プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

先日、飛行機(国内線)に乗ったとき低気圧の嵐の中を通過しました。
非常に揺れて風で機体が横に流されたり、上下に浮いたり沈んだり、かなり激しかったです。

私は椅子に掴まっていないと、体が上下左右に揺られてたいへんでした。
あとフリーフォールのように一瞬で機体が落ちて、機内では悲鳴がたくさん出ました。

しかしアテンダントさんは余裕で「運行に影響はありません」と軽くアナウンス。

実際、こんな程度の嵐は飛行機にとっては特になんてことはない普通の運行なのでしょうか?

年間にものすごい数の飛行機が飛んで、このような嵐の中でも普通に運行しているということは
単に乗客はスリルを味わえるだけで、機長さんやアテンダントさんたちは特にたいへんという
ような状況ではないのですか?

それとも機長さんやアテンダントさんたちもけっこう怖いと思ったりしているのでしょうか?

A 回答 (5件)

 研修期間と正規の雇用でのフライトアテンダント(CA)として搭乗した経験がある者です。

結論から申しますと、不愉快なご気分には申し訳ないこととお詫びしながらも、安全の面では、まず100%大丈夫だとお答えします。

・機体の強度…、これは、現在の就航機材について言えば十分過ぎるほどあると言ってよいと思います。

 過去には、BOAC(現BA)のジェット旅客機コメットが窓周辺の金属疲労によって空中分解した連続事故、あるいは1963年にアメリカでノースウエストの720B型機が雷雲の中に飛び込んでしまい、激しい乱気流に大きく揺さぶられて空中分解した事故、同年の4か月後、イースタン航空のDC8型機も同様の状況で空中分解した事故。さらには1966年、やはりBOACのB707型機がわが国の羽田を飛び立ったあと、良く晴れ渡った富士山の山頂近くを飛行していて、富士山のような孤峰に発生しやすい晴天乱流(CAT)に飛び込んでしまい、空中分解して山麓の太郎坊周辺に墜落散乱した事故もありました。

 しかし、これらの事故はジェット旅客機がまだまだ黎明期にあった頃の話、当時は、今日では理工系の学生でも知っている金属疲労という現象が学理的にまだ証明されていず、強度計算の精度も、システマチックな構造力学も、さらには部材の材質や強度もまだまだレベルが低かったし、気象についてもまだよく解析されていなかった時代のことだったのです。

 その点、今日の就航機材はどの機種であれ、ほとんど究極とまで言い切れるほど機体は強靭なものになっています。わたしが実際に搭乗していて経験したことでは、空港到着間近になって前輪が出ないというトラブルが発生したときのことです。できるだけ燃料を投棄して機体を軽くしたのち、上昇しては急降下し、また上昇といったまさにジェットコースターのような激しい運動をさせて、その慣性で前輪を振り出したことがありました。さすがに主翼は反りかえり、機内はミシミシと不気味な音を立てていましたし、お客様にとってはその物凄い上下運動に悲鳴さえも出ないまでの恐ろしい状況が繰り返されましたが、それでさえも機長にしてみれば安全を見込んだ想定内の操縦だったと言います。

・エンジン…、ジェットエンジンは構造がとても簡単ですので、そう簡単には停止しないものです

 過去に、B747型機がフィリピンのピナツボ火山の噴火の際にエンジンが噴煙を吸い込んでしまい4基のエンジンすべてが停止、あやうく墜落か…といった事故がありました。また、渡り鳥の大群を吸い込んだとかといったエンジントラブルは幾つかありましたが、ジェットエンジンというものは構造がとても簡単なものですから故障も少なく、よほどの不運に見舞われないかぎり、そう簡単には停止しないものです。

