日本人はニュアンスを取り違えます。)この場合、使用人は、女主人をなじっているのではなく、女主人に共感しての悲しみや当惑をも表現しています。ですから「あんまりだ」という訳が適訳になると思います。

3)
>その時尼僧は彼女がどこにいて何であるかを忘れて、彼女の髪をまっすぐにするために彼女の頭に手を上げ、そしてそれが刈り取られてしまったことを見出します。助けのない惨めさの中で、彼女は床にくずれるように倒れ、どうしても、涙は流れ始めます・・・・・・?

●完璧です。2回続けてノーミスですね。

>Then・・・・その時?

●「その時」でいいと思います。

>raises her hand to her head to straighten her hair,・・・・「raises」は手を頭に触れてみる感じですか?

●「raises」は手を上に上げる動作ですが、この場合、髪を直そうとしているようで、当然頭に触れますので、「手を頭に触れて」と訳された方が分かりやすいですね。

>do what she will・・・・・どうしても?(どんなことをしても?)
>what she will doが元の形ですか?(彼女がしようとすること?)
>「do」を前に出して「彼女が何をしても」という強調的な意味にしたのでしょうか?

●will は本動詞で「望む」という意味だと思います。なぜwills (ないし古形で wilt)となっていないかというと、仮定法現在形で動詞原形を使っているからでしょう。(doも doesになっていないのは原形だからです。)
 意味は最後に挙げておられる「彼女が何をしても」という意味であることは確かです。ただどうしてそういう意味になるのかという文法的説明は、申し訳ないですが、うまくできません。私自身はイディオム的に捉えていて、例えば、Say what you will, I won’t change my mind. などですと、Say what you will=No matter what you may sayということで、譲歩構文の一種として捉えています。
 下の原文では「忍ぶれど」に相当するところかと思います。

>夫も妻も取り返しがつかない事態になって、初めて真の気持ちに気付けたのでしょうか。

●そういうことですね。自分では本気だと思って打った芝居が取り返しのつかない事態を招いてしまう...
 ここらあたりの紫式部の「未練」の描き方は巧みですね。文章が見事です。

原文:
思ひ立つほどは、いと心澄めるやうにて、世に返り見すべくも思へらず。『いで、あな悲し。かくはた思しなりにけるよ』などやうに、あひ知れる人来とぶらひ、ひたすらに憂しとも思ひ離れぬ男、聞きつけて涙落とせば、使ふ人、古御達など、『君の御心は、あはれなりけるものを。あたら御身を』など言ふ。みづから額髪をかきさぐりて、あへなく心細ければ、うちひそみぬかし。忍ぶれど涙こぼれそめぬれば、折々ごとにえ念じえず...

現代語訳(谷崎訳):
発心した当時は、ひどく心が澄み切っているような気がして、浮世に未練がありそうにもしません。『まあ、おいとおしい、よく思い切ってこんなお姿に』などというように、友達が訪ねて来てそう言ったり、頭から嫌いぬいているわけでもない昔の男が聞き伝えて、涙を流したりしますと、召使や老女たちなどが、『殿はあんなに優しいお心を持っていらっしゃいましたのに、あたらおん身を』などと 言いますので、自分で額髪をさぐってみて、情なく心細くなってきて、泣き顔をします。怺えていても一度涙が落ち始めると、折々ごとに我慢ができず...

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《余談》
>三島由紀夫の『春の雪』に出てきた「聡子」が出家したところが貴族のための尼寺だったような。。

●『春の雪』を読んでいませんが、ネットで調べると「月修寺」のモデルは「円照寺」とありました。京から奈良に移った由緒ある尼門跡です。これをきっかけに『春の雪』を読んで見たいと思います。

>ジョージ・オーウェル(1903-1950)についてあまり知らなかったのですが、『1984年』という小説が有名みたいですね。

●あまり気持ちのいい小説ではないですが、国家権力が大きくなりすぎるとどういうことになるかよく分かる小説ですので、現代人の必読書だと思います。

>aristocratic=貴族的な?
源氏物語は訳していていつも感じるのは現代にも通じる内容だということです。
これは西洋の人たちも感じていることではないでしょうか?

●aristocraticは、アメリカではネガティブな意味を持ちます。
 一度アメリカ人の『源氏物語』についてのシンポジウムを見たことがありましたが、現代に通じる偉大な文学として考えているようでした。普遍的な価値を持っているのだなと改めて感じました。(つづく)
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この回答へのお礼

今晩は。二月は春が近いのにまだまだ寒い日がありますね。

いつも大変丁寧に回答をして下さってありがとうございます。

「great」のところは以前教えていただいたところを覚えていたのですが、
「 she must have been to do ~」の「been to do」はてっきり
be+to不定詞の形になっているのだと思っていました。
「目的」の意味の副詞的用法なのですね。
(「彼女は大変な心の苦悩の中にいたに違いない、こうするために」が直訳になるでしょうか)

「must + have + pp」で100%「~だったに違いない」となるのは「then」などとは違って
悩むことなく覚えやすいですね。

「cease」と「stop 」や 「quit 」の違いも覚えておきたい個所です。

「bustles(自動詞) off to」で「~へあたふたと出かける」という意味になるのですね。
「bustles off 」を自動詞ととるか他動詞(《人》をせきたてる)ととるか悩んだのですが
「せきたてる人」がいないので、訳としていまいちはまらないと思ったのですが
自動詞の訳「せわしく動き回る」を選択しました。
「drift off to」は「ふらふらと行く」ですね。

そもそも言っている内容が難しい文は辞書を引いてもどの言葉を選んだらいいのか、
何を言おうとしているのか全体がつかめなかったりします。

「do what she will」は「do what one will」で「どうしても」というのがあったので
そう訳すのかな、と思ったのですが、イディオム的に捉えるといいのですね。
「仮定法現在形で動詞原形を使っている」というのは理解できました。
忍ぶれど=怺(こら)えていてもですね。

原文と現代訳を紹介してくださってありがとうございます。
ここの原文は読んでいて内容がすっと入ってくる感じです。
「みづから額髪をかきさぐりて、あへなく心細ければ、うちひそみぬかし」の部分は
情景が目に浮かぶようです。描写が上手ですね。

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「月修寺」のモデルは「円照寺」(京から奈良に移った由緒ある尼門跡)だったのですね。
『春の雪』を読むにあたっては相当辞書を引いた記憶があります。

ジョージ・オーウェルの『動物農場』を読みました。
人間社会が繰り返して犯す過ちを動物のコミュニティを用いて説いているところが
すごい発想だなと思いました。
『水晶の精神』と『1984年』も借りてきたので読もうと思っています。
(気持ちのいい小説ではないのですか・・・?)

「aristocratic」はアメリカではネガティブな意味を持つのですね。
『源氏物語』が海外で評価されているのは嬉しいことですね。
普遍的な価値を持っている本にたくさん出会いたいですね。

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前回ご紹介してくださった北見治一の『回想の文学座』、読みました。
おもしろかったです。

岩田豊雄はたいへんな照れ屋だったとあったのが印象的でした。
最初の分裂騒動はクーデターのように北見にとっては突然だったようですね。
二度目の分裂の時は三島由紀夫がかなり関わっていたことがわかりました。
また杉村春子が支柱となっていたことも知ることができました。
みんな演劇にかける情熱ゆえぶつかりあってしまうのですね。
この本を読んで北見治一という人のひたむきな心に触れることができたような気がします。

ノンフィクションもおもしろいですね。

(また金曜日に投稿します)

お礼日時:2013/02/13 00:25

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