昔の女性は差別され、立場が弱かったと主張する人がいますが、私はこれについて疑問があります。
実際のところは戦前まで、身分が高ければ男女関係なく立場が強く、身分が低ければ男女関係なく立場が弱い、というのが本当のところだと思うからです。
特に昔の身分が低い男性は結婚もできず、若ければ兵隊として戦地に連れて行かされていたので、立場としては最も低かったのではないでしょうか。性別による差別よりも身分による差別の方がよっぽどひどかったのではないかと思います。
また、人間以外の動物は基本的にオスはメスに対して優しく尽くしている場合が多いです。人間も元々がサルなので、男が女を差別するというのはDNAにないと思います。
No.10ベストアンサー
- 回答日時:
「差別」というのは、時代や文化によって異なります。
現代的な基準では「平等」は機会の平等であり、その機会を権利として保障する、というのが一般的な考え方がですが、イスラム教の教義などは明らかにこれに反します。しかし、イスラム教の女性の多くは「守られており、幸せである」と答えますので「差別」という価値観はひとつではないといえます。この点を踏まえて、時代背景も踏まえて、私たち日本人が考える「平等・不平等」を考慮する必要があります。
まず、歴史的な男女平等ですが、質問者様の中にも疑問として「徴兵」が出てきます。実際に古代ローマやギリシャの民主制ポリスなどでは、徴兵=参政権でした。徴兵に行く者しか政治的な発言権はなかったのです。これはある意味当然のことで、政治は時に多大な戦死者を出したうえで、和平や敗戦を了承することもありえましたから、犠牲と発言権は同一とみなされていたからです。
古代のローマでは女性にも財産権や離婚権がありましたが、政治的な発言権は明らかに不平等であったといえます。ただし、同様に発言権のない男子も多数いたのです。
近代的な欧米では、男女の差別よりも人種差別の解消のほうが優先されました。フランスに始まる啓蒙思想により、欧州では奴隷制がフランス革命と同時期に廃止運動が高まり、最後にアメリカが公民権運動により人種差別法が廃止されたのは1964年の公民権法までかかりました。
この時代、女性解放も一部意識され、胸を露わにした女性がフランス革命を率いるウジェーヌ・ドラクロワ『民衆を導く自由の女神」(1830年)等にその意識が残っています。
この絵画の女性は「自由」の象徴であり、実際の人物ではなく女神が「自由の化身」として描かれ、胸をあらわにすることで、女性自体の解放も表現していると言われています。
面白いことに、現代のニューヨークでは「女性が胸をあらわにして公共空間にいる権利」が主張されています。
当時の西洋女性は、今のイスラム並に権利がなく、男性に隷属する存在であったといえます。特に財産権と離婚権はほぼ無く、国によっても違いはあるものの、ドラマ:ダウントンアビーのように「相続権は男子一人」の限嗣相続制が一般的でした。そのため女性は自分の父親が死んだときに男性の兄弟がいなければ、すべての財産が他人(遠い親戚)のものになり、場合によっては住んでいた屋敷から追い出されることもあったのです。
これを回避するには、財産を得る相続人と誰かが結婚するしか方法はなかったのです。このように財産権(相続権)がないと、自己決定権を主張する前に餓死してしまうわけです。
イスラムは今でも女性に財産権や相続権を認めていない国がありますが、西洋でも順々に女性差別が解消されたとはいえ、最終的に男性と同じ権利を女性が得たのは、フランスにおいて結婚法が改正された1970年まで待たなければなりませんでした。
つまり、西洋女性が法で規定されている諸権利が平等になって、今から50年程度しか立っていないといことです。
さて、ここまで別の国の価値観や歴史を比較のために書いてきました。ようやく日本のことになります。
日本のおいて、財産の最初の規定は大宝律令の租庸調の税制と公田法による、平民すべてに配られた田畑の使用権に始まります。男女で大きさの差はあるものの、それ以外の区別はあまり多くなく、一部地域の男性に防人の義務があったぐらいです。つまり男女はほとんど平等、どちらかというと男性の負担が大きい、といえます。
しかし、この公田法は田圃が全然足りないため、すぐに崩壊し墾田永年私財法に変化していきます。自分で開墾したらそこは自分の土地である、ということでここでも男女の区別は特についていません。この時点で日本女性は財産権と相続権を男性と同等に維持し、現代に至ることになります。
