いつごろからか、真珠湾攻撃をルーズベルト大統領は
事前に知っていたと聞くようになりましたが、本当でしょうか。
なにか証拠になる文書とか文献があってのことですか。
真珠湾攻撃で米太平洋艦隊は壊滅し、約3800名の死傷者を
出す未曾有の攻撃に世界は震撼し、当時の大艦巨砲主義から
空母主体に変換を余儀なくされたものの、アメリカの航空隊は
”FLY BOY(ハエ男)と揶揄され独善的と白眼視されていました。
そんな中で多数の犠牲者と主力艦隊壊滅の犠牲を払ってまで
無防備に日本に最初の一発を撃たせる理由が解せません。
事前に知っていたのなら、魚雷防御網を張るなり、迎撃態勢をとって
最初の一発以降の被害を最小限に防ぐのが、相手の手の内を
知ってる対処法ではないですか。
ということでルーズベルトが事前に知っていたというのは
デマだと思うのですが、なぜ巷間こんなことがまことしやかに
言われるのでしょうか。
No.19ベストアンサー
- 回答日時:
「真珠湾攻撃を、ルーズベルトが事前に知っていたというのはデマだと思うのですが、なぜ巷間こんなことがまことしやかに言われるのでしょうか」、との問い。
それは、そうした陰謀説を、誰も根底的には論破できていない、だから「巷間、いつまでも言われる」のです。
陰謀実在の根拠史料として挙げられている膨大な各資料を、後付け的に検証し、別史料によって、いちいちを否定していく、この作業を実行した学者・研究者は、たぶん、いない、と思われます。
これでは、陰謀実在説の「普及」は止められません。
1、陰謀実在の否定説は、状況や、印象、先入観・固定観念等による否定、せいぜい、「極く一部分の否定」のみ、から成り立っています。陰謀説が使っている史料を、いちいち検証していない、結局は、印象によって否定するのみ。
例えば、陰謀説の基になった、ある特定の史料を探求して検証しようとしたが、その史料が無かった、などの場合、考えられるのは、
2、存在するその史料に、研究者が到達できなかったという、単なる「能力不足」の場合。
3、学者・研究者本人ではなく、史料探求の依頼を受けた「代理人」が、当該史料に到達不可だった場合。
4、その「代理人」が、当該史料を、米国の歴史的国家機密として認識したため、「無かった」と、依頼者である学者・研究者本人に報告した場合。
5、陰謀説に利用されて公開された史料が、「国家にとって、危険」ということで、米国政府によって、その後に「隠蔽」された場合。
つまり、例えば、これらの場合は、陰謀説の史料を検証しようとしても、当該史料に到達できない、ということになりますので、当該史料が無かった、ゆえに、陰謀は存在しない、といった、情けない結論を出すことになってしまうわけです。
こんな感じで、この方面を正面から研究する、まともな学者・研究者は、日本でもアメリカでも不在であり、陰謀説に付き、肯定を良しとするか、否定を良しとするか、歴史学的・学術的には、一般人には、判断困難な状況があるのです。
日本の近代史の、学者である、秦氏・須藤氏、等の意見・判断は、たぶん、上の5つの中に入るでしょう。
上は、「真珠湾」のみについて述べたものですが、私の考えは、真珠湾云々は実証困難なるも、ともかく、日本に第一撃を撃たせる「セッティング・誘導・挑発」は、存在した、という考えです。
う~む、結局ルーズベルトが知っていたとも
知らなかったとも証明のしようがないから、
親派、敵対派それぞれが都合よく吹聴していると
言うことですね。
回答ありがとうございました。
No.20
- 回答日時:
知っていた、いなかった論争は1960年代からありまして、ルーズベルトは「知らなかった」が通説です。
