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今日の日本時間午後5時から判決が読み上げられ、「日本の調査捕鯨は科学的とは言えない」と指摘し、今のやり方での捕鯨活動を停止するよう命じたようです。
私は日本の商業捕鯨の再開を望んできましたが、このままでは日本の捕鯨は衰退の一途だと危惧しています。
これからはノルウェー、アイスランドと組んで商業捕鯨の再開をすべきと考えます。
捕鯨反対の意見もあるようですが、皆さんはいかがお考えでしょうか。

A 回答 (9件)

(1) カテゴリーの錯誤



19世紀、清(今の中国)に列強が進出して、その領土を蚕食し始めた。しかし、事(こと)ここに至っても、清の知識人は「我が国の精神文明と、西洋の物質文明の、どちらがすぐれているか」などと論じていたという。
気の毒だが、比較対象を誤っていたと言わざるをえない。中国の精神文明は西洋の精神文明と、西洋の物質文明は中国の物質文明と比べるべきだった。
同様に、捕鯨問題でも文化は文化、科学は科学で対比するのが当然だろう。日本の鯨食文化の相手は、鯨保護文化である。
そして、文化に優劣はなく、引き分けだろう。

(2) 科学の比較

次に科学だが、捕鯨派は反捕鯨派に勝(まさ)っているだろうか。捕鯨派の主な主張を、二点検討してみる。
まず、「ミンククジラは既に増えすぎで、捕らなければ、(食性がかぶる)シロナガスクジラが増えない」という一見科学的な主張がある。かぶるというのは、ナンキョクオキアミである。
ミンククジラとシロナガスクジラは、生息域も多少かぶっているらしい。つまり、同じ餌をめぐって勢力争いする場面もありそうだ。
しかし、この主張はナンキョクオキアミの桁違いのバイオマス(生物量)を考慮してないだろう。また、ナンキョクオキアミを捕食するのがクジラだけではないことを、考慮しているだろうか。捕食量のおおむね多い方から順に(カッコ内は年間の捕食量)、アザラシ類(6300万~1億3000万トン)> 鯨類(3400万~4300万トン)> イカ類(3000万~1億トン)> 鳥類(1500万~2000万トン)> 魚類(1000万~2000万トン)だそうだ。これらを合計した1億5200万~3億1300万トンのナンキョクオキアミが、消費されているとみられる。そして、それに応える供給があるわけで、ナンキョクオキアミの年間発生量はそれ以上あることになる(被捕食以外でも死ぬから)。まさに桁違いの多さだ。しかも、ミンククジラとシロナガスクジラのオキアミ消費は、「鯨類(3400万~4300万トン)」の一部でしかない。
したがって、「ミンククジラが増えればシロナガスクジラは減る」とまでは言えず、両者は同時に増えることができると思われる。実際、そうなっている。ミンククジラの多さに比べれば、シロナガスクジラは絶滅寸前状態から長らく回復しなかったが、近年になって少しずつ増えているという(依然として絶滅危惧種ではあるが)。長らく回復しなかったのは、それ以前の乱獲により、再生産(というか自然繁殖)がままならない個体数にまで激減していたからだと思われる。

捕鯨派科学のもう一つの主張は、「クジラは海の生態系のピラミッドの頂点だから、これを人間が捕らなければ増えすぎて、海の生物を食い荒らして生態系にデメリットがある」というものだ。彼らの試算によれば、世界のクジラが食べる餌の総量は、世界の総漁獲量の3倍~6倍にもなるという。
しかし、それは計算結果の解釈を誤っている。クジラが食べるのは、オキアミなど、人があまり漁獲しない生物が多い。また、前述のミンククジラがオキアミだけでなく魚も捕食することを、よほどショッキングな事実のように強調する日本の論者もいたが(いわゆる「海のゴキブリ」論)、かえって日本の学問水準を疑われるもとになった。
クジラと人間の食性がかぶる(競合する)魚種についていうと、クジラが食べる量は、世界の漁獲量の15~30%らしい。すなわち、クジラも人も魚介類を消費するが、共通して食べる魚種については、消費量の比が「15~30対100」であるという意味である。

