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電気設備で使われている真空遮断器について質問です。
真空って完全な絶縁体なんでしょうか?
もし、完全な絶縁体とし、完全な絶縁体は電流を流さない?(自由電子が移動できない?)とすれば、真空遮断器で負荷電流を遮断すると、接点でアーク放電は生じないのでしょうか?(現実は、消弧が必要と思いますが?)
そもそも、アークが生じる条件は?何でしょうか?自分なりには、
1)接点を切り離した瞬間の接点間の距離と接点間の電位差が接点間の絶縁物の耐電圧を越えることにより絶縁破壊が生じ電流が流れる?
2)急激な電流値の変化によりdi/dtにより異常電圧が生じ1)の現象が生じやすくなる。
以外に思いつきません?
どなたか、詳しく教えていただけないでしょうか?
宜しくお願いします。

A 回答 (3件)

 


 
>> 真空って完全な絶縁体なんでしょうか? 完全な絶縁体は電流を流さない?(自由電子が移動できない?) <<

 真空には自由電子はありません、その通りです。 だがしかし、電界はよく通すでしょ?これをお忘れなく。(磁界もよく通ります。この意味で絶縁体(何も通さない)では無いんです。)
 電界を通すから、空間にイオンや電子があれば 引っ張られます。(真空管やブラウン管がそうですね。)



>> 真空遮断器で電流を遮断すると 接点アークは生じないのでしょうか? <<

 接点が開く瞬間に、金属が蒸発してイオンと電子が湧き出し、それが種になって太いアークに成長します。 種ができるメカニズムは;
 接点が離れ始める→接触面積が減る→凸部に電流が集中→発熱→沸点を超えて蒸発→高温ゆえ電離イオン化→これが種、です。
 もし接点が蒸発せずに離れても→直後は空隙が狭い→電界=電圧/距離が強大→金属内の自由電子が引かれる→母体の正イオン力より強いと→電子が空間に出る→これが種、です。
前者が圧倒的ですね。



>> 自分なりには、1)接点を切り離した瞬間の接点間の距離と接点間の電位差が 接点間の絶縁物の耐電圧を越えることによ <<

 「接点間の絶縁物の耐電圧を越える」ではなく、接点金属中の電子を強制引き抜ける電界になったところで、です。 (真空は電界をスカスカ通してます、全然耐えてません。)



>> り絶縁破壊が生じ電流が流れる? <<

 その通り、一種の絶縁破壊です。いわゆる「真空の耐圧」という現象ですね。その実体は 真空ではなく 金属が負けて電子を手放すことなんですね。 詳しくは金属の種類や形状によるんでしょうが数十kV/mmと言われてます。
( なお、溶けなくとも、高温なら電子の動きが激しく、引っ張る電界が無くとも自発的に飛び出て雲のようにたむろします。材質による差が大きいです。)



>> 2)急激な電流値の変化によりdi/dtにより異常電圧が生じ <<

 アーク無しで切れた場合の誘起電圧ですね、そのとおり、上記の電子強制引き抜きを増強する方向に生じます。



 あと、接点が遠退いてもアークが維持される理由は、電子やイオンが相手側の電極に激突して熱を補給し高温が維持され、新たな電子やイオンが出てくるからです。激突で直接弾き出されるものもあります。 ぶつかる勢いが激しいと;ぶつかった数より多く出て アークは加速度的に太ります。 いっぽう勢いが弱くてぶつかった数より少ない場合は;やはり加速度的に細くなって一瞬で消えます。
ぶつかる勢いのもとは 電極間の電位差による加速です。
 
 
(空気の絶縁破壊も同じメカニズム。種は汚いイオンなどです。清浄な空気1気圧で3kV/mmとよく言われます。これも形状次第なんでしょうが。 分子がスカスカなほど互いにぶつからず長距離加速されるので、上記の 数の増倍 が起きやすく 気圧が低いほど放電しやすいです。真空遮断器が半端な真空度ではいけない理由です。)
 
 
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 定格電圧7.2KVのVCBの場合、開路状態では、固定接触子と可動接触子の空隙は10mm位あります。

アークが完全に消えた状態での真空の絶縁耐圧は AC30kV/mm 程度だそうですから、10mmの空隙は充分な絶縁間隔を持っています。

 上記VCBの接触子は直径30~50mm程度の円盤状ですが、閉路状態でも全面で接触している訳では無く、ほんの数mm径の部分で導通しています。真空中なので酸化膜もできず、ほとんど裸の金属面同士の接触です。ここに流れる負荷電流を遮断するとき、接触面が離れる瞬間に接触部の金属が蒸発し、金属蒸気アークを発生します。このアーク電圧はかなり低いので、電流のゼロ点が来るまでアークが継続します。電流ゼロ点でアークが消えると、金属蒸気は数μ秒のオーダーで真空中に拡散し、遮断が完了します。

 アークが生じる条件と言うと、やはりインダクタンス負荷により、接点間に高電圧が印可されることでしょう。例えばAC100V回路のリレーコイルの電流を遮断すれば、1000V以上の異常電圧が発生し、接点間に小さなアークが発生するというのは、よくある話です。しかし、6.6kV回路に使用するVCBとなると、遮断時の電流変化で接点間に1000Vが印可されてアークが発生しても、6600Vから見れば少しも異常電圧とは言えないでしょう。VCBは送電線や変圧器のように比較的大きなインダクタンスを負荷にしますから、ちょうど電流がゼロの時に遮断する場合は例外として、その他の場合は当然のようにアークが発生すると思います。
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(電極がある場合の)アーク放電の場合には、電極が放電による電流で局所的に加熱されて温度上昇し熱電子(や陽極材料由来のイオンもかな)が放出され、これが放電維持に重要な役割をもっています。



で、真空中だと電極周辺に気体がありませんが、上記の電極加熱によって電流を担うキャリアが供給されます。
これが「真空アーク」 と呼ばれる状態です。
真空アークの場合には、「電極の加熱(と陽極でのスパッタもかな?)」がキーになりますので、放電を維持するにはある程度以上の電流が必要です。(電流がある値を切ると、スパッと放電が切れます)

他にも、高電界中での電子の電界放出もあり、これが放電の起点になったりします。

このように、真空中でも電極に起因する放電がおきます。
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