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60Coと204Tlの2種類で放射線量の測定を行い、吸収体を用いて飛程を求めたのですが吸収曲線の形が少し異なり60Coの方がバックグラウンドが大きくなってしまいました。実験途中でGM計数管が不具合を起こしたので、そのせいでおかしくなったのかと思いましたが、調べてみるとCoの方はβ線の他にγ線の放射量が大きいとありました。γ線は透過しやすいのでその分がバックグラウンドに寄与したのは分かったのですが、何故60Coの方がβ線ではなくγ線が多いのですか?元素によって放射線の種類やエネルギーが違うとの事ですが、そこに理由はあるのですか。それとも固有の物でそういうものとするしかないですか?
また元素の半減期の違いから放射線のエネルギーが高くなったりしますか?

A 回答 (4件)

 No.2 & No.3 です。

No.3 の「お礼」について:

>つまり放射線の数が沢山あっても吸収体を突破できるだけのエネルギーを持ってないと透過出来ないので、数だけでは最大飛程に影響しない、という事ですか?

 そうです。

 ただし、「飛程」というのは、個々の放射線が「吸収体」の物質と相互反応せずに飛び続ける、という確率事象ですので、「平均値」を中心に正規分布します。
 従って、エネルギーが小さくとも、低い確率で吸収体を通過するもの(最大飛程の大きいもの)は存在します。元の放射線の数が多ければ、実験において吸収体を通過する数が多く観測されることはあり得ます。これは「エネルギーの高い放射線が増えた」ということではなく、(元の一定エネルギーの放射線数)×(確率)で観測されるということです。
(つまり、1万回に1回の確率で透過する事象は、1000回観測する実験では発生する可能性は小さいが、10万回観測する実験では発生する可能性が高い)
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この回答へのお礼

ありがとうございました。勉強になりました。

お礼日時:2014/07/03 01:23

 No.2です。

やはり、思っていた通りの誤解をしていますね。

>半減期が短ければそれだけ早く崩壊して多くの粒子を放射すると思うのでNが大きくなり、飛程が伸びてエネルギーが高いという事にならないのでしょうか。また元素の質量数や電子数などにも依存すると思っていたのですが、そんな事は無いのですか?

 放射線のエネルギーと、放射線の強度を混同しているようですね。

 放射線は、たとえて言えば「鉄砲玉」です。ただ、「手で投げる速度」のものもあれば、「ゴムパチンコで発射したもの」、「銃から発射したもの」では、その破壊力が違いますよね。それが「エネルギー」です。

 一方、「手で投げた鉄砲玉」であっても、100人、200人で投げれば、数はいっぱい飛んできます。破壊力はないですが。これが「放射線の数」に相当します。「半減期」や「放射性核種の数」に関係するのはこちらです。たくさんあるからといって、飛程が大きくなったり、透過力が強くなったりはしません。

 この2つをきちんと区別してください。

 また、その核種の放射線は、その核種で決まりますので、質量数(陽子数+中性子数)、電子数(陽子数に等しい)が決まれば、放射線の種類、エネルギー、半減期などが決まるということです。
 質量数や電子数が違えば、それは「異なる各種」ということです。質量数や電子数の比例した法則的・規則的なものはありません。同じ物質で質量数が1つ違うだけ(中性子数が1つ違うだけ)でも、放射線の出し方は全く変わります。安定核種で放射線を全く出さないこともあります。

 放射線とは何で、どのようなもので、生体になぜ危険なのか、ということを、きちんとメカニズムとして「理解」しましょう。知識や記憶として「覚える」ということではなく。
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この回答へのお礼

つまり放射線の数が沢山あっても吸収体を突破できるだけのエネルギーを持ってないと透過出来ないので、数だけでは最大飛程に影響しない、という事ですか?

お礼日時:2014/07/01 23:18

 No.1さんのとおり、崩壊の仕方がそのようになっているから、ということです。



 ベータ崩壊する核種は、ほとんどの場合、娘核種が安定状態になるためにガンマ線も放出します。ベータ崩壊する半減期とそのベータ線のエネルギー、娘核種が安定状態に落着くための半減期と放出するガンマ線のエネルギーは、それぞれの核種で異なります。

>何故60Coの方がβ線ではなくγ線が多いのですか?

 No.1さんの回答にもありますが、コバルト60はベータ崩壊の後、2回ガンマ崩壊します。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A3%8A%E5%A4%89% …
 http://wwwndc.jaea.go.jp/cgi-bin/nuclinfo2010?27 …

 放射線の「数」で見れば、ベータ線の2倍のガンマ線が出るということです。また、透過性の観点からベータ線よりもガンマ線の方が検出されやすいのだと思います。

>元素によって放射線の種類やエネルギーが違うとの事ですが、そこに理由はあるのですか。それとも固有の物でそういうものとするしかないですか?

 タリウム204のdecay scheme が見つからなかったので核データを示しますが、タリウム204もベータ崩壊した後、2本のガンマ線を出します。
 http://wwwndc.jaea.go.jp/cgi-bin/nuclinfo2010?81 …

 核種によって、どのような崩壊をするか(アルファ、ベータ、ガンマ)、その半減期、放出するエネりギーはまちまちです。ある確率で複数の崩壊の仕方がある核種もあります。理由は、原子核の中の核子同士の結合エネルギーと電気的反発力、余剰質量、ベータ崩壊した先の娘核種のエネルギー状態などが関係しているのだと思います。

>また元素の半減期の違いから放射線のエネルギーが高くなったりしますか?

 半減期と放射線のエネルギーは関係ありません。
 ただし、一定量の放射性核種から単位時間に何個の放射線が出るか(どれだけ崩壊するか)は、当然のことながら半減期と関係します。
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この回答へのお礼

実験結果からβ線やγ線のエネルギーの値、放射線の数がそのようになったというだけで、そこに理由とかはあまり考えなくて良いのですね。

ただ1つ疑問があります。半減期と放射線のエネルギーの大きさとは関係ないとのことですが、単位時間当たりに放射する放射線量が多ければ、厚い吸収体を透過出来るようになりませんか?透過前の放射線粒子数をNとすれば、吸収体中を厚さに対して指数関数的に減少してN・e^(-λx)となります。半減期が短ければそれだけ早く崩壊して多くの粒子を放射すると思うのでNが大きくなり、飛程が伸びてエネルギーが高いという事にならないのでしょうか。また元素の質量数や電子数などにも依存すると思っていたのですが、そんな事は無いのですか?

お礼日時:2014/06/30 02:54

なぜベータ線よりガンマ線が多いかと聞かれれば、そういうdecay schemeだからとしか答えようがありません。


http://en.wikipedia.org/wiki/Cobalt-60#mediaview …

ベータ崩壊の大部分(99%)は、その後1.17Mevと1.33Mevのカスケード遷移により基底状態に落ちます。したがって、おおざっぱには、ベータ線1本に対してガンマ線が2本が出ることになりますから、結果的にガンマ線の検出量のほうがベータ線の検出量よりも多くなります。
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この回答へのお礼

実験結果からβ線やγ線のエネルギーの値、放射線の数がそのようになったというだけで、そこに理由とかはあまり考えなくて良いのですね。
回答有難うございました。

お礼日時:2014/06/30 02:34

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