以上のように、捕鯨派の一見科学的な主張は、反捕鯨派に勝てていない。最初の主張はせいぜい引き分け、次の主張は捕鯨派の誇張計算と思われる。
そもそも、プランクトンはみんな鯨の餌になるとは言えない。クジラはヒゲクジラとハクジラに分かれ、ヒゲクジラはオキアミまたは魚、ハクジラは魚などを食べる。ヒゲクジラのヒゲは、海水からオキアミをこしわけることができる。しかし、より小さなプランクトンをこしわけることはできないだろう(オキアミはプランクトンの一種だが体長3~6センチほどもある)。
また、オキアミが捕食するのは、植物性または動物性のプランクトンだが、南極海には莫大なバイオマス(生物量)の植物性プランクトンがある。それに支えられ、オキアミのバイオマスもまた巨大であることは、すべに述べた。

(3) 裁判は法に基づいて裁く

以上のように、文化でも科学でも優劣の決め手はなさそうで、対立は法廷に持ち込まれた。オーストラリア(のちにニュージーランドも加わった)が、日本をICJ(国際司法裁判所)に提訴した。日本は受けて立った。
裁判の結果、国際捕鯨取締条約(http://www.whaling.jp/icrw.html)第8条の「科学的研究」の解釈に関して日本の主張は退けられ、これが全面敗訴の原因になった。詳細はニュースをごらんください。
受けて立った以上、判決に従うのは義務である。

(4) 商業捕鯨を再開するならIWC(国際捕鯨委員会)を脱退

一般に、条約に加入して条約を守らないのは、条約上の義務に反する。ただし、一部の条項を留保した上で加入するのが認められることもある。国際捕鯨取締条約の場合、締約国は「商業捕鯨モラトリアム」(1983年発効)に異議を申し立てて、その効力を免れることが認められていた(第5条に基く)。
しかし、日本はいったん異議を申し立てたが、のちに申立ての撤回を行った。したがって、商業捕鯨モラトリアムは日本に対して効力を持つ。第5条により、異議申立てには期限があるので、今後「撤回の撤回」を行って再び異議申し立てというわけにはいかないのではないか。
つまり、日本が商業捕鯨を再開するなら、IWCを脱退しなければならないだろう。その後、モラトリアムに異議を申し立てた上で再加入するという手もある。アイスランドがそのような手を使い、1992年に脱退して2004年に再加入し、現在商業捕鯨を行っている。
ノルウェーは最初から(82年にモラトリアムが採択された時から)異議を申し立てて、その後も撤回せず、現在商業捕鯨を行っている。

しかし、日本が80年代に申立ての撤回を行ったのは、米国に説得されてのことだったらしい。その後、調査捕鯨を行って、今に至るわけである。仮に、今から日本がドタバタ「脱退、異議申立て、再加入」などして商業捕鯨を再開したら、米国の怒りを買うことは必至だろう。
また、IWCを脱退したまま再加入しないならば、今回の判決を愚弄することになる。判決は国際捕鯨取締条約に基づいており、そもそもIWCとは同条約に署名して加盟した国々の委員会だからである。「脱退すりゃあ条約を守る必要もない」と、尻をまくるのか。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
(1)から(4)まで歴史的事実そして鯨の生態に関する科学的分析をご説明いただきました。
ただ、何度読んでも「捕鯨派の一見科学的な主張は反捕鯨派に勝てていない」と断言するほどの証明がなされていませんね。
最後に「脱退すりゃあ条約を守る必要もないと尻をまくるのか」と締めておりますが、私の質問の最後に尻をまくるべき旨を書いています。
私の感想ですが、博識よりも人間の自然に湧き出る思いが優先すると考えています。
歴史的事実はそれでよろしいのですが、結局Ganymedeさんの生々しい思いが見えてきませんね。
要するに書かれていることに感動しないのです。
私が尊敬する福岡正信氏の言葉があります「科学は自然に遠く及ばない」。

お礼日時:2014/04/03 13:14

お礼ありがとうございます。



本来、必要の無い書き込みですが、

>それらの食材がどのような人たちによってどのような過酷な現場で得られているか考えもしてこなかったのでしょう

に触発され、補足を書きたく駄文をさらします。


食卓に並ぶ『食材』の「処理方法」を多くの方は知らな過ぎると思います。

直に「処分」をした経験も知識も多くの日本人は持たないでしょう。(まぁ、私も言う程の経験は無いですがw)

