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モータ軸に圧入されたウォームギヤに掛かる力(抜去力)を計算で出すために計算式を調べたのですが、見つけた二つの計算式で結果が大きく異なりました。それぞれ適切な使い方が有ると思うのですが、どういった場合に当てはめて考えればいいでしょうか?

式1
接線力 P=9550000H/(n1(d1/2)) (N)
スラスト力 T=9550000Hη/(n2(d2/2))=P/tan(γ+ψ) (N)
n1:ウォームの回転数 d1:ウォームのピッチ円直径 n2:ウォームホイールの回転数 d2:ウォームホイールのピッチ円直径
η:ウォームギヤの効率 γ:進み角 ψ:摩擦角

式2
接線力 Ft1=2000T1/d1
スラスト力 Fx=Ft1(cosα cosγ ー μsinγ)/(cosα sinγ + μcosγ)
T1:入力トルク d1:ウォームのピッチ円直径 α:歯直角圧力角 γ:進み角

A 回答 (1件)

ご質問にお書きの式はずいぶん複雑ですけど、ウォームギア側の負荷をもとに計算していけばもっと簡単なんじゃないかな、と思います。



 仰るところの「抜去力」という単語の文字から察するに、それは「ウォームギアをモータの軸から引っこ抜こうとする、モータの軸に平行な方向の力」のことですかね。
 だとすれば、それは原理的には「ウォームギアの歯に掛かる力のうち、モータ軸に平行な成分f」ということです。
 ウォームギアが駆動する相手であるウォームホイールの歯にも、ウォームギアの歯に掛かる力と(向きは丁度逆だが)同じ大きさの力が掛かり、その力のうちモータ軸に平行な成分(同じことですが、ウォームホイールの軸と垂直な成分)-f、が、ウォームホイールを駆動する力です。そして、この力-fとウォームホイールの軸から歯までの半径Rの積が、ウォームホイールに生じるトルクに他なりません。つまり、ウォームホイールに掛けるトルク負荷Nの大きさ|N|をRで割ったものが、fの大きさ|f|です。
  |f|=|N|/R

 一方、「モータの軸に圧着ではめ込んだウォームギアが、モータの軸に対して滑り出す限界」について検討したいのであれば、モータの軸に平行な方向の力に注目しても駄目です。
 極端な話、モータとウォームホイールの配置はそのままにして、ウォームギアのピッチ角を90°(これはもうウォームギアというよりカムですね)にした場合を考える。もちろん、ウォームギアはウォームホイールの歯をウォームホイールの軸と平行な方向に押すから、ウォームギアとウォームホイールは静止したままです。ウォームギアがウォームホイールの横っつらに引っかかっているんでモータも回りません。さて、このときにウォームギアに掛かる力は100%、モータの軸に垂直な方向ですから、「ウォームギアをモータの軸から引っこ抜こうとする、モータの軸に平行な方向の力」はゼロです。だけど、モータのパワーをどんどん大きくすれば、ウォームギアとモータの軸の間に滑りが生じて、モータが回り始める。いったん滑ってしまえば、抵抗はウォームギアとモータの軸の間の動摩擦力だけになるので、ウォームギアをモータの軸から抜き取るのは小さな力でできます。
 ですから、ウォームギアとモータの軸との間に生じる力の大きさ(方向はどうでも良い)が限界を決めています。
 ウォームギアがウォームホイールを回す力(すなわち上記のf)は、ウォームギアとウォームホイールの間に働く力Fのうち、モータの軸に平行な方向の成分です。(それ以外の(つまりfと直交する)成分はウォームギアとウォームホイールの間の摩擦と、ここに登場するそれぞれの部品をわずかに弾性変形させるための応力に費やされ、その力で生じる仕事は最終的には熱になって放出され、無駄になります。「モータがやった仕事のうち無駄にならない仕事はどれだけか」というのが「効率」ですね。)原理的には、ピッチ角をγとすると
  |f| = |F| tanγ
です。ウォームギアのピッチ円上にモータの軸と垂直な方向のFの力が掛かるので、モータ軸とウォームギアの接合部にはその((ピッチ円の直径)/(モータ軸の直径))倍の力が掛かる。これが「モータの軸にはめ込んだウォームギアがモータの軸に対して滑り出す限界」を決める訳です。で、|f|は先に述べたようにウォームギア側の負荷によって決まります。
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