ある出版社から自費出版で本を出しました。部数が少なかったことから半年で売れ切れました。そこで新たに契約を結んで1,000部増刷しました。ところが契約期間中に200部しか売れませんでした。売れ残った分については著者が定価(1,000円)の80%で買い取らなければいけません。
果たして著者は、いくらで買い取らなければならないでしょうか。契約は下記のようになっています。
甲(著者)は、本件書籍の増刷部数1,000部のうち800部について、契約終了時点で残部があった場合、甲は残部すべてを定価の80%にて買い取ることとする。
解釈その1 ⇒ 1,000円×80%×(1000-200)冊 = 640,000円
解釈その2 ⇒ 1,000円×80%×(800-200)冊 = 480,000円
(補足)
800部という数字は、出版社において採算が合う最低ラインだということでした。つまり、800部売れれば損失は出ないということです。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
契約書全体が示されていないので,できる範囲の解釈をします.
増刷のみについて,新たな契約をしたということですね.私は「解釈その2」を採ります.
「残部」が何を意味するかということでしょうね.
「甲(著者)は、本件書籍の増刷部数1,000部のうち800部について、契約終了時点で残部があった場合、甲は残部すべてを定価の80%にて買い取ることとする。」
ですが,かりに,「本件書籍の増刷部数1,000部について」であれば,「解釈その1」が成立します.
しかし,「本件書籍の増刷部数1,000部のうち800部について」と,あえて,「800部について」としている意味は,かりに200部売れ残っても採算は合うので,残りの800部のみ(200部は優遇措置として除いて)に着目していると考えられます.「解釈その2」では,800部売れれば買い取りはゼロです.
ご質問の場合は,200部売れたということですから,800部のうちの残部である600部が責任買い取り部数となります.
出版社が対象外にしたその200部については,廃棄したとしても,おそらく初版の売り上げで経費分が賄えるという判断でしょう.また,その程度の譲歩をして,一般の自費出版の件数を増やしビジネスを拡大しようと考えるのは自然です.
いずれにせよ,その出版社に問い合わせればよいだけのことです.
ちなみに,契約自由の原則があり,公序良俗違反以外は,契約内容は法律とは無関係です.
この回答への補足
確かに「残部」の解釈が問題です。
私も「解釈その2」が妥当だと考えます。
出版社の増刷に関しての対応には不明朗なところがありました。
ですので、そのことを昨日、メールで問い合わせました。
しかし、「残部」の解釈については触れませんでした(問い合わせてから気付いたため)。
出版社からの回答を待って今後の対策を考えたいと思います。
No.10
- 回答日時:
No.5/No.8 です.
>以上のように考えるのですが、どうでしょうか。
概ねそのご理解で良いと思います.
最初のご質問で「本件書籍の増刷部数1,000部のうち800部について」とありましたから,原契約書の全体を読まずともキーポイントをおさえていると思いました.
私も数冊の出版の経験があります(自費出版ではなく一般出版)が,経費構成と単価設定はかなり複雑な計算になります.編集,装丁,製本,流通,販促,その他,詳細にわたります.
その意味でも,簡略化して考えることは合理性があります.
ご質問の場合は特定ケースになりますから,これでいったん退くことにします.
No.9
- 回答日時:
ここへ来てようやくなぜ「解釈2」が主張できるのかが理解できました。
再三述べたように「質問文で提示された契約条文」だけで考えれば「解釈2」が成立する余地はまったくありません。これについてはすでに述べた回答と変わりません。
ただし、質問文やこれまでの補足では提示されていない「増刷分のうちの出版社が取り扱う販売部数」の契約内容によっては「解釈2」が成立します。
「増刷分のうちの出版社が取り扱う販売部数は800部とする」と言った契約条文があれは質問者等が主張されるように「出版社取扱分800部-実売分200部=著者買取分600部」となります。
質問文で提示された契約条文では「販売部数」が明示されていないため、この契約条文単体でみれば「解釈1」しか成立しません。
よって最終的には「契約書全文を検討しないとどちらが正しいかは不明」というのが私の最終結論です。
●「解釈その2」しかありえない
○「ありえない」なら出版社ともめてここに質問するはずはありえないはずです。
この回答への補足
>「増刷分のうちの出版社が取り扱う販売部数」の契約内容によっては「解釈2」が成立します。
増刷(第2刷)についての契約書面は次のようになっています。
(第2刷部数)
1,000部
(費用の負担)
第2刷に要する費用は乙(出版社)の負担とする。
(著作権使用料)
乙は、甲(著者)に対して、第2刷について次のとおり本件書籍に関する著作権使用料を第2刷刊行月から〇カ月後の〇日に支払う(土日祝日の場合は翌営業日)。
発行部数1,000部のうち甲への贈呈分2部を除いた998部について本体価格の2%に相当する金額。
(残部の買取り)
