Aを
Aε(tA)ε=E
(ε:(1,1)成分が-1で、それ以外の対角成分は1、その他の成分は全て0の行列、(tA):Aの転置行列、E:単位行列)
を満たす(m+1)次正則行列とし、このような行列全体のなす群をローレンツ群O(1,m)という。
O(1,m)のEにおける接空間TEO(1,m)とA∈O(1,m)における接空間TAO(1,m)はそれぞれ
TEO(1,m)={X∈M(m+1,R) | ε(tX)+Xε=E}
TAO(1,m)={AX∈M(m+1,R) | X∈TEO(1,m)}
となる。(記号が分かりづらくてすみません)
と多様体の本に書かれいたのですがどうしてそうなるのかわかりません。
大変恐縮ですが、説明していただきたいです。
よろしくお願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
一般的とは言えない記号や用語はその定義を書いてもらわんとなー。
ま、M(m+1,E)ってのは実数を成分とする(m+1)行(m+1)列の正則行列全体がなす集合のことでしょうかね。で、集合{A | A∈M(m+1,E) ∧ Aε(tA)ε = E}が行列の積と和に関して群になっていることは既にお確かめになったんでしょう。(ちなみに、O(1,m)は、しばしばSO(m)とかSO(m,1)と呼ばれます。)また、
(tε) = ε
なので、
Aε(tA)ε=(Aε)(tA)(tε) = (Aε)(t(Aε)) = E
であり、つまりA∈O(1,m)ってのは「(Aε)が正規直交行列になっている」ってことです。で、AεってのはAの第1列の成分の符号を逆にしたもの、ということですから、結局Aとは「正規直交行列U(i.e., (tU)U=U(tU)=E)の第1列の成分の符号を逆にしたもの」に他なりませんね。
さて、A∈O(1,m)について、Aに「いくらでも近い」O(1,m)の要素があるのでO(1,m)は「連続的」な多様体をなしています。このとき、Aを「ちょっとだけ変えたもの」BがO(1,m)の要素であるためには、Aの各成分((m+1)^2)個を勝手にいじることはできない。O(1,m)の定義によって制約を受けるんで、自由度は(m+1)m/2個だけです。
Aにおける接空間というのはこの場合、行列の和とスカラー倍で作られる、以下のような線形空間のことでしょ。すなわち、Aの自由度を表すパラメータのベクトルα = (α[1], α[2], …, α[(m+1)m/2])をほんのちょっと(Δα=(Δα[1], Δα[2], …, Δα[(m+1)m/2])だけ動かしたものB(α+Δα)(ただしB(α)=A)のΔαに関する1次までのテイラー展開
B(α+Δα) ≒ B(α) + T(Δα)
ただし
T(Δα) = T[1]Δα[1] + … + T[(m+1)m/2]Δα[(m+1)m/2]
T[k] = ∂B(α+Δα)/∂Δα[k]
を考えれば、「|Δα|がうんと小さいときには、B(α+Δα)が一次式 A + T(Δα) で近似できる」ってことです。そこで、
{ X | ∃Δα(Δα∈R^((m+1)m/2) ∧ X = T(Δα))}
という集合を作ったものを接空間TAO(1,m)とおっしゃっている。TAO(1,m)の要素がX∈TEO(1,m)を使ってAXと表せるのは自明でしょ。
…ということなんだろうなと思ったんですが、あれれ、これだとご質問にある
ε(tX)+Xε=E
という関係を満たしません。(XにT(0)=0 (零行列) を代入してみれば明らか。)えーと、T(Δα)は「反対称な行列(i行j列成分とj行i列成分の和が0)の第1列の符号を逆にしたもの」になるんで、対角成分は0であり、
ε(tX)+Xε=0 (零行列)
になりそうなもんです。これが無理矢理にでもEになるように
TEO(1,m) = { X | ∃Δα(Δα∈R^((m+1)m/2) ∧ X = ε/2 + T(Δα))}
とでもするか?でもこれは(零行列を含まないから)線形空間になってない。「空間」と呼ぶのはどうもおかしいな。
ひょっとしてもしかしてTAO(1,m)ってのはAを含むってことかな?と思って、TEO(1,m)の場合に試しに
X=E
を代入してみても
ε(tX)+Xε= 2ε ≠ E
になっちゃうから、そういうことでもないらしい。謎です。
なので、この回答は全然オカドチガイの話をしているのかも。
回答ありがとうございます。
ご指摘いただいた件なのですが、私の入力ミスで、本当はε(tX)+Xε=0という条件のはずが、ε(tX)+Xε=Eになってしまっていました。混乱させてしまって申し訳ありません。
なので、stomachmanさんの方針で合っていると思われます。
stomachmanさんの回答を参考にさせていただきます。
ありがとうございます。
No.2
- 回答日時:
ANo.1へのコメントについてです。
> 本当はε(tX)+Xε=0という条件
であれば、TEO(1,m)とは、反対称の(m+1)次実正方行列全体の集合に他なりませんね。自由度、すなわち勝手に選べる成分の個数が(m+1)m/2であることから明らかです。
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