dU= -pdV+dQ
dU= (∂U/∂T)_v dT + (∂U/∂V)_t dV
を用いて次の問いに答えよ
(1)dUを消してdQの関係式を示せ
dQ=(∂U/∂T)_v dT + (∂U/∂V)_t dV+pdV
=(∂U/∂T)_v dT + ((∂U/∂V)_t+p) dV
はいいのですが次の問題です
(2)Cv=(dQ/dT)_v Cp=(dQ/dT)pを表す式を(1)の結果から示せ
とありました。
Cvは定積比熱より dV=0 それとdQ= nCvdTより
Cv = (∂U/∂T)_v
と求めました。
しかし、 Cpの求め方が解説を見て余計分からなくなりました。
pをV、Tの関数とみる立場からVをp,Tの関数に見る立場に変えて
dV = (∂V/∂T)_p dT
を(1)に用いて
(∂U/∂T)_v dT + ((∂U/∂V)_t+p) (∂V/∂T)_p dT
という式に変えてました。
dV = (∂V/∂T)_p dT
の説明の意味がわかりません。どうしてdVをこのように変形しなければならないのかそして恥ずかしいことにこの変形の説明の意味が解りませんでした。
どこをpをV,Tの関数と見る立場でどうしてVをp,Tの関数に見る立場に変えなければならないのでしょうか。
そして最後は(4)の問題で
1モルでの理想気体のCp-Cvを求めよ。そしてこれはRを気体定数としてみたし、また内部エネルギーは体積に依存しないことを用いよ
という問題で理想気体ではUがVによらないので この偏微分はゼロになり、理想気体の状態方程式からV=RT/p から (∂V/∂T)p =R/p
よってこれを式に当てはめると (0+p)R/p=R
となっていました。
式を代入してこのRになることは解ったのですが、なぜ内部エネルギーが理想気体では体積によらないのか。そして定圧と定績の引き算でRとでましたがどうしてこの引き算の結果が理想気体の状態方程式を満たす式になるのかという根本的なことがわかりません。
ながながと書いてしまいましたが御教授のほど、よろしくお願い申し上げます。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
A#2です。
>pをV、Tの関数とみる立場からVをp,Tの関数に見る立場に変えて
dV = (∂V/∂T)_p dT
これは普通は省略されている場合が多いです。
変数のことを意識しなくても定圧比熱という条件でいきなり
Cp=(dQ/dT)_p
=(∂U/∂T)_v + ((∂U/∂V)_T + p) (∂V/∂T)_p
という式がでてくるからです。
しかし、dV=0という条件を使うのであればVが変数になっている、同様にdp=0という条件を使うのであればpが変数になっているとするのは丁寧な考え方です。しかし丁寧に考えているのに省略をした表現を使っているのでわからなくなってしまったのだろうと思います。
省略しないで書くのであればdVは
dV=(∂V/∂T)_p dT+(∂V/∂p)_Tdp
になります。これを使って一旦書き代えたうえでdp=0という条件を入れるとご質問の式が出てくるのです。
A#2に書いたのは
(∂U/∂V)_T=0
を求める手順でした。
(∂U/∂V)_T =T(∂S/∂V)_T -p =T (∂p/∂T)_V -p
この式は理想気体に限らず成り立ちます。理想気体の状態方程式を入れれば0になりますが異なる状態方程式を入れれば0にはなりません。
「ファン・デル・ワールス気体の場合、Cp-Cvの値はいくらになるか」という問題が載っている教科書もあります。
熱力学はモデルによらず成り立つ理論体系であると書いてある教科書があります。
この式からもそういうことがわかるのではないでしょうか。
長く煩わしい質問の連続にもかかわらず一つ一つご親切に回答解説を下さりまことにありがとうございます。
物理でも運動方程式を導出する際、「結果」を「知っている」ことが前提で変数分離式などを当てはめて導出するなど既知だからこそという前提があるのがこの問題も同様なのですね。
お陰さまで一つ一つ復習をしようという気持ちも奮い立ちました。今後ともご教授の程よろしくお願い申し上げます。
No.2
- 回答日時:
この問題は熱力学の枠内でのものだと思います。
理想気体はどう定義されているのでしょう。
高校化学では「状態方程式PV=nRTを満たす気体」となっています。
ここに出てきている量P,V,Tは熱力学量ですから用いるのはこの定義だいうことになります。
