A 回答 (6件)
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No.6
- 回答日時:
うーん食事シーンによく出てくるとの話ですが、価値が高いのではなく(肉の中で)最もポピュラーであったためよく羊肉がとりあげられていたのではないでしょうか?浅学ながら私の認識では豚が高価と思っていました。
どれも中国北部(黄河流域)の話ですよね?(まあ中国の歴史の大半はそうですが)
そもそも農耕民族にとって肉はなんでも高級品です。そしてその地域で肉としてよく手に入ったのが羊ということだと思われます。
史記の時代は微妙ですが、それ以降では中国での穀倉地帯は揚子江流域の温暖で水が豊富で稲作に適した地域です。
一方黄河流域は文化人口の発達に比べ水が不足し、穀物は比較的不足します。
おそらく豚を育てる余裕などなく、羊のほうが一般的に食されていたのではないでしょうか?
回答ありがとうございます。
実は『水滸伝』(宋代の頃の設定ですが)作中のシーンで、
「客人が来たので、それまで食べていた牛肉は下げさせ、羊肉を持ってこさせた…」という描写があるんです。また「豚肉は野菜屑と一緒に油で炒め、その食堂では最も安価な料理…」という描写もあります。
まあ、作者の北方氏によるただの演出かも、と言われればそれまでなんですが。
こういう描写をみて、羊肉が最も高級なのかなぁ~と思っていた次第です。
No.5
- 回答日時:
中国に限りませんが、羊肉が肉の中では上肉です。
羊は体毛と肉が利用されます。
牛馬は労働用が主な利用法です。
豚は食用オンリーです。
羊と豚の扱いの違いの理由は「食性」と「歴史」にあります。
羊は人間の食べられない「牧草」を食べますので、人間にとっての荒地で飼う事が出来ます。
豚は雑食の為に人間と食性がかぶりますから、豚を太らす為には人間の食料を与える必要があり、また、残飯や人糞を餌として与えます。
故に貪り食う様を「豚」と形容する訳です。
ただ、豚は「鳴き声」以外は全て食べられると表現されるほどに食肉としては優れており、文化によっては富の象徴とされる場合もあります。
更に言えば豚は定住の農耕民族が利用する家畜ですので、穀物の品種改良が進むと共に同面積でのカロリー計算での収量は上昇していきますので、農耕の繁栄と共に地位も向上していった事と思われます。
歴史的には羊の方が豚よりも家畜化の時期が最大で二千年程早いと見られており、その過程で新参者との差での評価もありました。
既に儀式に使われている羊は、神の好む肉な訳ですね。
食料生産量の増加した近現代では食肉としては豚肉の方が利用が多く、遊牧民ならば兎も角、羊の食用での利用は多くはありません。
No.4
- 回答日時:
本の名前は忘れましたが、明治期の研究で中国食文化を扱ったものがありました。
#2様のお答えにも出ていますが、その評価を示す単語に「不羨羊」(羊を食べて
いる人が羨ましくない→羊より美味い)があります。「想肉」(しきりに食べたくなる)
もそれに近い表現ですね。しかもそれより評価の高い同種の肉もあります。
10サイトも読まれると苦痛を味わわれるでしょうからあまりお勧めできませんが、
「両脚羊」で検索されるとたくさん出てきます。
ちなみに、複数のサイトで「饒把火」(たいまつよりはマシ)と訳されているものが
ありますが、本では「焼くとよい」の様な表現になっていました。だいたい饒把火も
想肉の一種であり、饒は (ゆたか有り余るほど多い。ゆたか。「饒舌/肥饒・富饒・
豊饒」)なので、「焼くとよい」でよいと考えています。
No.3
- 回答日時:
2番回答者です。
1番さんのご回答を拝見しました。
「?」マーク付きのようなので失礼ながら外から付記させて頂きますが、春秋戦国時代の話で「牛」となると、左伝に書かれている話ではないでしょうか?
