初歩的な質問ですいません。
抵当不動産の一般債権者による強制競売の申立てにより競売が行われた場合、抵当権の付着した不動産が競売にかけられることになるのですか?
それとも抵当権者は配当(?)に参加してそこで優先弁済を受けることになるのでしょうか?
後者の場合に被担保債権が弁済期にない場合はどのような処理を受けるのでしょうか?
抵当権消滅請求を勉強していて、一般債権者による強制競売の申し立てがあった場合は、差押えの効力発生後であっても抵当権消滅請求ができるとの記述があり気になったので質問させていただきました。
執行法に関しての知識がないのでわかりやすい解答よろしくお願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
>抵当不動産の一般債権者による強制競売の申立てにより競売が行われた場合、抵当権の付着した不動産が競売にかけられることになるのですか?
原則として消除主義により、買受人は抵当権の負担のない不動産の所有権を取得します。
>抵当権者は配当(?)に参加してそこで優先弁済を受けることになるのでしょうか?
執行裁判所の書記官は、抵当権者に債権届出の催告をします。抵当権の被担保債権が存在すれば、抵当権者は、一般債権者に優先して配当を受けることになります。
>後者の場合に被担保債権が弁済期にない場合はどのような処理を受けるのでしょうか?
確定期限付債権であれば、弁済期が到来したものとみなされます。不確定期限付債権であれば配当金は供託されます。なお、金融実務では、抵当権設定契約において、強制競売の開始決定がなされたときに期限の利益が喪失する旨の特約を結んでいます。
民事執行法
(開始決定及び配当要求の終期の公告等)
第四十九条 強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合(その開始決定前に強制競売又は競売の開始決定がある場合を除く。)においては、裁判所書記官は、物件明細書の作成までの手続に要する期間を考慮して、配当要求の終期を定めなければならない。
2 裁判所書記官は、配当要求の終期を定めたときは、開始決定がされた旨及び配当要求の終期を公告し、かつ、次に掲げるものに対し、債権(利息その他の附帯の債権を含む。)の存否並びにその原因及び額を配当要求の終期までに執行裁判所に届け出るべき旨を催告しなければならない。
一 第八十七条第一項第三号に掲げる債権者
二 第八十七条第一項第四号に掲げる債権者(抵当証券の所持人にあつては、知れている所持人に限る。)
三 租税その他の公課を所管する官庁又は公署
3 裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、配当要求の終期を延期することができる。
4 裁判所書記官は、前項の規定により配当要求の終期を延期したときは、延期後の終期を公告しなければならない。
5 第一項又は第三項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
6 第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
(催告を受けた者の債権の届出義務)
第五十条 前条第二項の規定による催告を受けた同項第一号又は第二号に掲げる者は、配当要求の終期までに、その催告に係る事項について届出をしなければならない。
2 前項の届出をした者は、その届出に係る債権の元本の額に変更があつたときは、その旨の届出をしなければならない。
3 前二項の規定により届出をすべき者は、故意又は過失により、その届出をしなかつたとき、又は不実の届出をしたときは、これによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる。
(売却に伴う権利の消滅等)
第五十九条 不動産の上に存する先取特権、使用及び収益をしない旨の定めのある質権並びに抵当権は、売却により消滅する。
2 前項の規定により消滅する権利を有する者、差押債権者又は仮差押債権者に対抗することができない不動産に係る権利の取得は、売却によりその効力を失う。
3 不動産に係る差押え、仮差押えの執行及び第一項の規定により消滅する権利を有する者、差押債権者又は仮差押債権者に対抗することができない仮処分の執行は、売却によりその効力を失う。
4 不動産の上に存する留置権並びに使用及び収益をしない旨の定めのない質権で第二項の規定の適用がないものについては、買受人は、これらによつて担保される債権を弁済する責めに任ずる。
5 利害関係を有する者が次条第一項に規定する売却基準価額が定められる時までに第一項、第二項又は前項の規定と異なる合意をした旨の届出をしたときは、売却による不動産の上の権利の変動は、その合意に従う。
(配当等を受けるべき債権者の範囲)
第八十七条 売却代金の配当等を受けるべき債権者は、次に掲げる者とする。
一 差押債権者(配当要求の終期までに強制競売又は一般の先取特権の実行としての競売の申立てをした差押債権者に限る。)
二 配当要求の終期までに配当要求をした債権者
三 差押え(最初の強制競売の開始決定に係る差押えをいう。次号において同じ。)の登記前に登記された仮差押えの債権者
四 差押えの登記前に登記(民事保全法第五十三条第二項 に規定する仮処分による仮登記を含む。)がされた先取特権(第一号又は第二号に掲げる債権者が有する一般の先取特権を除く。)、質権又は抵当権で売却により消滅するものを有する債権者(その抵当権に係る抵当証券の所持人を含む。)
以下省略
(期限付債権の配当等)
第八十八条 確定期限の到来していない債権は、配当等については、弁済期が到来したものとみなす。
2 前項の債権が無利息であるときは、配当等の日から期限までの法定利率による利息との合算額がその債権の額となるべき元本額をその債権の額とみなして、配当等の額を計算しなければならない。
(配当等の額の供託)
第九十一条 配当等を受けるべき債権者の債権について次に掲げる事由があるときは、裁判所書記官は、その配当等の額に相当する金銭を供託しなければならない。
一 停止条件付又は不確定期限付であるとき。
以下省略
No.2
- 回答日時:
>抵当不動産の一般債権者による強制競売の申立てにより競売が行われた場合、抵当権の付着した不動産が競売にかけられることになるのですか?
と言うことは、抵当権設定登記のある不動産に対して、他の者が債務名義による強制競売の申立があった場合、抵当権設定のままで競売されるのか、
と言うことであれば「はい、そのとおりです。」
その場合、抵当権者の配当要求によって配当を受けることになります。
その抵当権者の被担保債権の弁済期日が到来していなくても、競売開始決定によって期限の利益は喪失するので何らの問題はないです。
なお、抵当権消滅請求は、第三取得者のみに与えられた権利で、その権利行使は、差押の前までにしかできず、開始決定後には、抵当権消滅請求はできないことになっています。
回答ありがとうございます。
手元の資料には、
抵当権実行としての競売開始決定の場合は差押えの効力が生じる時まで。一般債権者による競売申立ての場合は差押え効力発生後でも消滅請求ができるとありました。
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