甲は、本件書籍の増刷部数1,000部のうち800部について、契約終了時点(平成〇年〇月〇日)で残部があった場合、甲は残部すべてを定価の80%にて買取ることとする。
回答ありがとうございました。
>●「解釈その2」しかありえない
>○「ありえない」なら出版社ともめてここに質問するはずはありえないはずです。
ここに質問した内容は、計算しやすいように数字を簡略化しました。実際は以下のようになります。
定価 1,000円 ⇒ 定価 1,080円(税込)
買取り割合 定価の80% ⇒ 定価の75%
1,000部のうちの800部 ⇒ 1,000部のうちの750部
実売数 200冊 ⇒ 207冊 (売れ残り 793冊)
当初、出版社から届いた請求金額は「解釈その1」によるものでした。
定価 1,080円×75%×793冊=642,330円
しかし、そのことに疑義を表明したところ、何と!! 新たな解釈「解釈その3」による請求金額が提示されました。
定価 1,080円×75%×750部=607,500円 ← 解釈その3
(補足)
この出版社は、増刷の契約に関して、当初、契約期間を半年として提案して来ました。わずか半年では1,000部を売りさばくことは無理だとして交渉(口頭でのやりとり)したところ、「半年」が「一年半」に延びました。
しかし、届いた書面は「半年」のままでした。そこで、そのことを指摘したところ、差し替えの書面が届きました。
今回の請求金額の件といい、そのいい加減な対応には本当に呆れます。会社としての管理体制に問題があるのではないかと、私は思います。
No.8
- 回答日時:
No.5 です.
No.7 さんの回答への補足についてです.
おおよそ,その考え方でよろしいと思います.
1,000部のうち800部は責任・保証部数と考えられますから,800部の範囲で残部を考えることになります.最初のご質問にありましたが,すでに200部は売れているということなので,残りの600部が買い取り対象になり,1,000X80%X600=480,000 となります.
「問題にしている800部」が全く売れなかった場合と言うのは,200部だけ売れたという場合です.その場合は,出版社には,すでに200X1,000=200,000 の売り上げが立っています.問題の800部が全て売れた場合というのは,合計で200+800=1,000部が完売したということです.その場合は800部のことをわざわざ別に考える必要はまったくありません.
あくまでもですが,800部というのは売れ行きが良くない場合のみについて,最少責任部数を設定しています.これを1,000部,すなわち全部数(自費出版なのだから)としても良いのですが,800部でも出版社としては経費を十分賄え,利益も出ると踏んだのでしょう.
買い取り価格が80%ということですが,1部あたりの総経費で言えばかなりの利益を見込んでいます.一般書籍の値決めでは,一般社会情勢や同種の競合書籍の定価などを考慮しある程度低く抑えますが,自費出版の場合の定価はかなり高めでもよいわけです.定価(単価)を抑えて出版サービス費用を別に請求することも可能です.
この回答への補足
>「問題にしている800部」が全く売れなかった場合と言うのは,200部だけ売れたという場合です.
私が提示したのは、1,000部出版したものの全く(一冊も)売れなかったというケースです。そういうケースを想定して出版社は著者に残部の買い取りを要求しているはずです。
800部売れた場合、残部は⇒(1,000-200)部-800部= 0部 ⇒ 著者の負担は 0円
700部売れた場合、残部は⇒(1,000-200)部-700部=100部 ⇒ 著者の負担は 80,000円
500部売れた場合、残部は⇒(1,000-200)部-500部=300部 ⇒ 著者の負担は240,000円
200部売れた場合、残部は⇒(1,000-200)部-200部=600部 ⇒ 著者の負担は480,000円
100部売れた場合、残部は⇒(1,000-200)部-100部=700部 ⇒ 著者の負担は560,000円
全く売れなかった場合、残部は⇒(1,000-200)部-0部=800部 ⇒ 著者の負担は640,000円
800部が採算ラインであるということは、残りの200部の売れ行き次第で利益が出るということです。しかし、出版社は、800部売れた時点である程度の利益は見込んでいるはずです。
全く売れなかった場合の著者の買い取り金額が640,000円である(解釈その2)ことを考えれば、800部売れた時点で、800,000円-640,000円=160,000円の利益。800,000円が必要経費だとすれば、160,000円は出版社の純益。
以上のように考えるのですが、どうでしょうか。
回答ありがとうございました。
補足を一部訂正します。
全く売れなかった場合の著者の買い取り金額が640,000円(解釈その2)であることを考えれば、800部売れた時点で、800,000円-640,000円=160,000円の利益。
増刷するのに掛かった費用が800,000円だとすれば、160,000円は出版社の純益。
増刷するのに掛かった費用が600,000円だとすれば、出版社の純益は360,000円。
以上のように考えるのですが、どうでしょうか。