命を「摘む」意味も知らない人間が、あれは大事、これは平気と口にする事は醜いとしか思えません。

地球にとって、「貴方が大事かどうか聞いてみたら?」と言いたくなります。


すいません、出来る事がエアコン反対位の庶民の戯言でした。

余計な一言、申し訳ありませんでした。
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この回答へのお礼

再度の回答ありがとうございます。
決して「余計な一言」ではありませんね。
しみじみと感じること、人間にはそういう思考は大切だと思います。

お礼日時:2014/04/03 12:53

個人的にですが、私は捕鯨「推進」派です。



実は私は鯨を食べた事はありません。(あんな高い物w)

しかし生物学を学ぶ者として、危惧を禁じ得ません。

以下、失礼だとは思いましたが、同文を書くのが辛いので、他の回答に書き込んだコピペをさせて頂きたく思います。

「海洋生物の一切の捕獲を禁止するならまだ判りますがね。

鯨は海の生態系のピラミッドの頂点です。

マグロでさえも孵化直後のサイズはプランクトンレベルです。

表層の海洋生物の卵は沈まない様に小さく大量に産みますので、全てがプランクトンからになりますので、みんな鯨の餌になります。

捕鯨「だけ」を禁止にする事は生態系においてデメリットしかありません。


捕鯨を止めるのは人間の勝手ですが、深海魚まで回転寿司のネタに取っている様な状況で、鯨だけが安定して増えていったらどうなるでしょう?

ミンククジラは増えていますが(というか増え過ぎ)、食性がかぶるシロナガスクジラは全く個体数の増加が見られません。


捕鯨禁止のロジックは薄っぺらいのですよ。

「止めていい」様なものではなく、「管理」するか、人間は海から「撤退」するかの二択が正しい選択肢です。」

です。

お騒がせして済みませんでした。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
0fool0さんは生物学を学んでいるとのことで流石です。
生態系や食物連鎖が基本ですね。
回答に書かれている内容に何一つ異論はありません。まったくその通りですね。
このサイトでも、捕鯨禁止を語る人のほとんどは自然とは無縁の都会人だと思われます。或いはビルや部屋の中、机の上の勉強しかしていない人達だと思います。お母さんや妻が作ってくれる食事、レストランで食べる食事だけの世界で満足しているのでしょう。それらの食材がどのような人たちによってどのような過酷な現場で得られているか考えもしてこなかったのでしょう。
でも、今回の質問に回答していただいた方々は自然界そして生態系や食物連鎖をよく理解されているので驚いています。
そのような方々がいる限り日本も捨てたものではないと感じています。

お礼日時:2014/04/02 14:10

切り口を変えて



イルカじゃダメ?
大きいイルカがクジラ、小さいクジラがイルカ。鷹と鷲の様に大きさで呼び分けるが、同じ生物。
近大マグロみたいに近大イルカを出せば?
養殖ならグーの音も出ない。
クローンクジラもダメ?

捕鯨プロレスです。
商業派も反対派も騒いでるだけで飯食えるんです。
今回の判決は八百長ずもう禁止ぐらいの良い判決。
シーシェパードや国際弁護士や天下りなど、捕鯨プロレスの興行で飯食っていた奴らが困る。
八百長なしでこれからが本当の政治です。
http://katukawa.com/?p=419
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8D%95%E9%AF%A8
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
確かに、切り口を変えて戦略を練る必要があるでしょうね。
捕鯨プロレスの話は説得力があります。
「八百長なしでこれからが本当の政治です」そうなれば明るい兆しです。

お礼日時:2014/04/01 23:23

自分は捕鯨そのものは賛成です。


生態系調査、将来の食糧不足などの対策のためには調査捕鯨をするのは必要だと思います。
牛や豚はokで、鯨はダメというのもおかしいと思うので絶滅種などに考慮すれば商業捕鯨もokだと思います。

しかし、税金を投入し国策として?調査捕鯨を行い
国際的非難を受け、国益を損ねてまで続ける理由がわかりません。
(今回の国際司法裁判所の判決結果からも完全に国益を損ねていると思う)

食文化を守るためということであれば、今でも行われている小型捕鯨だけじゃダメなんでしょうか?
ミンククジラなども対象とする必要があれば、ノルウェーのように商業捕鯨を出来るように変更する努力をすべきだと思います。

