こんにちは。
最近になってですが、ドーキンスの『利己的な遺伝子』を読みいたく感銘を受けました。「おお!これこそ真に生命の起源と人間の行動の全てを説明し得る根源的理論なのではないか?!!」と素人らしい慎重さを欠いた勢いで思うようになりました。
しかし同時に「反対意見こそ大事」というミルの箴言を思い出し、今ワンステップだけ身を引いたところです。
ID論とかそういう筋違いな反論ではなく、ドーキンスの理論を内在的に批判論駁するような理論や実験結果にはどのようなものがありますか?
素人のわたしとしては、「天文学的に無数な偶然の試行を以てしてすらたったの数十億年のあいだに人間のような高等生物ができあがるものなのか、時間が短くはないだろうか」と疑問でもあります。生物学的な反論だけでなく、確率論とか統計学的な反論などもあったら面白いですね。
ドーキンスを論駁するのにどのような意見がいま存在するのか、どういう議論が存在するのか、お詳しい方ご教示願えませんか?!
専門性の高いものでしたら、私自ら手にとって読んでみようと思います、専門的で素人にはわからないなら、概略だけでも説明頂けると幸いです。
お願いします!!
A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
>天文学的に無数な偶然の試行を以てしてすらたったの数十億年のあいだに人間のような高等生物ができあがるものなのか、時間が短くはないだろうか
情報理論の大家であるグレゴリー・チャイティンが、まさに、このような視点から本を書いています。(実際には、講演集です)
http://www.amazon.co.jp/dp/4152094478
短いですし、数式もほとんどないので、さっと読むにはよいです。
No.3
- 回答日時:
向学心あふれるご質問で、なんかこちらもうれしくなりました。
私は(数十年前)大学のときにドーキンスの本と出会い、しびれるほど感動した記憶があります。
昔からいだいていたさまざまな疑問が解けたからですが、一番は「自分がなぜ今ここにいるのか」の答えでした。
私事ですみません。
基本的には、ダーウィンの進化論を発展させたもので、推論の方向としては圧倒的な支持を得ています。
ですので、ドーキンスの説を根底から否定する人は、それこそレアな異端学者や創造論者くらいしかいないので、探す価値もないように思います。
部分的な異論はありますが、ドーキンスが自著の中で逐一反論し返し、異論元の学者や原典が巻末に示されたりしているので、ドーキンスの本からそれを探すのが早いかと。
ところで、利己的遺伝子の話は、大学の時によく友人に説明したんですが、「遺伝子が人間を操作して? はあ?」という感じで誤解するのが大多数でしたね。
そのたびに、別に遺伝子が意思を持っているわけじゃなくて、我々の遺伝的性質は人間の意思とは無関係に遺伝子が自己複製をつくる確率に左右されるので、「利己的遺伝子」という比喩表現を使ってるウンヌン・・など補足説明を加える羽目になりました。
それでもけっきょく首をかしげられて、次第に説明しなくなりましたね。
一応国立大学だったんですが、興味がない人間はこんなもんか、と思ったものです。
No.2
- 回答日時:
専門的ではないです。
たんなる揚げ足取りです。"➀ 遺伝子の目的は、自分のコピーを遺伝子プール内に増やすことであり、遺伝子は他の個体を助けることによって、その個体の中にある自分のコピーを助けることが出来る" "② 通常の生物個体の行動に、オスがメスや子のために餌を運んだり、親が子を身を挺して守ったり、家や主君、国王や正義のために身を賭したりするのが見られるのは、その個体の行動が、集団として共有している遺伝子群の保護存続のためであるとみなせる"
遺伝子は何で無性生殖、自己分裂でのみ存続する生物群を繁栄させられなかったのでしょう。有性生殖したのでは、存続できても薄まってしまうばかりです。 有性生殖し、かつ突然変異で身代わりした、もはや後継コピー種とは言い難いものが、既存の自己種を淘汰廃絶種に追いやるのを許容するのは何故なんでしょう。 遺伝子の乗り物としては、有性生殖する生物は好ましくないような気がします。 また、進化が短期間で進む生物も、遺伝子の乗り物としては不適格だと思います。 想像もつかないゆっくりさかげんで生きている生物もいるみたいです。 https://www.miraikan.jst.go.jp/sp/deep_science/s …