No.7
- 回答日時:
出版社としては、最低800×1000円=80万円収入がなければならない。
200冊では、20万円しか入らない。
60万円は、著者が負担しなければならない。
80万円は、最低ラインだから、48万はあり得ないということです。
自費出版は、赤字を出さないことが出版社の戦略です。
この回答への補足
「増刷部数1,000部のうち800部について、契約終了時点で残部があった場合、甲は残部すべてを定価の80%にて買い取ることとする」という条項からすれば、一冊も売れなかった場合、買い取る対象となる「残部」は、1,000部ではなく、800部です(解釈その2)。出版社は、著者が800部を買い取ることによって、1,000円×80%×(800-0)冊 = 640,000円を得ます。
しかし、800部売れた場合、著者は買い取る必要はありません(著者の負担ゼロ)。出版社は800部の売り上げ収入1,000円×800冊 = 800,000円を得ます。契約時に出版社は、800部が採算ラインであると言っていました。ですので、売り上げ(800,000円)のすべてを出版経費として支出した場合、出版社の利益はありません(損失もありません)。
まったく売れなかった ⇒ 出版社は、著者から640,000円を得る。
800部売れた ⇒ 出版社は、売上代金800,000円を得る。
すなわち、800部売れれば出版社は損はしません。しかし、まったく売れなかった場合には、800,000円-640,000円=160,000円の損失を計上することになります。果たしてそういう出版戦略があり得るでしょうか。
まったく売れなかった場合を予測して戦略を立てるものではないでしょうか。そうだとすれば、損失を回避する採算ラインは、著者から入る640,000円にあるのではないでしょうか。すなわち、1,000部の出版経費は640,000円ということです。ですので、800部売れた場合の差額160,000円(800,000円-640,000円)は、出版社がまるまる手にできる金額ということになります。
以上のような解釈もできるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
回答ありがとうございました。
>80万円は、最低ラインだから、48万はあり得ないということです。
確かにその通りです。
200冊しか売れなかった場合に不足する60万円は、著者が負担しなければなりません。しかし、「解釈その1」でいくと、著者の負担は64万円です。この場合、64万円-60万円=4万円の差額(出版社の利益)が生じます。
700冊売れた場合、その売り上げは70万円。10万円不足。「解釈その1」でいくと、著者の負担は 240,000円。この場合、24万円-10万円=12万円の差額(出版社の利益)が生じます。
まったく売れなかった ⇒ 出版社は、著者から640,000円を得る。
800部売れた ⇒ 出版社は、売上代金800,000円を得る。
800部が「採算ライン」であるということは、800部売れた時点で800,000円-640,000円=160,000円の利益を確保しているということではないでしょうか。
言い方を変えれば、1,000部の出版経費は640,000円ということです。違うでしょうか。
No.6
- 回答日時:
●あえて「800部について」としている意味を考えれば
○そのとおりで、あえて「1000部のうちの800部」としているのですから「残部」が指し示すのは「800部」と捉えるのが自然です。
仮にそう捉えなかったとしてもその契約条項には「のうち」とし、「200部」という文言はないのですから「800部-200部=600部」という算出を導きだすことは出来ないようには思われます。
「解釈2」やNo.5の回答を正しいものとするには契約条文は「1000部から800部を除いた」でなければなりません。
契約条文はあくまで「1000部のうちの800部」です。例えば「20名のうち15名を代表選手に選ぶ」とした時、「解釈2」では「代表選手になれるのは10名」という解釈になってしまいます。
●買い取りを要求するのは無茶
○商業出版ならそのとおりですが、質問者さんのケースは「自費出版」です。そもそも出版費用は全額著者が持つべきものです。
ただ質問者さんの場合、多少は売れる見込みがあったから「残部買取」という契約になったものと思われます。
「800部が採算ライン」という出版社の言い分が正しいとして200部しか売れず、600部しか著者が買い取らなかったら40,000円(1000円×0.8×600部)の赤字ですよ。
この回答への補足
800部を売り上げれば、残りの200部は売れ残っても出版社としては採算が取れるのです。だからこそ、契約条項に「1000部のうちの800部」とあるのではないでしょうか。
従って、「残部」というのは、800部以上を売り上げた場合の残部ではなく、800部に満たない売り上げの場合の残部という意味であるはずです。すなわち、800部に1部足りない売り上げ(799部)だった場合、「残部」は1部になります。
1,000円×80%×(800-799)冊 = 800円
まさにこれは、「解釈その2」です。