つまり日本においては、自己決定を裏付けるための財産権は平等であったのです。
次に、墾田を開墾したものの中から武士が登場します。自分で開墾しても、その土地の権利を保障してくれるところはどこにもありませんでしたから、自分たちの土地を自分たちで守る、という意識が大きくなり、農民が武装集団化していったからです。
そのため戦国時代までは、女武者と呼ばれる女性の武士も存在しました。巴御前などは有名ですが、大将を務める女性だけでなく、一族のために出陣する足軽の中にも女性が居たと言われています。
そもそも女性は子供を産み育てることが基本的な仕事ですから、甲冑を着て戦場に参加するのはよほどの事情があったのでしょう。しかし、古代のヨーロッパのように「女性は徴兵されない」というのとは真逆で、自分や一族の財産権や相続権の維持のため男子が居なければ出陣する女性もいたと言われています。
このような女性がいる社会では、政治の参政権の女性だからまったく関わらない、ということはありませんでした。
江戸時代になると平和な時代がやってきます。この時代は幕府や藩などで高級官僚が誕生する時代です。武士が貴族化するにしたがって、武家の女性の権利は低下していきますが、武士は当時の日本の人口では3%程度ですので、庶民の暮らしはそれほど変わりませんでした。
庶民の中で特に「相続」を意識しなければならなかったのは、農家や商家です。日本では妾はいたもののあまり大ぴらには出来ませんでしたから、男子が居なければ娘が後を継ぐことも頻繁に行われました。一部地域では「女紋」という特殊な風習があり、男性が継ぐ家紋のほかに、母から娘に伝わる家紋もありました。日本では女性にも財産権がありましたから、結婚した時に持って行った家具類や衣服・持参金などは男性側が勝手に処分することはできず、離婚するときはすべて返却することになっていました。そのため、嫁の持参金を使い果たして離婚したくてもできない、という川柳もうまれたぐらいです。
女紋はこのような用途にも利用されたと言われています。
さて、ここで非常に重要なことがあります。それは家計は誰が握っていたか、ということです。
前述のとおり、イスラムの国から欧米にかけて、現代になるまで女性には財産権などがなく、明らかに自己決定権を遂行するのが難しい時代が長く続きました。そのため、現代でも家計を管理し、家族の方向性を決定するのは男性の役目である文化がほとんです。
日本は違います。女性にも財産権や自己決定権があったこと、男性は外向き(公式な仕事の管理)、女性は奥向き(自分の家庭の管理)と役割分担をしていたため、日本では「女性が家計を握る」のが伝統的であり一般的です。
世界的に男性が家計を握るのが80%以上の国がほとんどなのに対して、日本は同じ比率で女性が管理しているのです。
さて、そろそろ結論に達しないと行けないと思います。
結論は
「元々、女性は生物学的に子供を産む、という行為があるために保護の対象でもあったため、被保護者としての立場もあり、常に完璧に「男性と同じ」というのは難しく、特に武器で争うことが日常的的な社会では、権利が妨げられることもあったといえる。
しかし、少なくとも、日本においては、女性も男性と同等の権利を有していた時代が長く、自己決定権とそれを保証するための財産権・相続権なども男性と女性はほぼ同じだけの権利を有していたし、戦国時代のような武器で争う時代であっても、男性と同等に戦うことを選択することもできた。
むしろ、明治期に西洋文化を取り入れ、処女進行や家父長制を取り入れたため、一時的に女性の権威に否定的な側面がでたこと、近代化の際の選挙権などで差がついたことは事実である。
しかし、根本的に日本女性は男性と同様の「自己決定権」をもっていたといえ、それを利用して自由にたくましく、生きてきたといえる。したがって、日本においては女性の立場は「弱かった」とまではいえず、ほぼどの時代でも尊重されていたといえる」
となります。
女郎などの問題はありますが、男性ならタコ部屋で食事も粗末で死の危険がある労働をかせられたわけですから、少なくとも白いご飯が食べられる女郎が、それにくらべて「悲惨」であった、と断じるのは男女の性差を考えれば、センチメンタルにすぎるといえます。
いずれの立場の男女も、売られてからの平均寿命はごく短いものであったからです。
