No.5ベストアンサー
- 回答日時:
>完全なインピーダンスのマッチングは必ずしも必要ないわけですね。
そのとおりです。デジタル信号は振幅方向の歪み(ノイズ、リンギング等)と時間方向の歪み(ジッタ・ワンダ)さえある範囲に入っていればエラーなく伝達できます。そして、ソースマッチング(送信器とその先の伝送路との間のインピーダンスマッチング)をしなくても受信端がきちんとマッチングしていてば、上記のような歪みは少ないのです。(帯域不足はこの限りではありません)
ただし、もし受信端のマッチングが不十分だと、送信端と受信端で派手な反射を生じ、波形はめちゃくちゃになります。反射波が送受端を何往復もするので遅れてきた反射波が思いもよらないタイミングで悪さをします。
受信端のマッチングと言っても単純ではありません。その伝送路に中間ドロップ式(じゅずつなぎ)に回路がぶらさがっているような場合は注意が必要です。終端抵抗以外にコネクタの容量や直列インダクタンス、ICの入力容量、基板のパターンのミスマッチ(VIAやGNDとの関係など)その他注意が必要なところがたくさんあります。
No.4
- 回答日時:
No.2 tanceです。
ちょっと誤解を生みかねない表現をしてしまいましたので、修正させてください。
「・・・送信側は無負荷では10Vの振幅が当然必要になります。ただ、これは無負荷という異常状態での動作です。」と書きましたが、以下のような意味です。
送信側に10Vの電源が必要なことは当然。 無負荷という異常状態では出力も10Vになる。(5Vを想定している受信側にとっては過大信号になる)
という意味でした。決して、「正常に終端すれば、10V電源は要らない」という意味ではありません。
No.3
- 回答日時:
インピーダンスマッチングについては二つの話が混在しているので、本来はそれらを分けて考える必要が有ります。
一つは、信号源から負荷に対して最大電力を与える為の条件です。
他の一つは、伝送線路の特性インピーダンスと負荷(信号源)のインピーダンスを一致させる事です。
通常この二つは両立するので、特別な場合を除いては分けては端をする事は有りません。
SPICEでの実験で5Vのパルスが2.5Vになったのだとすると、信号源の出力インピーダンスと負荷のインピーダンスが等しくなるように回路を構成しているからです。
一度、信号源と負荷のインピーダンスを線路のインピーダンスと異なる値にして試してみると面白いと思います。
信号源を電圧源ではなく電流源とし、負荷インピーダンスを極めて大きくしてみるのも面白いと思います。
線路をYの形にしてみるのも良いでしょう。
伝送線路の特性インピーダンスと負荷インピーダンスを等しくして、信号源のインピーダンスをゼロになるようにすれば信号源の電圧と負荷の電圧は等しくなります。
現実の世界では、オーディオアンプなどではこの状態に近い形で運用されています。
オーディオアンプには「ダンピングファクター」という指標が有ります。
これはスピーカのインピーダンスをアンプの出力インピーダンスで割ったもので、通常は数10~数百の値です。
高級なアンプでは数百~数千になる事も有ります。
http://www.audiodesign.co.jp/PowerExpDF.htm
一方で、高周波用の機器では伝送線路の特性インピーダンスと信号源のインピーダンス、負荷のインピーダンスを一致させて使用するのが当たり前の事とされています。
一致しない場合でも数倍程度以下になる様に努力されます。
さらに問題なのはパソコンのプリント基板の様にGHzオーダーのパルス信号を扱う場合です。
Lo-Hiのレベルが問題になるのはまさにこの様な場合です。
信号源の電圧と負荷端での電圧が異なる事は当然織り込み済みなので、その状態で安定に動作するように設計されています。
高速パルスを伝送する時に線路のどこかでインピーダンスの不連続が存在するとその部分で信号の反射が発生し、伝送する波形に乱れが生じます。
波形の乱れが大きくなると安定した動作を保証できなくなります。
信号源の波形を以下にそのままの形で負荷まで届けるかという問題は「シグナルインティグリティ」と呼ばれていて、高速パルスを扱ううえで極めて重大な概念です。
高速パルス回路では、複数の信号源や負荷が一つの線路に接続されたり、線路に分岐が有ったり途中でインピーダンスが変化したりするので問題をややこしくしています。
高速でなくとも線路が長くなる場合には同じような問題が発生します。
例えば、RS485の通信路においては、1本の線路に複数の機器が接続されます。
この場合、線路の両端を特性インピーダンスで終端し、線路に接続される機器の入出力インピーダンスをハイインピーダンスにすることで、波形の乱れを少なくする様に考慮されています。
http://www.tij.co.jp/jp/lit/an/jaja179/jaja179.pdf
ありがとうございます。
ダンピングファクターは初めて聞きました。
面白くて、直感的な指標ですね。
伝送線路と負荷のインピーダンスを合わせて、信号源のインピーダンスを0と言うのは、OPアンプ出力とかの場合でしょうか?(理想OPアンプは出力インピーダンス0ですよね)
あと、SPICEの信号源を電流源にするのもやってみたいと思います。電流源わかり難くいので電圧源で
できることだけ(といっても伝送線路しか検証していませんが)しかやってませんでした。
No.2
- 回答日時:
完全なインピーダンスマッチングを行うと、おっしゃる通りになります。
受信側が5V振幅を想定しているなら送信側は無負荷では10Vの振幅が当然必要になります。ただ、これは無負荷という異常状態での動作です。ただし、実際いちいち振幅が半分になるとやりにくいことが多いです。そこで、インピーダンスマッチングは受信側だけ、という使い方をすることが圧倒的に多いのです。この方法では、送信側は例えば3.3V電源で3.3V振幅する低インピーダンスの出力段を持っていて、そこに直接伝送路をつなぎます。この部分はインピーダンスマッチングをしていません。
しかし、受信側はしっかりインピーダンスマッチングをします。そうすると、振幅は半分になりません。インピーダンスマッチングが不完全なので、送信パワーの効率は良くありませんが、波形は歪みません。パワー伝達が目的ならこのような方式は非効率ですが、情報を伝達する目的なら波形さえ正しく伝わればOKなので、この方式が好んで使われます。
ECLの信号レベルを調べてみてください。必ずしも電源電圧いっぱいに振幅するわけではなく、出力側はインピーダンスマッチングをしていません。
ありがとうございます。
デジタルはHiとLowを伝えるのが最大の目的と
考えれば完全なインピーダンスのマッチングは
必ずしも必要ないわけですね。
No.1
- 回答日時:
>実際の回路でもこのような事が起きているのでしょうか?
当然そうなります。
>そうなると、次の回路がHiレベルを認識できなくはなったりしないのでしょうか?
当然ながら、受け側は2.5VでHiレベルを認識できるような回路にしておく必要があります。
>電圧源に5Vのパルスを設定してやると、終端側で2.5Vになります。
ちなみに、インピーダンスマッチングすることを前提とした入出力回路では、このような場合、
そもそも「出力振幅=2.5V」と言います。
(出力端にHi-Zのオシロスコープを当てて測ると、2.5Vになるので)
また、出力振幅=2.5Vで出しても、線路の損失がある場合には、受信側ではもっと小さい振幅で受けられるようにしておく必要があります。
この回答への補足
ありがとうございます。
ということは、次段が5V受けのICだったら
10Vで出力しなければならなくなる気がしますが、
そんな分けはないですよね?
なんだかコンガラガッテきました・・
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