ただ、これは9・11のテロにも通じるのですが、アメリカ当局のだれかが何かしら気づいていた、ということまでは否定しません。ただ、それぞれの知っていたことがバラバラでまとまって確度のある情報にならず、ルーズベルト他海軍上層部に「とりあってもらえる」レベルまでいかなかったのが、やや真相だと思います。
「日本の空母艦隊が行方不明である」「日本の空母は南方に向かっているコンヴォイに同行していない」「北太平洋に不審船あり」「日本の暗号乱数表が変更された可能性あり」
と、バラバラに各々が知っていても、無駄なわけです。あと、日本の南方資源地帯に向けた陸軍を輸送しているコンヴォイは12月3日に連合国に発見されていますが、連合国側はこれがシャム(タイ)に向かっていると判断していました。
真珠湾陰謀が成り立たないのは、この陸軍部隊が真珠湾より2時間以上早く、マレー半島のコタバルに上陸して連合国と戦闘をはじめている、という事実から明らかです。知っていて、かつ現実の武力行使が2時間前にあったのなら、当然ながら警戒するはずです。
知らなくて、よく分からないところで日本陸軍が先手を切って戦闘を初めて、事実確認をしていたら真珠湾に日本海軍機がきてしまった、というほうが、話に納得がいきます。
また、知っていたなら英国に通達しないのもヘンです。知らなかったからこそマレーでの戦闘は一方的展開となり、戦艦2隻を失って、あげくシンガポール失陥なのです。それを、陰謀でした、となったら、英国の立場がありません。
最後に、陰謀が成立するには日本海軍の空母が真珠湾を襲わなければいけないわけですが、もし
日本側の都合で真珠湾攻撃やめていたらどうなるか。
南雲指令は米潜水艦の追尾をうけていると思い込んでいた節がありますし(攻撃前夜に艦隊運用とは関係ない源田を真夜中におこして、潜水艦が着いてきていると思う、とこぼしたエピソードがあります)、空母のエンジン不調で合成風力を作るのに失敗し艦載機発艦が不可能になったり、タンカーと邂逅し損なって燃料不足になって帰還したり、といろいろありえます。
敵である日本軍の攻撃が100パーセント保障されないと成立しない陰謀が、陰謀足りうるか?
日本軍のリアルタイムでの内実がわかるわけでもありません。
さらに、真珠湾が攻撃目標であることは、一度も無線にのせられず、命令は全て文書の手渡しで、最終的命令書は赤城の金庫に入っています(ニイタカヤマノボレ一二〇八 の電報が名高いですが、これは『X日ヲ12月8日午前零時トス』というだけの意味です)。
アメリカが空母を逃がしていたといいますが、たとえばエンタープライズは1隻だけで日本艦隊捜索任務をしています。相手は6隻です。しかも、エンタープライズに攻撃可能な艦載機は半分しかいません。なぜなら、航空機輸送任務で真珠湾をでかけた帰りだからです。あぶないです。
陰謀はおもしろそうですが、ムリはムリでしょう。
以前、コカ・コーラ社の副社長が誘拐され
そのレシピを聞き出そうとした事件がありました。
しかしコーク社は4人の副社長にそれぞれ受け持ちの
レシピしか教えていないので、1人誘拐して聞き出し
たとしてもその成分の1/4だけなのでコカ・コーラは
完成しません。また各副社長は他の副社長の持つレシピは
知らないので拷問しても吐きようもありません。
と、まあこんな感じで、真珠湾も9・11テロも情報が
統一され一本化されていたら…
という風に理解するべきなのですね。
回答ありがとうございました。
No.18
- 回答日時:
#8です。
寝言です。>>フランス語だったら「こんなん読めるかぁ、訴えてやる」と帽子を叩きつけるところでしたが、英語なのでクルリンパと元に戻しました。知ってるフランス語はボンジュールとカルロス・ゴーンだけです。???
