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法律に関して、まったくと言っていいほど知識がないのですが、
「自殺幇助」
「他人が自殺しようとしているのを抑止する」義務、権利
の二点についてうかがいたいと思います。

A:自殺しようとしている者
B:その場にいあわせた者

Aが死亡すると、Bに保険金が入るとか、
AはBに借金をしているとか、そのような関係は全くないと仮定します。

パターン1
A「今夜自殺しようと思うんだ。」
B「あぁ、そう」(特に行動は起こさない。)

パターン2(ビルの屋上で)
A「ここから飛び降りて、死のうと思うんだけど、
  フェンスを越えるの手伝って。」
B「いいよ。」(実際に手伝う。)

パターン3(A:人工心肺、ペースメーカー等を装着している人)
A(人工心肺、ペースメーカー等のスイッチを示して、)
 「ちょっとそこのスイッチ切ってくれる?」
B(なにもしらずに、)
 「いいよ。」(実際にスイッチを切る。)

これらのパターンで、Aが実際に死亡した場合、Bには何か
過失、責任が生じるのでしょうか?

また、目の前で自殺しようとしている人に対して、
それを止めなければならない義務、もしくは、
力ずくででも、それを止める権利、はあるのでしょうか?
一般人と警官などの公務員で何か違うのでしょうか?

最後に、決して、私自身や身近にいる人が自殺を考えている
わけではありませんので、ご心配は無用です。
ご回答、ご意見、よろしくお願いします。

A 回答 (4件)

幇助罪とは、争いがあるところですが、幇助と実行行為の間に因果関係があればよく、さらに争いがあるところですが、実行行為を促進・容易にすれば足りるとされてます。


で、パターン1で、Bの台詞がどういう状況で発せられたかによって、無罪か、自殺教唆罪か、不作為による自殺幇助か分かれると思うんです。パターン1は結論が出ません。

パターン2は当然実行行為を容易にしているので、自殺関与罪(202条前段)が成立します。(あーそそる論点が・・・正犯なき共犯を認めるのか、修正惹起説の論証が頭をよぎります)

パターン3は故意がないので(38条1項)殺人罪(199条)は成立しません。過失致死罪(210条)ですね。過失致死罪は50万円以下の罰金だから軽いですよ。もちろん、病室で、一般人の通常の理解において、なんか切るとまずいスイッチだなという認識が可能であれば、重過失が認められ、重過失致死罪(211条後段)が成立しますがー

自殺自体は犯罪ではないので、死を認識して死のうとしている人に対して、阻止する義務はないと思います。倫理の問題であって、刑法が作為を要求する問題ではない。
死を認識していない人、要するに、幼児にここから飛び降りてごらんとかいって、高層マンションのベランダからダイブさせた場合などは殺人罪の間接正犯が成立します。
また、判例は、自殺を認識していても、偽装心中の場合、動機に錯誤があったとして、不作為による殺人罪を認めてます。

溺れて死にそうな人を放置する不作為犯と違って、保護義務や作為の可能性・容易性や構成要件の同価値性があれば自殺関与罪を認めるなんて事はないしなぁ・・・

蛇足・・・以下のような問題を解いたことがあります。銀行の融資担当者が親友に融資を断った。担当者は友人が融資を断れば一家心中することを知りつつ、無担保で貸せないから断った。そしたら、親友は一家心中してしまった。担当者の罪責を問う。
結論は無罪なのですが、理由づけが大変で、行為無価値論者の私は社会的相当性がないといって因果関係を切ったのですが、結果無価値論で相当因果関係説を取ると説明ができないとか・・・客観的帰属論だと某教授は壇上で力説してました。こんな問題、本試験にでるわけないのですが、考えてみると面白いものです。
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inorganicchemistさんへ自殺は犯罪ではありませんから、処罰されないです。

自殺が犯罪で、自殺が未遂だったけども、社会を騒がせたら、死刑とか条文に書いていると、落語みたいだ。生命は個人法益で社会法益ではないんですけどね。

警察官の行為は、暴行罪(208条)の構成要件に該当しますが、正当業務行為(35条)で違法性が阻却されるのでしょうね。

ところで、若い男の子が親に向かって、死んでやると叫んだ場合は、脅迫罪(222条)になるんかな。(笑)狭義の脅迫概念で相手方またはその親族の生命・身体・事由・名誉・財産への害悪を告知することだから・・・無罪とも言えないですね。
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この回答へのお礼

sein13さん、丁寧かつ精力的な回答ありがとうございます。

要点を押さえた上で、笑いのツボも押さえたすばらしい回答です!

おかげさまで、当初の質問に関しては、ほぼ完全に納得できました。

お礼日時:2001/05/22 22:26

刑法202条は「自殺関与及び同意殺人の罪」です。


これは、「自殺しろ」と言ってそそのかしたり、脅迫したり、「殺してくれ」と言われて殺したり、自殺するのを手伝ったりする「作為」(何かを「する」こと)を罰するものなので、「不作為」(「何もしない」こと)は刑罰の対象になりません。
この条文に値するのは2と3でしょう。
1に当たるものは、刑法にはないと思います。

参考URL:http://www.houko.com/00/01/M40/045.HTM#s390

この回答への補足

kohjiさん回答ありがとうございます。

自殺するのを手伝うことが、重い罪とされていることは
わかりました。


では、自殺しようとしている人、もしくは自殺した人が
罪に問われることはあるのでしょうか?

たまにドラマなどで、若い男の子がビルの屋上で
「俺は死んでやるんだ!」
と叫んでいるのを、警官が物陰から飛び出して、
押さえつける。

といった場面がありますが、法律的にはどうなのでしょう?
先ほど紹介していただいたサイトでは、自殺そのものについての
記述はなかったように思うのですが・・

重ね重ねの質問で恐縮ですが、
みなさんよろしくお願いします。

補足日時:2001/05/22 20:14
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 パターン1は無罪かと思ったら、刑法には「自殺関与および同意自殺罪」という罪がありました。



 これは恐喝して自殺させた罪、あるいは自殺を手伝った罪です。罰則規定は六ヶ月以上七年以下の懲役、または禁固だそうです。
 ですので、「強引に自殺を止める権利」というものはなく、「自殺を止めることは義務」ということになります。

 ちなみにこの罪は未遂に終わった場合でも予備(準備すること)でも罪になるようです。

 殺人の罪は下記URLの「第二十六章」です。ご参考までに。

参考URL:http://value1.goo.ne.jp/cgi-bin/law-print.cgi?MT …

この回答への補足

deagleさん、回答ありがとうございます。

どうも、法律の文章というのは格調が高すぎて・・・
専門用語(?)もわかりませんし、原文の解釈の仕方も
一通りに決まっていないように思えまして・・・

もう少し、素人向けの易しい文章や、判例などが載っているサイトは
ないでしょうか?

補足日時:2001/05/22 15:48
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