個人的な身分関係や、妊娠におけるトラブル・嫁姑問題や貧困による女衒や苦役など、個人とその個人の関わる状況による差は、考慮に値しません。それを考慮するなら、西洋と同様な奴隷制を持たない日本はそれだけで男女とも幸せであった、といえるでしょう。
ということで、制度や法的な権利義務を総合的にみると、日本の女性は歴史的文化的に相当に立場が強く、完璧に同じとは言えないものの、それは女性が子供を産むという「被保護」と引き換えであり、それ以外(特に結婚前の娘や子育て後の翁は)男性と同等の部分も多かった、といえます。
No.9
- 回答日時:
あとね、生物学上オスは死にやすいように作られているし、好戦的本質を与えられているので当たり前なんだな、DNA上。
でないと、生物が保持しないのよ。だから、数値は無意味。No.6
- 回答日時:
no.5です。
補足読みました。私はあくまでも、タイトルのご質問について回答させていただいたまででございます。もちろん本文も読んだ上で。
女性は立場が弱かった。私はそうだと思いますと述べさせていただきました。
そしてあなたはそう思っていないということも既に承知した上で回答させていただきました。問いがございましたのでね。
>男性は女性より力が強いし、仕事で頼りになる場合が多いのは確かですが、それは役割分担の違いというだけです。
そうとも言えますが、単に役割り分担ならば必ずしも力関係で決める必要はありません。しかしあなたがそう(役割分担の違いというだけ)思うなら、あなたはそう思っていればよいことです。全員の考え方が一致するとは限りませんし、一致しなければならないというわけでもありません。一致させなければならないこともないです。また、誰もその考え方を否定はいたしません。その資格もだれにもありませんからね。
>逆に力が弱いとか頼りにならない男性は、女性より圧倒的に差別されます。
仰る通り。その場合は男性の立場が圧倒的に弱いとも言えますね。しかし統計として圧倒的にその確率が低いことは確かです。そして昔だったら今ほどは、そうやって男性が差別されることは圧倒的に少なかったはずです。
立場の強弱ではなく「身分」や「差別」云々に関して「議論」なされたいのでしたら、タイトルから書き直しなされるべきではないかと存じます。大人ですからね。まぁ立場という言葉も広義に於いては差別等とも揶揄される場合もあります。
「場違い」な回答だったようで大変失礼いたしました。
No.5
- 回答日時:
女性です。
立場、やはり男性と比べたら女性の方が弱かったと思います。
女性が、男性と同じ職場で仕事をするようになってきたから、社会的には立場が以前に比べたら少しは、男性と同等に近い扱いになる場合が増えたか?という程度ではないかと。
大昔の、女学校というのは、女性にも教育をと、しかし当時女性は後に嫁入りし家に入るから(妻のことを家内、といったりしますね)、裁縫など家事関連女性教育に重きを置いてましたね。
身分を書かれてますが、例えば同じ身分の男女が居たら、その中での男尊女卑もあったでしょうね。
まぁ私なんかは、男のくせに◯◯などと表現してしまうこともあるから、勝手に男性差別になるのかな(~_~;)
個人的には、医師などが女性だと、なんとなく漠然とですが、大丈夫かな…と不安になるのも事実です。やっぱり男の人ってなんだかんだ言っても頼りになるし頼りにしなきゃならない時あるからかもしれません。力事では圧倒的に、女性の方が劣るし。
そりゃあ、身分は低いより高い方がいいに決まってますよね。男も女も。って言っても今は身分制度ないから、家柄が良いのは悪いよりはいいでしょう。
No.3
- 回答日時:
おじさんです。
なるほどです。
そういう観点でみれば、確かに男女差別ではなかったでしょうね。
昔の男女差別があったとすれば、それは男が作っているのではなく、女が作っていたように思います。
例えば、長男を上座に備え、他の兄弟、特に女兄弟は下女のように扱うというしきたりは、祖母や母親が厳しくしつけしたのです。
No.2
- 回答日時:
女性の立場が一方的に弱いというのは
朱子学が幕府の公的な基本理念になった時期から
明治以降の極端な家・家長概念を定めた制度的な補強を経た時期の事であって
その他の時期は程度の差はアレ、それ程の違いは無かった
平安期~鎌倉期では、遺産相続に関しても男子優先とは限らなかった
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