画像にあるように、滑らかな水平面上に斜面を持つ台車と小物体があります。小物体が斜面を滑っているとき、小物体と斜面との間の摩擦があれば力学的エネルギーは保存されない、という理解でよろしいでしょうか?保存されなければ、その理由は何でしょうか。
運動方程式などを考えて自分なりにはいろいろ考えてみました。
しかし複雑すぎて断念しました。
そこでもっとシンプルに考えられないのかと思いました。摩擦は確か熱に変わりますよね?その熱は、熱力学第二法則によって、すべて台車の運動エネルギーに変えることは不可能である(熱力学第二法則の解釈が違っているかもしれません)だから、力学的エネルギーは保存されない。
このような理解で問題ないでしょうか?
よろしくお願いいたします
A 回答 (3件)
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No.2
- 回答日時:
質問者さんは、「エネルギー保存則」が自明の基本原理のようにお考えのようですが、「エネルギー保存則」とは極めて純学問的なもので、一般人には経験的・直観的には理解が難しいものだと思います。
そもそも、「エネルギー」とはいったい何なのでしょうか?動いているものがやがて止まってしまうことを、「運動エネルギーが、摩擦による熱エネルギーに変わったからだ」と考えるのは、「そういうものだ、それがエネルギー保存則だ」と聞いているからであって、自分の経験からそれを導き出すのは、普通の人には無理でしょう。(触ってみても熱くなっていないことが多いし)
ましてや、「エネルギー」は「力学的」「熱」だけではなく、「電気エネルギー」もあります。磁場中を導体が運動すると、電流が流れて電気エネルギーに変わります。アインシュタインによると、質量自体も「E=m*c^2」のエネルギーだそうです。これらがみな「同じもの」と考えることの方が不思議です。
ということで、「摩擦がない」とか「空気抵抗は無視する」という条件であれば、純学問的に「エネルギー保存則」は成立するのかもしれませんが、現実世界で「エネルギー保存則」から物事を解決することはそれほど多くはないように思います。
ご質問の「斜面と物体」も、「外力が働かない閉じた系」の話ですから、「重心位置は変わらない」という条件で「物体」と「自由に移動できる斜面」の2体の位置関係を解けばよいだけの話です。斜面と物体の間に摩擦があろうとなかろうと、それは「閉じた系の中の話」ですから、2体の位置関係には影響しません。物体がスムーズに滑り落ちるか、ぎくしゃく落ちて来るか、途中で止まってしまうか、いろいろあるでしょうが、斜面はそれに応じて移動するだけです。
物体がガラガラ音をたてて「音響エネルギー」を発しても、滑り落ちる間に発電しても、2体の位置関係には影響しません。つまり「エネルギー保存則」の成否に関係なく、この2体問題は解けるということです。
(車輪の付いた斜面と地面との間の摩擦は外力になりますので、これを考えると単純には解けなくなりますが)
要するに、この問題は、実態のよくわからない「エネルギー保存則」で解くのではなく、「外力が働かない閉じた系における2体の位置関係」(外力が働かないので「運動量保存則」)で解けばよいだけの話です。
質問者さんのご質問は、『この斜面の問題を「エネルギー保存則」で解こうと思ったがうまくいかなかったのは、摩擦による熱エネルギーや空気の抵抗やその他の理由で「力学的エネルギーが保存されていないからだ」と考えてよいですか?』ということのようなので、「その通りですよ」という回答になります。
保存されなかった「力学的エネルギー」が何になったのかは、必ずしも「熱」だけではないと思います。それが何なのかは、状況によって異なるはずです。
回答しようと思ったら、No.1さんへの補足があったので、追加。
>結局、相互作用しているときに内力と重力以外に外から力がはたらかなければ力学的Eの総和は保存されると、単純に考えてしまって問題はないですよね?また、摩擦が無視できない場合でも、発生する熱が少なければ近似的に力学的Eの総和は保存される、といった理解でよろしいでしょうか。
いいえ。最初に書いたように、エネルギーは「力学的」だけではありませんので。「物体」の中に「原子力発電所」があるような場合を考えてみてください。あるいは、「電池とモーター」がある場合でもよいです。
ありがとうございます。よくわかりました。
ところで力学的エネルギー保存則を導くには運動方程式の両辺に速度の内積をとることで得られますよね?いろいろサイトを調べましたが、よくわからなかったので、自分なりに考えてまたそれについてのスレッドを立てたいと思います。
No.1
- 回答日時:
難しく考えすぎじゃないのか。
物体mが台車Mの斜面を滑り落ちるとき、mのx方向に動く力の反作用がMに働く結果台車Mは滑り落ちる物体mと反対方向に動く…だけを考える問題のような気がする。
位置エネルギーが運動エネルギーと熱エネルギーに変わるだけでエネルギー保存則は成り立つ。
第二法則は一方的なエネルギー変換を示すモノ。
運動エネルギーは100%熱エネルギーに変わる。しかし熱エネルギーは運動エネルギーに100%変えることはできない。(運動100→熱100→運動99+熱1)
こういう内容だ。
エネルギーの総量は変わっていない。
ありがとうございます。大学入試問題では摩擦が無視できる場合がほとんどだと思いますが、
摩擦が無視できる場合、保存則が成り立つ理由は以下のように単純に考えてもよろしいでしょうか?
前の物体の力学的E+内力がする仕事=後の物体の力学的E
前の台車の力学的Eー内力がする仕事=後の台車の力学的E
これら辺々を足すと、力学的Eの総和は保存される。
結局、相互作用しているときに内力と重力以外に外から力がはたらかなければ力学的Eの総和は保存されると、単純に考えてしまって問題はないですよね?また、摩擦が無視できない場合でも、発生する熱が少なければ近似的に力学的Eの総和は保存される、といった理解でよろしいでしょうか。
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