>「800部が採算ライン」という出版社の言い分が正しいとして200部しか売れず、600部しか著者が買い取らなかったら40,000円(1000円×0.8×600部)の赤字ですよ。
意味がわかりません。
1000円×0.8×600部=480,000円ではありませんか。
>例えば「20名のうち15名を代表選手に選ぶ」とした時、「解釈2」では「代表選手になれるのは10名」という解釈になってしまいます。
これも意味がわかりません。
回答ありがとうございました。
(補足に不適切なところがありましたので、書き直します。)
契約条項が、「契約終了時点で残部があった場合、甲は残部すべてを定価の80%にて買い取ることとする」となっていたならば、何ら問題はありません。出版部数が1,000部で、売れたのが300部であれば、残部は700部です。
しかし、当該契約条項には、「1,000部のうち800部について」という条項が入っています。ですので、「残部」について解釈が分れてしまいます。
ここは、「解釈その2」以外あり得ないのではないでしょうかね。すなわち、出版部数が1,000部で、売れたのが300部であれば、残部は800-300=500部です。
No.4
- 回答日時:
1に決まっています。
一冊の差云々は、契約においてはあり得ない。
法律に疎いなら、事前に確認してから契約しなければならない。
この回答への補足
800冊売れれば著者は何ら負担する必要はありません。著者の持ち出しはゼロです。
出版社の損失もありません。もしかしたら、ある程度は利益を計上しているかもしれません。
しかし、799冊しか売れなかった場合、著者の負担は「解釈その1」と「解釈その2」では大きく異なります。
本当に「解釈その1」でいいのでしょうか。それが善良な法解釈と言えるのでしょうか。
No.3
- 回答日時:
この種の話は契約書全体を通観しないと最終判断は出来ません。
先の回答を含め、あくまでも「質問文で提示された契約条項」のみでの判断であることを改めてお断わりさせていただきます。
先の回答でも述べたようにその条項ではあくまでも「1000部のうちの800部」について「著者の引き取り数と価格」を定めているものです。
従って売れた冊数が1~200部であった場合は800部、201冊以上売れた場合は売れた冊数(201冊目から)だけ著者が買い取る冊数が減る、というものです。(201冊売れば、著者の買い取り冊数は799冊、300冊売れれば著者の買い取り冊数は700冊。)
この条項は「200冊分については出版社が責任を持ち、800冊については著者が責任を持つ」ということなので質問者さんが言われる「解釈2」は成立しないものと思われます。
●僅か一冊の違いで
○前述のように質問者さんの誤認です。
「201冊以上売れれば買い取り金額が軽減される」ということでしかないありません。
少なくとも質問文で提示された条項からでは解釈2のような「800部から売れた冊数を引く」という解釈は出来ません。
「採算ラインが800部」という出版社の説明と契約条項の「著者の買取最大冊は800部」をごっちゃにされたことが誤認の原因のように思われます。
この回答への補足
cypress2012さんの回答(No.5)にもありますが、
「本件書籍の増刷部数1,000部のうち800部について」と,あえて「800部について」としている意味を考えれば、「解釈その2」が妥当ではないでしょうか。
800部売れれば、残りの200部については買い取る必要はありません。しかし、799部しか売れなかった場合に、「解釈その1」によって残りの201部について買い取りを要求するのは無茶というべきです。
onbaseさんは、その点についてどう考えられますか。
回答ありがとうございました。
あらためて補足します。
当該契約条項には、「1,000部のうち800部について」という条項が入っています。これは、800部を超える部分は該当しないということです。つまり、1,000部のうちの200部については「残部」に加えない(算入しない)ということです。
よって、「解釈その2」以外あり得ません。
違うでしょうか?
100部売れた場合、残部は ⇒ (1,000-200)部-100部=700部
300部売れた場合、残部は ⇒ (1,000-200)部-300部=500部
500部売れた場合、残部は ⇒ (1,000-200)部-500部=300部
700部売れた場合、残部は ⇒ (1,000-200)部-700部=100部
800部売れた場合、残部は ⇒ (1,000-200)部-800部= 0部
No.1
- 回答日時:
あくまで「1000部のうち800部」について「残部すべての買取」を定めた規定であり、800部の残部があるなら「解釈その1」以外ありえないように思われます。
この回答への補足
仮に売れたのが799冊だった場合、著者は契約に乗っ取って売れ残りを買い取らなければなりません。
解釈その1 ⇒ 1,000円×80%×(1000-799)冊 = 160,800円
解釈その2 ⇒ 1,000円×80%×(800-799)冊 = 800円
解釈その2では僅か800円でいいのに、解釈その1では160,800円にもなります。僅か一冊の違いで。どこかおかしくはないでしょうか。
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