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ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のカデンツァには、クライスラー作やヨアヒム作などがありますが、以前聴いてCDも持っているツェートマイヤー /ブリュッヘン /18世紀o.のカデンツァは、シュナイダーハン作です。

最近、YouTubeで観た「コパチンスカヤ /ヘレヴェッヘ /hr交響楽団」では、シュナイダーハンのカデンツァに似ていましたが、チェロ群やヴァイオリン(コンサートマスター)との掛け合いはシュナイダーハン作にはないので、コパチンスカヤの自作?かなと思いました。

また、ナチュラルトランペットとナチュラルホルンが使われていましたし、ティンパニもケトルドラム(古楽器)で、弦や木管はモダン楽器ですよね?

質問は、
・カデンツァは誰の作か?
・古楽器をモダンオーケストラで使うのは他に例があるか
です。


(※ 第一楽章のカデンツァは19:50位から始まります)

A 回答 (2件)

>カデンツァは誰の作か?



 ベートーヴェン自身は、ヴァイオリン協奏曲としてのカデンツァは残していないようですが、これを改作したピアノ協奏曲作品61aのカデンツァは残しているようです。(これをピアノ協奏曲として聞いたことはありませんが)

 このピアノ版のカデンツァを使ったのがシュナイダーハンのものです。下記のルジェロ・リッチもこれを使っています。ティンパニーが加わります。


 また、おそらくシュニトケ作と思われるのが、このクレーメルのものです。ファゴットからティンパニーから、いろいろ加わります。
https://www.youtube.com/watch?v=dm0ktYkxwes

 私の持っているCDでは、クリスチャン・テツラフがシュナーダーハンに近いですが、また違ったものになっています。加わっているのはティンパニーだけだと思います。

 添付のコパチンスカヤのものは、前半は、オーケストラの楽器のアレンジが違いますが、クレーメルのものに非常に似ています(クレーメルのファゴットやホルンがチェロになっている)。後半のコンサートマスターとの掛け合いは、どこにも見当たらないようです。
 まあ、「カデンツァ」なので、本来は演奏者のアドリブなのですから、「何でもあり」でよいのでしょう。ということで、コパチンスカヤの自作、あるいはいろいろなカデンツァの「いいとこどり」ということではないでしょうか。


>古楽器をモダンオーケストラで使うのは他に例があるか

 最近はよくありりようです。特に、現代のトランペットは音量が大きく鋭すぎ、古典派の作品には不向きと考える指揮者が増えたのか、モダン・オーケストラの中でもナチュラル・トランペットを使用するケースが結構多いようです。特に弦楽器を小編成にするような場合に。アーノンクールがモダンオーケストラを指揮するときや、パーヴォ・ヤルヴィ/ドイツ・カンマーフィルもそうしていました。多分、ノリントンなどもそうやっていたと思います。最近では、アマチュアオケでもそんな演奏をすることが多いようで、いくつか見かけたことがあります。
 バロック・ティンパニーも同様の意味合いで使われることが多くなっていると思います。
 いわゆる「ピリオド・アプローチ」とか、HIP(Historical Informed Performance)と呼ぶようです。
 ただし、ホルンまでナチュラルにするのは、おそらく演奏が難しいことから、そう多くはないようです。生ではほとんど見たことがありません。アーノンクールがチューリヒ劇場でウェーバー「魔弾の射手」を上演したDVDで、モダンオケの中でナチュラル・ホルンを吹いていました。
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございます。

私がアップした動画。のカデンツァは、ピアノ版のカデンツァと同じでした。私は誤解していました。
あれから「クレーメル/アーノンクール/ヨーロッパ室内管」で、シュニトケ版ではない一部ピアノパートがある版で聴きました。シュニトケ版はまだ聴いていないのですが、これから聴こうと思います。

古楽器のホルン・トランペットについての現状も教えていただき、大変参考になりました。現代では、オーケストラも「ハイブリッド化」に向かっているのでしょうか。
次々に新しいアプローチが生まれてきて、作品は益々輝いているように思いました。

以前、「インマゼール/アニマエテルナ」が演奏したドビュッシーの『海』やラヴェルの『マ・メール・ロワ』、ムソルグスキー(ラヴェル編)の『展覧会の絵』の音源を聴き、古楽器オーケストラの可能性に驚かされました。もちろん、フランス近代の曲を演奏するときは20世紀初頭の楽器らしいですが、モダンオケの響きと較べても遜色ないものでした。

革新的な人は次々に現れるものだと感心しましたし、またそのアプローチを受け入れるだけのベートーヴェンの曲はどんな解釈をされても不滅だと思いました。

お礼日時:2016/02/15 12:40

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲op.61のカデンツァは、基本はベートーヴェンが作曲したカデンツァをアレンジしていることが多いですね。


ヴァイオリン協奏曲op.61にはカデンツァはないのですが、自身がこの曲を編曲したピアノ協奏曲op.61というのが存在していて、
ピアノ協奏曲op.61の方にはカデンツァを作曲しているのです。
ピアノ協奏曲は5番までですが、完成しているものではop.61のピアノ版も番号なしであります。
このピアノ版カデンツァから、それぞれの演奏者・音楽家がアレンジを変えて演奏することが多いようです。
以前、クラリネットで演奏しているヴァイオリン協奏曲op.61もどこかで聴いたことがあるので、色々な人がこの曲にチャレンジしているのではないでしょうか。

確かに弦楽器はモダンですね…面白ですね。
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございます。
ピアノ版があるのを思い出しました。『ピアノ協奏曲 ニ長調Op.61a』ですね。早速、「ベレゾフスキー/ダウスゴー/スウェーデン室内管」と「バレンボイム/イギリス室内管」で聴いたところ、私がアップした動画のカデンツァはピアノ版と同じでした。
チェロパートとの構図が新鮮だったので、誤解していました。また、ピアノ版だと『ピアノ協奏曲 第四番』の雰囲気に近いなと思いました。

クラリネット版はマイケル・コリンズがドイチェ・グラモフォンからCDを出しているようです。こちらは、ネット上では音を確認できませんでしたが、昔、FM放送で聴いたような記憶がよみがえりました。

貴重な回答を頂き、大変参考になりました。

お礼日時:2016/02/15 12:18

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