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細胞、DNA、血液、ゴルジ体、核、タンパク質、ホルモン、ワクチン、あるいは、植物体の有効成分、菌などは、全て「分子」体と考えて良いのでしょうか?生命体は分子の集合体という理解でよいのでしょうか?基本的なこと具体的なイメージがわかりませんので、ご教示いただければありがたいです、宜しくお願いします。

A 回答 (2件)

分子とは、最も広い意味で言えば、原子が複数、或いは複数種類、結合した状態を指す名称です。



狭義では、複数の原子が結合して、特定の性質を発揮するような状態を指します。
例えば、水素、酸素、窒素は2つづつ結合して、水素ガス、酸素ガス、窒素ガス、というそれぞれ異なった性質のガス状態を取ります。
水素と酸素は、混ぜると僅かな刺激で爆発的に結合し、2:1の混合比で着火させると、その殆ど全てが水分子になります。
しかし、窒素ガスは常温では水素とも酸素とも反応を起こさないのが、窒素分子の性質なのです。

DNAは、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)という、4種類の分子単位が重合して、螺旋状の2本鎖となった分子化合物です。
RNAは、シトシンがウラシル(U)に置き換わった1本鎖分子化合物です。
((DNA及びRNAの単位を「ヌクレオチド」といいます。)
ヌクレオチド同士は、非常に弱い結合で繋がっており、DNAまたはRNAの鎖を、特定の酵素で特定の位置で選択的に分断することができ、この酵素は人為的に合成したDNAで簡単に作成できるため、遺伝子工学で盛んに利用されています。
TFIIFとDNAヘリカーゼという酵素は、螺旋状の2本鎖DNAを、解いて1本鎖に戻す為に働きます。

タンパク質は、アミノ酸という分子が2つ以上或いは複数種類が重合し、特徴的な活性を持った化合物のことで、生体の基本物質です。
タンパク質と一口に言っても、無限の組み合わせにより、あらゆる性質を持つものが存在するのは、我々自らの身体や多様な生物、細菌、ウィルスなどを見れば明らかでしょう。

ホルモンは、その多くが、生体内で生成される触媒で、酵素、と言う言い方もします。
触媒とは、低エネルギーでも化学反応を促進させる物質のことで、特に、生体触媒のことをホルモンと呼びます。
ご飯を長く噛んでいると次第に甘くなるのは、唾液内に含まれる酵素「アミラーゼ」がデンプンを麦芽糖に転化するからです。
胃の中で、体温レベルでタンパク質がアミノ酸に分解されるのは、「ペプシン」という酵素が胃液に含まれる塩酸と連携し、強い分解力を発揮するからです。

生体内で酵素として100%完成できない物質(アポ酵素と言います)に対し、体外から取り込んだ特定の物質(助酵素、補酵素といいます)が結合することで、酵素として完成して働く(ホロ酵素と言います)ものもあります。
葉酸、ビタミンのB2、B6、B12などはポピュラーな助酵素です。
ホルモンは、そういう意味で、「分子」と言って間違いではないでしょう。

ちなみに、生体内で起こる様々な化学反応には、数多くの酵素が巧妙に連携して働いて、生命を維持しています。
感情も、運動に関わる神経伝達も、感情も、見るという行為も、

ワクチンは、人体にとっての細菌やウィルスといった病原体を、
 ・生きたまま、或いは活性を持ったまま弱毒化する
 ・死んだ状態、または活性を失わせた状態で弱毒化する
 ・病原体の病原性部を除外し、抗原部分だけ残す
などの方法で抗原を抽出し、人体に接種して、抗体を作らせることで病原体への抵抗力を獲得することを目的として作られるものです。
従って、「ワクチン」というくくりでは、結果的に多様な分子の混合状態ではあっても、分子という捉え方はあまりしないように思います。

細胞、血液、ゴルジ体、核などは、分子が非常に複雑に結合して構成された、生体部品とでも言えばいいでしょうか。
「分子」がミクロ的視野での呼称だとすれば、これらは、マクロ視野的な「特定の機能を持ち合わせた器官」と言うべきで、スケールが余りに違い過ぎて、国語的な意味で、これらの器官を、分子と同列に扱わないとは思いますが。

>「生命体は分子の集合体という理解でよいのでしょうか?」

 結局、生体は分子が大量に積み上がって出来ているので、その表現は的確だと思います。
 分子と原子が、巧みに化学反応を介して相互作用をすることで維持され存在しているのが、生命体です。
 「自我意識」すらも、化学反応の結果であることは、脅威としか言いようがありません。
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この回答へのお礼

大変詳しいご説明いただき恐縮いたします、有難うございました。

お礼日時:2013/05/02 23:22

化学の基本を復習しましょう。


物質には、
・混合物
  濾過や蒸留、再結晶、溶解度の差、クロマトグラフィーなどの物理的方法で
  異なる性質を持つものに分けられる
・純物質
  その物質のどの部分を取り出しても物理的性質(融点・沸点・溶解度など)が同じもの
  物理的方法ではそれ以上分けられないもの
  ・単体 一種類の元素だけで構成されているもの
     結びつき方が異なるため性質が異なる物質。同素体(ダイヤモンドと黒鉛)
  ・化合物 複数の元素で構成されているもの
     結びつき方が異なるため性質が異なる物質。異性体

でしたね。
 元素の結びつき方には、金属元素だけによる金属。非金属元素の共有結合、イオン(金属イオンや多原子イオン)によるイオン結合に大まかに分けられます。
 このうち、共有結合で結びついている非金属元素はそれ自体がひとつの粒子として振舞うものがあります。それが分子。

細胞
 細胞膜をはじめとして様々な物質で出来た混合物
DNA
 核酸といわれる分子
血液
 水、塩類(イオン)、タンパク質などの物質、および赤血球などの細胞
ゴルジ体・核
 これも水、塩類(イオン)、タンパク質などの物質、および分子の混合物
タンパク質
 分子と考えても良い
ホルモン
 塩類もあれば分子もある、さまざま物質の総称
ワクチン
 これも混合物
植物体の有効成分
 総称なので分からない

 生物界の分類

 言い換えると、それらの中にDNA以外は分子はひとつもない。

 1度、高校程度の化学の教科書でよいので復習してください。

 ⇒分子 - Wikipedia( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%86%E5%AD%90 )

「生命体は分子の集合体という理解でよいのでしょうか?」

「建築物は原子で出来ている」と同様、間違いではないが不適切!!!という事です。


 
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この回答へのお礼

大変詳しいご説明いただき恐縮いたします、有難うございました。

お礼日時:2013/05/02 23:23

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