暗号の話は初出ですね。
暗号にはいくつも種類があり(外務省、海軍省、など)解読の時期もまちまちです。僕は知りませんが、前にあげたスティネットの本(題の Day of Deceit (欺瞞の日、はルーズベルトの Day of Infamy のもじりです)が、ほんと(=真珠湾攻撃陰謀説は本当)、いや、デマという論争は下記などにあります。
http://www.geocities.jp/yu77799/worldwar2/nitibe …
ここしばらくは、蒸し返される話でしょうね。
暗号といえば、暗号か平電か知りませんが
「ニイタカヤマノボレ一二〇八」が有名です。
12月2日山本長官より発せられています。アメリカは
傍受できなかったのでしょうか。意味はともかく一二〇八は
日付だと分かると思います。攻撃中止は「フジヤマノボレ」
なので「ジャップのヤロー、12月8日にナニカするアルカ」と
身構えるはずでは。その辺もよく分かりません。
回答ありがとうございました。
No.17
- 回答日時:
#8です。
補足です。>>せっかく添付してもらった資料、英語なので読めませんでした。せめてフランス語なら…???でもどうやらデマ説のほうが多いようです。
失礼しました。ウィキのものは、日本語版もあげておきました。ドイツ語、イタリア語、朝鮮語はありますが確かにフランス語はありませんね。まあこの話は尾ひれがついて当分続きそうな気がします。
と言うのはデマか本当か、という話ではなく、暗号がいつどれだけなどという話も絡まるからで、今後のテロ対策に、利用されている部分もあり、まだお宮さんの活躍する余地はありそうです。
回答ありがとうございました。
フランス語だったら「こんなん読めるかぁ、訴えてやる」
と帽子を叩きつけるところでしたが、英語なのでクルリンパと
元に戻しました。知ってるフランス語はボンジュールと
カルロス・ゴーンだけです。???
暗号の話は初出ですね。
No.16
- 回答日時:
流し読みしかしてないので見逃している部分もあるかもしれないですが、アメリカがハワイではなくフィリピンを固めるのは当時の常識としては当然なんですけどね。
そもそも日本は石油の確保に戦争始めたんです。
石油が取れるのは主にパレンバンを中心とする南方地帯です。
よって開戦劈頭にパレンバンとそこから日本までの航路(シーレーン)を確保しないといけません。
となると航路の真ん中にあるフィリピンを最初に襲うのは戦争遂行の絶対条件です。
アメリカとしては当然空母機動部隊をフィリピンに差し向けると読みます。
実際には陸上基地から渡洋攻撃をしかけたのですが、これは当時の日本のゼロ戦と陸攻が他国に比べて異常な航続距離の機体を作っていたからです。
そんなことアメリカ軍は知らないので、フィリピン攻略に空母が必要ないなどわかるわけがありません。
No.15
- 回答日時:
ルーズベルトは、日本軍が太平洋方面で、作戦行動を起こすのを、知っていた。
そして、フィリピン、グアム等、太平洋方面そして、一応ハワイにも警報発した。
ルーズベルトは、フィリピンだと思っていた。
警報にとどめて、絶対攻撃があることを知らせなかったのは、日本に先に攻撃させて、開戦の口実を作るためだった。
そして、まさか、ハワイに攻撃があるとは思わず、そして実際、ハワイが攻撃され、その被害の大きさに驚いた。
これが、史実だったと思います。
何かの本で読んだ結果です。
結局、日本の先制攻撃は予測していたが
真珠湾に来ることは予測できなかったので
ルーズベルトは知らなかったということですね。
回答ありがとうございました。
No.14
- 回答日時:
他者の回答に対する回答は禁止事項なので、これから先は独り言です。
あたしゃ海軍マニアではないので漏れがあるかもしれませんが、ざっと思い出しただけでも、太平洋戦線では第三次ソロモン海戦で比叡、霧島。スリガオ沖海戦で山城、扶桑。
大西洋戦線では、フッドとビスマルク。アドミラル・グラフ・シュペーは戦艦と呼ぶかどうかは異論もあるかもしれないですが、ポケット戦艦なる名称で呼ばれることもあります。とりあえず当時のドイツ軍にとっては戦艦扱いでしょうね。
