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遺伝子に含まれる情報量はどれくらいの容量なのでしょうか。
人間の細胞に含まれる遺伝情報をバイトで表すとどのくらい、というのが第一の質問です。
前に、バイオストレージという技術について書かれたテクストを読んだことを思い出しました。
その記事によると、バクテリア1gの中に数百テラの情報を植え付けられるそうです。
第二に、遺伝子というものは種によってその容量が大きくことなったりするものなのでしょうか。単純に体が大きい生物程遺伝情報も容量が大きい? あるいは複雑な内部構造のものほど遺伝情報は大きい? 以前(というかつい数分前)単細胞生物と多細胞生物の違いについての質問をさせて頂きましたが、単細胞生物と多細胞生物では遺伝子の情報量が大きく異なるのでしょうか?
第三に、そもそも遺伝子に『情報量』という言葉が相応しいのかという疑問。これはつまり俗にDNAと呼ばれているものは、『設計図』なのか『設計図を書く為の紙』なのかという疑問です。もしも後者であるならば、普遍的に遺伝子と呼ばれているものがあって、その上に種族ごとに様々な設計図が描かれており、だから当然余白も出来る。もしも前者であるとするならば、そもそも遺伝子と言われているものは種族ごとに紙の長さから違うもので、あまりは出ない。
第四に、遺伝子組み換えという言葉をよく耳にしますが、現時点では組み替えしかできないのでしょうか? 遺伝子を設計図と銘打つのであれば、人間がそれを描くことはできないのでしょうか。これは倫理面を超越した回答を期待します。
優先順位は2314で、部分的回答でも構いません。
長文ですみません。何故か最近、生物学っぽいことに興味がわいて仕方がありません。
どうかご教示のほどよろしくお願いします。

A 回答 (6件)

#3,#4の方が、大筋でお答えになっていますが、補足させていただきます。



まず、質問者さん(あるいは情報源になった資料)が混同されている「遺伝子」と「ゲノム」についてです。

先のお答えにもあるように、ある生物が持つ「遺伝情報の総体」のことは「ゲノム」と呼びます。一方、遺伝子とは、遺伝によって伝達される「(機能を発揮する可能性を持つ)個別の情報因子」のことです。

ゲノム(遺伝情報総体)中には、機能を持たないと考えられてきた部分(ジャンクDNA)も含まれますので、ゲノムは「遺伝子として働く情報」とそうではない情報の複合体になります。もっとも、遺伝子以外のゲノム部分も、遺伝子の働きをコントロールする部分がかなり含まれていることが分かってきています。

一般的には「ゲノム=全DNA塩基配列」と考えていいのですが、真核生物には核ゲノム・ミトコンドリアゲノム・葉緑体ゲノムが存在します。単にゲノムと呼ぶ場合は「核ゲノム(核DNA塩基配列)」を指すことが多いです。また、RNAウイルスでは含まれているRNA塩基配列をゲノムとみなします。

再び定義に戻りますが、遺伝子とは定義上は「情報の因子」を指し、DNA・RNAなどの物質(核酸)を直接意味するものでもありません。また、一つの遺伝子が一つのタンパク質になるとは限らず、タンパク質に翻訳されなくても機能を持つ tRNA(伝達RNA)などの非翻訳性RNAの遺伝情報も遺伝子とみなされています。


以下、#3, #4の方と同じく、ご質問中の「遺伝子」を「ゲノム」に読み替えた回答をいたします。

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回答1: #3でご回答の通り、ヒトゲノム(ヒト核ゲノム)は約 750メガバイトに相当します。ミトコンドリアゲノムは核ゲノムに比べてかなり小さいので総ゲノムでも核ゲノムでもほとんど同じです。

>バクテリア1gの中に数百テラ
バクテリアへの遺伝子導入は、遺伝子単位でも可能ですが、バクテリア人工染色体(BAC)という構造物を使ってバクテリア1細胞あたり数百万塩基対の遺伝情報を導入することができます。しかし、「1gあたり数百テラ」という表現は生物学的にはほとんど意味をなしません。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question …

回答2: ゲノム情報の総量は生物種によってさまざまであり、近縁の生物種でも大きく異なることも稀ではありません。また、生物の大きさ・複雑さと比例するものでもありません。ただし、単細胞生物と多細胞生物を比べると、一般的に多細胞生物のゲノムが大きいといってよいように、ある程度の相関関係があることも事実です。

要は、複数の動物・植物など比較的近いものの間での比較では、ゲノム情報量と生物の大きさ・複雑さの間には関係性が薄いと言うことです。

回答3: ご説明したように遺伝子は情報量ではなく、情報の単位因子の事を指します。また、DNAは「遺伝情報の媒体」であって遺伝子そのものではありません。したがって、「設計図を描くための紙」に相当するものは、生物とDNAウイルスではDNA、RNAウイルスではRNAになります。これらゲノムを構成する塩基配列の長さ、つまりゲノムサイズ(いうなれば紙の長さ)は生物種によって違うという点は、既にご理解の通りです。

ご指摘の「余白」に相当するものは、先述したジャンクDNAに相当します。これにもまた「余白」として文章の区切りをつけるとか・体裁を整えるに近い機能(つまり遺伝子の働きのコントロール)を持つ場合があります。