利他とか、自己保存、利己という言葉を用いた方がアピール性は高いとしても、生物の変化を眺めるならば、環境的適合の優位さが、遺伝子や生物種の変貌や盛衰を、たまたま、生んだと考えた方が、納得性があるような気がします。 進化というのも、自分や自分の種、あるいは後継種が"より良い・進んでいる"というイメージを持ち込んでいるので"受け入れられ易い"ということはあるのだと思いますが、再考の余地がありそうです。 長く同じ生態と形態を維持していられる微生物や昆虫類などの方が、短期間に生態と形態を変化し継続性を失っている高等生物などより、種としても遺伝子としても完成度が高いとは言えないでしょうか。
メカニズムが複雑で、構造や機能を簡単には説明出来ず、変調を来した場合には、もう修復や修理などが困難になっているスマホ、PC、各種電子器機は、種としての寿命も短いです。 10年前の類似製品は製造さえも困難です。 15年20年前の生産品は仮に完動でも、社会的に見れば経済価値も、使用価値も極く僅かしかないです。 これが進歩の成果であるとすると、生物の進化はどう考えればいいでしょう。 唯一現存するホモ・サピエンス・サピエンスは、50~5万年前に種として確定(?)したとして、新ホモ・サピエンス・サピエンスがもう出現(?)していて、2000年後にはホモ・サピエンス・サピエンスを駆逐しているかもしれません。 いや、世界の経済社会の状況変化、社会の拡大(グローバル化)、高度な知性が社会生活上重要になっているその変化の大きさと速度を考えると、1000年後には現状の地球人口の7割は駆逐排除されているかもしれません。
遺伝子や個体の行動を、利己利他で解釈し、あるいは社会環境への適合優位で説明しようとすること自体が、それを理解しようとする人の心の安定や納得をもたらすことにはならない、徹底して思考の究極を求めようとすることにはついて行けないヒトが大勢いる。死して、中途半端な説明でなにやら(心情的に)納得した気分になり軽く満足するヒトにとっては、いろんな学説の一般向け表現が向いているのではないかと思います。
目的論や損得・有利不利で説明するのを止めるということも大事でしょう。そう、私は思います。
すごーく、不遜な態度ですが、、、
でも、ドーキンスはとても魅力的です。また、グールド、ダイアモンドも面白いです。 大脳生理、生化学も面白いです。
No.1
- 回答日時:
ドーキンス先生の著書として私は「利己的な遺伝子」より「拡張された表現型」や「ブラインド・ウォッチメーカー」の方を奨めます、私は元研究者ですが、「利己的な遺伝子」は有名なだけだと思います。
他の二著は読むと背筋が寒くなります。「ブラインド・ウォッチメーカー」など聖書を読む如くです。「拡張された表現型」は宿主の進化さえも一方方向へ導く寄生虫の実例が重い。なお、反論はありません。進化論はDNA分析が主流となり、統計学みたいになってしまいました。
私は最近ドーキンス先生の本を読んでいません。
私が挙げた二著は「利己的な遺伝子」と相次いで出ました、その後も幾つか良い本があるらしいのですが知りません。
理由があります、ドーキンス先生の「定常的進化論」なおこれは私が付けた名だから誰も知らない、に対して小惑星の度重なる衝突などで進化は不条理に歪められたと主張するスティーヴン・J・グールド先生が唱えた「断絶型進化論」「不条理な進化論」がありますが、グールド先生は既に亡くなって久しい。超有名でNHKが画像化した「ワンダフル ワールド」「八匹の子豚」その他莫大な短編が米国の雑誌に連載され日本でも文庫になっています、アマゾン様に訊いて下さい、欧米では名著を刷り続けるのに、日本では一刷でオシマイ。
獅子と狛犬、竜虎相撃つ様で素晴しかった日々は帰って来ない。
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鋭い指摘をありがとうございます。
失礼ながら、私と非常に近い感覚を持った方だと感じました。
私こそ全く専門家ではないのですが、重ねてあえて質問させていただきたいのですが。
理性(Reason)というのは人間的な理由(reason)を求めるものだと聞きました。だからただの偶然で無目的に残っただけのものに対し、有利だとか、自己保存という目的を持つこと、と言った性質を与えてやることでそれを理解することは、たとえそのことによって色々なものが削ぎ落とされたとしても、有用なことのように思います。
ところでこのとき、削ぎ落とされたものには何か重要なものがあるのでしょうか?
遺伝子はたまたま残っただけで目的など持たず、ましてや意志など持たず、有利不利などという性質も人間から見た相対的なものに過ぎないとさえ意識していれば、これ以上何か問題があるでしょうか?
いかがでしょうか?