「分子間に相互作用の存在しないような状態にある気体」という定義も出てきます。これは分子という粒子の集合体としての気体を考えていますから統計力学的な解釈になります。分子間の相互作用というのは分子間距離が関係します。距離が関係するということはエネルギーが体積に関係するということです。分子間の相互作用が存在しなければ内部エネルギーは体積に関係しなくなります。
この問題ではpV=RT(1モルの場合)を用いて Cp-Cv=Rを求めることになります。(これはたいていの熱力学の本には載っていることです。)
そのためには (∂U/∂V)_T =0を示す必要があります。
この式に出てきている内部エネルギーUは表現がわかりません。PV=RTを使うことができるような式に変形する必要があります。
熱力学の微分の満たす関係式を使います。
基本関係式は dU=TdS-pdVです。
(∂U/∂V)_T =T(∂S/∂V)_T -p (A)
ここでF=U-TSを考えると dF=-SdT-pdV になります。Uは状態量ですからdUの右辺は全微分になっているはずです。同様にF=U-TSも状態量ですからdFの右辺は全微分になっているはずです。(dUでみたときとdFで見た時では記述する変数の組が変化しています。)
状態関数f(x、y)の2回微分には ∂^2f/∂x∂y =∂^2f/∂y∂x という関係があります。微分の順番には関係しないという性質です。これをFの微分に当てはめます。
∂^2F/∂T∂V= ∂^2F/∂V∂T
これより (∂S/∂V)_T = (∂p/∂T)_V が得られます。
これで 式(A)を計算できるようになりました。pV=RTを使って右辺を計算すると0になります。
※ご質問の問題に示されている手順はここに書いたものと少し違っているようです。
※2回微分についての関係式は「マックスウェルの 関係式」として4つ出てきます。
※実験的に示したものとして知られているのは「気体の自由膨張」で温度変化が観察されなかったという結果です。これを直接使っている本もあります。これだと微分を使った計算よりも前に出すことができます。
※問(4)はおかしな問題ですね。
せっかく前で準備していながら、それを使わないで
「内部エネルギーは体積に依存しないことを用いよ」
としているのですから、・・・・?
No.1
- 回答日時:
まずは簡単に答えます。
内部エネルギー=その容器内の全分子の運動エネルギーです。
つまり、1/2×mv^2×N(Nはmol数。)
ね!この式からV(体積)に依存しないって一目瞭然でしょ?
次。マイヤーの式というのがあります。高校物理の範囲です。
定積モル比熱をCv、定圧モル比熱をCpとすると、
Cp=Cv+R (Rは気体定数)が成り立ちます。
はい。そうです。Cp-Cv=Rとすぐ出ますね。こういう式があるのです。
体積の方の説明です。
高校物理の分子運動論の問題です。
一辺がLの立方体のある一面をSとする。1つの分子が面Sに一回衝突するときに力積2mvを与える。一秒間に、v/2L回衝突するから、一秒間に2mv×v/2Lの力積を面Sは受ける。力積はF⊿t。⊿t=1より、面Sが単位時間に受ける力はmv^2/L。
統計法則より速さを一般化(二乗平均<v^2>を用いる)する。
その際、x、y、z方向を<v^2>で表すこととなるから、
これ以後、vの部分を1/3<v^2>として扱う。
分子全体のモル数をNとする。
単位時間に全分子が面Sに与える力積はmN<v^2>/3L。
それを面Sの面積L^2で割ると圧力の値となる。
分母のL^3を立方体の体積Vであらわすと、
P=mN<v^2>/3V。
Vを移項。PV=mN<v^2>/3。
PV=nRTより、
nRT=mN<v^2>/3
両辺2で割る。右辺のN/3を移項。
3nRT/2N=m<v^2>/2
アボガドロ定数をNaとするとNa=N/n。
ボルツマン定数をkとするとk=R/Na。
よって、3kT/2=m<v^2>/2。これはよく見る式。
右辺を見てわかる通り、これは一分子の運動エネルギー。全分子の運動エネルギーはN倍。
よって、
3nRT/2=mN<v^2>/2
式で表すと、こんな感じ。
左辺が内部エネルギー、右辺が全分子の運動エネルギー。
nRTはPVじゃん!といわないでくださいね!P=は上で示した通り、分母にVがいますのでVは消えますよ。
とにかく、内部エネルギー=全分子の運動エネルギーです。
そういえばUはボルツマン定数を使えば一原子一自由度あたり1/2kTでその三成分で3/2kT=Uでした。
これはVにもPにも依存しないものですね。ありがとうございます。
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