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大学で超伝導セラミックス(Ba2YCu3O7)を作る実験を行いました。
そして、作った試料が超伝導であるかどうかという確認実験を行ったのですが、よくわからない実験結果になりました。

液化窒素につけてマイスナー効果が出るかどうかという実験では、マイスナー効果が起こりました。

が、零抵抗の実験(電極につなげた試料を徐々に液化窒素に近づけ、液化窒素に漬ける実験)では、試料を液化窒素に近づけるほどその抵抗が上がり液化窒素に漬けたときには急激に抵抗が上がりました。

これは、やはり超伝導セラミックスになっているといえないのでしょうか?言えないとしたら、どういう物質が考えられるでしょうか?教えてください。

A 回答 (7件)

>マイスナー効果の確認は試料が小さいので、試料を液化窒素で冷やして、ピップエレキ判の磁石を乗せるという形で行いました。



なるほど、そうゆう事ですか。
磁化率の測定というのをやられたものと
勝手に考えていまいした。

>試料の上で磁石が浮いたのですが、ななめになって浮いてました。これは試料の一部に超伝導になってない部分があるからなんでしょうか?

 試料をピップエレキ判から取るときに
ちょっと抵抗がありませんでしたか?
浮いているだけでなく、試料が
ピップエレキ判に引き寄せられて
いるような感覚があったはずです。

 試料が完全(つまりYBCO123相の単結晶)
でも同じ事が起こります。結論から言うと
酸化物超電導体がピップエレキ判の磁力で
浮いているのは、マイスナー効果の影響だけではなく、
ピンニング効果によるところが大きいです。

 金属の超電導体のように第1種超電導体
と呼ばれているものは、磁束を完全に排除
するというマイスナー効果が働き、
磁石と反発します。でもこれではピップエレキ判
のような小さな磁石に近づけたとき、
反発力しか働かないため、試料は横に
すべり落ちてしまいます。
 金属の超電導体が浮いている写真を良く見ると
下の磁石の中央に小さなくぼみが作ってあって、
すべり落ちようとしても磁石の中央に来るようにしてある
のが分かると思います。

>これは試料の一部に超伝導になってない部分があるからなんでしょうか?

 不純物があるかどうかという問題とは
別に、酸化物超伝導体のように第2種
超電導体と呼ばれているものは
(磁場侵入長の特性の関係で)
超電導が部分的に壊れ、磁場が侵入する
んです。ただ部分的なため侵入した磁場は
周囲の超電導状態の部分に邪魔され
抜けにくくなってしまいます。
 平らに置こうとしても斜めになって
しまうなら、試料が均一にできて
いないため、この磁場の侵入の
状態に違いができるためです。
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この回答へのお礼

本当に詳しい説明ありがとう御座いました。
こうして、ゴールデンウィークを朗らかな気持ちですごせるのも、皆さんのおかげです。どうもありがとうございました!!!

お礼日時:2004/04/29 15:17

磁石が浮くのは、マイスナー効果ではなく、ピン止め効果が主体になっているのは、#6さんの回答のとおり。

(金属系でも、NbTiなど通常使われている超電導線は大抵第二種超伝導体です)

バルクの均一さを見るには、磁界中で超電導転移させ、外部磁界を除去、表面の残留磁束密度分布を測定することもあります。


電気抵抗の測定
銀ペーストとバルク(の中に含まれる超電導部)の接続抵抗(および銀ペースト自体の抵抗)が問題になるので、通常は4端子法(電流端子から電流を流し込んで、電圧降下を別に設けた電圧端子で測定)をつかいます。
デジタルマルチメータが、4端子測定できるものならいいのですが、そうでなければ測定値はバルクの抵抗+銀ペーストとバルクの界面抵抗+銀ペーストの抵抗(+界面で生じた起電力による測定誤差)になり、何を測っているのかわからなくなることが多いかと。
測定結果で出てきた抵抗値が「どの部分の抵抗値を表しているか」をチェックする必要があります。
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この回答へのお礼

本当に詳しい説明ありがとう御座いました。
こうして、ゴールデンウィークを朗らかな気持ちですごせるのも、皆さんのおかげです。どうもありがとうございました!!!

お礼日時:2004/04/29 15:18

マイスナー効果が起こたのなら、超伝導セラミックスが幾分かは生成していると考えられます。

(但し、全体が超伝導となっているとは限りません)
零抵抗になるには、少なくとも導電パス上が超伝導体で繋がれている必要があり、これは上記マイスナー効果がでていても達成できるとは限りません。(同様にXRDで超伝導層が出ていても同じ)
更に、導電パス上が超伝導体で繋がれている場合でも、電流量が大きい場合(臨界電流値以上)には抵抗が0にはなりませんので、導電パスが極めて細い場合は、測定電流を小さくしないと抵抗0が見られません。
以上のことより、多分作られたものは、超伝導体と非超伝導体の混ざったものではないでしょうか?
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>>YBCOの123が出来ていることをどうやって確認しましたか?