なお、この比喩の流れで遺伝子そのものを説明するならば、遺伝子そのものは「設計図を構成する個別の図形要素」に相当するでしょう。各遺伝子は単体だけですべてを支配しているのではなくて、複数の遺伝子の働きが組み合わさって、生物の有用な機能・構造を形成しているのです。


回答4: #3でご回答の通りです。ごく短いものであれば人為合成は可能です。合成可能な長さについては、技術レベルの進歩に従い増えるでしょうし、現在でもつぎはぎしてそれなりの長さにすることも可能でしょう。現時点では、真核生物ゲノムのサイズで合成することは困難でしょうけれども。

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以上の回答いかがでしょうか?
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#5 です。

初歩的ミスの訂正とお詫びです。
> tRNA(伝達RNA)
は、正しくは「tRNA(転移RNA)」です。
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No.3です。

補足です。


恐らく「遺伝子」の意味を混同されているかも知れませんね。

遺伝子=1つの形質(1つのタンパク質)の情報

なので、情報量がどうとか言うのは変ではないかなと思いました。



先ほどの回答では

ゲノム=生命体が生命活動を維持する遺伝子セット全部

での話をさせて頂きました。

参考になれば幸いです。
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(1) 人間の細胞に含まれる遺伝情報をバイトで表すと



ヒトゲノムは30億塩基対のDNAで構成されています。
塩基対は4種類(ATGC)で構成されているので1塩基で2ビット、4塩基で1バイト(1バイト=8ビット)の情報量になるので、ヒトゲノム全体では750MBということになります。


(2) 種によってその容量が大きくことなったりするものなのでしょうか

ゲノムの塩基対の数で見ると、種によって様々です。
種の中では一定、種間では様々という意味です。
Wikipodiaの「ゲノム」などを参照すると良いかもです。


(3 )DNAと呼ばれているものは、『設計図』なのか『設計図を書く為の紙』なのか

遺伝子を構成する「部品」でしょうか。ゲノム中にはきちんと組まれて遺伝子を構成している領域もあれば、
そうでない領域もあります。


(4) 遺伝子を設計図と銘打つのであれば、人間がそれを描くことはできないのでしょうか

人為的にDNA配列を設計し、化学合成して遺伝子を作ることはできます。

細菌でゲノム全体の人工合成にも成功していますので、基本的には可能です。
真核生物ではこれから、というところでしょうか。

問題点としては、化学合成でDNAを作るとエラーが多い上に、一度に100~200塩基程度しか作れません。
ゲノムの完全合成となると、どれだけ大量に合成して組み合わせなければいけないか…
コストも手間も気が遠くなるレベルです。
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設計図(生命活動)が書いてある紙です。

情報は塩基配列でしょ。塩基も含めてDNA。
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(2)遺伝子の数。


大腸菌、4千。
イネ、3万7千。
マウス、2万9千。
ヒト、2万6千。


この関係なのにヒトとマウスの遺伝子が(塩基配列?で)ほとんど同じという解釈もあるのだからヒトの方が遺伝子は少ないのでしょう。

(3)意味を固定化できる用語をいい加減なまま使い回している生物・医学系の専門家が悪い。偉そうな各種の学会など存在意味がありません(日本の学会は無意味)。
ゲノムもDNA(分子)もなんだか全然わかりません。意味がどんどん拡大する文系用語なみの醜態です。
DNAは分子です。
その分子中の塩基が4種類あってその配列が情報(になる)。
ほとんどは情報になっていない。そりゃそうですよ。(実験室以外で)全部情報分子の分子ができるわけない(誰が実験に使うと言うのか)。
意味あるかどうかよりも分子として複製できるかどうかが重要ですよね。

遺伝子がDNAから出来ているのであって無意味な配列のDNAは遺伝子になりません。

(余談)ドーキンスは遺伝子原理主義者だからなんでも正解は遺伝子になります。遺伝子バカにとってはそれ以上の議論ない世界、つまり遺伝子が涅槃なのです。それはただの同義反復的な天国なのに。

(4)意味が分からないのです。そしてアミノ酸配列からそのたんぱく質の立体構造を決定できないのです。自然界の真似と改良しか出来ないのです。一から設計してどういうたんぱく質にしたらどんな形になってどんな役に立つというのは解らないでしょう。並べるだけでそれを折り曲げるのは(構成する各種アミノ酸による)自然現象なのです(また環境によってたんぱく質はその形が一定せずに変わります)。テキトーに作ったたんぱく質などはお菓子のゼリーみたいな材料そのものにはなっても酵素反応するたんぱく質(酵素)にはならないでしょう。

この回答への補足

『設計図』なのか『設計図を書く為の紙』という観点から見たらどうですか? まずはどっちかを答えて頂いたあと、そこに理由を添える形の返答を期待します。そもそもその考え方がおかしいならそう言って下さい。補足訂正いたします。

また「そしてアミノ酸配列からそのたんぱく質の立体構造を決定できないのです」とおっしゃいましたが、それは何故ですか? 膨大な計算を持ってすれば解決するものだいですか?

補足日時:2013/03/09 22:40
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