電子を励起させて、遷移状態を変えるためには、
①エネルギー準位間の差に等しいエネルギーの光子を与えるのでしょうか?
それとも、
②エネルギー準位間の差以上のエネルギーの光子を当てるのでしょうか?
添付したものはセミナー物理なのですが、二つの記述が食い違っている気がしたもので...
とても困ってます。
回答よろしくお願いします!
写真が見えないかもしれないので、補足です。
「エネルギー準位の差に等しくない光子は吸収しないので、その光子を原子に当てても励起されない」
「基底状態の原子から電子を取り去るために、光を当てる。この光の波長はいくら以下にする必要があるか。~~ 答え 9.12×10^(-8)m以下」
この二つって食い違ってないでしょうか??
A 回答 (7件)
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No.7
- 回答日時:
「エネルギー準位間のエネルギー差に等しいエネルギーの光を
照射したときのみ、電子の遷移が起こる」
これで間違いありません。
適切な光が当てられて電子が、高いエネルギー準位へと遷移する。
これって、原子核から電子までの距離が遠くなることだって、ご存知でした?
用語としては不正確になることを承知で書きますが、
あまりにも高いエネルギー準位へと遷移した電子は、
原子核から遠すぎて、原子核からの引力が働かなくなる。
つまり、原子から離れて飛んで行っちゃうわけですね。
化学反応式のように書けば M → M+ + e-。
このような状態になった電子は、準位間の遷移云々じゃなくなる。
波動性よりも粒子性のほうが重要になる。
準位間のエネルギー差とかどうでもよくなるわけです。
分かります?
電子が存在している準位のエネルギーと等しいエネルギーを持つ光を照射すると
原子から飛び出すか飛び出さないかのぎりぎり瀬戸際の状態になり
それより大きなエネルギーの光だと電子は飛び出しちゃう。
原子物理の授業で学びませんでしたか? 光電効果というやつ。
あれと基本的には同じ現象です。
で、前置きは長くなりましたが
>「基底状態の原子から電子を取り去るために、光を当てる。この光の波長はいくら以下にする必要があるか。~~ 答え 9.12×10^(-8)m以下」
ってのはこの時のお話なのでエネルギー準位間云々が関係ないというわけです。
No.6
- 回答日時:
No.3です。
すみません、いろいろ混乱させてしまったので、訂正も含めて再度きちんと書いてみます。前の回答では、ご質問の後半に回答していませんでしたので。
(1)まず前半の
>電子を励起させて、遷移状態を変えるためには、
>①エネルギー準位間の差に等しいエネルギーの光子を与えるのでしょうか?
>それとも、
>②エネルギー準位間の差以上のエネルギーの光子を当てるのでしょうか?
に関しては、前の回答を撤回して「①」に訂正します。(混乱させてスミマセン!)
ここでは
(a)原子の軌道電子が、一つのエネルギー準位から他の高いエネルギー準位に遷移する
場合に対して、
(b)ある特定のエネルギー(振動数)をもった光をあてる
ことを考えていることを想定します。
その場合には、「エネルギー準位間の差に等しいエネルギー(振動数)をもった光」のみが電子を「遷移」させることが可能ですから、①が正しいことになります。
ここでは、No.3のように「②のエネルギー準位間の差以上のエネルギーの光子は、①エネルギー準位間の差に等しいエネルギーの光子も含む」と考えるとおかしいことになるので、「これは考えないことにする」というのが、変更の理由です。つまり、光は(b)の条件で考えるということです。
「光」の場合には、そのエネルギーは「振動数」で決まり、「強度」(波で言えば振幅)とは異なるため、こう変更した方が妥当と考えました。
(おそらく、テキストには、光のエネルギー E は、光速を c、振動数を ν、波長を λ、プランク定数を h として「 E = hν = hc/λ 」となる、と書いてあると思います)
(2)後半の
>「エネルギー準位の差に等しくない光子は吸収しないので、その光子を原子に当てても励起されない」
>「基底状態の原子から電子を取り去るために、光を当てる。この光の波長はいくら以下にする必要があるか。~~ 答え 9.12×10^(-8)m以下」
>
>この二つって食い違ってないでしょうか??
