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芥川龍之介の「戯作三昧」を勉強している外国人です。
いくつわからないところがあって、お教えいたたければ嬉しいです。

①結構と言や、先生、八犬伝はいよいよ出(い)でて、いよいよ奇なり、結構なお出来でございますな。
「出(い)でて」は、「出る」「出版する」ことですか。

②「もっとも、当節の歌よみや宗匠くらいにはいくつもりだがね。」
ここでの「いくつもり」はどんな意味ですか。

③というのは、その悪評を是認するために、勇気が、沮喪するという意味ではなく、それを否認するために、その後の創作的動機に、反動的なものが加わるという意味である。
「勇気が沮喪する」という表現がよくわかりません。「その悪評を是認する勇気がない」か、「その悪評を是認すると沮喪する」か、どの解釈が良いですか。

④日は無心に木犀の匂いを融かしている
辞書で調べたら、「無心」は「雑念や欲心のないこと」と「思慮・分別のないこと」です。しかし、ここではどちらも意味が合わないと思いますが、どう解釈すればいいですか。

⑤「もちろん気に入ったと言っても、今まで描いたもののうちではというくらいなところですが」
「今まで描いたもののうちではというくらい」の意味を、教えて下さい。

⑥「御老人がそんなことを言っては、困りますな。」
あくまで私の推測ですが、崋山が困るのは、彼が「馬琴が自分より才能がある」と思っているのに、そんな馬琴さえ「古人には及ばない」と自分を貶すと、崋山自身のレベルが低くなる気がするから、
と思いますが、いかがでしょうか。

よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

①八犬伝はいよいよ出(い)でて、いよいよ奇なり


「いよいよ~て、いよいよ~なり」という構文で、「出版されて世にでると共に、ますます評判が高くなる」という程度の意味。昔から「奇」は珍しい、変わったの意味で「奇談」「奇譚」のように珍しい話であり、同時に物語・小説の類が人びとにもてはやされることを意味していました。

②「もっとも、当節の歌よみや宗匠くらいにはいくつもりだがね。」
 「いく」は「達する・到達する」の意味で、「歌よみや宗匠くらい」のレベルには達しているつもりだと言ったのです。これは勿論、作者芥川が言わせたのであって、馬琴自身がどう思っていたかは分かりません。(もっと自信があったかも)実際には、二の最後に芥川はつぎのように書いています。

 『馬琴は、「性に合わない」という語(ことば)に、ことに力を入れてこう言った。彼は歌や発句が作れないとは思っていない。だからもちろんその方面の理解にも、乏しくないという自信がある。が、彼はそういう種類の芸術には、昔から一種の軽蔑を持っていた。なぜかというと、歌にしても、発句にしても、彼の全部をその中に注ぎこむためには、あまりに形式が小さすぎる。だからいかに巧みに詠よみこなしてあっても、一句一首のうちに表現されたものは、抒情(じょじょう)なり叙景なり、わずかに彼の作品の何行かを充(みた)すだけの資格しかない。そういう芸術は、彼にとって、第二流の芸術である。』

③「勇気が沮喪する」「沮喪」が「気力がくじけて元気がなくなること。」ですから、「勇気が沮喪する」は勇気がなくなるの意味でしょう。
 >「その悪評を是認する勇気がない」か、「その悪評を是認すると沮喪する」か、どの解釈が良いですか。

「その悪評を是認すると沮喪する」という意味ではなく、それを否認するために、その後の創作的動機に、反動的なものが加わるという意味である。」と言っています。すなわち「悪評」に立ち向かっていくところに真意があります。

④>「無心」は「雑念や欲心のないこと」と「思慮・分別のないこと」です。しかし、ここではどちらも意味が合わないと思いますが、どう解釈すればいいですか。

 「雑念や欲心のないこと」の意味です。ちょうど赤ん坊のように、無心に「日」が融かしているのです。「日」を擬人化した表現です。

⑤「もちろん気に入ったと言っても、今まで描いたもののうちではというくらいなところですが」
>「今まで描いたもののうちではというくらい」の意味を、教えて下さい。

 ほとんどそのまま、「今まで描いたものの中では(一番)という程度」の意味です。

⑥「御老人がそんなことを言っては、困りますな。」
>そんな馬琴さえ「古人には及ばない」と自分を貶すと、崋山自身のレベルが低くなる気がするから、
 その意味もいくらかあるかもしれません。しかし、芸術家というものは古人よりも自分がすぐれていると思わないし、後世(こうせい=若い人たち)よりもすぐれているとも思わないものだと、崋山も馬琴もそして芥川も、思っていただろうことは明らかです。
 「困ります」と言ったのは「そんな風におっしゃらないでください」という、単なる儀礼的なものでしょう。

 以上の、回答は「作品の解釈は、作者の気持ちをむししては成り立たない」という私の考えから来たものです。
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この回答へのお礼

OKATさん、教えてくれてありがとうございます。

お礼日時:2015/07/20 14:49

1、確信はありませんが「出版」というよりも「いよいよ話が進んで佳境に入り、それにつれていよいよ珍しい興味をそそる展開になって、良い出来上がりですね」と言った意味かと…



2、「もっとも、当節の歌よみや宗匠くらいには、(歌を読める)つもりだがね。」

3、「その悪評を『それは正しい』と認める為に、(創作する)勇気がくじけて、気力がなくなるという意味ではなく」

4、「太陽の光は、(そんな馬琴の思いに頓着することなく)何も考えないで、ひたすら木犀の匂いをあたり一帯に漂わせ、なじませている」

5、「今まで絵描きである自分が描いた、数々の絵の内で比べて(一番気に入っている)という程度に『気にいった』という意味ですが」

6、「先輩がそんな風に『自分は、自分の先輩たちには、遠く及ばない』と謙遜されてばかりでは、後輩である私の立場がなくなります」と言う程度の「社交辞令」として「困る」と言っているだけで、本当には「困っていない」のでは? 最後に「な」とつけるあたりが、その雰囲気を出しています。

私見です。
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この回答へのお礼

suzukoさん、教えてくれてありがとうございますm(__)m

お礼日時:2015/07/20 14:48

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