「駆逐艦から魚雷攻撃を受けたのは砲撃戦じゃないやい」ってのはナシですぜ。戦艦が駆逐艦を伴わない艦隊で行動するってのが原則的にはあり得ないですし、戦艦同士が長距離砲で撃ち合うので駆逐艦は後ろで応援しているだけってのもないですからね。アドミラル・グラフ・シュペーは自沈したけど、砲撃戦で失われたにカウントしていいと思います。純粋な砲撃のみで清く正しく沈められたのは、フッドでしょうかね。
ただそういうことが踏まえられても、私が沖縄戦の米軍提督なら可能な限り大和は航空攻撃で沈めようとしますけどね。だって、大和特攻作戦のときの米軍機の損害って、確かほとんどなかったでしょ。万が一大和の46センチ砲が命中したら、アイオワ級でも1発だけで数百人の死傷者を覚悟しなきゃいけませんからね。
さて、禁止事項による回答削除を避けるためには、本題のこともコメントしないと削除されちゃうんですよ。ええっと、そう、だからあったかもしれなかったし、なかったかもしれなかったし。私はチャーチルとスターリンは知ってても不思議じゃなかった気がするし、そして知ってたとしたら2人とも知らんぷりしたと思います。当時の一般常識的に考えると「ムチャな作戦だなあ。まあ、成功したとしてもたいした損害は出せないっしょ」というものだったと思います。
だけど、日本の正規空母6隻が揃いも揃ってどこにいるか分からなかったんだから、そりゃ「みんなまとまってどっかに隠れていやがるな」と考えるのが常識だったと思います。
英国戦艦フッドは独ビスマルクに火薬庫直撃弾を
食らって真っ二つになりあっけない最期でした。
さすが戦艦の主砲はすごいもんです。
当時16インチ砲9門搭載の米戦艦は、1時間40分で
900発発射できた。爆撃機1機に1発搭載として
実に900機分の攻撃力が戦艦1隻にはあります。
アメリカが主力艦隊を見殺しにする理由は
ありませんね。のちに空母が主体になるのは
日本がそうさせてしまったのです。
よってルーズベルトは知っていたのではなくて
報告を”知って痛っ”しってイタ、イタタタ、イテエなぁ
が実際のところでしょう。
回答ありがとうございました。
No.13
- 回答日時:
No.2です
>>日本海軍が慎重かつ上手な戦いをしていたら、アメリカは単独講和に持ち込まれていたかも
知れないのに、ちょっとした犠牲では済まないと思います。
たぶん、そのとおりです。また、”慎重かつ上手な戦い”をしていなくとも、日本海軍が、”失敗したら、その原因と対策を考えて対応する。作戦失敗の責任者は、相応に処分する”、”有能な人間は、卒業年次や、年功序列を無視して登用する”ということが出来ていたら、米軍に勝つことは出来なかったかもしれないけど、惨めな負け戦の戦いとなる場面は、ずっと少なかったのではないか?という気はします。
少なくとも、ミッドウエー海戦のような負けはなかったでしょうね。
そして、同じような失敗を企業がしてしまい、週刊ダイヤモンドが「ソニー消滅!!」なんて刺激的なタイトルを表紙に大きく出すようなことも無かったでしょう。
たぶん、日本人の「和の精神」「年功序列」的な気質は、天照大神の時代より持っていたのかもしれません。それが、あるときは日本軍の優秀さになったけど、同時にそれが日本軍というか「組織」の弱点にもなっているように思えます。
仰る通り、アメリカはビシバシ司令官らを
更迭したのに対し日本はほとんど無しですから。
機動部隊の司令官も能力で選考すれば小澤治三郎か
大西瀧治郎、山口多聞が妥当なところ、年功序列で
航空素人の南雲忠一ですからねえ。
明治の海軍は山本権兵衛が人選で大きな決断をし、
東郷を起用して成功しましたが、昭和の海軍は
軍人も官僚化し、能力よりも年功序列ですから、
負けるべくして負けたという戦いでした。
回答ありがとうございました。
No.12
- 回答日時:
>いつごろからか、真珠湾攻撃をルーズベルト大統領は
>事前に知っていたと聞くようになりましたが、本当でしょうか。
>なにか証拠になる文書とか文献があってのことですか。