調査捕鯨を行うのであればIWCなどからの要請の上行うべきと考えています。
IWCは事実上機能していないとのことですが、だからといって日本が好き勝手に税金を使ってまで調査するというのは違うような。。

正直天下りだとか利権問題以外の原因が思いつきません。。。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
「調査捕鯨で国際的非難を受け国益を損ねてる」そうかもしれませんね。
私は元々商業捕鯨に何の違和感もなかったので、調査捕鯨への国際的な非難も合理性がないと見ているのですが。
とはいっても、現実に非難を受けているわけですから、それらへの対応は大切ですね。
biggogoさんも書いているように日本は外交は苦手ですね。積極的な中韓を見習いたいものです。
今回の裁判前に代表団は余裕だったようですが、何をもって余裕だったのか疑問です。

お礼日時:2014/04/01 17:46

「国際捕鯨取締条約」に違反するということですよね。



多分、国際司法裁判所は条約を守っているかを裁判したのだと思います。

国際法上、条約は重要です。(国内法のように憲法がないので)

実際はミンククジラか何かはそれなりに繁殖する事実があって、でも条約で鯨を調査以外にとってはいけないことになっていて、たぶんそれとは違う範囲をやってたということでしょう。

今後は条約をどうするかをしないといけないですね。
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます。
pkuobe99さんも冷静に受け止めているのですね。なるほどです。
日本が条約違反なことをしていたなら改善は当然ですね。
私は「クジラは愛すべき動物であって殺してはいけない」といった捉え方が世界的に広がってはいないかという危惧があるものですから。

お礼日時:2014/04/01 10:42

今後はオーストラリアのカンガルー狩り、アメリカの鹿狩り、イギリスのキツネ狩りなどを国際司法裁判所で判定していただき、アングロサクソンの文化をエコひいきしていないかどうかを地球人類に公表させることです。



いろいろな野生動物の狩猟に対して公平な判決がくだされるならば、日本人としても国際司法裁判所に判定に従うべきでしょう。

敗戦国日本は日本のやりたいようにはできない現実があります。
ならば、せめて国際司法裁判所を使って人類の色々な文化が公平に評価されるよう、努力しようではありませんか。
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます。
Mokuzo100nennさんの前向きな考えは素晴らしいですね。
私もそのような積極的な行動が必要だと思います。

お礼日時:2014/04/01 10:35

> 「日本の調査捕鯨は科学的とは言えない」と指摘し



その調査結果をIWCはじめオーストラリアも研究の基礎にしていたりするんですがね。
どうなっているんでしょうねぇ?


> これからはノルウェー、アイスランドと組んで商業捕鯨の再開をすべきと考えます。

気に入らないから会議から抜ける、というのは、戦前の国連脱退のようですね。
少なくとも国際捕鯨取締条約の趣旨は「管理して捕鯨しよう」というものであり、正常化への動きを反捕鯨国が妨げている、という宣言がIWCで2006年に採択されています。

とはいえ、捕鯨が「科学的な知見」ではなく単なる政治的な事情で左右される現状は、おかしいですよね。いい加減、非捕鯨国を大量に入れて補助金で票を買うようなやり方はやめてほしいと思います(日本もモンゴルなんかでやっているんで人のことは言えませんが)。


ところで、来年からの調査捕鯨はどこの国がやるんでしょうね? 日本は禁止されてしまいましたし。
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます。
at9_amさんの冷静な感想は勉強になります。
今回の判決の解釈はこれからでしょうが、調査捕鯨そのものを禁止したものではないようです。
調査捕鯨の内容をもっと改善しなさいというようにも報道されていますね。

お礼日時:2014/04/01 10:30

調査捕鯨の調査結果を英語で公表しなかったのでしょうかね?



日本沿岸で、海産物を食うクジラ・イルカの駆除は、稚魚放流国である日本の権利であると思われます。
調査捕鯨は資源の状態を調べるために必要でありクジラの数を知る上でも必要でしたが今後は、放流魚を守るために必要な駆除を行なうべきであると思います。
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます。
確かに、日本人は官僚も含めてロビー活動は苦手なのでしょうね。
「日本沿岸で海産物を食うクジラ・イルカの駆除は稚魚放流国である日本の権利であると思われます」はまったくその通りだと思います。

お礼日時:2014/03/31 22:22

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