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Zellerの公式って
1921年にアメリカのフィリップ=フランクリンさんが作ったそうなんですが、なんでZellerの公式って言う名前なのですか?

A 回答 (5件)

こんにちは。


その後いろいろと調べてみて,分かった情報をまとめてみます。

また,お礼欄の補足質問にある
>Reverend Zellerとフィリップ=フランクリンは同一人物なのですか??
の答えは「全くの別人です」。

まず,Zellerの公式について相当徹底的に研究しているサイトを見つけました。
"Calendrical Works of Rektor Chr. Zeller :-
the Congruence and the Easter Formulae."
(http://www.merlyn.demon.co.uk/zeller-c.htm)
(実は,No.2で紹介されていたページは,この中の1つのページでした)

それによると…
Zellerさんは,フルネームを Christian Julius Johannes Zellerといい,ドイツで本業は牧師をしていました。
生没年は,1824~1899という説と1822~1899という説があります。

ところで,キリスト教の重要な行事の一つに,イースター(復活祭)がありますが,これは「春分の日以降の最初の満月の日のあとの最初の日曜日」となっていて,年によって大きく日付が前後します。
そこで,先々までイースターの日付を求めたり,また年月日の数字から曜日を求めたりできたらいいなあ,と思ったのでしょう。(この項は私の推測)

そこで,彼はカレンダーに関する4つの論文を書きました。
それぞれ1882,83,85,86年に数学の専門誌に載っています。
いずれも,「年月日の数字から曜日を求める方法」と「年の数字からイースターの日付を求める方法」の2つの部からなっています。
また,計算方法は少しずつ違いますが,1882年の論文のやりかたを元にして,若干の修正を加えていっていますので,基本的にはいずれも同じ考え方といっていいでしょう。
つまり,これらの全体をまとめてZellerの公式と呼んでよいと思います。

(このサイトには,4つの論文のそれぞれの全文の英訳や,4つの方法それぞれに従って書かれたコンピュータプログラムなども掲載されています。)

次に,フィリップ・フランクリン(Philip Franklin)さんについて。
彼の略歴はこちらにありますが,
http://www-history.mcs.st-andrews.ac.uk/history/ …
うんと簡単にまとめますと,1898年10月5日生,1965年1月27日没。
こちらはアメリカの人で,本業は数学者。多くの論文や著書があります。
「Zellerの公式を作った」とされた1921年に彼は何をしていたかというと,プリンストン大学の大学院生でした。
この年,まず当時難問だった「四色問題」に関する論文で博士号をとっています。
また,「各成分が整数である行列について」という論文が,アメリカの著名な数学専門誌に載っています。
詳しく書くと,もう一人との共著で
Oswald Veblen and Philip Franklin. On matrices whose elements are integers. Annals of Mathematics, 23(1), 1-15, 1921
です。
翌年には「特殊相対性理論における回転の意味」という論文を一人で書いています。
さすがに本業が数学の研究者だけあって,当時の最先端の数学の課題と取り組んでいたようで,カレンダーに関する研究は見あたりません。

>どこのサイトを見てもZellerの名前ばっかりで、フィリップ=フランクリンの名前はありませんね。
そうなんです。
ただ,いろいろ探していたら,唯一,
「1921年にアメリカのPrinceton大学のPhilip Franklin という人が
求めた公式だそうです。」
という記述を見つけました。
http://www.hokuriku.ne.jp/fukiyo/math-obe/youbi. …
ここには,そのフランクリンがみつけた公式なるものも載っています。「一応、それなりに名の通った出版社が出した書籍から見つけた公式」だそうです。

これは,「12 さんすう 34 数学 5 Go!」という名前のサイトで,
トップはこちらです。
http://www.hokuriku.ne.jp/fukiyo/math.html
いろいろと面白い数学の話が載っていて楽しめます。

ところが,この著者の元に,この公式はもっと古くZellerが見つけた,と指摘するメールが届いたそうです。
http://www.hokuriku.ne.jp/fukiyo/math-qa/zeller. …
ただ,そちらでは「1887年にストックホルムで発表されたツェラー(Zeller)の式」となっています。
おそらく,1887年にストックホルムで学会か何かが開かれ,その席で発表したのかもしれませんが,初出は1882年ですし,4つの論文は実質的に同じアイデアであることから,「1887年に考えた・発見した」という言い方は不適切で,少なくとも1882年にまでさかのぼるべきでしょう。