●回答・・・真珠湾の敗北について、戦後、改めて何故このような事態になったのか、アメリカ議会で上院・下院合同調査委員会が作られ1945年11月~1942年5月まで調査が行われました。
その調査結果については、真珠湾攻撃直後に原因究明のために作られた調査委員会(ロバーツ連邦最高裁判事、スタンドレー退役海軍大将、リーブス退役海軍少将、マッコイ退役陸軍少将、マクナーニー陸軍准将の五人からなる委員会)と同様に、キンメル太平洋艦隊司令官とハワイ駐留陸軍司令官のショート中将に責任があるものとされました。
しかし…
上院・下院合同調査委員会内の少数意見として、公には認められなかったものの、アメリカ政府は情報収集により日本の意図を察知しており、その情報を充分にハワイに知らせなかったため、真珠湾の悲劇に繋がったという意見が出されました。
この意見は調査委員会に参加した共和党の4人の議員が主張したものです。
以後、この意見を元にルーズベルト陰謀論を唱える人が増えます。
共和党でルーズベルトの政治的ライバルだったフーバー元大統領や、ハミルトン・フィッシュ下院議員らは生涯を通じてルーズベルト批判に力を注ぎました。
ちなみに大恐慌時、何ら有効な対策を打てず、しかも1930年6月に「不況は終わった」という迷言を発表し、瞬く間に全国で増加したスラム街に「フーバー・ビル」と名前を付けられ、1932年の大統領選挙では「フーバーを吊るせ!」と民衆に叫ばれたフーバー元大統領は、自分を追い落としたルーズベルトを徹底的に批判しまくります。1200万の失業者を700万人にまで減らしたニューディール政策や、大戦中のソ連へのレンドリース等、ありとあらゆるルーズベルトの政策をヤリ玉にあげ批判しました。
1954年になるとルーズベルト大統領が真珠湾攻撃を知っていながら故意にハワイに知らせずアメリカ太平洋艦隊を囮にしたという本が出ます。日本でも販売されましたが、題名は「真珠湾の審判」で書いた人はキンメル太平洋艦隊司令官の副官をしていたセオボルト少将でした。
以後も何冊も真珠湾におけるルーズベルトの陰謀を指摘する本が出版されます。
何冊かあげると…
ジョン・トーランドの「真珠湾攻撃」では、中国の情報員が真珠湾攻撃を知らせて来たとか、ワシントンに駐在していたオランダ海軍武官がアメリカ海軍情報部の部屋で日本空母の位置が地図上に示されているのを見たとか、サンフランシスコの情報部が日本艦隊の無線をキャッチしたとか、オランダ領インドネシア駐留のオランダ陸軍が日本の外交暗号を解読するのに成功し、日本のハワイ攻撃をアメリカにも知らせたなどと主張されています。
ちなみに、この4つの情報は日本の研究者が検証し、全て否定されています。
ジェイムズ・ラスブリッシャーとエリック・ネイブ共著の「真珠湾の裏切り」では、イギリス情報部が日本海軍の暗号を解読していたという話でしたが、日本の研究者が調べるとそれは捏造だったそうです。
ロバート・スネッティの「真珠湾の真実-ルーズベルト欺瞞の日々」では、アメリカ海軍は日本海軍の暗号を解読しており、さらに無線封鎖していた筈の日本艦隊は実際には無線をどしどし使用しており、それをアメリカ情報部がキャッチしていたというものですが、これも日本の研究者が検証し全て否定しています。
ちなみにこの本については、当初、小林よしのり氏は絶賛しその著書「戦争論2」でふれ「ルーズベルトは全てを知っていた」と書きましたが、その後にこの本の真実を知り、「戦争論2」の8刷以降では改稿がなされています。
「真珠湾の真実は相当怪しい本だったようだ」
「結局のところ、未だルーズベルト陰謀説は実証されていない」
「ルーズベルト陰謀説は日本軍の歴史的大戦果を侮辱するものでしかなかった。ここに謝罪し訂正する」
というような事を8刷以降に書いています。
つまり、かなり昔からルーズベルト陰謀説は唱えられてきましたし、それもアメリカの上院・下院合同調査委員会内での少数意見や、元大統領、元議員、元将官などある程度、権威のある人達がルーズベルトと陰謀を結びつけてきました。
その多くはアメリカを日本との戦争においやったという主張ですが、そこからさらに太平洋艦隊を囮にしたという説が派生してきました。