2つは、対象が異なりますので、記載内容は矛盾しません。
1つ目は、原子内での「エネルギー準位間の遷移」の話で、上記(1)に書いたような内容ですから、これは「正しい」です。
2つ目は、他の回答者さんが指摘しているように、原子内の軌道電子を、原子外に弾き飛ばすためのエネルギーを言っています。余分なエネルギーは電子の運動エネルギーになるので、「一定値以上」であればよいのです。
ですから、これも正しいです。
この「一定値」が、正電荷を持つ原子核と負電荷を持つ電子との間の「クーロンりょく(力)」(電気的に引き付けあう力)であり、これ以上のエネルギーを持てば原子外に飛び出します。
「一定値以上のエネルギー」という意味で、「波長はいくら以下にする必要があるか」と言っています。
(1)に書いたように、光のエネルギーは「振動数」(波長は「光速」を振動数で割ったもの)で決まりますので、「一定値以上のエネルギー」→「一定振動数以上の光」→「一定波長以下の光」ということです。
No.5
- 回答日時:
非専門家の考えですが、次のように判断します。
(1)が正しい。
セミナー物理の2つの文は矛盾していない。
「基底状態から電子を取り去る」現象は、異なるエネルギー準位間の遷移ではないと思います。
電離あるいはイオン化と呼ぶ現象です。
いわば、原子に何者かを衝突させて、中の電子をたたき出すという乱暴な過程です。
それは、古典物理で十分説明できる現象で、電子が許されている準位間を移動するという量子力学で始めて扱い得る現象に当たらないと思います。
No.4
- 回答日時:
少し笑える、お二方ともお許し下さい。
最初に二つの言明の差を解いておきましょう。
>基底状態の原子から電子を取り去るために、光を当てる。この光の波長はいくら以下にする必要があるか。
こいつは原子(分子の基底状態でも構わない)から電子を無限遠に持ち去る時に必要なクーロンエネルギーを求めろと言って居ます。
>エネルギー準位の差に等しくない光子は吸収しないので、その光子を原子に当てても励起されない
これは遷移が起きるのに必要なエネルギーを光の形で与える時のことで、基底状態から直上の軌道でも良いし結構上の軌道にいる電子をさらに上へ持ち上げるのでも同じです。
ここで「量子化学」を導入しますが、一度読んだら忘れて下さい、実際にはここに書くことの数百倍難しい。
遷移が起こる要件は非常に厳密で、通常基底状態では電子はスピンが反平行のペア、一重項という状態になっています、だが直上の軌道へ遷移しようとすると不都合が起きるのです、電子はスピンを維持したまま遷移しようとしますが、通常直上の順位は三重項で、電子の一重項の関係を満たす軌道はさらに上になります、だがややこしいことに、直上の軌道へ遷移するチャンスはある、原子だと無いが分子だと結合により原子軌道が歪むのです、すると両電子が一重項を維持したまま遷移することが可能になります、遷移確率という奴です。
ですがこれも分子になるのですが、直上の軌道より低い軌道がある事が多い、術語の定義が破綻していますが原子と分子は異なり原子は厳密で分子はいい加減だと思えば良い、その理由は分子になると結合の伸縮(赤外線領域)回転(マイクロ波領域)に割り付けられる莫大で細かい状態が出来てしまう、結構有りがたい。
以上が脱線、大学へ行くとタップリ出て来ます、もちろん理系の人にしか無用。
No.3
- 回答日時:
No.1&2です。
ちょっとぐちゃぐちゃになったので、最終見解をまとめ直します。No.1は無視してください。訂正回答******************
正しい答は
②エネルギー準位間の差以上のエネルギーの光子を当てる
だと思います。これは「①エネルギー準位間の差に等しいエネルギーの光子」も含みます。
照射する光のエネルギーは、「②エネルギー準位間の差以上」であればよいのです。
この中から、電子は「①エネルギー準位間の差に等しいエネルギーの光子」を選択的に吸収して、励起してエネルギー準位を遷移します。「エネルギー準位間の差」は一つではなく、「1つ上の準位」に遷移することもあれば、「2つ上」「3つ上」に遷移することもあります。それぞれ、エネルギーが異なります。
つまり「照射する光」は「エネルギー準位間の差以上のエネルギーの光子」であり、実際に吸収するのは「エネルギー準位間の差に等しいエネルギーの光子」ということです。
「エネルギー準位の差に等しくない光子は吸収しないので、その光子を原子に当てても励起されない」
という記述は、「吸収」に関して言っていることかと思います。
それに対して、ご質問は「照射」に関するものと考えれらます。
原子は、「電子が低エネルギー準位から高エネルギー準位に遷移するときに、そのエネルギー差に相当する固有の振動数の光」を吸収し、照射したいろいろなエネルギー(振動数)を含んだ光の中から、元素ごとに固有の振動数スペクトルの光を吸収します。この吸収スペクトルを分析することにより、そこに含まれる元素を特定するなどに利用されます。
No.2
- 回答日時:
No.1です。
すみません、一部で、全く逆のことを書いていましたね。答は
②エネルギー準位間の差以上のエネルギーの光子を当てる
のままでよいと思いますが、その中から
「エネルギー準位間の差に等しいエネルギーの光子が、電子の遷移のために吸収される」
ということですね。
その意味で、
「エネルギー準位の差に等しくない光子は吸収しないので、その光子を原子に当てても励起されない」
という記述は間違いではありません。
つまり「エネルギー準位間の差以上のエネルギーの光子を当てる」ことにより、その中から「エネルギー準位の差に等しい振動数の光子を吸収して遷移する」ということです。
これが、元素固有の「スペクトル」になります。
No.1の最後の方の「発光」は間違いで、光の「吸収」ということでした。
お詫びして訂正します。
No.1
- 回答日時:
②エネルギー準位間の差以上のエネルギーの光子を当てる
です。余分なエネルギーは、電子の励起以外に使われたり、エネルギーのロスなったりしますから。
電子のエネルギー準位もいろいろありますから、「1つ上の準位」に遷移することもあれば、「2つ上」「3つ上」に遷移することもあります。
ですから、
「エネルギー準位の差に等しくない光子は吸収しないので、その光子を原子に当てても励起されない」
は正しくないと思いますよ。おそらく
「エネルギー準位の差以下のエネルギーの光子は吸収しないので、その光子を原子に当てても励起されない」
ということでしょうか。
逆に、「電子が、高エネルギー準位から低エネルギー準位に遷移するときには、そのエネルギー差に相当する固有の振動数の光」を放出し、元素ごとに固有のスペクトルの光を発します。このスペクトルを分析することにより、そこに含まれる元素を特定するなどに利用されます。
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