・パイロット…、操縦不能にはならないのです。

 パイロットは通常、機長と副操縦士の2名で操縦に当たります。突然のエンジン停止、機体の各部の不具合、悪天候、そのほか考え得る最悪の状況を想定した厳しい訓練を繰り返し受けています。訓練は本物の機体でも行われますが、同時に本物の操縦席とまったく同じに作られた訓練用の地上施設でも、実際に計器を読み、外の風景を眺め、実際の場合と同じような振動や揺れを感じながら適切な処置を着々と行えるように訓練を積むのです。お客さまには失礼な言い方にはなりますが、乱気流に飛び込んで大揺れに揺れる…といった程度のことは、彼らにはそれほど重大なことではないと言っていいと思います。それでもなお、揺れは異常な状態、異常な状態に対しては徹底的に注意深く対処し、しかも乗客の皆さまにはなるべく気持ちよく安心できるようにと心を配っているものです。

・客室乗務員…、彼ら彼女らも大丈夫なものです。

 とても不思議なことですが、客室乗務員として搭乗しシフトについていますと、かなり揺れても、なにか異常が発生したとしても、自分でも驚くほど落ち着いていられるものです。大きな揺れ続けは乗務員とて気分の良いものではありません。でも、いつになったらこの揺れがおさまるものか、この揺れは未知の異常なものか否か、そうしたことが経験で分っているものですし、こうしたことが分かっているだけで、気持ちはずいぶん楽になるのです。

・ただひとつ、大変注意を要すること。

 つまり、とんでもなく激しい乱気流に飛び込んだとしても、機体もエンジンも、そして乗務員も、まずまちがいなく大丈夫なものです。ですが、ただひとつ、航空会社が大変注意を向けること、それはお客さまのことです。今日では、その内部で気流が激しく乱れている雷雲(積乱雲)は機体に備わった気象レーダーで前もってその存在と場所が分かりますし、存在が分かれば大きく迂回して余計な危険を避けるようになっています。また、晴天乱流も今日では避けることが出来ます。

 大切なことは、出来る限り機体を揺らさないこと。客室という密閉空間に居ますと、揺れはとても敏感に感じるものです。離陸してから着陸するまで、どのようなコースでどのように飛べばよいか…、操縦士たちは出発を前にして空港のディスパッチャーと呼ばれる飛行管理官と細かく検討します。 

 それでも、季節的な不連続線や低気圧といった、航法上避けて飛べない状況が行く手を塞いでいることも少なくありません。そうした際には、シートベルトを締めておいてください…といったアナウンスが流れるものです。そんな時、コックピット(操縦室)では、どう飛べばお客様にできるだけ不愉快な思いをかけないで済ませられるか…、操縦士たちはいろいろ熱心に検討しているものです。

 なんと言いましても、ジェット旅客機という宙に浮いている金属製の密閉空間、大きく揺れますととても気持ちが悪いうえに、激しく不安にもなるものです。お客さまには大変申し訳ないことといつも思っておりました。ですが、今日の旅客機はとても安全な乗り物なのです。せめてそれだけでもお知らせすれば、不安なお気持ちを幾分かでも減らせるかも…と考えましてお答えしました。
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この回答へのお礼

実際の現場の方からの回答を頂きましてありがとうございます。
非常に詳細な知識でご経験を語っていただいて参考になりました。

>ジェットエンジンは構造がとても簡単ですので、そう簡単には停止しないものです

ジェットエンジンというとパーツがものすごい数があって非常に複雑というイメージがありましたが
構造がとても簡単というのは知りませんでした。
ANAのサイトだと、エンジン停止は2011年は2件のみだったようですね。

>せめてそれだけでもお知らせすれば、不安なお気持ちを幾分かでも減らせるかも…と考えましてお答えしました。

アナウンスは嵐の中に入る前に予告するような感じでした。
「今から20分後に気流の影響で大きく揺れることが予想されます。揺れが生じましても航行に影響はございません」

予告されたら多少は心の準備はできるのですが、実際にあの揺れって相当なものでしたので、あそこまで揺れるとは想像もせず、揺れの最中はアテンダントさんも押し黙ってしまって機内の緊張状態の空気は嫌なものでしたね・・・。

しかし安全性についてはいろいろわかったので、今後も嵐に遭遇しても気分的には少し楽になりそうです。
まあ変わらず緊張はするとは思いますけど。

いろいろとどうもありがとうございました。

お礼日時:2013/05/02 00:54

富士山上空の乱気流が原因で起こったBOAC機の空中分解事故のように、明らかに気象が原因で起こった事故というのはあります。

それでも、水平飛行中に気象要因での事故というのは、離着陸時に比べればかなり少ないと言えるでしょう。

現在は気象レーダーも進歩していますから、本当に危険が考えられる航路は避けて飛んでいるはずです。

下の動画にある、強烈な横風とか、ウィンドシアーの方がよほど怖いと思いますが
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