>X線回折実験もしました。

 XRDのピークを確認してみてください。
YBCO123相以外のピークが出て
いるはずです。特性X Kアルファの
ピークがあることを考慮しながら、
123相以外のピークと、YBCOの
関連結晶(組成違いやYBCO中の2元素、
3元素化合物)のピークデータ
(無ければ格子定数からブラックの
回折条件で求めて下さい)を比較して
みて下さい。
 超電導にならない化合物のピークが
大きく出ているものと思います。

 マイスナー効果が確認されていれば
超電導物質ができているはずですが、
超電導にならない物質が混ざっていると
電気的なパスが邪魔されますから
綺麗な電気抵抗の減少が見られません。


>>バルクですか、薄膜ですか?

>形のことでしょうか?形は丸いボタンのような感じです。

 そのボタンのような形を固まりとか
結晶母体という意味の英語、バルク(Bulk)
と言います。タブレットと言う人もいる
ようですが。

>940℃にするのに8時間それを12時間保ち、9時間で500℃まで温度を下げ、55時間で300℃まで落とす。そして1時間で室温に戻す。というプログラムで焼成しました。


 ガスフローに問題があった可能性があります。
YBCO123相は結晶中の酸素の量で
電気特性が大きく変わります。先の
不純物の問題も含め、酸素の量を
検討してみる必要があると思います。
X線の測定精度に問題が無ければ
YBCO123相のピーク(角度)が参考データ等
から少しずれているはずです。
結晶中の酸素原子の量が変わると
結晶構造が少しゆがむので、格子定数の
変化としてXRDの角度のデータに出て
きます。

この回答への補足

X線回折は、時間の関係で4グループで、マイスナー効果が出なかった試料のみ行ったので、抵抗の因果関係はわかりません(TT)

それと、今になって思ったのですがマイスナー効果の確認は試料が小さいので、試料を液化窒素で冷やして、ピップエレキ判の磁石を乗せるという形で行いました。
そして、試料の上で磁石が浮いたのですが、ななめになって浮いてました。これは試料の一部に超伝導になってない部分があるからなんでしょうか?

補足日時:2004/04/24 12:26
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抵抗測定のための電極はどのようにしてとりつけていますか?


また、抵抗測定はどのような方法(4端子法?)を使われていますか?

単純に機械的に押し付けているだけだと、接触不良(温度変化に伴う寸法変化で接触不良になったりする)で測定できないことが多々ありまし、測定方法によっては接触部の抵抗などの影響をうけることもあります。

この回答への補足

電極のつけ方は試料を細長く削り、銀ペーストで接着させ、デジタルマルチメーターで計測しました。

補足日時:2004/04/24 12:30
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零抵抗はマイスナー効果の発現とともに超伝導状態を示す重要なファクタの一つです。



よって、電気抵抗がゼロ もしくは、ゼロに限りなく近づかなければ、成功とは言えないでしょう。

おそらく、試料の作成過程で、何らかの不備があったのではないでしょうか。

○酸化イットリウム・炭酸バリウム・酸化銅の調合比は間違いありませんでしたか?

○プレスが不十分だったのでは?

○焼成後の冷却には充分に時間をかけました?


今回、作成に失敗した試料が実際どういう状態にあったかは、私には判断しかねますので、専門的な方の回答をお待ちになられた方がよろしいかと思われます。

この回答への補足

>酸化イットリウム・炭酸バリウム・酸化銅の調合比は間違いありませんでしたか?

間違いありません。技術職員の人に見てもらいました。ちなみに、
炭酸バリウム=4,154g 酸化イットリウム=0,193g 酸化銅=2,509gでした。

>プレスが不十分だったのでは?

油圧式ハンドプレスで、50kgf/cm2の圧力をかけました。計算によってプレス器にかかった重さは567kgでした。

>焼成後の冷却には充分に時間をかけました?

940℃にするのに8時間それを12時間保ち、9時間で500℃まで温度を下げ、55時間で300℃まで落とす。そして1時間で室温に戻す。というプログラムで焼成しました。

補足日時:2004/04/24 11:39
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補足要求です。



最終的に抵抗は落ちなかったということでいいですね?
不純物があると温度を下げていく途中で
抵抗が上がることがあります・・・・というか
単結晶が得られていないと、温度を下げても
綺麗な電気抵抗の減少は見られません。

>大学で超伝導セラミックス(Ba2YCu3O7)を作る実験を行いました。

 Y系酸化物には幾つか違った組成比の、違った
結晶構造があります。YBCOの123が出来て

1)いることをどうやって確認しましたか?
2)バルクですか、薄膜ですか?
3)試料の作成方法は何ですか?




 

この回答への補足

>最終的に抵抗は落ちなかったということでいいですね?

はい!そうです。最終的には1.582Ωになりました。

>YBCOの123が出来ていることをどうやって確認しましたか?

X線回折実験もしました。

>バルクですか、薄膜ですか?

形のことでしょうか?形は丸いボタンのような感じです。

>試料の作成方法は何ですか?

炉焼きです。

補足日時:2004/04/24 11:22
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