[世界最大級の電子・陽電子衝突型線形加速器]
光速度に近い高速に加速した電子と陽電子を互いに正面衝突させると、ビッグバン直後に匹敵するような高エネルギー状態を再現できるのではないか、と言われています。
核爆発では、その中心?は高エネルギー状態になっているのではないでしょうか。
ビッグバン自体が、本当にあったのかどうか、不明だと思うのですが、
そうだとすると、同じような、とんでもない未知の事態がこの世に現出するのではないでしょうか。
加速に加速して投入した膨大なエネルギーと素粒子内の強大な結合エネルギーが、同時に一挙に出てくるのではないか、核爆発以上の超高エネルギー状態が現出してしまうのではないか、と心配しています。
物理は全く素人の懸念ですので、よろしく。
A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
No.1です。
>素粒子内の強大な結合エネルギーを断ち切るために、加速に使ったエネルギーは消費されます。
>正面からうまくぶつけた時点で、加速したエネルギーはゼロになります。ですから、運動エネルギーが結合エネルギーの切断に使われます。
綱引き中の、簡単に切断出来そうにないロープの切断に、高エネルギーの回転刃物が使われた、とします。
<<上手く切断できたとき、ロープは互いに逆方向へ吹っ飛んでいくのではないでしょうか。
つまり、結合エネルギーは消滅しないと思うのですが。>>
質問者さんが想定しているような綱引き状態になっている物質が、ウランなどのように、核分裂によってエネルギーを発生する物質で、回答で既に示したように、例外です。
普通の素粒子は、堅いココナッツの実のようなものです。(綱引き状態にはなっていません。)
結合エネルギーというのは、堅さの指標という意味で使われており、結合エネルギーが大きければ大きいほど壊すために大きなエネルギーが必要となります。
ココナッツの実の中を見たい場合、ドリルなどで穴を開けますが、素粒子の場合はあまりに小さく、適当なドリルがないので、ココナツの実同士を高速度で乱暴にぶつけることで、破壊され飛び出してくる中身を見ようというものです。
高速でぶつけるのですから、正面衝突すれば、当然ながら、中身も相当早い速度で飛び散りますが、ぶつける前のエネルギーを超えることはありません。
>素粒子内の強大な結合エネルギーを断ち切るために、加速に使ったエネルギーは消費されます。
>正面からうまくぶつけた時点で、加速したエネルギーはゼロになります。ですから、運動エネルギーが結合エネルギーの切断に使われます。
<<ぶつからずに、すり抜けていった双方の運動エネルギー・素粒子は、「エネルギー保存の法則」からすると、その後、どうなるのでしょうか。>>
円形加速器の実際の実験では、何百万個もの素粒子の集団を細く短い魚の群れのようにして、円形の通路を周回させています。この中の素粒子一個は、ハエ一匹が飛んでいる位のエネルギーを持っているそうで、全体では、旅客機が飛んでいるのと同じくらいのエネルギーを持っているそうです。
このようなプラスとマイナスの電気を持った素粒子の群れ同士を磁石によって逆方向に回転させて加速し、十分勢いがついたら、群れ同士を正面衝突のコースに導きます。
この正面衝突コースでぶつかるのは、1000個~10000個に1個くらいで、その他の素粒子はすれ違い、衝突しなかった大部分の素粒子は、そのまま進んで元の加速コースに戻ります。この素粒子の群れに、減った素粒子を追加して、きれいな群れの形に戻し、再度正面衝突コースに導くということを繰り返します。
リニアコライダーの場合は、少し手間が掛ります。円形の貯蓄リング(素粒子の群れを回転させながら維持する部分と、長い直線の加速コースと衝突区間及び同じ長さの減速コースを作って、直線部分で衝突しなかった素粒子は、減速させる手間を掛けて、円形貯蔵リングに戻すことになるでしょう。
円形加速器の場合、円形貯蔵リングに沿った一部区間に、直線のごく短い衝突コースがある形の実験施設です。
No.2
- 回答日時:
こんにちは
それはだいじょうぶでしょう。
加速器の中で発生する高エネルギー状態は日常的に太陽などで起こってますし、
対消滅反応発生時に、反応する質量は極微少です。
核兵器と比較するならダムの水とお猪口一杯の水を比較するようなものです。
No.1
- 回答日時:
<<核爆発では、その中心?は高エネルギー状態になっているのではないでしょうか。
>>中心部のエネルギーレベルで言えば、ビッグバンのエネルギーレベル>>超新星爆発>水素核融合(=太陽の中心・水爆)>>ウラン核融合(原子炉・原爆)
です。
核爆発が、高エネルギー状態とはいっても、人が生活している環境と比べて高いだけで、ビッグバンと比べれば、一般に言う核爆発でも、低レベルです。
(尚、核爆発には水素融合反応による水爆と、核分裂反応による原爆とがありますが、原爆は水爆に比べてはるかにエネルギーが小さくなります。)
ビッグバンと同じ状況が生まれるのは、極めて小さな、微小空間(最も小さい水素原子核1個の大きさ)に於いて、衝突の一瞬だけです。
高エネルギー状態は、急速に拡散して終了します。
その一瞬の空間を観測する機械の重量は、数千トンクラスです。