さて,今のところ,このサイト以外に「1921年にフランクリンが発見した」と書いてある情報源は見つかっていません(私が探した範囲では,ですが)。
また,その公式と称するものも,Zellerの公式を変形していくと導き出すことができ,実質的には同一の公式といってよいものです。
フランクリンは数学者ですから,その程度の式変形ならあっというまにやってのけたでしょうし,仮に論文としてはわざわざ残していないとしても(というかこの程度の式変形では論文など書く方がおかしい),何かの席上で余技として,一見新しく見える公式を披露してみせたかもしれません。
しかし,仮にそういうような事実があったとしても,それをもって「1921年にフランクリンが作った(求めた)公式」と呼ぶのは,あまりにも過大評価ではないでしょうか。

なお,この人のページに「ツェラーと呼ぶのか、ゼラー と呼ぶのかは、ご本人には申しわけありませんが、まあどうでもいいかもしれません。」と書かれています。
彼はドイツ人ですので,本人はツェラーと言っていたでしょう。
また,英米人(でドイツ語を知らない人)ならズィラーと読むでしょう。
我が国では,現地の読みに近く読むのが一般的ですので,ツェラーのほうが妥当だろうと思います。

話が大変長くなってしまいましたので,このへんでまとめてみましょう。

1. この式はドイツの牧師,Zellerが発見し,1882年に雑誌で発表した。その後,1883年~86年にかけて少し改良したものを発表している。

2. アメリカの数学者であるPhilip Franklinは1921年に書いた別の論文で博士号をとっているが,曜日に関する公式を発見したという事実は今のところみつからない。

3. かりに,一部文献に載っている公式がフランクリンの導出したものであるとしても,その程度の式変形は誰でも思いつくものであるし,あえて彼の名を冠するほどのことはないであろう。

もし,よろしかったら,「ある算数の参考書」の書名・出版社名など教えていただけませんでしょうか? もうちょっと調べてみたいと思います。

(参考URL欄には,字数の関係で最初の2つしか入りませんでした)

参考URL:http://www.merlyn.demon.co.uk/zeller-c.htm,http://www-history.mcs.st-andrews.ac.uk/history/ …

この回答への補足

マンガでわかる算数
「つるかめ算が3時間でマスターできる」
のp.59に載っています.
ここでは,その人が作ったというように書かれています.
http://www.ansas.org/sanzyutsuman/Pages/chosho.h …

補足日時:2004/03/23 01:33
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます.puni2さんにはとてつもない敬意を表します.
本当に凄いですね!これだけの内容を調べて下さったなんて感謝感謝感謝です!!!!
こんな詳しい説明はおそらくどこにもないでしょう.
これだけの素晴らしい内容なら本にして欲しいくらいですね!!
>>もし,よろしかったら,「ある算数の参考書」の書名・出版社名など教えていただけませんでしょうか?
補足に載せておきます.

お礼日時:2004/03/23 01:30

ご紹介いただいた本を入手しました。


タイトルがその後少し変更になっていて,「おやのためのつるかめ算」明日香出版社,でした。(「マンガでわかる算数シリーズ」の一冊である点は同じ)
確かに59ページに
「1921年にアメリカのフィリップ=フランクリンという人が作った『西暦の年月日から曜日を求める公式』です」
と書かれていますね。
また,163ページでもこの公式の作者に感動と敬意を表して「フィリップ=フランクリン氏のスーパー公式」うぬんと書いていますが,この情報の出所など,それ以上の詳しい説明はありませんでした。
(本の題名は変わっていますが,内容はRossanaさんがお持ちのものと同じかな?)
そこに挙げられている公式は,結局,ツェラーの1885年,86年の論文で書かれているものと全く同じです(使っている未知数の文字などは多少違いますが)。

フランクリンの論文の他に,彼が書いた単行本についてもいくつか調べてみたのですが,
1933年「電気技術者のための解析学」
1949年「フーリエ解析」
1953年「微分積分学」
1958年「複素関数論」「フーリエ解析とラプラス変換」
1960年「技術者のための微分方程式」
など,大学の理工系学生向けの教科書として使えそうな本がいろいろあるものの,曜日の話につながりそうな分野の本は見あたりません。
(出てくるとしたら,整数論などの本で余談としてとりあげるか,コンピュータ・プログラミングのアルゴリズムの本あたりが,一番ありそうな気がしますが,そういった本は彼の著作の中には今のところ見あたりません。)

まあ,この『つるかめ算』の著者も,本業は小学生向けの塾の先生だそうですから,話のタネにどこかで聞いてきたことを書いただけで,実際に手元にフランクリンの著作があるわけではないんじゃないかなあ…と思われます。

以上より,前回の回答(No.4)で書いた結論をひっくりかえすような情報は(今のところ)みつかりませんでした。

(ただ,仮に誰かの勘違いだとしても,なぜ「フィリップ・フランクリン」の名前になったのか,それは相変わらず謎です。彼とツェラーの公式との接点が,どこかにあったのでしょうか。)

