No.6ベストアンサー
- 回答日時:
1 証明の方針
σ[A2] は
[1] A2 を含む最小のσ加法族
とのことですが、直感的には、これは、次の [2] と同じ可能性があるようにも見えます。
[2] A2 に属する集合から出発して、有限個の共通部分、加算個の合併、及び補集合をとる操作を組み合わせて得られる集合全体
仮に [1] と [2] が同じなら、あとは、共通部分、合併、補集合をとる操作と f^(-1) とが可換であること(下の [3][4][5] を参照)を使って、ご質問のことは簡単に証明できそうです。これが、ANo.2さんが言われていることだと思います。
しかし、[2] は、数学の証明に使うには記述が曖昧過ぎるように感じます。これをきちんとした定義に直し、かつ、そうして得られた集合族がσ加法族であることを証明するには、それなりの手間がかかりそうです(注1)。
かえって、 [2] を使わないで証明するほうが楽ではないでしょうか。下に、そのための道具だてを示しますので、考えてみてください。[1] の「最小の」の部分を如何に使いこなすかが、ミソです。
2 f^(-1) 等の定義
まず、f^(-1) の定義を復習しておく。
(1点の逆像) y を S2 の元とするとき、
f^(-1)(y) = { x | x はS1 の元でf(x)=y}
(部分集合の逆像)E2 を S2 の部分集合とするとき、
f^(-1)(E2) = { E1 | E1 はf(x)∈E2となる S1 の元xの全体 }
(集合族の逆像)A2 を S2 の部分集合からなる族とするとき、
f^(-1)(A2) = { f^(-1)(E) | E∈A2 }
さらに、逆像の逆像に相当する、次の g を定義しておく。これは、あとで使う。
(集合族の逆像の逆像)A1 を S1 の部分集合からなる族とするとき、
g(A1) = { E| f^(-1)(E)∈A1 }
3 f^(-1) と g の性質
次のことは、容易に確かめられる。以下、λを添字として、各λに対しS2の部分集合E[λ]が定まっているものとする。{E[λ]} は、有限集合でも無限集合でもよい。また、∩と∪は、それぞれ、すべてのλに亘る共通部分と合併を表す。
[3] 共通部分と逆像との可換性 f^(-1)( ∩E[λ]) = ∩f^(-1)( E[λ])
[4] 合併と逆像との可換性 f^(-1)( ∪E[λ]) = ∪f^(-1)( E[λ])
[5] 補集合と逆像との可換性 f^(-1)( Eの補集合) = f^(-1)(E) の補集合
(EはS2の部分集合)
[6] 逆像のσ加法性 B2 が S2 のσ加法族なら、f^(-1)(A2) はσ加法族
[7] 逆像の逆像のσ加法性 B1 が S1 のσ加法族なら、g(B1) はσ加法族
[8] A2 が S2 の部分集合からなる族なら、A2 ⊂ g(f^(-1) (A2))
[9] A1 が S1 の部分集合からなる族なら、 f^(-1) (g(A1)) ⊂ A1
4 証明のヒント
上の定義により、ご質問の「 E∈A2 → f(-1)(E)∈B1ならば、f∈B1/σ[A2] 」は、次の [10] に言い換えることができる。
[10] f^(-1)(A2)⊂B1 なら、f^(-1)( σ[A2])⊂B1
f^(-1)(A2) で生成されるσ加法族をσ[f^(-1)(A2)] とする。これは、f^(-1)(A2) を含む最小のσ加法族だから、f^(-1)(A2)⊂B1 なら当然σ[f^(-1)(A2)] ⊂B1 である。よって、 [10] の代わりに次の [11] を証明すれば十分であり、さらに、それは、[12] で十分である。
[11] σ[f^(-1)(A2)] ⊂B1 なら、f^(-1)(σ[A2])⊂B1
[12] f^(-1)(σ[A2]) ⊂σ[f^(-1)(A2)]
そこで、[12]は、[7][8][9]を使って証明できそう。
*****
(注1)例えば、C0 = A2∪{φ} とし、 C0 に属する集合から、有限個の共通部分、加算個の合併、及び補集合として得られる集合全体 C1とする。さらに、C1 に属する集合から同様の操作で得られる集合全体を C2 とする。これを繰り返して C3、C4、…を作ったとき、∪[n=0 to ∞]Cn が、[2]の集合族なのか?そして、これはσ加法族なのか?もし、そうなら、これが加算個の合併に関し閉じていることは、どのようにして証明するのか?(少なくとも自明には見えない)
お礼が遅くなりすいません。
ただただ感心するばかりでした。特に最小という条件をこのように使うとは目からうろこです。
一点だけ気になるところがあったのですが
[8] A2 が S2 の部分集合からなる族なら、A2 ⊂ g(f^(-1) (A2))
について、
g(f^(-1) (A2)) = {E | f^(-1)(E)∈f^(-1)(A2)}
より、結局
g(f^(-1) (A2)) = A2
となりそうな気がしました。どこか勘違いがあるのでしょうか。
No.5
- 回答日時:
No.3 への補足で、話がまた後退してる感がある。
やはり、「最小の」が解ってないのでは?
S2 自体が「可測」でないとき、非可測集合 X,
X∈B2 ∧ not( f(-1)(X)∈B1 ) について
σ[A2∪{X}] も「A2 を含むσ加法族」である
ことが、見えていないのだと思う。
No.4
- 回答日時:
#2への補足
>どのように証明すればよいのかわからないので
>教えていただけませんでしょうか。
どうしてわからないのかがわからないですね。
なぜなら
#3へのお礼欄に
>最小のσ加法族という意味です。
とありますから。
E∈σ[A2]ならばA2に属する集合をいくつかとって
∩(有限)、∪(加算和)、補集合を取る操作を有限
回行ってできた結果がEなりますよね。
これはOKですか?
これがOKならあとは#2の通りです。
No.2
- 回答日時:
仮にσ[A2]がA2から生成される最小のσ加法族のことなら、
∩(有限)、∪(加算和)、補集合を取る操作とf^(-1)を取る
操作との可換性を使うだけでは?
わざわざ質問するということはそういう定義ではないと期待。。。
この回答への補足
>仮にσ[A2]がA2から生成される最小のσ加法族のことなら、
この定義であっております。
>∩(有限)、∪(加算和)、補集合を取る操作とf^(-1)を取る
>操作との可換性を使うだけでは?
ちょうどその部分がわかりません。
E∈A2 → f(-1)(E)∈B1
ならば
E∈σ[A2] → f(-1)(E)∈B1
をいえばいいと思うのですが、どのように証明すればよいのかわからないので教えていただけませんでしょうか。
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