プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

ロラン・バルトの『意味の二重構造』ーデノテーション(明示的な意味)とコノテーション(潜在的な意味)ーというのは、マルクスの『上部構造と下部構造』のようなものなのでしょうか?
哲学を学び始めたばかりでよくわからなくて・・・よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

『意味の二重構造』とは、記号(言語・文科表現・消費財他社会に表象するものを包含したもの)が、直接表示される意味と、それを元とした隠れた意味の2つの構造を持つ事を意味します。


一番簡単な例は、差別用語です。
本来は、状態もしくは機能、疾病状態を意味する言葉ですが、それらに隠された差別的意味を持つ為に、使用が困難になったり、隠れた意味を払拭する為に別の用語(記号)に置き換えられたりしています。
このように、記号一般が2重構造を持つ事を中心に、いろいろな分野の分析を行うと言うのが主な目的でしょう。
マルクスの『上部構造と下部構造』に関しては、人間生活が、思考・思想などの上部構造と、それを営む為の経済活動(多くは労働)の下部構造により成り立っているとする考えです。
下部構造がなければ、上部構造が行えないので、下部構造が上部構造を規定するとの推定を行っています。
2重構造という形態は合致しますが、その機能自体に関連性は無いでしょう。
また、記号が二重構造を持つ事は、マルクスの上部構造と下部構造のような必然性はありません。
あくまで、人間の思考がそのような記号の捉え方をすると言う事です。
何故、人間の思考がそのような多様な意味付けを行うのかは、文化的・心理学的要因を分析しないと解明は不可能でしょう。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

わかりやすい回答ありがとうございます。
哲学というのは2つに構造を分けて考えていく手法が多い?のか、いろいろ混乱してきていたので助かりました。

お礼日時:2015/10/31 14:12

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!

関連するカテゴリからQ&Aを探す