ちなみに,いろいろ検索していたら,「雑多ジャンル」と題するページに出会いました。
http://webclub.kcom.ne.jp/mb/ginga/knowledge/oth …

その名の通り,雑多な1行知識を羅列しただけのものですが,この中に驚くべき記述を発見。
「閏年の規則公式「4 で割り切れれば閏年、ただし100 で割り切れて 400 では割り切れない年は平年」というものをツェラーの公式という。」

いうまでもありませんが,これは公式ではなく閏年の定義(グレゴリオ暦における)です。
いったいこれのどこが,「 数や式の間に成り立つ関係あるいは法則を表示した式」(広辞苑「公式」の項より)だというのでしょうか。

このページ,よく見ていると結構怪しげな情報も多いのですが,ここだけ見た人は「へぇ」と感心して,他人に得意顔で教えたりするのかもしれません。

たとえば,
「ノーベル賞の中で一番早く設立されたのは経済学賞で1969年にスウェーデンの国立銀行創立300周年記念事業として始められた。」(「一番遅く」が正しい)とか,
「地震の……M4とM8では81万倍もの差があるのだ。」(そこまで正確には分からない。約100万倍,で十分)とか,
「辞書などに使われている、薄く強い乳白色の紙をインディアンペーパーという。」(正しくはインディアペーパー)とか,
「日本初の駅弁は、1885(明治18)年に宇都宮駅で販売されたもので…」(よく言われるが,上野駅や神戸駅でもっと早くから登場していた。どれが本当に最初なのかはまだはっきりしていないが,宇都宮が最初でないことは確か)とか,
「気象用語で「今夜」とは「日没から日の出まで」である。」(昔はそうだったが,今は午後6時から午前6時まで)とか。
じっくり見ていると,怪しくて,面白いです。

参考URL:http://webclub.kcom.ne.jp/mb/ginga/knowledge/oth …
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この回答へのお礼

いつも詳細な解説を頂きありがとうございます。

>確かに59ページに
>「1921年にアメリカのフィリップ=フランクリンとい
>う人が作った『西暦の年月日から曜日を求める公式』
>です」
>と書かれていますね。
>また,163ページでもこの公式の作者に感動と敬意を表>して「フィリップ=フランクリン氏のスーパー公式」
>うぬんと書いていますが,この情報の出所など,それ
>以上の詳しい説明はありませんでした。
>(本の題名は変わっていますが,内容はRossanaさんが>お持ちのものと同じかな?)

全く同じですね。僕の持っている古い本の163ページにも書いてあります。

puni2さんはものしりですね~!

この前のクイズ・ミリオネアで御伽草子の浦島太郎が竜宮上には亀ではなく船で行ったということを知ったのですが、世の中には結構嘘のまま信じられていることってあるんですねー。

お礼日時:2004/04/03 00:20

No.1で紹介されているサイトを見てみましたが,どこにも「Reverend Zellerについて書かれて」はいません。

(2日前にはあったのでしょうか? それとも私の探し方が悪いのでしょうか)

書かれているのは,式の説明と,Zellerの公式という名称が彼の名前に由来する,ということだけです。

No.2のサイトの説明によると,この公式はマーククレーニンゲン(ドイツの都市の名前。シュトゥットガルトの北西約20km)に住むZellerが1885年に書いた論文に出ているそうですから,これが正しければ,「1921年にアメリカのフィリップ=フランクリンさんが作った」という情報は誤りということになりますね。
どうやら,そちらの情報の方を洗い直してみる必要がありそうです。

その情報はどこに出てきたのでしょうか?
また,フィリップ・フランクリンの綴りは分かりますでしょうか?
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
綴りは分かりませんが、「1921年にアメリカのフィリップ=フランクリンさんが作った」という情報はある算数の参考書の中に明確に記述されています。
う~んはっきりしませんね。
でも、どこのサイトを見てもZellerの名前ばっかりで、フィリップ=フランクリンの名前はありませんね。

お礼日時:2004/03/13 03:27
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
なんかどこのサイトを見てもこの公式の名前がZellerになっていてフィリップ=フランクリンと書いてあるものがないですよね。果たして同一人物なのでしょうか?
それとも別人でたまたま同じ式を発見したのでしょうか?

お礼日時:2004/03/10 14:23

私も最近、Zellerの公式について勉強したのですが、Reverend Zellerが発見したと習いました。

Reverendとは、「師、牧師」などという意味です。ツェラー師ですね。

ツェラー師は、牧師で趣味として数学を勉強していて、Zellerの公式を発見したそうですよ。

下のURLは英語ですが、Zellerの公式のReverend Zellerについて書かれています。

参考URL:http://mathforum.org/dr.math/faq/faq.calendar.html
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
Reverend Zellerとフィリップ=フランクリンは同一人物なのですか??

お礼日時:2004/03/10 14:20

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