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ドイツ語の文法で、主格、属格、与格、対格といふ用語をあまり使はないのはなぜですか。

A 回答 (3件)

Q&Aをやるようになってから、ドイツ語の質問でしばしば主格、属格、という書き方で質問をする人がいます。

古い文法書を使っているのか、私が思っているよりも、主格、属格という書き方の文法書があるのか、その辺はわかりませんが、少なくとも、私がドイツ語を始めてから使ってきた文法書は、みな数字で表しているものばかりでした。これを書き始めてからちょっと気になってネットをのぞいてみましたが、やはり日本では、数字で書き表す方法がかなり前から主流のようです。ドイツの文法書でも、多くはありませんが、1. Fall、2. Fallという書き方をしているものはあります。私の手元にある文法書の中で主格、属格という書き方になっているものは、ドイツで書かれた文法書の日本語訳です。ただし、この文法書はもともとドイツ人のためにかかれたものですから、格についても日本の文法書よりも詳しく、語源や本来の意味まで書かれているので、主格、属格と訳さないと意味がない内容です。私やplapotiさんが参加していないQ&Aのあるスレッドには、「これらの格をそれぞれ1格・2格・3格・4格と呼ぶが、欧米では使われず、また順番も主格・対格・与格・属格と、全く異なる」と書いている人がいましたが、私が今見ているドイツの文法書では、「主格は、伝統的な格の順序では第1格と呼ばれる」とありますし、属格も、「伝統的な格の順序では第2格と呼ばれる」とあるので、この人の認識は誤りだと思います。
このドイツの文法書の「格」の章を見てみると、インド・ヨーロッパ語には本来8つの格があったという説明から始まって、それぞれの格の由来と機能が書かれています。それぞれの格の多様な機能を見ていくと、主格と対格はまだわかるのですが、属格は「所属」だけの機能で使われるわけではありませんし、「与格」も、与える対象、間接目的語だけを指示するわけではありません。ラテン語の奪格、具格、位格の機能は、ドイツ語では与格が果たしています。属格や与格の機能の中には、「属」や「与」という文字から連想されるものからは大分遠いものがあるので、かえって混乱のもとになるような気がします。日本のドイツ語教育者は、日本人が学習しやすいようにこういう方法を考えたのでしょう。
主格は「命令格」の役も果たします。属格には、はっきり「所有」を表す機能のほかに、「目的語的属格」、「主語的属格」、「部分の属格」、「性質の属格」、「説明の属格」そのほか、いろいろな機能があります。たとえば、die Höhle des Löwenと言えば、「ライオンの洞窟」なので、des Löwenという属格は「所有」を表します。しかし、die Besichtigung des Museumsと言うと、「博物館が所有する見学」ではなくて「博物館を見学すること」なので、des Museumsという属格は「目的語的属格」になります(こういう場合、ラテン語では何格を使ってどう表現するのでしょうか?)。また、das Geschrei der Kinderといった場合は、「子供が発した叫び声」という意味なので、「主語的属格」です。
与格にも、「利害の与格」、「所有の与格」、「関心の与格」など、いろいろな機能があります。対格も、目的語を示すだけでなく、jeden Montagと言えば、「毎週月曜日に」という副詞になります。

遅くなるとまた回答しそこなうので、ここまでにします。今後のことですが、今しばらくはアナログではなくデジタルでお付き合いください。3月以降のことも含めてお話ししておきましょう。何回かに分けてコラムにヒントを出しておきますので、保存してください。
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この回答へのお礼

たびたびお手数をかけ、申し訳ございませんでした。

主格でも1格でも、どちらでもかまはないのですが、数字を使ふのはインドヨーロッパ語族ではドイツ語くらゐしか見かけません。格の区別は、さつぱり判りません。実例を見て、ああさうなのか、と思ふだけです。ふだんは日本語で、主格「は」、属格「の」、与格「に」、対格「を」として考へてゐます。Tastenkastenさんに叱られさうです。「博物館の見学」は「の」なので属格です。自信はありませんが、たぶんラテン語も属格になるのではないかと思ひます。手持ちの文法書には、「所有関係」「部分を示す」「主語的、目的語的」などなど、いろいろ書いてありますが、読みとばしました。

お礼日時:2016/01/18 23:23

OKWaveで、以前2格について質問がありました。

お読みになっていると思いますが、ドイツの文法書からの要約をしています。回答No.1と、内容的に重複しますが、それ以外の部分が面白いと思います。

http://okwave.jp/qa/q8926947.html

今日は御在宅なのですか。コラム更新しておきます。私は午後から不在です。
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この回答へのお礼

格の用法についての詳細な解説をありがたうございます。

ローマ三部作はトスカニーニのCDが1枚あるだけで、ながらく聴いてゐませんでした。オーケストラだけといふよりも、歌劇や戯曲でも使つてほしいやうな曲です。

お礼日時:2016/01/19 20:31

先ほど、ドイツの文法書を見て書いたことが、日本の文法書にも書いてありました。

もちろん初級ではなく、中級の文法書です。

2格は所有を表して「…の」と訳す、とばかり思い込むのは早計であり、誤りでもある。名詞の2格はともかくとして、人称代名詞の2格は、名詞の前に付けて所有の意味を表すことはできない。
(「中級ドイツ語の研究」信岡資生+藤井啓行著 朝日出版社 24ページ)

2格(属格)の機能のいくつかの例。

起源の2格
Die Kinder dieser Frau この夫人の(生んだ)子供たち

性質の2格
ein Mann mittelerer Größe 中背の男

材料の2格
Der Ring echten Goldes 純金の指輪

動詞の目的語としての2格
Diese Behauptung entbehrt jeder Grundlage. この主張には全然根拠がない。

副詞の2格
eines Tages ある日


3格の奪格としての例。
Der Flüchtling konnte seinen Verfolgern entkommen. 脱走者は追手から逃れることができた。

関係の3格(…にとっては)
Das Auto ist mir zu teuer. この車は私には高すぎる。
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この回答へのお礼

追加回答をありがたうございます。ある程度なじみのある単語で説明してくださるのは助かります。辞書を引くだけでも大変です。(と言ひながら、引いてゐません。訳文を信用します。)

日本語の助詞と対比させるのは、私の外国語の学習がその程度のものだといふことです。どの言語もそれでやつてきました。食ひちがひがたくさんあるのは当然です。2格の副詞や、3格の奪格的使用はおもしろい例ですね。

お礼日時:2016/01/19 11:25

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