現在稼働している最大の研究設備はスイスにあります。
リニアコライダー(直線)ではなく、円形の施設です。
大型ハドロン衝突型加速器
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%9E%8B% …
アトラス検出器
http://ja.wikipedia.org/wiki/ATLAS%E6%A4%9C%E5%8 …
スイスのジュネーブ郊外に設置されていますが、小さな農村であった地域に何千人もの研究者が生活し、関連産業の集積も重なって、高度先端ハイテク田園都市に変貌し、超高所得高知識集積地域となっています。
<加速に加速して投入した膨大なエネルギーと素粒子内の強大な結合エネルギーが、同時に一挙に出てくるのではないか、核爆発以上の超高エネルギー状態が現出してしまうのではないか、と心配しています。>
そのようなことは起こりません。勘違いです。
素粒子内の強大な結合エネルギーを断ち切るために、加速に使ったエネルギーは消費されます。
正面からうまくぶつけた時点で、加速したエネルギーはゼロになります。ですから、運動エネルギーが結合エネルギーの切断に使われます。
一般に、素粒子の結合エネルギーはとても強く、それをバラバラにするには、膨大なエネルギーを消費します。(結合エネルギーは、マイナスエネルギーと考えてください。)
イメージとしては、大型トラックを正面衝突させて、どんな部品が使われているか、飛び散った破片から調べようということです。
ですから、運動エネルギーの大部分は、部品がバラバラになるエネルギーとして使われ、衝突後各粒子が持つ運動エネルギーは、相当ちいさくなります。
また、バラバラになった各粒子が再結合する力などのエネルギーを合計すると、最初のエネルギーと同等になります。
→ エネルギー保存の法則
注意:ばらばらになることによって、エネルギーを発生する例外
原子核としては、鉄が最も安定しています。
鉄より軽い原子核は、ばらばらになることでエネルギーを吸収します。
鉄より重い原子核は、ばらばらになることでエネルギーが発生します。
(鉄より重い元素は、超新星爆発の高エネルギー状態で作られ、超新星爆発のエネルギーの缶詰となっています。相当重い元素から鉄よりやや重い原子核二つを作る分裂反応からは、効率よくエネルギーを取り出せます。これがウラン235の分裂による原子炉・原子爆弾の原理です。)
つまり、バラバラになることで外部にエネルギーを出すのは、極めて重い原子核を取り扱う場合に限られます。
素粒子がバラバラになるとエネルギーが発生するという誤解は、ウランの核分裂から出ているのではないかと思いますが、例外的事例であると理解してください。
また一番軽い原子核である水素の原子核(=素粒子である陽子)4個が結合して、ヘリウム原子核が作られるときに、ウランの分裂をはるかに超える膨大なエネルギーが放出されます。
これが、太陽のエネルギー源であり、水爆の爆発力の根源です。
ですから、原子核・素粒子の世界では、一般に粒子が結合することで膨大なエネルギーが放出されます。
膨大なエネルギーを発生して結合するので、再度粒子をバラバラにするには膨大なエネルギーを吸収します。(だから、マイナスエネルギーととらえる。)
『外部から膨大なエネルギーを与えないと、バラバラにすることが出来ない。』=『強大なマイナスの値の結合エネルギーを持つ』ということです。
もし、仮に素粒子がバラバラになることで、大きなエネルギーを発生するなら、この世の星やすべての物質、人間なども、生まれようがありません。
仮に物質が生まれたとしても、次の瞬間にはエネルギーに戻ってしまいますから。
<コメント>
最後は、かなりややこしくなってきました。理解できたでしょうか? 質問に対する回答としての範囲で、安心出来たなら、良いかと思います。
もし、上記の説明が十分に理解出来て、ビッグバンとの関係まで知りたいなら、追加説明しますので、再度説明を求める旨、補足に記載してください。
中心部のエネルギーレベルで言えば、ビッグバンのエネルギーレベル>>超新星爆発>水素核融合(=太陽の中心)>>ウラン核融合
です。
この回答への補足
>素粒子内の強大な結合エネルギーを断ち切るために、加速に使ったエネルギーは消費されます。
>正面からうまくぶつけた時点で、加速したエネルギーはゼロになります。ですから、運動エネルギーが結合エネルギーの切断に使われます。
ぶつからずに、すり抜けていった双方の運動エネルギー・素粒子は、「エネルギー保存の法則」からすると、その後、どうなるのでしょうか。
>素粒子内の強大な結合エネルギーを断ち切るために、加速に使ったエネルギーは消費されます。
>正面からうまくぶつけた時点で、加速したエネルギーはゼロになります。ですから、運動エネルギーが結合エネルギーの切断に使われます。
綱引き中の、簡単に切断出来そうにないロープの切断に、高エネルギーの回転刃物が使われた、とします。
上手く切断できたとき、ロープは互いに逆方向へ吹っ飛んでいくのではないでしょうか。
つまり、結合エネルギーは消滅しないと思うのですが。
再補足をこちらで書かせていただきました。
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