No.5ベストアンサー
- 回答日時:
日本には、騎馬軍団がいたのかいなかったのかということでは、わたしは飛鳥や奈良時代にすでに、五百人や千人規模の騎馬軍団はいたと思いますし、その後、平安時代は全国的に平和になるので、軍団というような規模はいなくなっても、武士の擡頭と共に、再び、騎馬軍団が生まれたと考えています。鎌倉、室町、戦国の時代には、規模は様々でも、騎馬軍団は当然いたことになります。
また、日本で考えなくとも、中国や西アジア、西欧などで考えれば、騎馬軍団がいたのは自明のことです。特に中国は、騎馬軍団で侵攻してくる遊牧民族と、農民を基本とする農業帝国のあいだでの絶え間ない戦いの歴史だったとも言えます。
その場合、弓や鉄砲があれば、馬上の人を狙ったか、馬を狙ったかという問題は、「どういう戦闘」状況での話なのかで、全然事情が違ってきます。
>その理由は馬は貴重な戦利品となるからでしょうか?
これは、標的を馬上の人か、馬か、どちらかを「選べる状況」では、馬は殺さないで戦利品として欲しいので、馬上の人に狙いを付けたと言えます。他方、狙って撃つなどという戦闘状況でない場合は、仮に、馬と人が射程に入れば、馬の方が大きいですから、馬に矢が当たり、馬が倒れ、人は落馬というようなことが多かったでしょう。
>それとも演出上馬への攻撃の表現が映画等では難しいからでしょうか?
馬か人か、狙いを付けて撃つ状況でない場合の戦闘シーンで、馬が撃たれて倒れないのは、単純に、本当の戦闘ではないので、馬が倒れたりすれば、俳優やエキストラや馬も、傷を負い、命にもかかわってきて危険なので、そういうシーンは出せないということです。
しかし、最初に述べているように、そう簡単に、貴重な軍馬を弓の標的として狙い撃ちにされるような戦闘は、騎馬軍団の場合、「実際には行わない」というのが大きな理由です。敵が、何百人も、弓を構えて、今にも撃とうと用意している前に向かって、刀や槍を振り回しながら、騎馬でなくとも、武士や兵士が突貫して行くなどは、自殺行為であって、そんな「戦術」はないのです。
相手が、弓部隊を並べて、攻撃を待ち受けている場合は、攻めて行く側も、大型の楯を持って身を守りながら、楯の後ろから、弓矢を撃ちつつ、押し寄せて行きます。防御する側も、楯だとか、柵、土累などの陰で身を守りながら、弓を撃つのですし、攻撃側が至近距離に来れば、長槍というもので、攻めて来る敵を突き殺す戦術を取ります。これは、歩兵と歩兵の戦いです。
つまり、騎馬軍団というのは、待ち受けている弓兵部隊の一斉射撃の前に、身を晒すような戦闘はしないのです。弓兵部隊を無力化してからか、または有効に弓兵部隊が力を発揮できないような場面で、疾風のように騎馬で襲いかかって、敵陣の防御を破壊して、また疾風のように引き上げるのです。
こういう風に攻めて来る騎馬軍団に対しては、組織的な弓兵隊ではなく、何かに身を隠した弓兵とか、土に穴を掘って、そこに隠れて、走って来る軍馬に鉄砲などで狙いを付けるというような戦い方しかないとも言えます。そして、こういう場合、撃ち手には、機会が一回とか二回ほどしかないので、人を狙って撃つのだと言えます。
騎馬部隊が、疾駆して進む頭上に、何千もの矢が、雨霰のように一斉に降って来るというのは、騎馬部隊としては、戦術に失敗しているのです。こういう場合、人馬もろとも、矢の餌食ですし、倒れた馬にぶつかって別の馬も倒れるので、騎馬軍団としては、こういう戦闘になっただけで、すでに敗北なのです。
しかし、映画などだと、騎馬と人の部隊が攻め寄せて来るのに向かい、同じく、騎馬と人が迎え撃ち、弓矢を射かけるというのが、いかにも「戦闘スペクタクル!」という感じなので、こういうシーンを出すのでしょう。実際は、こんな戦闘方法は、どちらかが敗北しているような場合で、ごく短時間しか続きません。