諸侯が会盟(集まって誓いあうこと)する際、諸侯を呼び集めた「盟主」が牛の耳を執って(牛耳を執る)裂いて、参加者がその血をすすって誓いの証拠とした、という話ではなかろうかと思います。
日本の「血判」みたいな話で、そこから、日本の「牛耳る(支配する)」という表現が生まれたとのことです。
その種の集まりの後は宴会になるのが普通だったようなので、もちろんその牛も調理させて食べたんだろうと思いますが、食べたとか、うまかったとかのは「記載」はなかったような(あったかも)。
おまじないの材料なので、もしかしたら食べずに埋めたかも・・・ 。
No.2
- 回答日時:
残念ながら、まとまったサイトや解説書などは存じませんが、中国人はなんでも食べてますよ。
例えば、「包丁」という言葉の語源となった、天才料理人の「包」さんは、自分の子供を料理して王様の食卓に出しています。それが「超美談」として史書に記載されています。史書に載っているくらいですから、しばしばある話ではなかったと思いますが。
また、落城の際までに食料が尽きてしまい「互いに子を換えて食らう」という話が、史記かなにかに載っています。
人肉さえ食べていたのですから、なんでも食べました。今でも、猿の脳みそをスプーンですくって食べる地域もある由。
具体的には、「鶏を割くにいずくんぞ牛刀を用いん」という言葉が、「論語」に載っていますので、牛も鶏も食べてましたね。
出典は忘れましたが、これも古い言葉で「羊頭を懸げて狗肉を売る」という言葉があるので、羊の肉も犬の肉も、間違いなく食べてます。
その言葉からわかるとおり、当時の中華の人間にとって、一番ポピュラーで食欲をそそるのは羊だったようで、「羊」の「大」なるものは「すばらしい」と感じ、「美」という漢字が出来たんだとか。
その言葉は、「本物を表示して偽物を売る」という偽装販売の意味ですので、犬の肉は安かった(羊肉よりはマズいから?:犬は誰にでも飼えて手に入りやすかったから?)と思われます。昔は日本でも犬の肉は食べていましたが、今も朝鮮半島の人々が食べているのは有名です。
また、周王朝の時代、斉という国がありましたが、それを作った「太公望」は「羌族」だったと言われていますが、これも羊という字に人間の足がくっついた形で、つまり、羊を飼っていた一族だそうです。
このように、「羊」がらみの文字がたくさん残っているからには、やはり一番重要なのは羊だったのではないでしょうか。
豚については、古い本の豚についての記述は思い出せませんが、思い出すのは「金」の建国です。
満州族と呼ばれる族の中に女真族という一族がいて、その中の生女真の完顔部が建国を目指して戦を始めた時、ほかの民族は「豚飼いが」と言って嘲笑したそうです。
女真族は狩猟や農業にも従事はしていましたが、当時、狭い囲いの中でおとなしくしている豚を飼うという仕事は、果物を採集するようなレベルの、女・子供・臆病者の仕事とされていたそうです。
で、時々、食料に不足を感じた遊牧民が食料調達に襲うと、おとなしく食料を提供していたような人たちだったらしい。
ところが、その女真の完顔部が戦を始めたので、「あんな臆病ものたちになにができるか」という侮蔑の思いが「豚飼いが」という言葉になったのだそうです。
それほど女真=豚というのが有名だったくらいですので、古くからほかの人たちも豚も食べていたはずだと思われます。
珍しいことは史書に記載されますが、当たり前のことは記載されません。たぶん、なにを普段食べているかというような、当たり前のことも書かれていないのではないでしょうか。
史記や論語のような本に、なにげなく書かれている言葉を拾い集めるしか方法はないのではないかと思います。
No.1
- 回答日時:
いえ、確か古代中国では最も評価の高い、つまり美味しい御馳走とされていたのは牛肉だったはず。
失念しましたが、春秋戦国の頃の何かの歴史書に、主君が大夫たちを饗す宴の折に、最上の肉は牛を捌いて云々~と言う記述があった様な…?ただし食文化は10年そこいらで簡単に逆転しますので。そもそも中国4000年の歴史の中では、何が最上かは結構変わってると思います。元代や清朝の頃なら、支配階級は遊牧民のモンゴル人ですので。彼らの食文化で尊ばれてる羊が最上と考えるでしょうし。その直後の明朝や共産党時代なら、憎き旧支配者たちの文化を全否定するため、敢えて実際の食味とは関係無しにそれらを全否定し、中華文明伝統の豚肉こそが至上!と銘打つ事でしょう。
P.S.
北方謙三氏は当第一級のエンタメ小説家ではありますが。別に研究科ではありませんので、史実に忠実に作品を書いている訳ではありませんよ。そうした方が面白い(読者に受ける)と判断すれば、嘘八百も平気で書いてます。と言うか古代史に置ける歴史的事実なんて、所詮は後世の人間の想像と主観でしか無いのですから。
仮に氏が歴史的忠実に作品を書いたのなら。例えば三国時代の孔明と劉備は出身地が違うので言葉が全く通じません。なので彼らは主君と軍師という密な関係にありながら、会話は出来ずに、重要な軍略などは全て手紙(筆談)でやり取りしてました。これは歴史的事実で史記などにも記されてます。曹操や孫権なども同様です。有名な「孔明と周瑜が互いに手の平に“火”と書いて見せ合う」シーン、三国志でも屈指のクライマックス赤壁の戦いでの一場面ですが。これは前述の「互いに言葉通じず、筆談に頼っていた」という部分を、現代人に受ける様にアレンジした話です。
でも歴史小説とは元来そういうもので。実際の歴史的事実を勉強したいのであれば、小説では無く実際の資料や文献、遺跡などを見るべきであり。歴史小説はあくまでも創作、NHK大河ドラマみたいにあくまでも「現代人の価値観で当時の世界観を見る」ものです。
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