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高校の教科書を読んでいて疑問に思いました。
X線のスペクトルと強度を測定原理は簡単にいうとどういうことでしょうか?

自分なりにいろいろ考えてみたのですが、X線を何かで回折させて、
光電効果で現れる電流を波長ごとに測定して強度を知る、みたいな
感じでしょうか?

簡単で結構ですので、よろしくお願いいたします。

A 回答 (3件)

 No.2です。

「お礼」に書かれたことについて。

>光を波動現象とみなすと…ということは粒子とみなした場合と波動と見なした場合で
>エネルギーの定義が異なるということでしょうか?

 いいえ。基本は同じです。(物理現象として同じものは、同じでなければいけません)
 No.2では、分かりやすくするために「(2)そうすれば、1個のX線は、特定のエネルギー(振動数)と1個分の強度(振幅)を持つことになります。」と書きましたが、この場合は、「特定の振動数と1個分の強度(振幅)でエネルギーが決まる」と書くのが正しいということです。

 ただし、「1個分の強度(振幅)」が、振動数によって変わり、かつその波は連続派ではなく、限定された時間内の「波束」なので、結局「エネルギーは、その振動数で決まる」というのと同じことだと理解すればよいと思います。
(波束はこんなイメージ:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A2%E6%9D%9F

 波のエネルギーは「振動数の2乗×振幅の大きさの2乗」というのは、次々に連続してエネルギーが供給されるような、無限に連続した単振動の波に対して導かれるものだと思います。求め方は、下記などを参考にしてください。
http://homepage2.nifty.com/eman/dynamics/wave_en …

 同じ「波動」といっても、連続した単振動のような場合と、上記の「波束」のような場合があることを理解してください。そして、X線や放射線(ガンマ線)の場合は「波束」です。これが粒子としての「光子」(あるいは「光量子」)に相当すると考えてください。


>また教科書では光子1個のエネルギーはhνとあり、これは光子の運動エネルギーとは書いて
>ありません。しかし運動エネルギーと考えていいでしょうか?

 これも、理解しやすいように「運動エネルギー」と書きましたが、光子には「質量」がないので、正確には「運動エネルギー」とは呼べません。
 「通常の粒子であれば運動エネルギーに相当するエネルギー」と理解してください。


 おそらく、高校物理では、上に書いたような内容で限界なのだと思います。興味があれば、大学の理科系に進んで、量子力学や相対論をきちんと学んでください。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。よくわかりました。
またよろしくお願いいたします。

お礼日時:2014/09/26 01:28

 質問者さんは、ひょっとして「エネルギー」と「強度」をごちゃごちゃに考えていませんか?



 X線は、放射線のガンマ線と同じ「電磁波」です。
 「振幅が大きいとエネルギーが大きい」と考えがちですが、電磁波の場合、そうではありません。

 No.1さんの回答のように、X線のエネルギーは「振動数」(あるいはその逆数の「波長」)で決まります。可視光線でいえば「色」に相当します。
 X線の場合、原子の軌道電子が、あるエネルギーの軌道から、他の起動に移動(遷移)するときに、そのエネルギー差に相当する振動数のX線が出ます。これが「特性X線」と言われるもので、特定のエネルギー(振動数)を持ちます。
 これに対し、自由電子が物質の中で軌道電子などにブレーキをかけられ、運動エネルギーを失って電磁波を出すものが「制動X線」で、幅広い範囲のエネルギー(振動数)を持ちます。

 これに対し、「強度」は波の「振幅」です。可視光線でいえば「明るさ」ということです。

 ご質問の「X線のスペクトル」は、横軸に「エネルギー(=振動数)」、縦軸に「強度(=振幅)」をとったものでしょうか。
 だとすれば、可視光線でいえば、横軸に「色」、縦軸にその各々の色の「明るさ」をとったものと考えればよいはずです。

 上に書いた「特性X線」であれば、横軸の特定位置に縦方向のピークがある形になり、「制動X線」の場合には横方向にだらだらと伸びた特性になると思います。


 この測定方法が疑問、ということですが、次のように考えればよいと思います。

(1)普通、電磁波や光というと、いろいろな振動数のものが「ごちゃっ」と混在しているイメージですが、X線の場合、上記のように「1個の軌道電子の遷移で1個の特性X線が出る」、「1個の自由電子の減速で1個の制動X線が出る」と考えます。

(2)そうすれば、1個のX線は、特定のエネルギー(振動数)と1個分の強度(振幅)を持つことになります。

(3)これを一定時間測定して、エネルギーの大きさごとに分けてX線の個数を集計すると、エネルギー範囲ごとの累積個数(累積強度)が求まります。
(エネルギーの大きさは、No.1さんのように、検出器のX線1個当たりの出力電流の大きさ(電気パルスの高さ)で求まります)


 X線は電磁波ですが、「光子」という粒子の性質も持っていて、強度(振幅)は「光子の個数」に相当します。(粒子として扱う場合、X線のエネルギー(振動数)は光子の運動エネルギーに相当します)
 この場合には、上の(2)は「1個のX線は、特定の運動エネルギーを持つ1個の光子」と書けますので、より理解しやすいと思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。こちらで別の質問をしました。

http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8755071.html

No.9さんによると、
光を波動現象だと見做す場合、光のエネルギーは「振動数×振幅の大きさ」に比例します。振動数が高いことも、振幅が大きいことも、同じように光のエネルギーが大きくなることに寄与します。

だそうです。光を波動現象とみなすと…ということは粒子とみなした場合と波動と見なした場合で
エネルギーの定義が異なるということでしょうか?

なお、教科書を見るとNo.9さんの「振動数×振幅の大きさ」は「振動数の2乗×振幅の大きさの2乗」が正しい気がします。


また教科書では光子1個のエネルギーはhνとあり、これは光子の運動エネルギーとは書いて
ありません。しかし運動エネルギーと考えていいでしょうか?

お礼日時:2014/09/21 02:49

まず、電磁波のエネルギーと振動数は比例し、また振動数は波長の逆数に比例します。

したがって、電磁波のエネルギーを測定できれば、波長がわかります。
放射線検出器は、物質と放射線の相互作用によって発生した個々の現象を電気パルスとして出力します。具体的には、シンチレーション検出器であれば放射線の入射によってシンチレータを励起させて、その結果発生する光を増幅して電気パルスに、半導体検出器であれば放射線の入射によって発生する電子正孔対を電気パルスとして取り出しますが、これらの検出器に共通していることは、電気パルスの高さが放射線のエネルギーに比例をしているという点です。つまり電気パルスの高さと放射線のエネルギーが一対一に対応しているわけで、電気パルスの高さが放射線のエネルギーの高さと考えて差し支えありません。別の見方をすれば、電気パルスの高さと放射線のエネルギーが比例関係にないような検出器ではエネルギースペクトルは取れません(一般的に知られているGM計数管にはこの性質はありませんから、スペクトルはとれません。放射線の数を数えるだけです)。電気パルスの高さは波高弁別器のようなものを使えば調べられます。
電磁波の強さは光子の数なので、これは物質と相互作用をした回数そのもの、つまり電気パルスの数です。

そういうわけで、電気パルスの高さと数が測定できれば、放射線のエネルギーと強度はわかりますから、あとはそれを横軸を波長(エネルギーでもいいが)、縦軸を強度としてプロットすればスペクトルになります。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。足りない頭を絞っていろいろ考えてみたいと思います。

お礼日時:2014/09/21 22:24

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