○ルーズベルトが事前に真珠湾攻撃を知っていた可能性は低いと思います。
何故ならハル・ノートを日本側に渡した翌日の11月27日に、米海軍のスターク海軍作戦部長は、ハワイのキンメル太平洋艦隊司令官にあてて警報を発しています。「本電を戦争の警報とみなせ。日米交渉は終わりを告げ、日本の攻撃的行動がここ数日中に予想される。・・・」と。
米陸軍のマーシャル陸軍参謀総長も同じ11月27日に、ハワイのショート陸軍部隊司令官に警報を発しています。「日米交渉は日本政府から継続の申し入れが無い限り終わったように思われる。日本の今後の行動は予測できないが、すぐにも敵対行動が始まる可能性がある。・・・」と。
日本軍にハワイを奇襲させたいのなら、このような警報は出さないでしょう。
では何故、ハワイが奇襲を許したかというと、ハワイの司令部では日本軍によるハワイ攻撃はありえないと判断し油断していたからです。
キンメル太平洋艦隊司令官は「私はあのような遠距離の渡洋作戦は無理だと思った。日本の空母は足が短い。ハワイを奇襲する事など不可能に近い。だから真珠湾攻撃の結果と方法を見た時、目を疑ったものだ」と言っています。
太平洋艦隊作戦参謀だったマクモリス大佐は「我々、米海軍自身が日本本土に対して効果的な渡洋奇襲を決行できるとは思えないから、日本ができるわけがないと考えた」と言っています。
米国の太平洋艦隊司令官とその作戦参謀は日本の空母部隊による渡洋攻撃はありえないと判断し、日本を侮り油断していた。それが真珠湾奇襲の成功に繋がりました。ルーズベルト大統領のおかげではありません。
○ただ、ルーズベルト大統領が日本に最初の一発を撃たせようとしていたのは事実であり、それなりの策を弄していたとは考えられます。
それがルーズベルト大統領がフィリピンのアジア艦隊司令官トーマス・ハート提督へ出した命令です。
12月2日、ルーズベルト大統領はハート提督に3隻の小型船に武装を施し、その各艦に米国人士官1人と他はフィリピン人からなる乗組員を乗せ、タイ、仏印沖に偵察に出すよう命令を出しています。
イザベラ号、ラニカイ号、モーリームーア号の3隻ですが、偵察なら飛行機で十分なのに、なぜわざわざ小型船なのか?しかも乗組員の構成まで指定して?
これについては、ルーズベルト大統領の策謀であり、この小型船を日本軍に攻撃、撃沈させ、それを口実に日本との戦争に突入する気だったのではないかという説があります。それを否定する材料は今のところ発見されていません。
米国人の犠牲を最小限に、米国資産の被害を最小限にしつつ、日本からの攻撃を受け被害を出すための、開戦の口実としての囮としての3隻だったのではないかというわけです。
ルーズベルト大統領は真珠湾奇襲作戦を知らなかったからこそ、こうした囮船を使おうとした可能性があります。12月2日と言えば、既に南雲機動部隊は既にハワイに向け航行しているのです。
> ということでルーズベルトが事前に知っていたというのは
>デマだと思うのですが、なぜ巷間こんなことがまことしやかに
>言われるのでしょうか。
●回答・・・自らの政治思想を優先し事実を二の次にする人がいるから。
過去から現在にかけて…
高い評価のルーズベルト政権に傷を付け民主党にダメージを与えたい共和党の政治家。
自分達が失敗したという事を糊塗し、政府に責任があるとしたい米軍人。
日本が悪いのではなくアメリカが悪いという願望を満たしたい日本の愛国者。
人に言われたり、新説を見ると、自分の頭で考えようとはせず、直ぐに飛びつき信じてしまう人。
こうした人達がルーズベルト陰謀論を支持し支えています。
真実より自らの心情、思想を優先しているこういう人達がいる限り、ルーズベルト陰謀論が消える事は無いでしょう。
どこの世界にも足の引っ張り合いや蹴落とし合いが
あるということですね。ましてや戦争という最大級の
国難に直面してもまだ自己保身にうつつを抜かす輩の
口撃の矛先が合衆国大統領の陰謀に化けたのが真実ですね。
回答ありがとうございました。
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