No.4
- 回答日時:
そもそもが鎧・兜をつけた武者が刀などを持った場合,総重量が何キロになるか考えてみて下さい。
まず,馬を颯爽と駆る姿は見れないと思います。#2の方が仰るように騎馬武者の数は少なかったと思われますし,信長以降は騎馬隊らしき編成もあったようですが,自ずと軽装になる→馬を倒すよりも人自体のほうが負傷しやすいってこともあるのではと思います。また,戦場においては騎馬まで近づければ馬を傷つけた方がより戦力を削げるので実際はねらわれたでしょうが,動物愛護が叫ばれる現代では映像の上でそういうシーンはやはりNGなのだと思います。愛護団体からの抗議すごそうですもの。
No.3
- 回答日時:
映画はよく分析すればウソの塊です。
これはある程度やむを得ないと思います。歴史を忠実に描くのが映画の目的ではないこと。忠実に描きたくても現物がないこと。事実がよく分からないこと。費用の面から。
最近のウソでは「ラスト・サムライ」の政府軍との決戦場面があります。乗っている馬は全て現代の馬(西洋の馬)、サムライ軍は一丁の銃も持たない。機関銃に向かって刀だけで攻める。(インディアンが騎馬隊に突撃するイメージ)
このように衣類も鎧も動きやすく映像として美しく写る
もの(ほとんど安物)を使用しています。日本の時代劇の馬は借り物なので、西部劇の馬のように派手に倒れるシーンもほとんどありません(そのような演技の出来る
馬がいないため)
いずれにしても一対一の戦闘は別にして集団戦では指揮官の号令で一斉射撃をするので、人に当たるか馬に当たるか計算外のはずです。射程距離に入ったものは一斉に攻撃(射撃)したはずです。
西部劇にもウソがたくさんあります。西部の荒野を主人公がただ一人一頭の馬に乗って颯爽と旅に出る、訪れる街は300キロ先も珍しくない時代に、替え馬なしで旅することは自殺行為です。しかし、3~4頭も馬を引いていては映像として美しくない、主人公が旅に出るというシーンでは馬の数、史実は必ずしも必要ではないなどの判断でウソと知りつつ省略しているのでしょう。
人口が多くロケ地に近いナバホ族が西部で抵抗する全てのインディアンの役をするのもウソのひとつです。
No.2
- 回答日時:
斬馬刀のような馬ごと切るというか馬を攻撃する
武器もちゃんとあります。
歴史的には美濃の斉藤龍興の家臣で頸切り足立の
異名で恐れられていた足立六兵衛などが使っていました。
そもそも合戦での死亡原因の一位が矢傷で二位が槍に
よる傷でこの2つが多くをしめ刀による第3位であり
少数です。
刀による武芸は平和な世になった江戸時代に花開き
ました。
でも、映画などでは刀による戦闘が主ですよね。
ですので、映画、テレビの戦闘シ-ンは史実と大変
異なるという事です。戦利品になるという側面は
あったとも思いますが実際は通常に攻撃されていた
でしょうね。
さらにそもそも今戦闘に使う馬というとサラブレッドや
アラブのような品種を思い浮かべますが、当時の日本は
いわゆる道産子のような馬であり、戦闘向きではなく
騎馬武者の数自体も大変少なかった(テレビ、映画と
比較して)という側面もあります。
戦国時代の武将録をみてみても馬に乗っている武将の
数が10人未満という国が多いです。
騎馬隊という存在自体あまりないという事ですね。
No.1
- 回答日時:
馬は鉄砲に撃たれて死んだふりしてくれませんからね。
おそらく演出上の関係かと思います。でも倒れてくれる馬はいるみたいですよ。
それに馬を殺しても、乗っている武将は落ちるだけですから、さらに武将を攻撃しなければならず、二度手間になるからかもしれません。それならはじめから人間だけを撃てばいいわけですから・・・
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