過去、しかもかなり昔に事故がいろいろありましたね。
しかし現代の飛行機では国内線だと天候による甚大な事故はないので、嵐くらいの天候は飛行機にとっては
晴れているのと変わらないくらい普通に問題ないのかなと思いました。

天候理由の目的地変更はANAのサイトだと0.026%、機材故障は0.004%しかないようです。

日本の気候の変化は激しいですから、嵐の中を航行なんてしょっちゅうだと思います。
それでこの低い確率ということはあながちアテンダントさんがアナウンスしている内容もあっているように思えました。

動画ですが、先日の飛行の着陸時よりも酷い感じなのに普通に着陸していて逆に安心しました。
成田の貨物便の着陸失敗事故が数年前にありましたが、それも操作ミスっぽいですし。

お礼日時:2013/05/02 00:01

影響ないわけありません。


が、物事には程度と云うものがありますね。
レーダーと経験で十分安全と言える範囲で運航していると思います。

機体の強度とかは別として、今はシュミレーターで
実際にはあり得ないくらいの過酷な気象条件でも訓練できますから、
乗員はそれより楽な条件下では何ともないと思います。
ただ、乗客の転倒とか天井に頭をぶつけるとかの事故が無い様、
揺れは極力少なくなる様、心掛けているようです。

おっしゃる通り、毎日世界中で10万フライトともいわれています。
それらがめったに落ちないことを考えても、
一般の人が遭遇する悪天候、気流などたかが知れていると云うことでしょう。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

>レーダーと経験で十分安全と言える範囲で運航していると思います。

先日乗った飛行機はけっこうすごい嵐の中だったと思うんですが、これでも安全というのが
現代の飛行機の性能は本当にすごいものだと関心します。
あとパイロットとアテンダントさんたちの精神力も・・・。

>それらがめったに落ちないことを考えても、
>一般の人が遭遇する悪天候、気流などたかが知れていると云うことでしょう。

現実がそうなんですよね。かなりスリルを味わえるので乗っているときは非常に不安になりますが
実際は非常に安全という統計みたいなので安心できます。

お礼日時:2013/05/02 00:22

実際に墜落経験があって、この程度の嵐なら大丈夫ってな判断が出来るならともかく、


嵐を何度も経験したところでCAさんも本音は恐いでしょうね。
大したこと無い嵐だって墜ちる時は墜ちるし、激しい嵐だって大丈夫な時は大丈夫だし。
コックピットだって緊張が走っていると思います。
でもそれを客に顕してしまったらパニックになるでしょうね。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

>嵐を何度も経験したところでCAさんも本音は恐いでしょうね。

そうなんですか?まあ平静を保っている顔から本音はわかりませんからね。

>コックピットだって緊張が走っていると思います。

夜中の飛行中に嵐だったんですが、パイロットにとっては目の前が真っ暗なのに嵐の中の状況で操縦しているのですから本当にすごいと思いますよ。

お礼日時:2013/05/02 00:08

空の上や空ぎりぎりを飛んでるので普通です


そのことを考慮して製造されています
パイロットも客室乗務員も何度も航行してるので慣れてます
パイロットは飛行ルートは当日の天気や雲なども配慮してなるべく
穏やかなルートを選ぶようにしてるけどどうしても通らないダメなルートが出てくるので
嵐の中を通る場合も多々あるようです
安全確保は万全ですのでジェットコースターに乗ったと思って安心してください
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

>そのことを考慮して製造されています

そうでしょうね。実際に嵐の中で乗っているとかなり不安になりますが・・・。

>安全確保は万全ですのでジェットコースターに乗ったと思って安心してください

ジェットコースターより怖いですが、我慢することにします。
しかしアテンダントさんたちは慣れているのか、平然とした顔でいるのですごいと思います。

お礼日時:2013/05/02 00:04

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